ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ スパーク~前途多難な私の恋愛~ 感想

おすすめ度:62%
漏電度:100%
謎の男性たち度:100%
原題: 감전의 이해 (感電への理解) 全1話

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感電をきっかけに、彼氏に突然別れを告げられた31歳の女性の物語。2019年のヒューマン系ドラマ。

 あらすじ・キャスト

ナムヨン(チュ・ミンギュンさん)と恋人のウォンジェ(チャン・インソプさん)は交際7年目。
ある夜ナムヨンの部屋で一緒に一晩過ごした翌朝、2人は暑さで目を覚ます。ボイラーの故障を疑いウォンジェに確認してもらうが、その際に彼は感電してしまう。
気を失ったウォンジェが数分後目を覚ますと、突然ナムヨンに別れを告げて彼女の元を去ってしまう。
今まで一緒に過ごした7年を一瞬で終わらせた恋人の言動に、混乱するナムヨンだが…。

感想

何となくミニシアター系映画作品の雰囲気も感じさせるドラマで、個人的には想像よりずっと面白いと感じました。
30代の主人公の女性が、感電をきっかけとして、恋人からいきなり別れを切り出されます。そこから「ツイてない」モヤモヤとした日々を過ごし…という、ヒューマン系ドラマです。
大きくあまり展開がないと言えばそうですが、人物描写が割とユニークな設定を取っているため、どこか掴みどころがないストーリーに面白味を感じました。

私が視聴したU-Next版では、謎に全6話としてWEBドラマのように10分前後で分割されていましたが、本来は2019年『KBSドラマスペシャル』の中の1作品であり、全1話の短編ドラマです。
観ていて途中のカットがとても不自然に感じていたので、視聴後に調べて納得しました。作品の雰囲気を壊す分割は、止めて頂きたいなあ…と思った次第です。

ゆるいネタバレありの感想

チュ・ミンギュンさんインスタグラムより

31歳のコ・ナムヨン(チュ・ミンギュンさん)は、彼氏のキム・ウォンジェ(チャン・インソプさん)と付き合って7年。同じ会社に勤める2人は、周囲からも公認の仲です。
そんな2人でしたが、ある日の朝、ナムヨン宅で彼氏が感電。
数分間の失神から目覚めた彼は、彼女に「別れよう」と唐突に告げ、消えていきます。
呆然とするナムヨン、そりゃそうですよね。少し前までは抱き合って眠っていたんですから…。

おまけに既に会社には退職届を出してしまっています、このままだと職も失いそうなナムヨン。実は彼女は密かに小説家を目指していて、本腰を入れようと退職届を出したようです。

彼からの突然の別れに怒ったり、悩んだりするナムヨン。
理不尽な別れについて誰かにとても愚痴りたい、相談したいと、色々な人に会います。(なぜか全て男性)
謎にモテるナムヨンさん、相談相手(?)として会う男性たちと妙な雰囲気になっていきます。
この男性たちですが:
1人目は年下のバンドのギタリスト
とにかく愚痴を言いたいナムヨンさん。偶然連絡してきた、バンドマンと飲むことになります。
が、そんな年下の彼は、ナムヨンの話は一切聞くことはできず(色々な意味で)、何となく流れでホテルに行くことになります、
が、その場所でもボイラーの故障と思われるハプニング発生。ナムヨンがこれにより正気に戻り(?)、彼をホテルに残し、ひとり部屋を出ます。

2人目はナムヨンの先輩でもあり、小説家
ニヤニヤしている、魅力がイマイチよくわかんねえ男性です。過去にナムヨンと何かあったようですが…。
この先輩もナムヨンの小説のダメだしばかりで、彼女の愚痴は聞いてくれません。

3人目は自由恋愛主義の男性
2人目の先輩と話している途中にやってきた、先輩の知り合いの"いとこ”。
学校の先生だという彼、ナムヨンは意気投合します。
恋人との別れの愚痴をやっと話すことができ、彼も話を聞いてくれて、2人は非常に良いムードになります。別れの際に連絡先を交換しようとした矢先、彼女がいるとナムヨンに告げる男性。キレるナムヨンさん。

4人目は警察を装った犯罪者
数日前にナムヨンを助けてくれた警官。親切な人だと思いきや、ただの犯罪者でした。
就寝中のナムヨン宅に入り、泥棒以上のことをしようとする男…。
しかし、ナムヨンが寝ているうちに、この男はナムヨンには触れることなく、何と感電死。翌朝、目を覚ましたナムヨンが驚いたのは、言うまでもありません。

このように、彼と別れてから短期間でとんでもない目に次々に遭うナムヨンさん。
彼氏と対峙し問い詰めたりするものの、「感電した時、脳裏に浮かんだのは別の女性だった」と真顔で事実を言われてしまいます。
軽く2股を認める彼ですが、元々恋人として交際していた7年間…ナムヨン自身も過去に先輩と浮気をしたりしていたんですね…。色々あったんですね。

この感電・漏電ですが、メタファーというか、何となくダラダラ続いていた事から目を覚ますきっかけのような転換として使われている事象だなと感じました。
彼が悪い、自分が悪いというよりは、彼女の人生においての転換期だったのかな…と思います。

色々な感情が押し寄せてしまった彼女でしたが、携帯電話の修理に訪れたお店で大泣きてスッキリしたのか、彼女の再スタートがゆっくりと始まります。
まずは感電が相次いだ危険な家から引っ越し。
そして、仕事も結局辞めます。元恋人と元恋人の新しい彼女がいる職場は嫌かもしれません。賞に応募した小説は落選。特にドラマチックな事は起こらないようです。

ですが、最後のシーン。
引っ越しの小さなトラックに乗った時、彼女の元に小さな変化を呼び起こす電話が入ります。
彼女がふと希望を取り戻すような表情をするのが、大変良かったです。

全体的に大袈裟でコミカルなシーンもありながら、描写されるトーンが押さえてあったので、リアリティも感じさせられて良かったです。
主人公のナムヨンを演じられていたチュ・ミンギュンさん、派手さがないのですが(すみません)、惹きつける演技をされる方だなあと感じました。
また良い意味で”普通”な部分があり、このドラマの雰囲気に合っていました。とても良かったです。

ということで、このドラマも地味ではありましたが、凝った部分もちゃんとあって個人的には楽しめた作品でした。
このKBSドラマスペシャルの作品群ですが、制作陣や俳優さんの色々な個性が1話で詰まっていて、面白いなあと(全作品観ているわけではないですが)いつも思います。

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