おすすめ度：40％
野望度：100％
会長の服度：100％
原題：로얄로더 / The Impossible Heir (全12話)
異なる立場でありながら野望を抱く3人が財閥に挑戦する…2024年のリベンジドラマ。
あらすじ・キャスト
恵まれない家庭で育ったテオ（イ・ジェウクさん）は、密かに強い野心を持っていた。
テオが転校した高校には、イナ（イ・ジュニョンさん）が反抗的な態度で彼に応じるのだった。
実はイナは、巨大財閥会長の婚外子で、家族からは冷たい扱いを常にされていた。
2人は次第に意気投合し、財閥のトップに立つという計画を立て始める。
そんな時、2人の前にへウォン（ホン・スジュさん）が現れる。2人はへウォンが気になるのだが…。
感想
うーん、申し訳ないですが結構ヒドイと感じました。
すみませんが、この作品の感想についてはネガティブなものになります。
唯一ダントツの長所はテオ役のイ・ジェウクさんとイナ役のイ・ジュニョンさんの演技でしょうか。（他の脇役の方もとても良い演技をされていましたが、代表として主役のお2人が良かったです！）
頻繁に～年後！～年後！とやたらタイムスキップさせていることから、元々は全16話ぐらいの構成だったネタでは？と推測される壮大なリベンジストーリーが根幹にあります。ですが、なんせ話の組み立てがとにかく雑…。
俳優さんの熱演がもったいないと思えるぐらいのストーリー展開でした。（あくまでも個人的な感想です）
申し訳ないですが、私はそもそも序盤からキャラクターたちの心理状況と繋がりがよく理解できませんでした。動機の説明がぼんやりしているというか。
加えて、本当に申し訳ないですが、このドラマに主人公としてへウォンという女性キャラって必要でしたか…？
今作はどのキャラにも感情移入というか、何か思うことが無かったのですが、特にへウォンという人物が色々な意味で結構ヒドイなと思った次第です。（理由は後述します）
とにかく全員の行動心理やモチベーションがよくわからず、無理矢理つなぎ合わせた印象のあるドラマとなりました。
悲惨な家庭状況を過去に持つテオ。そして何不自由なく暮らしているものの、婚外子という理由から家族の愛を知らないイナ。
そんな2人が、まるで社会そのものにリベンジするように、財閥家に挑戦していきます。
スタート地点はブロマンス物のような雰囲気も漂いますが、そうではありません。
またスッキリするようなリベンジでもないので、何となく「・・・。」という気分にもなります。
残念なポイントもありましたしたが、イ・ジェウクさんとイ・ジュニョンさんの演技は
とても見ごたえがありますので、気になった方は是非チェックしてみてください。
ゆるいネタバレありの感想
刑務所に入ってもなお恐ろしい父親から逃げ出した、テオら。
母はお寺に入り、テオは1人暮らしすることに。
転入した高校では、好き勝手に行動するクラスメイトがいました。
彼の名前はイナ。財閥家の息子…。しかし婚外子という事情もあってか、このように"荒れて”いた様子。
2人は喧嘩しながらも、次第に仲が良くなっていくのでした。
というのもこの2人、密かに抱えていた「目標」が合致していたからです。
テオは持ち前の頭の良さを生かして、頂点を目指すという野望がありました。
一方のイナもまた、婚外子の立場だけで冷遇されえいたことに怒り、父でもある会長率いる財閥に一矢報いる気持ちを常に抱いていました。
特にテオはイナの財閥の血を利用してやろうとも考えていることもあり、協力することに。
テオの助けもあってイナはテオと共に難関大学に無事入学し、計画の第一歩を進めるのでした。
へウォン登場
大学生になった2人。テオは向かいの家にすむ女性が気になります。
彼女は実の母親とみられる女性から、何度もお金を無心されてトラブルにあっているようでした。
しかし彼女は強く耐えています、テオは何か共通点を感じたようでした。
その後、学内で会話を交わす2人。
以降、テオとへウォンそしてイナも含めて3人は急速に仲良くなっていきます。
そう、テオもイナもへウォンに強く惹かれ始めるのでした。
入社と敵対視
時は経過し、テオもイナの両者とも、テオの父でもある会長が率いる財閥で働いていました。
テオは持ち前の頭脳を活かしているようです。ですがイナの立場はあまり良くありません。
会長は息子でもあるイナの能力をまだ認めてはいません。
ここでテオは、イナのポジションを大きく引き上げるように図ります。これにより、イナは遂に「会長の息子」として世間的にも認知されるのでした。
テオはイナがあくまでも"主役”だと告げますが、どこかいびつで不穏な空気が2人の間に漂い始めます。
今までは、色々ありながらも「ペア」で行動していた2人。ですが次第にイナは自信を付ける一方、常に賢く立ち回り会長にも気に入られているテオに対して競争心が芽生えます。
更にこの2人の間にはへウォンという女性も存在。イナはカンオ財閥の人間として、へウォンと結婚すると決めます。これに複雑な表情を浮かべるテオ。
「2人で頂点を目指す」という計画はいつしか消えてしまったかのように、今は「どちらが頂点になるか」というゲームが始まったようです。
へウォンや会社での立場…イナは怒りと嫉妬をぶつけるように、テオの"大切なもの”を全て奪おうとするのでした。
気になった点
テオとイナの始まり
不幸な家庭から脱出し、ずば抜けた知能を活かして"社会”にリベンジする…!
そんな彼の生活に財閥家の息子イナが登場し、彼を"使って”ゲームを始めるテオ…。その考えもわかる気がします。
とはいえ、イナをずっと支えたところで最終的にその関係破綻しそうなのは明らかで、テオがイナを助ける！というスタート地点の強い絆に結びつくテオの動機や心の動きが、個人的にあまりしっくり来ませんでした。
イナにはメリットが大いにあるでしょうが、”賢い”テオがその計画にずっと乗っているのが、どうも…。
終盤テオがイナの裏切りに全く気づかないのも、非常に違和感を覚えました。
三角関係
実母と常に金銭関係でもめているへウォン。
そんな彼女にシンパシーを持ったのか、テオはへウォンが気になってたまらない様子。イナも同じ時期に彼女を好きになるのです。
ですが…。すみません、一体2人がどこで彼女をそこまで好きになったのか本当に読み取れませんでした。
へウォンはいつもクールで感情を表に出さない、というキャラ設定もありましたが…。
へウォン
彼女もまた「のし上がる！！」という野望を秘めた女性でした。
ただ、非常に中途半端な描写だったと思います。
結局イナと（嫌々ながら）結婚するのですが、それもお金やコネを狙ってですよね。それ自体は全く悪くありません。
というか、元々テオとへウォンはイナを利用するという計画がありましたので、行動は忠実です。
個人的に理解不能なのが、へウォンがイナの気持ちを使って結婚したならば、その信念を付き通してとことん利用して欲しかったところ。
なのに浮気して自ら弱みを作るなど、一体何のために「のし上がった」のかよくわからない行動をするなど、視聴していて無言になりました。
彼女も野望があるなら、それに従って行動してほしかったです。結局恋愛に左右されるのかという、その適当さにガッカリしました。
また、散々どんな状況でも「クールな態度」を一切変えず、強者にも物怖じしないへウォンさん。しかし、母親がやって来ると途端に強く反抗できないという謎。
さっさとイナのお金を使って母親と縁を切るなど、どうとでもできたと思いますが、弱点としてずっと母親の関係を切らないところも意味不明でした。
クールな設定が強力すぎて、DVイナに暴力を受けた直後もクールなままなので、さすがに命の危機を感じながらそれはねーわ、と思いました。
申し訳ないですが、クール一本調子の演技と演出は今回度が過ぎていて、非常に不自然だと感じました。（個人の感想です）
テオは聖人か？
途中からイナが完全に悪者になってしまっていましたので、勧善懲悪的にテオがトップに！というストーリー展開はまあ理解できました。
ですが、テオは別にいい人ではないですよね？
個人的にいくらイナが悪人になってしまったからといって、へウォンに手を出してしまうのは間違いです。
それもこれも、恋愛要素を入れてしまったからなのではないでしょうか？
結論、へウォンがキャラとして存在したから、無駄な「わきの甘さ」が発生して、今作のダルい展開になっていたと思います。
実際、結局テオとへウォンの関係がどこにも向かっていないのが、そのせいだと思います。
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ということで、他にも言いたいことはありましたが…。
イナが結局、破綻と自爆に向かってしまったのは、物語としては予定調和的な結末でイナがちょっと可哀想になりました。
特にジュニョンさんの迫真の演技が光っていましたが…。
しつこいですが、へウォンを入れずもっと男性同士のビジネスと友情＆裏切りの心理戦でしたら、もっと魅力的な締まったドラマになっていたのではないでしょうか。
ということで、約束されたキャスティングの作品だと期待しましたが、渋い気持ちで視聴を続けたドラマでした。
あまりお勧めしませんが、興味のある方は視聴してみてください。
