ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ ハートビート (感想)

おすすめ度:38%
100年睡眠度:100%
トッポギ屋度:100%
原題:가슴이 뛴다 / Heartbeat (全16話)

韓国ドラマ ハートビート 感想レビュー考察あらすじ

心踊る恋を感じたい、100年の眠りを経てバンパイアがやっと人間に…?2023年のラブストーリー。

あらすじ・キャスト

バンパイアのウヒョル(オク・テギョンさん)の願い、それは人間になって恋の鼓動を感じたいということ。
ウヒョルは、人間となって再びかつての恋人に巡り合うため100年の長い眠りにつくことに…。
しかしある理由でウヒョルの眠る館を譲り受けたイネ(ウォン・ジアンさん)は、なんと棺を開けてしまう。
ウヒョルは目覚めるが、100年の眠りにほんの1日足らないことが発覚。彼は半分人間、半分バンパイアとして生きることになるが…。

感想

ちょっと色々と思うところがあったドラマでした。
視聴後の現在も私は便宜的(?)にこの作品をラブコメと呼びたいですが、もしかしたら制作側はラブコメと分類されたくはないのかもしれません。
ただ演出というか総合的なドラマの”パッケージ”としては、冒頭から100%ラブコメ路線でしたので、視聴者側の作品への気持ちと制作側の意図にそれなりの乖離があったと思います。
個人的には今作をほぼ最後までこのドラマを「ラブコメ」であると信じて疑わなかったので、最終話では完全に悪い意味で「・・・。」という状態でした。
少々ネタバレになりますが、このドラマの最後については観た方それぞれの”好き・嫌い”が別れるものになっています。
こういうエンディングがあって皆の解釈や考えが異なるからこそ、ドラマや映画などは面白い訳ですが、以下はあくまでも私の個人的な感想になりますので、どうかご了承下さい。

個人的には今作のエンディングは好きではありませんでした。正直なところ、少々イラっとしました。(すみません)
理由は上に少し述べたように、この作品があまりにもとにかく「ラブコメ」だったからです。
例えるなら明太子と白米を食べるぞ!というウキウキ気分の時に、何故か桜でんぶのご飯を食べるしかない時間…そんな感じです。
本当にそれしか選択肢がなかったの?と画面に向かって問いかけたいというか、全16話で時間が相当ありましたので、他にできることがあったのでは?と疑問を感じるというか…。
何となくラブストーリーとしてもメロドラマとしても、コメディとしても全てが中途半端というか…。
序盤は楽しく設定も活かされていて面白かったです。テギョンさんもキャラにハマっていて素敵でした。
しかしストーリーの展開が雑というか、後出しじゃんけん状態でのらりくらりのペースの中でのあの結末。
それはちょっとどうかなと感じた次第です。(個人的感想です、すみません)

ゆるいネタバレありの感想

韓ドラ ハートビート 感想あらすじ批評レビュー

バンパイアのウヒョルは恋人ヘソンを亡くしてしまいますが、彼女のことはひと時も忘れたことはありません。
不老不死のウヒョルは、何年経ってもヘソンの最後の言葉「私が会いに行く」を信じています。
次彼女に再会する際は、ウヒョルも人間となって「心臓がドキドキするような恋」を感じたいと願っています。そう、彼はとにかく人間になりたかったのです。
そんな時、コ先生こと化け猫先生に出会うウヒョル。なんとその猫先生から、人間になる方法を伝授してもらうことに。
なんでも100年の間サンザシの棺で眠ると人間になれるそう。ウヒョルは早速その計画を実践することに。
彼の住むそしてこの後眠ることになる館は、彼を知る人間であるチュ執事の子孫に受け継ぐことに。

一方、高校で臨時教員として働くイネ。
突然住んでいる場所から追い出され途方に暮れていた時、失踪して行方不明の父が残した謎の家の鍵を受取ります。とりあえず住む場所は確保できそうです。
鍵を受け取り、イネがやって来たのはウヒョルが眠るあの館。どうやらチュ執事の子孫がイネのようです。
早速家の中を確認するイネさん、しかし地下室にあった棺を開けてビックリ。なんと男性が出てきたのですから…。
ウヒョルは長い眠りから目覚めますが、目的だった人間になりきれていないことに気付き激怒。
壮大な100日の眠り計画に僅か1日足りなかったのです…!
こうして、半分人間・半分バンパイアのウヒョルとイネは同じ家で暮らすことになりそうです。

イネの血
家の権利問題もあって、いがみ合う2人。
そして誇りある(?)バンパイアであることを主張するウヒョルさん。イネはチュ執事の子孫なので、身元を明かすことに警戒することはない様子。
当然の如くバンパイアの存在を信じないイネでしたが、あるきっかけでウヒョルのパワーを目の当たりに。
驚くイネですが、ウヒョルにとっても驚くことが。
イネの血を偶然口にしてしまうのですが、なんと彼女の血からあの恋人ヘソンを感じてしまうのでした。
困惑するウヒョル、なぜならイネはヘソンとは似ても似つきません。
その謎を相談するウヒョルに猫先生は「イネの血は(今は)毒」「恋をさせて愛の血にしないと」と助言します。
イネの血を愛に満ちた血にして、その血を飲めばウヒョルは何と人間になるとのこと。理解不能ですが、とりあえずそういうルールのよう。
そのためウヒョルはイネに恋をさせようと目論みます。ちょうどその頃、イネの周囲に男性の影が。そう、ドシク先輩です!
ウヒョルはドシクにイネが恋に落ちれば、血が愛に満ちるのではと考えるのでした。

ハートビート 韓国ドラマ レビュー感想

気になった点
人間になるにはイネの愛に満ちた血が必要なウヒョル!
恋をしたことがないイネ!
密かに想いを寄せるイネの先輩ドシク!
ヘソンにそっくりの投資家ヘウォン!
謎のバンパイア、マニ!
以上申し分ないメンバー5名。そしてテギョンさん演じるバンパイアと、期待度UP。
これは4角関係待ったなし…と思いきや、何人数をほとんど活かしきれずラブストーリーとしては大して盛り上がりを見せるわけではありません。無念。
以下、個人的に気になる部分を書いていきます。(全てドラマのストーリーに関するもので、演じる俳優さん達への個人的なものではありません)
・心躍るような愛
当初反発していた2人ですが、次第にお互いが気になり始め…と、ラブコメお馴染みの流れ。
愛情を知らなかったイネが自分が恋をしていると気付き、気持ちを伝えます。
しかしその後2人が「心躍るような恋愛」をしているようには、それほど感じられませんでした。
理由としては、彼らはゲストハウスの準備やウヒョルの体調などでそれぞれ忙しく、正直なところ険悪期の序盤の2人のほうが恋愛のドキドキ期を楽しんでいたようにも思えました。
もう少し2人の楽しい時間の描写があっても良かったのでは?
また、イネのキャラ変というか、彼女は今まで一人で生きて来て強い女性だったはず。ウヒョルへの恋を認識してからは彼がいないと不安になりまくり、やたら弱々しくなってしまったのも、理由は理解できはしますがちょっと違和感を覚えました。
・猫先生
この先生については、本当に都合が良すぎました。
アレコレ訳知り顔で出現してはウヒョルにアドバイスするのですが、「全部最初に言ってよ!?」とキレそうになりました。全ての元凶は猫先生(断言)。
・バンパイアへの認識
近所の方々含め皆さんがバンパイアが住んでいるだと?的に大して疑問を呈さずに彼らの存在をあるものとして認識していて驚きました。そういう設定なのでしょうがないのかもしれませんが…。
常識的には彼らは存在しない訳で、イネさんは普通に否定してウヒョルを守っても何らおかしくないと思います。
・悪者マニ
演じるペク・ソフさんは悪くないのですが、そもそも最終的に彼は何がしたかったのかわかりませんでした。
非情なバンパイアとして描かれていましたが、隙がありすぎたせいなのか一瞬で消えてしまい、観てていて完全に無言になりました。
・イネの父親
かなりの長期に渡って捕まっていたイネ父、速攻で娘を認識し元気に戻ってきたので驚きました。
マニが人間ではないとしても、彼は人間界で生活して罪を犯していますので、まずは彼を通報するのが先ではないでしょうか?
誰もその部分を突っ込まず、父が戻って来た、感動!という流れになるのがよくわかりませんでした。
・エンディングの是非
イネの血がないと死んでしまうウヒョル。ウヒョルに血を与えると死んでしまうイネ。そして、病を治すにはウヒョルの血が必要なドシク。
この命&愛情に絡まったバミューダトライアングルの3人が、難しい局面に差し掛かる終盤。
もちろん恋愛関係のイネとウヒョルは、互いの命を相手に差し出そうという考えもあります。
これをどのように”解決”するのか?脚本の見せ所だなと思いました。
そもそも今作は、思いっきりファンタジードラマでもあります。
つまり、今作では”どんな手法を使っても”設定上それ程問題ないと思われましたが、何とここに来て最も現実的な選択を取られていて、なかなか驚いてしまいました。
もちろんストーリーとしてはアリですが、ここまでラブコメの雰囲気を引っ張りながらのこの選択…というか…。
そこは(脚本的に)どうにかして人間として戻って来てよ…と思いつつ、あんなところから見守り隊をされていては、この先イネはもう誰も愛することが別の意味でも不可能では…と困惑した次第です。
あのウヒョルの”存在”の解釈ですが、個人的には2つの可能性(というか2つに渡って)があるかなと感じました。
1)イネの心に永遠に生き続けるウヒョル
2)実際ゴースト状態でイネを永遠に見守り続けるウヒョル
いずれにしても、彼らの側にウヒョルは存在するのでしょう…。
とはいえ全16話で時間は余るほどあったにも関わらず、「この方法でない」解決策をキャラたちは何ら見つけることなく、あっけなく終了。
完全にラブコメ的なハッピーエンドを期待していましたので、個人的にはスッキリとしないエンディングだと感じました。
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非常に良いスタートを切ったバンパイア・ラブストーリーでしたが、後半は同じような展開が続いた印象です。
せっかくのゲストハウス設定も知る限りお客は殆どおらず、だったらイネとウヒョルの鼓動が伝わるようなドキドキシーンを観たかったなと思ってしまいました。
もしくは途中から心の準備(?)のためにも、シリアス路線の匂わせが欲しかったです。
ということで、申し訳ないですが個人的には全体的に非常に中途半端なドラマで、かなり渋い気持ちで視聴を終えました。

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