ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ アイドル IDOL : The Coup (感想)

おすすめ度:41%
落ち目のアイドル度:100%
寮生活度:100%
原題:아이돌: 더 쿠데타 / Idol: The Coup (全12話)

アイドル Idol:The Coup 韓国ドラマ 感想評価レビュー

落ち目のアイドルグループが再起をかけて立ち上がる…!2021年のヒューマン系ドラマ。

あらすじ・キャスト

女性5人組のアイドルグループ、コットン・キャンディ。成功したデビューだったものの、今や落ちぶれた存在に。
リーダーのジェナ(アン・ヒヨンさん)はグループ再起の可能性を信じて、所属事務所の代表(クァク・シヤンさん)に掛け合う。
一方人気ボーイズグループのリーダー、ジハン(キム・ミンギュさん)はそんなジェナの姿を目にするのだったが…。

感想

当初の想像とは全く違った雰囲気のドラマでしたが、それなりに楽しく視聴しました。
とはいえ、硬めでシリアスな構成とするならば、あまりにもワンパターンなネタが続くドラマだったなという印象です。
華やかなK-POPの世界を舞台に、落ちぶれてしまった女性アイドルグループが主人公の物語です。
理不尽で厳しい現実にぶつかりながら、彼女たちが再起をかけて事務所と世間に”殴り込み”をかけるストーリー。
少々ネタバレになってしまうかもしれませんが、序盤からある程度のラブストーリーの線を期待させられるものの、妙に硬派な態度を作品自身に突き通し続けられてしまいます。
結果、今作はLOVE要素完全にゼロでフィニッシュしておりますので、ラブコメ系のお話を少しでも期待されますと割とガッカリされるかなと思います。
そういう意味では、色々な観点でアイドルとしての清純さや完璧なファンタジーさを描いていたのかもしれません。
ただ個人的には落ち目のアイドルの再起をかける物語なので、5人のメンバーやグループ全体に数々のトラブルが降りかかるワケですが、その中に恋愛問題が当然あっても良かったのではないのかと思いはしましたが…。
ちなみに私は、完全にラブストーリーありの奮闘ストーリーになるに違いない!と1話の時点で勝手に考えていて、最終回までその僅かな望みを何故か捨てきれなかったので、最後の最後に来て萎えました。

とはいえ根本的にこの作品は、脚本としてもアイドルである彼女たちの感情の揺れやの傷ついた心のような、内面の深い部分をフォーカスしたかったのは明確でした。
ただ素人にも関わらず大変失礼ながら一個人の感想を述べますと、そのような繊細な感情を表現するシーンの重みや深みが視聴していて残念ながらほとんど伝わって来ず、またエピソードとしても毎回同じような条件下で似たトラブルが発生しているため、中盤からの既視感がとにかくすごい。(すみません…)
5人の主要メンバーも(しょうがないですが)キャラ固定のためか、毎回同じ立ち位置と行動しかしませんので、結果ワンパターンさを感じた次第です。

序盤は割と凝ったカメラと良いスピード感を保ったドラマだったと思いますが、中盤以降そのような理由で私は集中力を途中で失うことも多く、中だるみを頻繁に感じた作品でした。
ただ、話のラストをどう描くのかが気になったのと、上に書きましたが0.01%のラブを意地になってしつこく待っていたのが功を奏したのか、最後まで気になって視聴をしました。
あまりおすすめの作品ではありませんが、K-POPという興味深い業界やごく一部しか成功しないその厳しい世界を垣間見れ、ドラマのネタになりうるのはやはり面白いと思います。
また、出演者の方たちがK-POPに関係ある方というのもあって、実際にダンスをしたり歌ったりというシーンは流石に説得力が強くあって、非常に良かったです。
興味のある方はぜひチェックして頂ければと思います。

ゆるいネタバレありの感想

IDOL:THE COUP アイドル:ザ・クーデター 韓ドラ 感想考察レビュー

コットンキャンディは5人組の女性アイドルグループ。2016年にデビューした彼女たちは、今や大きな芸能事務所となったスターピースの第1期生。
とはいえ、コットンキャンディの現在は仕事はほぼありません。
マンドル(=落ちぶれたアイドル)と自虐するほどで、周囲からもその存在を忘れられた状態です。
世間と事務所からの冷遇、メンバーたちのバラバラになった気持ち…。リーダーのジェナは、そんな状況から脱するためにどんな小さな仕事でも受けるのでした。

限界のメンバー
会社の寮で4人は共に暮らし(1名は自宅から)ながらも、グループへの考え方の違いでギクシャクし始めるメンバーたち。
事務所からの契約期間も迫り状況が悪化する中でも、ジェナは曲を作り再びカムバックできるよう代表に掛け合います。
どんな小さなチャンスでも逃さず掴もうとするジェナの態度に、媚を売っているとイラつき始める者も出始めます。「真面目な無能者」とジェナを責めるメンバーたち。
コットンキャンディはグループ存続に限界が来ていたのでした。
このように、基本的には”常に限界”状態のコットンキャンディなので、ジェナvsメンバーの誰かの形で言い争いや問題勃発でしばらく進みます。
特にメンバーのヒョンジさんがとにかく派手にキレやすいキャラ設定にガッチリ固定されているため、四六時中怒鳴ったりしている姿を見るのは、正直なところ視聴していて「またか」感がありウンザリました。(すみません、演じているアン・ソルビンさんご本人への文句ではもちろんありません)
個人的な印象ですが、このドラマについては、全体的にあまりにも役の性格設定が一面的に決まりすぎている部分が強く、そこにキャラの深みを感じさせず残念な点だったかなと思います。

三角関係への匂わせ
事務所との契約解消問題がぶち上がり、新しい事務所代表からたった3日で記者から注目されるようにという、強引でよくわからない条件を突きつけられるコットンキャンディ。
そんな時ジェナの元に同じ事務所で売れっ子の男性グループ、マーズのジハンから「自分と熱愛報道を出そう」という、素晴らしい助け舟が。ジハンさんにとってはダメージとしかならない案ですが、一体どうして…?
記者がいる場所でわざと”密会”を装って会う計画をしていたジハンとジェナですが、なんとジェナはここで因縁の代表ジェヒョクと恋愛関係を持っているように行動してしまいます。
彼女の態度に驚くジハンですが、彼の中では別の気持ちが燃え上がっていたようです。ジハンと代表ジェヒョクには、過去に苦い関係があったのでした。
と、このようにコットンキャンディのジェナに幾度となく救いの手を差し出すアイドル・ジハン。そしてコットンキャンディを冷遇する事務所代表ジェヒョク。加えてジハンと仲の悪いジェヒョク…。
正直、この3人の関係に個人的に結構興味があったのですが…(無言)

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5人の中でジェナ以外にキャラが強く描かれていた3名の個人的な問題や、事務所との対立、作曲盗作問題など、浮き出て来ては都合の良い解決の方法で次第に人気が何故か上がってくるコットンキャンディ。
彼らの「歌番組で1位になったら解散する」という、決意表明はどうなったのか?そこはドラマをぜひ観て頂ければと思います。
着地の仕方は作風として文句は一切ありませんでしたが、とはいえ最後のコットンキャンディのステージぐらいは描き切って欲しかったなあと思いはしました…。
ヒョンジさんと祖母のダメ押しのようなエピソードは、その点で蛇足だったかなと思いました。
ということで、とても興味深い題材だったのですが、思った以上にシリアス路線に舵を大きく切った作品のためか軽さや楽しさもあまりなく、その反面じっくり考えさせるような構成でもなく…という、少々どこを目指したのか分かりにくい中途半端なドラマのような気がして視聴を終えた次第です。(個人の感想です)

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