ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 聖なるアイドル (感想)

おすすめ度:79%
異教徒度:100%
救ってくれ From Pain度:100%
原題:성스러운 아이돌 / The Heavenly Idol (全12話)

韓国ドラマ 聖なるアイドル 感想レビュー批評

異世界の大神官が現代のアイドルに?2023年のファンタジー系ラブコメ

あらすじ・キャスト

大神官ランブラリー(キム・ミンギュさん)は対立する魔王(イ・ジャンウさん)と戦い、意識を失う。
目を覚ましたランブラリーは現代の韓国で、無名アイドルのヨヌとして転生していたのだった。
ランブラリーはカルチャーショックを受けるものの、マネージャーになったダル(コ・ホギョルさん)やメンバーと共に魔王と現世界でも戦うことになるが…。

感想

面白かったです!!
100%良い意味で馬鹿らしく、それを全力でドラマにされていて素晴らしかったです。
実際この手のネタ的なドラマはなかなか制作されないので、普通に大感謝で視聴しました。
主演のキム・ミンギュさんの、リアル感が強めの”ピュアなおとぼけ具合”がとにかく完璧!
自然にランブラリーになっていて(?)、そこが作品に素晴らしく効いていて、セリフが無くても毎回ちょっとした困惑する表情とストーリーのギャップでついつい笑ってしまいました。
各キャラも全員微妙にどこかズレていて、セリフも字幕でも普通に笑えてしまいました。
根本的に陽気な作品で観ていてストレスがなく純粋に楽しくて良かったです。

第1話目から「あっ、これは・・・」と全てを察することができる勢いがあり、そのまま期待を裏切ることなくで全12話ぶっちぎりで進んで行きます。
ブレずに一貫したスタイルを持っているこのタイプのドラマは、やっぱり作品の良し悪し関係なく強いですし、好感度が個人的に特大。
異世界でレドリン様という神に仕える120歳の大神官ランブラリーさんが、なぜか無名のアイドルグループのヨヌとして転生し色々頑張っちゃう!という、シンプルでわかりやすいお話です。
転生に関する細かいロジックなどはとにかくよくわかりませんが、注目点はヨヌことランブラリーさんの他者とのやりとり。
なかなか細かくクスっとする場面が思った以上に豊富で平和で良かったです。
強引に描きたいところを魅力的に出してあるので、転生の仕組みなどは視聴中も全く気にならないのは上手いと思いました。
個人的には死神カムジェ(パク・サンナムさん)とヨヌとのやりとりは、いつもどこか話が噛み合っておらず面白かった。

作品ポスターからも判別できる通り、クセもそれなりにある作品なので好き嫌い別れるかもしれませんが、私は非常に楽しんで視聴しました。
原作はご想像の通り、WEB小説と漫画です。(私は未読です)

ゆるいネタバレありの感想

キム・ミンギュさんインスタグラムより

異世界の大神官ランブラリー様。神聖力を持ち、人々の病を力で治癒する聖人です。
しかし大神官と敵対する魔王と戦っていた、その時。
何故かランブラリーは、現代の韓国へタイムスリップ…。
それも”一般人”ではなく、無名アイドル「ワイルドアニマル」のヨヌとして、転生していたのでした。
しかもその日は、何とワイルドアニマル約1年半ぶりの”カムバ”後の初の歌番組とう重要なタイミング。
無名アイドルとしては、何としても成功させなければならないステージの日なのでした。
しかし、ヨヌことランブラリーさんはアイドルのアの字もわからない様子。まさに混乱。
そもそも振付も知りませんし、お腹がチラ見せレベルでない状態のアイドル特有のサービス衣装も気になりすぎる様子のランブラリーさんは、重要なステージでとんでもねえ失態を晒してしまうのでした。
放送事故で周囲は唖然。昨日はカムバ、今日は解散危機。
そんな時でも「無名アイドルとは何だ?」と空気を読まず周囲を煽るヨヌの言動は謎に包まれ、まさに全てがお通夜状態のワイルドアニマルなのでした。

強火ヲタのダル
過去が原因で心に傷を負った女性ダル、29歳。そんな彼女はワイルドアニマル、特にヨヌのファンです。
彼らの発売されたばかりのニューアルバム”GET WILD”もダルさんの部屋のシーンを観る限り50枚以上は積んでいるようです。
加えて、彼らのマスターとして望遠レンズを持ってカムバのステージも番組収録現場に出向いていましたので、かなりのファン。
しかし、大切な新曲披露のヨヌの失態に驚きます。ダルは「これはいつものヨヌではない!」と何かに気付いてしまったよう。ダルはヨヌが心の病を患ったのではと考えます。
彼女は過去に女性アイドルのマネージャーをしていた経験を使って、何度ワイルドアニマルが所属する事務所LLLエンタで彼らのマネージャーとして職を得るという禁じ手を繰り出すのでした。
ヨヌをこの状況から救わなければ、との想いでいっぱいだったのでした。

韓ドラ 聖なるアイドル レビュー考察感想

ランブラリーの使命
わずかに残った神聖力を甘い物で回復し、ついに異世界にいる本物の(?)ヨヌと交信するランブラリーさん。しかし当のヨヌは現代に戻ることをあっさりと拒否。
ワイルドアニマルのメンバー全員5人で住む狭い部屋、サラダとチキンしかない食事、厳しい練習…それに比べると異世界はまさに異世界異世界に転生したヨヌにとっては居心地のよい場所のようです。
しかし、ランブラリーは説得の末「アイドルとして受賞したらお互いが戻る」という契約を交わすのでした。
とはいえ、自分を応援してくれない人を「異教徒か?」と疑うなど、そもそもアイドルに必須のスキルを何も得ていないランブラリーさんにとっては、この契約達成にはかなり厳しい道のりが続くことが予想されます。

死神と大神官
神聖力を使って、現代の人々の病気をきっかけがあれば治すランブラリーに、閻魔大王は”人の寿命を乱している”と激怒します。そこで派遣されたのが、死神のカムジェ。
彼はたまに出てきてはヨヌことランブラリーと行動し、時に彼を助けたり単に傍観したりと、毎回この死神の目的は何だったのかと思ってしまうぐらいマイペースに行動。
ランブラリーのズレた会話に更にズレた内容で返す高度なテクを駆使し、彼ら2人のシーンは毎回どこか変で良かったです。個人的にはこの2人のシーンが最も好きでした。

ヨヌとダルの恋
元々ヨヌのファンだったダル。中身が彼とは別人で120歳のランブラリー爺である!と納得しても、顔が好きだったヨヌ。そう簡単に脳は納得してくれません。しょうがないですよね。
加えてランブラリーさんもさすが大神官だけあってか、とても慈悲に包まれている、ダルにもいつも優しいお方。もちろん次第にやっぱり好きになってしまいます。
とはいえ、ランブラリー様は純潔主義者で大神官。ダルの気持ちを受け入れることはできません。
しかし、そんな彼もまた、ダルを愛おしく思うのでした。ただ、大神官は再び異世界に戻る”必要”のある身。ランブラリーは神に仕えて、民衆を守り、神聖力で人々を治癒する使命があるのです。
この2人の関係はどうなってしまうのか…。

ネタ満載の最終回
個人的な印象ですが、ちょっとvs魔王エピソードが長く引っ張りすぎた気もしましたが、最終回では困惑ししつつも全て終結します。
ネタバレになりますが、ランブラリーが信じていた異世界の神レドリンの正体が明らかにされます。
民衆そして大神官、みんなを騙してきた極悪人のワカメであるレドリン…。ランブラリーさんがただただ可哀想すぎました。
更に、ヨヌの正体(?)も追加で明かされ「そう来るとは思わなかった…」と最後までそのネタ精神を貫いた姿勢は良かったなと思います。

--
ということで、最初から最後までギャグっぽく面白かったなと思いました。
個人的にはワイルドアニマルの中のでのボケたランブラリーさんが好きだったので、異世界の話はもうどうでもいいよと思いつつ…。(すみません)
とはいえ、群雄割拠のある意味殺伐としたドラマ界において『救ってくれ from pain...』という歌詞の通り(?)、己のスタイルを貫き通して我々を強引に救ってくれたようなこの作品が大変好きでした。
ネタ色が強いですが、私はとても楽しんで試聴しました。

こちらもおすすめ: