ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 100日の郎君様 (感想)

おすすめ度:85%
村での生活度:100%
ォホッホ~ゥ度:100%
原題:백일의 낭군님 / 100 Days My Prince (全16話)

100日の郎君様 韓ドラ 感想レビュー考察批評

記憶喪失の夫は実は世子だった?2018年放送のラブコメ時代劇。

あらすじ・キャスト

世子ユル(ド・ギョンスさん / EXO)は過去の事件から心を閉ざし宮廷で生きていた。
自分の身に危険が及んでいることを感じていたユルだったが、ついに暗殺者に狙われ瀕死で記憶喪失となる。
そんな大けがを負って記憶がないユルを助けた村人が、自分の娘ホンシム(ナム・ジヒョンさん)と結婚させることを咄嗟に思いつく。
世間では宮廷から独身者は直ちに結婚するよう命令が出ていたためだった…。

感想

大変面白かったドラマでしたが、ちょっと痒い所に手が届かないといいますか、今一歩ストーリーに充足感が足りない気もしました。
私は勝手に重めの時代劇なのかとタイトルだけで判断し数年も放置して未視聴でしたが、ふと気が向いて観始めると非常に観やすいドラマで一気に視聴が進みました。純粋に観ていて楽しかったですし、もっと早く観ればと思いました。
まずこの作品の素晴らしかった点として、キャスティングだと思います。
主人公の世子を演じるド・ギョンスさんですが、役柄にとても合致していてブレずによかった!
個人的にギョンスさんは瞳が大変魅力的な方だと思うのですが、今作でもその眼力を活かした演技をされておられました。
冷酷さ、生意気さ、聡明さ、可愛らしさなど色々な部分がギョンスさんの表情から垣間見れ、中盤頃までには自動的に”I LOVE 世子”状態に気付けばなっていましたので、抗えない魅力とは恐ろしいなと思った次第です。
またひょんなことから世子の結婚相手となるホンシムを演じるナム・ジヒョンさんですが、とても嫌味の無い演技をされていて、とても感じが良い(というと、偉そうですし語弊があるかもしれませんが…すみません)なと思い、この作品の持つサッパリとした潔い部分はジヒョンさんの演技によるところが多いと感じました。良かったです。

一方、個人的にちょっと残念に思った点としてはストーリーでしょうか。
根本的には明快でわかりやすいですが、メインの世子とホンシム以外の人物のバックグラウンドがほとんど語られないのは、正直なところ欠点だと思います。
このドラマには主人公2人の他にも興味深いキャラがいて、彼らにも過去が当たり前ですがあります。
何なら彼らの過去の方が主役より複雑なのでは…と思わせられる部分が多かったものの、残念ながらセリフ数行で語られただけでまとめてしまったのは、ただただ本当に勿体ないと思いました。
ストーリーは比較的単純で割と既視感ある設定なのもあり、主人公以外のキャラのエピソードを加える余地は全16話の中に十分あったように感じましたので、その部分が個人的には満足度が低い部分となりました。

とはいえ、総合的にはとても楽しく観やすいドラマです。
特にラブコメがお好きの方でもし何らかの理由敬遠されている方がおられましたら、是非数話だけでもチェックして下さればと思います。(多分そのまま続けて観てしまうタイプのドラマです)

ゆるいネタバレありの感想

100日の郎君様 韓国ドラマ 感想批評レビュー

16年前の世子。まだ子供だった彼は両班の娘イソを好きになり、結婚を申し込むのでした。
しかし、そんな幼少期の恋は一気に悲劇に…。政変です。
世子とイソの目の前で、イソの父は謀反者とされ殺されてしまいます。イソは兄と共に必死に逃げるしかありませんでした。
以降、彼らはお互いの存在さえ知ることはありませんでした。世子はそれでもイソの生存を調べるものの、イソや彼女の兄は亡くなったとされているのでした。
世子は王となった自分の父が結果的にイソの父とそして母を殺したと知って以来、笑うこともせず常に孤立して気難しい世子として宮廷で暮らしていました。
世子は妻である世子嬪にも心を開こうとはせず、政略結婚となった2人の仲は当初から冷え切っていたのです。
というのも、世子はイソに対する初恋を決して忘れてはいなかったのです。

命を狙われる世子
父が王となったユル、しかし王の右腕である左議政チャオンが王の背後で力を持っているのは一目瞭然でした。チャオンこそが父を王に据えたのですから。
実際、ユルの妻もチャオンの娘であり、彼の勢力は絶大でした。そんな状況の中、世子嬪への嫌悪もユルにはあったのかもしれません。
そんなある日、感が鋭すぎる世子は世子嬪の妊娠を疑います。妊娠など起こるはずもない2人の関係の中で…。
ちょうどその頃、世子は自分の命を何者かが狙っていることに気付きます。一体誰が自分を殺そうとしているのか?
ユルは世子嬪の疑惑の妊娠こそが、この背景にあるのではないかと気付くのでした。

ホンシムとウォンドゥク
逃げたイソでしたが、結局兄とも生き別れてしまいます。今は小さな村で養父と共にホンシムと名前を変えて平和に暮らしています。
そんなある日、暗殺者に追われ傷を負った世子ユルは、ホンシムの養父に助けてもらういます。ですが世子は一切の記憶を失っていたのです。
ちょうどその頃、未婚者への結婚を命じられていたのでした。未婚のホンシムが罰せられるのを恐れた養父は、この記憶喪失の青年をホンシムの”婚約者”ウォンドゥクだとすることに。
不服そうなウォンドゥクですが、記憶を失い住む場所もないため、”とりあえず”了承。
またホンシムの方も、結婚せずに罰を受けたり、年配者の妾になるぐらいなら…と”とりあえず”承諾するのでした。
こうして2人はお互いを良く知らないまま、結婚生活をスタートさせます。

2人の結婚生活
記憶を失っているウォンドゥクこと世子さんですが、元々の王宮にいた頃と彼の性質は変わりません。
やたら自信満々で「ォホッホ~ゥ」と相手を咎めるその偉そうな態度と、高貴な金銭感覚に周囲は困惑。
村での生活に必要なスキルを何ら持たない夫にホンシムも、「コイツは何もできない…」と呆れ怒りがわき上がります。とはいえ、無視できない”何か”を持つウォンドゥクさん。さすが天性の魅力。
お互いの印象は最悪でしたが、次第にウォンドゥクが引き起こすトラブルをホンシムが解決する度、何故か2人の心理的な距離はどんどん縮まっていくのでした。
とはいえ2人は実は幼少期に結婚を約束したお互いの想い人…。
きっと数々のミラクルが起こる予感…と、ここから2人のお約束のラブストーリーが始まります!

100日の郎君様 韓国ドラマ 感想批評レビュー

ウォンドゥクから世子へ
ギスギスしていた2人の仲がゆっくりと進展し始めた頃、宮廷では亡くなったはずの世子が実は生きているのではという不穏な噂が広まります。
策士であるチャオンが次の一手を考えないはずはありません。何度も命を狙われる世子アゲイン…と思いきや、何とここで再び宮廷に連れ戻されてしまいます。記憶喪失を逆手にとって、チャオンが世子を操ろうとしていたのでした。
世子としての記憶を失っていたものの、ウォンドゥク時代は忘れていない世子。ようやく幸せの第一歩に近づこうとしていた時に、離れ離れになったホンシムのことが気がかりでなりません。
ホンシムも真実を知らされ、更に世子嬪もいる身だと知り大ショックを受けてしまいます。
ウォンドゥクのことは忘れなければならない…これはどうすることもできないことでした。

描写不足で気になった点
・ムヨンと世子嬪の関係
この2人の関係の描写に関しては、圧倒的に不足を感じました。
世子嬪がムヨンの子を妊娠している!という大スキャンダル。加えて全ての事件の背景になる重大な部分ですので、もう少し突っ込んで描いても良さそうな気がしましたが…。
一体2人はどのように逢瀬を重ねていたのか?ムヨンを想いながら世子と結婚せねばならなかった世子嬪の気持ちは?など、策士爺よりこの2人について私は知りたくてたまりませんでした。
演じるハン・ソヒさんとキム・ジェヨンさんは、お2人とも役柄に大変ハマっていただけに、かなり勿体ないと残念に思えました。

・ホンシム頑固
世子と離れ離れになったホンシム。彼を諦めなければならないという、気持ちは理解できます。
が、正直なところ「どうせ2人は…」というゴールが見えているだけに、延長線を見据えるように頑なに世子の気持ちを拒むのはやめていただきたいと、視聴していて思いました。

・ムヨンさんどうして…?
父を殺した憎き敵に仕えていたムヨン。理由は3行ぐらいの台詞で語られるものの、殆ど納得できませんでした。
かれこれ10年ぐらい爺の元で暗殺者として活躍していたかと思いますが、余裕で逃げれたのではないでしょうか…。実際彼ぐらいのスキルがあれば、逆に命を狙われてもそれなりに対処できると思います。
ただ世子嬪との関係がいつから始まったかなど不明なので、そのあたりも関係するかもしれませんので、なおさら説得力を持たせて欲しかったです。

・ラストシーンの是非
最終回ですが、世子とホンシムはあの村で再びお互いの気持ちを認識します。
良かったね…と思いつつ、宮廷のシーンではないのか~とも思いました。
ですが2人はあの村で結婚しましたので、そこを繋げて帰結させたという良いエンディングでもあったなとも思いました。ただ2人の結婚に関しての色々な問題をどうクリアしたのか若干気になりました。

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ということで、色々ありつつも総合的にはストーリーもわかりやすく楽しいドラマでした。
時代劇ですが、ラブコメの線が割と強めで、出演者も皆さん魅力的で観やすい作品で良かったです。おすすめです。

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