おすすめ度：95％
仲間度：100％
定年まで度：100％
原題：형사록 시즌2 / Shadow Detective Season 2 (シーズン2，全8話)
テクロクは復職、再びあの事件を追うことに…。2023年公開の刑事ドラマのシーズン2。
あらすじ・キャスト
事件後に復帰したテクロク（イ・ソンミンさん）は強力班ではなく、馴染みのない女性青少年班への配属となる。
しかしその影にはチーム長のヨン・ジュヒョン（キム・シンロクさん）の思惑があることに気付くテクロク。
あの一連の事件は終結しておらず、それどころかより強く自分に迫って来ていることを感じるのだった…。
感想
見応えがあって面白かったです。
緊迫感と不穏さを上手く描いたシーズン1。今回この2では、テクロクの気迫と信念を感じられる、何かどっしりした重さが作品から伝わってきてとても良かったです！
また少し謎解きのような緊張感ある1の後、シーズン2では更に”ザ・ドラマ”としての様式美のような雰囲気が強くあり、盛り上がる後半としてより締まっていて観やすい構成になっていました。
ドラマの内容に不満はありませんでしたが、個人的にとにかく本当に残念だった点としては、シーズン1,2は分割せず全16話として出して頂きたかったことです。
ストーリーは確かに前・後編と分割できるものでした。
ですが、話は100％繋がっていますし、テクロクの心情の流れと事件に関する登場人物の多さを考えるに、今作は続けて観た方が圧倒的に楽しめると思います。
このような観る者にある程度の気合いを要求される作品の場合、特にそのように思います。色々配信する側にも事情があるのでしょうが…。
作品の質が申し分なく素晴らしいだけに、ドラマ自体の話題性も含めてとても勿体ないと思いました。（偉そうにすみませんが、個人の感想です）
シーズン1で謎の”友”を追っていたテクロク。遂にその相手の正体に迫る訳ですが、事件は到底納得できない形で幕が引かれます。
事件は何も終わっていない…、明らかに危険な者たちが背後にいるようです。
職場に復帰したテクロクでしたが、今までとは全く畑違いの課に配属されます。
しかし、自分を失わず彼の現場での独特のカンは冴え渡るばかり。テクロク事件の真相に迫り、また同時に自身と向き合うことになります。
ゆるいネタバレありの感想
職場復帰したテクロク、彼が配属されたのは女性青少年課。
強力班とは勝手が異なり居心地の悪さを感じるテクロクでしたが、定年まであと少しの辛抱…。
彼の復帰を喜ぶ元部下のソンア達でしたが、かつての情熱を失ったかに見えるテクロクの様子にやや不満そう。
テクロクはもう”あの事件”は追わないのでしょうか？しかし彼らの心配をよそに、テクロクは1人静かに執念深く事件を追っていたのでした。
そんなある日、”女青課”管轄の若い男女のグループが絡む事件が発生。単純な強盗事件かと思いきや、その背後に政治権力を含む大きな組織を感じ取るテクロクら。
そう、テクロクらはあの事件から決して離れられないのでした。
なぜ自分は「生かされた」のか？
シーズン1でも、過去の回顧と反省を突きつけられるテクロク。
この2では、事件の流れと共にテクロクの今の刑事としての全ての始まりも明らかにされます。
テクロクが機動隊に所属していた頃、彼を部隊に誘ってくれた先輩ドヒョン。信頼していた仲間たち。
部隊みんなの安全を第一にして事件解決に全力で挑み、無事に1日を終えよう…そんなささやかな意識を共通に持つ”仲間”たちのはずが、次第にグループ自体とテクロクの考えにズレが生じていきます。
「いつからこうなってしまったのか？」かつて心から信頼し合った仲間と対峙することは、また自分自身と向き合うことでもあります。
「自分を守るには互いに助け合わないと」過去にテクロクらが合言葉にしていたものが、自分とかつての仲間を縛り付け、そして違う道を歩んでしまったのです。
しかしその言葉こそ、この背後にいた人物の気持ちであり、彼はテクロクに最後まで期待したのではなかったのでしょうか。
--
テクロクが追っていた事件が、彼の刑事人生と上手くクロスして交わるストーリーに仕立てられていて、話の組み立てがとても秀逸で良かったです。
定年を目の前にしたテクロクが己自身に生き様を問いかけるという構図を、演じるイ・ソンミンさんの素晴らしい演技が悲哀や皮肉さが伝わり本当に圧巻で良かったです！
犯人を追うという単純なプロットではない作品になっていて、とても質が高くて見応えがあるドラマでした。
個人的には好きなドラマですが、万人受けする内容ではないかもしれません。
ですが気になった方は、是非シーズン1から通して全16話として視聴して頂きたいです。
しつこいですが、個人的には16話で視聴したかったドラマでした。
シーズン1の感想：
