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韓国ドラマ カジノ シーズン2 (感想)

おすすめ度:500%
兄弟度:100%
汚いお金度:100%
原題:카지노 2 / Big Bet Season 2 (シーズン2、全8話)

韓国ドラマ カジノ2 シーズン2 感想考察レビュー批評

絶対的存在として君臨するムシク、彼に対立する者とコリアンデスク。クライムアクションドラマ、2023年公開の後半パート2。

あらすじ・キャスト

フィリピンで知らない者はいない裏の顔を持つカジノ王のチャ・ムシク(チェ・ミンシクさん)は、
部下でありカジノエージェントのジョンバル(イ・ドンフィさん)やサング(ホン・ギジュンさん)らと共に界隈を牛耳っていた。
しかしそんなムシクに敵対し、命を狙う者も現れる。
フィリピンに派遣された警察オ・スンフン(ソン・ソックさん)は、ムシク周辺の事件を再度洗い出そうとするが…。

感想

演技合戦
本当に毎回見応えと迫力があって、特にこのシーズン2は素晴らしかったです。
後半ですが、個人的にまさに期待していた内容そのものになっていて、とても面白かった!テンポも1よりずっと良かったです。
最終回の16話はそれだけで映画作品のようでした!
まさに震え上がるほどに「仕上がっていた」ので、ドラマそのものの完成度に本当に感動してしまいました。本当に圧巻。
また、今更私のような素人が言うことでもないですが、今作で出演されている全ての俳優さんの演技が本当に素晴らしすぎて、まずそこにしびれてしまいました。
目線、食事の仕方、頭を掻くなどの手の使い方のタイミング、声のトーンなど、数えきれないほどのちょっとした仕草が、その役柄の”人となり”や心情が伝わってきて、心底役者さんって本当に本当にすごいなと思った次第です。皆さん全員かっこよかったです。
(繰り返し好きなシーンを色々視聴していたので、他のドラマ視聴が全く捗らないほどでした)

個人的には大好きなイ・ドンフィさんの演技がこの2では光り輝いていたので、良かったです。ぜひ、ジョンパルことドンフィさんの(セリフが無い箇所でも)目線に毎回注目して頂けると楽しいと思います。(100%個人的な好みですが…すみません)
もちろんストーリーも面白かったですが、このパート2ではより全キャラの感情が昂ったりするシーンが多いですので、実際すべての俳優さんの完璧で惹きつける強い演技は、このドラマでの大きなポイントになると思います。
ちなみに特別出演でイ・ジェフンさんが出演されています。
このシーズン2は、ムシクという男が主にフィリピンで築いてきた人間関係が不穏になっていく様子が語られていきます。
部下たち(ジョンパルやサング)そしてビックボスことダニエル、そして実際ムシクを憎んでいる人々との”動き”が大きくあります。そのせいかシーズン1よりもより強い緊張感と、ストーリー自体が動くため面白味があります。

内容的に万人受けしないドラマかもしれませんが、韓国ドラマの全方面における素晴らしさを存分に堪能できる作品だと思います。
気になった方は、是非ぜひシーズン1から観て頂ければと思います。(序盤の幼少期がちょっと長いですが…)この作品を見逃すのは勿体ないと個人的には思います!

全16話を分割して2シーズン制で日本ではディズニープラスで配信された今作です。が、この作品については(というか、どの作品もですが…)登場人物も多いですし、半分に切らずに続けて配信した方が絶対的に良かったのではないかなと、個人的に強く感じました。

ゆるいネタバレありの感想

Disney+Koreaインスタグラムより

フィリピン、カリズ地域で名を馳せる、カジノ”ボルトン”を基盤にするチャ・ムシク。
強弱のある掴みどころのないムシクの性格は、金の力でそして残忍さで様々なトラブルを乗り切って今の地位を得ています。
そんな彼を主に支えるのが、カジノでエージェントとして働いてもいるジョンパルとサング。
一方、地域でビックボスとして君臨するダニエルからも信頼を得ているムシクは、最早誰も手だし出来ない存在になりつつありました。
しかし、時代の波は少しずつ変化していきます。フィリピンに「コリアンデスク」という新しいポストが新設され、韓国から警察官のスンフンが派遣されます。
スンフンはムシクの横暴さとその人脈に面食らいながらも、彼なりにムシクの闇を暴こうと奮闘するのでした。

ムシクの老い
情に厚いものの、彼の中の道義に反した者に対しては、冷酷でやりたい放題だったムシク。
ですがその”スタイル”が少しずつ時代の流れからズレていること。また、彼の意識の甘さの隙からこぼれ落ちる人間関係の微妙なズレをより顕著に描いてありました。
不穏さと悲哀、勘の衰え…つまり彼の「老い」をなかなかストレートに表現していて、本当にしびれてしまいました。(ミン社長の晩年の姿もその前フリだと思います)
韓国領事を脅したことがきっかけで、ムシクは不本意にも逮捕されてしまい、一旦韓国に15年振りに帰国することになります。
今まででしたら、ゴリ押しで丸め込んでいたのでしょう。とはいえ、賢い方法で再びフィリピンに戻っては来ます。
しかし、彼が最も信用を置いていた、ジョンパルやサングという部下との信頼関係が揺らいでいたのでした。

ジョンパル
ある意味お調子者で楽しくもある彼ですが、彼も長年の舎弟生活から独立したかったのでしょう、フィリピンの中国系マフィアからの誘いもあったようで、独立資金の援助をムシクにお願いします。
しかし、ムシクは即座にやめろと忠告。ジョンパルはこのムシクの態度に大きな不満を覚えたようです。
ジョンパルは借金を重ね、またマフィアにも騙され帰国することに。結局ムシクに泣きついて助けてもらい、フィリピンに舞い戻ってきます。しかし、借金が帳消しになっていないことに、しっくり来ていない様子。
そんな折、ムシクが逮捕で長期不在になった際、彼の「金庫」の場所を教えてもらい、何かを”思う”ジョンパル。
後半ではジョンパルの狡猾さ、お調子者さ、愛嬌が上手く描かれていました。

韓国ドラマ カジノ2 パート2 考察感想レビュー

サング
仲の良かったエージェントのフィリップが殺害され大金が盗まれた現場で、ビックボスと繋がりのあるジョンを目撃したサング。それ以来、ムシクに小さな疑惑を抱き始めます。
サングはコリアンデスクのスンフンに独自に接触し、ムシクをハメようと画策しているようです。
ちなみに個人的にはサングに同情しました。

最終回の感想
信じていたジョンパルに裏切られたことを知る、ムシク。
全てを失い1人ビーチで涙を流すシーンは、チェ・ミンシクさん渾身の演技で本当に胸を打たれました。
ムシクはジョンパルを自分が思った以上に息子のように、心の底から可愛がっていたのでした。そんな彼を「殺さなければならない」と…。
しかし結局、今までのムシクとジョンパルの関係が繰り返されてしまいます。
ムシクの”妙に情に厚い”という根っこの部分、そしてジョンパルの消して反省しない狡猾さ、その2人の性格が終始一貫していて、最後の最後に「その点」がピークを迎えるという構成は本当に2人の関係が回収されていて、唸りました。
ダニエル(ビックボス)の「仲間は傷つけるな」の忠告通り、感情的になりムシクがラウール達を殺してしまい均衡が完全に崩れてしまった、フィリピンで築いたムシクの”ファミリー”。
花に十日の紅なし」シーズン1冒頭から語られたこの言葉が、最後の大きな山場の前にも出てきて繋がるのでした。
スンフンのムシクへの”執着”もそうですが、このドラマでは人そのものへの「どうしようもない感情」の軸も描いてあり、とても興味深かったです。スンフンはムシクのことが、人として(ある意味)好きだったのだと思います。
全てを賭けたようにムシクを丁寧にしつこく追っていたスンフン。目的を失ったようでしたが、おそらく新たな新興勢力のカジノをフィリピンで追うことになるのではないでしょうか。

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ということで、作品として終盤の強さが恐ろしいほどで、文句なしで素晴らしかったです。引き込まれるように試聴しました。
シーズン1の最初がもっさりしているのが若干気になりましたが、この後半の2だけの感想としては、完璧だったなと感じました。
ストーリーのアクの強さを、役者さんが完全にキャラをモノにしている感じで大変良かったです。
すごいドラマだったな…と、終わった後にしばらくボーッとさせられるような作品でした。本当に面白かったです!

シーズン1(1−8話)の感想はこちら:

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