ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 深夜カフェ (感想)

おすすめ度:77%
パラレルワールド度:100%
落ち着く店度:100%
原題:심야카페 全3話/シーズン1−3(U-NEXT版)

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時間が交わる不思議なカフェ、そこでは過去と未来の人に会えるのだったが…?2020年放送のファンタジー系ラブストーリー/ヒューマンWEBドラマ

あらすじ・キャスト

謎の場所に存在し、人々の時間が交錯する不思議なカフェ。
マスター(シン・ジュファンさん)はそこでコーヒーを淹れながら、カフェのお客さんミナ(パク・シウさん)、ジウ(ドヨンさん/NCT, NCT127)やアルバイトたちの人生や彼らの悩みを解決する糸口を提供していて…?

感想

予想以上に面白かったです!
全く何も考えずに視聴し始めたのですが、想像以上に割と丁寧に作ってあるなという構成のドラマで個人的には大変好感を持ちました。
パラレルワールドとして時代が交わるミステリアスな深夜カフェを舞台に、オムニバス形式で全3話のストーリーが展開されます。(私が視聴したU-Nextでは1話約60分x全3シーズンで区切ってありましたが、正式は全部で”シーズン3”構成のドラマです)
各シーズンとも独立しているお話ではありますが、所々でカフェのお客として人物が重なってはいます。
完全にカフェを舞台にした淡い恋愛もの軽いドラマかと思っていましたので、良い意味で面食らいました。3話という構成も含めて良かったです!

カフェはオーナーの謎めいたマスターが一人で運営している訳ですが、常にアルバイトを雇用しているようです。マスターが何か力を発揮して〜というよりは、そんな不思議な場所をただ提供しているという設定。
このカフェを舞台に、お客さんやアルバイトの男女が過去や未来の"相手”と対話することで現在の自分の感情を整理したり、より深く人間関係を考え直したりというキッカケを掴むストーリー展開です。

釜山が舞台になっているドラマで風景も美しかったです。また全編シーンの雰囲気が一貫していて素敵でした。
何故か1話(シーズン1)と2,3話(シーズン2,3)では舞台となるカフェの内装が変わっていましたが…。個人的には1話のカフェの雰囲気の方が好きでした。もしかして、2,3話は後から撮影が決まったのかもしれません。

1点ちょっと気になったのが音声でした。
特にシーズン3では台詞が全編ほぼ後付け(被せ)になっているのが丸出しでリップシンクが上手くいっていない部分や、音声に奥行き(遠くから話しているシーンなのに均一な音声など)が無いところでしょうか。これは本当にしょうがないのですが…。
屋外ロケも多く、実在するカフェなどをロケ地として撮影しているようにも思え、時間制限のある中でこのような部分はどうしようもなく、色々と大変なんだろうなと察しました。が、視聴していてどうしても音声の不自然さが所々で気になってしまったのが正直なところです。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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「深夜カフェ」インスタグラムより

シーズン1
コンビニでアルバイトをする大学生のジェヨン(ソン・ウォンヨプさん)は、先輩のミナに3年間もずっと片想い中。
しかしそんな憧れだった先輩が彼氏にフラれて落ち込んでいる姿を目撃し、気持ちを抑えきれずジェヨンはミナに告白する。しかし、ミナはそんなジェヨンに最低だと告げ、怒ってしまう。
加えてアルバイトをクビになってしまったジェヨンは、ある客からもらったアルバイトの紹介用紙のことを思い出す。地図にも記載のない「カフェ」を目指し、もらった紙に書かれた地図を頼りに向かうことに。メニューはなく、マスターがおまかせでお客さんに各種コーヒーをサーブするお店…。
そんなミステリアスなマスターのもとで働くジェヨンだったが、お客としてあのミナ先輩がやってきたことに驚くが、ミナはジェヨンに面識がない様子。不思議に思うジェヨンだったが、このカフェに集う客が、そして自分の置かれた時空そのものが”不自然”なことに気が付く…。

このように色々な時代からやってきたお客さんが集まる謎のカフェですが、ジェヨン君は大好きだったミナ先輩がまだ大学へ入学する前の年齢の彼女と出会ったようです。だからミナと大学で知り合ったジェヨンのことはまだ彼女は知りません。
このドラマのポイントとして、過去や未来の人物が現在の自分と交わる訳ですが、決して「出来事は変わらない」とマスターが線引きしている点です。ただ、逃げ道的に「もし未来が変わるなら、そうなる運命だった」とも言ってはいますし、さらに3話になると「未来は変わっても過去は変わらない」とも。つまり少なからず未来へ影響は及ぼしていると察します。
事実「カフェに行った」という記憶は各々残っているのは全編を通して明確なので、過去・未来の人物と話した経験から未来の出来事は変わらない訳はありません。まあ、だからこそお話がうまく帰結しているのですが…。
この部分が若干わかりにくさがありはしました。が、雰囲気的にあまり深く考える必要はないかなあとは思わせるストーリーです。

現実世界ではジェヨン君ですが、お店では「どの年代」にもあまり属していないような立ち位置に。
このカフェに来ているあのミナ先輩は大学受験や親の不仲で自信を失っています。大学では自信満々で輝いていた先輩の過去に触れるジェヨン。さらに未来の彼女と名乗る女性まで出現。
落ち込む(過去の)ミナ先輩を勇気づけ、フラレながらもミナに未練たらたらだったジェヨンを将来の彼女が勇気づけ…と不思議な関係を築くジェヨン。
カフェでの不思議な体験を得たジェヨン君、もう昔のような臆病だった彼ではなさそうです。

シーズン2
ゲームデザイナーのアヨン(ユン・ボラさん)、日々仕事のストレスを抱えています。加えて高校時代からの大親友でありルームメイトとも喧嘩。
そんな状況にうんざりしたあよんは酔った勢いで実家のある釜山のゲストハウスを予約。しかし目的地のゲストハウスは見つからず、不思議なカフェに引き寄せられてしまいます。

カフェでは新しいアルバイトのジュンギ(シン・ユンソプさん)がマスターと共に働いています。釜山に滞在中カフェに通うアヨンはジュンギとも会話をよくする仲に。
また、アヨンが現在滞在するゲストハウスのオーナーがなんと(未来の)ジュンギだったことも明らかになります。ジュンギは「2年ぶりに会った」と嬉しそう。
つまり、あのカフェで働くジュンギはアヨンにとっては現在ですが、現在のジュンギにとっては過去。(並行世界なので)

アヨンはカフェで1人の子供に出会いますが、それが喧嘩していた親友(過去)だったことが判明します。彼女の辛い過去を知り、親友との関係を再び見直すきっかけに。
現実に押しつぶされそうだったアヨンでしたが、辛いのは決して自分だけでないということも知り、また釜山で新たな出会いもありリラックスした彼女、再び自分や仕事に向き合うことができそうです。

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シーズン3
高校生のジウ(ドヨンさん/NCT)は同じクラスメイトのソンミン(キム・イニさん)とは”親友”の仲。
しかしソンミンはどうやら過去にジウに告白したものの、そんな彼女に「友達でいよう」とジウは恋人への進展を拒否したようです。ですが明らかにジウ君もソンミンのことが好きなようです。一体何が彼を押しとどめているのでしょうか?

まず1つ目の理由として、ジウには事故が原因で記憶を失くしつつある母親がいます。
記憶が不安定な母親を常に心配するジウですが、そんな母は高校時代に通ったというカフェをまるで徘徊のようにずっと探していました。そんな母親の後を追ってジウが辿り着いたのが、あの深夜カフェです。
しかも、そのカフェでは(未来の)ソンミンがアルバイトで働いていることに気がつきます。
2つ目の理由として、ソンミンです。
実は彼女は子供の頃からの夢だったアイドルデビューを目指すべく、練習生としてソウルへ近々出発することが決まっています。
つまり、お互いの事が好きでありながら、2人はソウルと釜山の離れ離れになることが確定。やんわりとソンミンはジウにソウルに一緒に行こうと誘いますが、母親のことが気に掛かるジウはキッパリと断ります。
加えてソウルでアイドルの練習生となるソンミンの邪魔をしてはいけない、という気持ちがジウの心のどこかにあったのかもしれません。

そんな2人が現在の状況なのですが、不思議なカフェで未来のソンミンと話すジウは、彼女(未来)の置かれた状況を聞きます。彼女はソウルに行ってからもずっとジウのことを気になっていたよう。カフェのソンミンが未来の彼女だということを知ったジウがそんなに驚かないことがやや気になりましたが、ジウ君は結構落ち着いたタイプだからでしょうか?
また現在のジウは、彼女の気持ちを拒み続けたことを後悔していることを未来のソンミン打ち明けます。
ここで時空を超えて何故かお互いの気持ちが急速に通じ合ってしまう2人。いきなり良いムードに進展します。
とはいえ、「過去は変えられない」ので、やはりすれ違ってしまう2人でしたが、ジウ君はより冷静になっていました。
ソンミンへの想いをしっかり認識し、また母親の過去の出来事を知ります。「その先のために出来ることをすれば、未来を変えられる」というマスターの言葉と共に未来へ向けて踏み出すようです。

ということで、3つのお話ともカフェを通じて過去・未来に触れ現在を違った視点で未来に向かって歩き出す可能性を見出すというストーリーでした。
結局未来を良い方向に変えるんですね…と若干のご都合主義を感じはしましたが、人間関係の間に発生したイベント事は変えれないというギリギリの線は守っているようで、本人たちの物の見方をどう捉えるかという彼らの内面の成長や変化を助ける場所としてカフェとマスターが存在している、というお話でした。

3話共に淡いラブストーリーが絡んでいますが、どちらかというと全編ヒューマン系に近いファンタジーなお話でした。いわゆるヒーリングドラマにも分類されるかもしれません。
シーズン3の主人公のジウ演じるドヨンさんがNCTのメンバーの方ですが、アイドルの方と特有の(?)配慮されたと察するキスシーンも観れたので、個人的に満足しました。

伏線も回収されていましたし、適度なファンタジーで上手く物語としてまとまっていて良いドラマだったと思います!
集中して楽しめる尺ですし、雰囲気が落ち着いていて良かった。全く期待せず観たものの、予想を良い意味で大きく裏切られて視聴後は割と満足感があるドラマでした。
わかりにくさを感じる方もいるかもしれませんが、3話一気に観ると上手く練られた話だなと思われるのではないでしょうか。
凝った部分も多く、良いドラマだったという印象でした。

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