ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 終末のフール (感想)

おすすめ度:30%
惑星衝突度:100%
D-200度:100%
原題:종말의 바보 / Goodbye Earth (全12話)

終末のフール感想あらすじレビュー考察 韓国ドラマ ネトフリ

惑星衝突、滅亡まであと200日…それぞれの生き方を描くヒューマン・ディストピアドラマ。

あらすじ・キャスト

生存まで残り200日…小惑星の衝突は避けられず、人々は混乱の中に生きることに。
治安が一気に悪化し、中学校教師だったセギョン(アン・ウンジンさん)は教え子たちの状況が気になる。
セギョンの婚約者の研究者のユンサンは彼女に会いたい一心で韓国に戻るが…。

感想

ちょっとあまりにも散らかっていましたし、似たようなシーンが多かった。
そして何よりも話の密度として12話がとにかく非常に長く、正直「うーん…」と終始思いながら視聴していました。
素人目から見ても、少なくとも全8話で何ら問題ない内容だと思います。
身も蓋もない一言感想ですと、あまり面白くありませんし、つまらない部類のドラマになるかもしれません。(すみません、個人の感想です)
このドラマは、出演者のユ・アインさんの問題で配信がずっと延期されていたものが、ようやく日の目を見たものとなります。
個人的にユ・アインさんは俳優さんとして好きですので、出演者にアインさんの名前があったので全カットされたわけではないのは確定している!と思いつつ「一体どれぐらいカットされたのかな?」と気になったので(ある意味)期待していました。
全12話視聴した今、予想よりずっとユ・アインさんのシーンは多かったですし、そこまで編集されたわけではないのかな?という印象を受けました。

ただ、そんな彼のスクリーンタイムの話より大問題に思えたのは、とにかくこのドラマが「何を軸に進んでいるか」大変わかりにくい点です。特に序盤が酷い。
特に最悪だと感じたのが、掴みとして重要なスタートの1−3話です。
巨大隕石が地球に衝突する、特に舞台となる韓国は確実に危ない…!
そんな異常事態を背景に、人々は暴徒化し社会のルールが崩壊している街に健気に、そしてそれでも”普通に”生きようとしているコミュニティの住民たちに注目して描かれています。
少しオムニバス風のタッチもありますが、この割と多めの「住人たち」が最初の1−3話で細切れのカットとシーン、そして過去と今の混在をカオスな街でとんでもない世界!として、とにかく繰り返し何度も似たようなシーンが描かれています。本当に長い。
これが本当に視聴していて冗長で、とにかくディストピア!!以外の何も提示して来ませんので、この3時間で率直に言って既に設定に飽きました。
特に1話は本当に意味不明。
3話途中でギブアップして視聴を止めようかなと思ったのですが、久々のユ・アインさんの演技を見るのが妙に懐かしく感じ、また結末が気になったので最後まで見ることを決めましたが…。
5話ぐらいから、ようやくキャラの設定が見え始めて話が進んでいきますので、序盤は耐えて観る必要があるかなと思います。

今作はご存知の通り、伊坂幸太郎さんの同名の日本の小説が原作となっています。
申し訳ありませんが私はこの原作小説は未読ですので、以下の感想は全て韓国ドラマ版の視聴のみの感想となります。

ゆるいネタバレありの感想

終末のフール 感想 あらすじネタバレ レビュー考察 韓国ドラマ ネトフリ

小惑星ディナがあと201日で地球に衝突する…。
特にこの韓国にあるウンチョン市は確実に衝突圏内に入っているようで、その悲劇からは逃げられないようです。
物流などは一部を除きストップしているようですが、電気や通信は何故か無事のよう。
そんな中でも、人々は結束しようと働きかける人もいますが、惑星衝突のルートから外れる諸外国に飛び立って助かろうという人もいたりと、町は混乱に陥っていました。

問題発生
市の大きな教会のペク神父がある日連れ去られ、行方不明に。
そして、子供たちが悪そうな集団に連れ去られる事件が。どうやら彼らは子供らを人身売買目的で拉致しているようです。
今はもう学校は”ありません”が中学教師だったセギョンは、可愛い教え子がそのような目にあっているのを目の当たりにし、怒りと悲しみに暮れるのでした。
アメリカで研究者として働くセギョンの恋人のユンサンは、彼女を心配して韓国にどうにかして戻ろうと決意。

選民問題
一気に町中がカオス化し、不満と不安に怯えた人々の間には様々な不穏な噂が立ち始めます。
”上級”の人々が”棄民”して国を脱出しようとしている、と…。
教会のペク神父も信者を捨てて逃げたのではないか、そんな疑問がどんよりと渦巻いている時、暴徒によって火事になった教会で信者から集めたお金が忽然と消え失せていることが明らかに。
ここで神父への疑惑が確信に変わり、やるせない気持ちになる一同。
セギョンは親友でもある軍人のイナ(キム・ユネさん)らと子供達を狙う集団を自分たちの力で止めようと動き出します。
そんな時、ユンサンは貴重な実験を行っている研究者ということで、”上級”で国外脱出を誘われるのでした。
ユンサンは恋人セギョンと離れ離れになる気はありません、しかし一方のセギョンは残される子供たちを置いて外国に逃げる気などなかったのです。
お互いの気持ちは理解できるものの、2人の間に見えない薄い壁が存在するように。

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気になった点
・ユンサンの背景
これは完全な推測ですが、当初はユンサンの背景がもう少し描かれていたのではと勝手に考察しました。
1話にユンサンが海外のラボで何者かに(研究所が)追われていることがビデオ通話から読み取れます。
ですが、一体彼はなぜ誰に追われているのか?など…ユンサンの直面している事件が韓国側のセギョンの惑星衝突の混乱と繋がっているように全く思えず、初見では観ていてただただ困惑しました。
とにかくわかりにくい。後半にユンサンに着いては”何となく”判明しますが、時すでに遅し感がすごい。
・過去と今
この作品で度々過去と今が交差して描かれますが、その過去は惑星衝突へのカウントダウンが始まった頃の”いつか”です。
過去の”平和な頃”ならば見た目的にもコントラストが効いているのですが、衝突200日前と100日前みたいな比較ばかりで、フラッシュバックのようにシーンをぶった切ったように差し込まれても、すでにカオス化した状況で見た目にも違いがそれほどなかったです。
視聴していて、近い時系列を混在させるその意図もシーン判別もわかりにくいという以外に感想がありませんでした。
・ユンサンのキャラ
これは編集で関係しているのかどうかわかりませんが、ユ・アインさん演じるユンサンが物語上大した役割がないことに視聴していてガッカリしました。
研究者として海外への切符を手にしたわけですが、それだけの役割ですよね…。
それ以外はセギョンに着いて回るだけで、キャラ設定としてどうなのかと思えました。
・セギョンとイナ
これはあくまでも私の印象ですが、イナはセギョンに対してが親友だけでなくそれ以上の恋愛のような親密さがあるように思えてなりませんでした。
特に最終回ではその描写が顕著でしたが、それに対して何か裏に背景があったのでしょうか?よくわかりませんでした…。
・エンディング
一体どうするのかなと思っていた最終回、そしてエンディング…。
ショックというよりは、かなりのガッカリ感が私は強かったです。
えっ??という感じで幕が下されてしまい全12話、約12時間の結末がこれなのかと若干虚しささえ覚えました。
セギョンの行動もユンサンの行動もキャラとしておかしくないと思います。
ですが、D-XX日と大いにカウントダウンしてきたこの全12話。
そんな「逃げ」のエンディングにされても視聴者はどうすれば…というか。なかなかの結末でした。

ということで、色々な気持ちを抱きながら視聴しましたが、ドラマとしては苦い気持ちが残るものかと思います。
正直、ユ・アインさんの事件が編集にある程度影響したと推測されますが、それ抜きとしても話の展開が内容の割に進みが遅く、とにかく12話総じて似たようなシーン連発で良いと思えませんでした。偉そうに申し訳ないですが…。
かなりの豪華俳優さんが出演されていて、演技もさすがでした。
キャスティングからしても力を入れた作品だったと思われますが、残念ながらあまり面白かったとは言えないドラマでした。
気になる方は是非視聴視聴してみて下さい。

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