ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 還魂 かんこん (感想)

おすすめ度:92%
師弟関係度:100%
指輪度:100%
原題:환혼 / Alchemy of Souls , Part1 (シーズン1、 全20話)

韓国ドラマ 還魂 感想レビュー

禁じられた魂を入れ替える術、還魂術を巡る人々の思惑と謎とは。2022年のファンタジードラマ、シーズン1。

あらすじ・キャスト

影の刺客であり術士ナクスは敵に追われている際に禁断の術「還魂術」を使い、自分の魂を別人であるムドク(チョン・ソミンさん)の体に入り逃れる。ナクスはムドクとして自身の力が回復するまで生きることに決める。
術士たちが集う場所でムドクはウク(イ・ジェウクさん)、ユル(ファン・ミンヒョンさん)、ダング(ユ・インスさん)、チェヨン(アリンさん / OH MY GIRL)そして世子(シン・スンホさん)に出会うが…。

感想

シーズン2/パート2の感想はこちら

シーズン1の感想:
とっても面白かったです!
とにかくストーリーテンポが良くて毎回見せ場があり、キャラ設定がしっかり貫いてあって非常に魅力的なドラマでした、素晴らしかった。
ただ個人的な気持ちとして、このシーズン1最終回(第20話)については色々と違和感を覚えたのが正直なところです。(理由は後述します)
強めのファンタジーですが、この手のタイプによくある無駄に重厚で壮大な世界観アピールはかなり軽めなものの強固に確立していて、個人的にはその点も大変好感を持ちました。
CGも相当使われていて製作費が凄そうですが、映像もとても美しかったです。
また忘れかけてしまう設定や術の説明なども都度リマインドのように語られたりと、配慮も良かった。
ブコメ、ヒーロー戦士、ミステリー、爺たち、ゾンビ(還魂人)、コメディと様々な要素が巧みにバランス良く、ドラマチックにまとめられていて、とにかく観やすかった!
ネオクラシックな感じの衣装やメイクも、この還魂という作品そのものにピッタリでした。
ストーリー運び、キャスティングとCG…とにかく2022年のファンタジードラマ最先端という作品。

シーズン1は全20話構成になっていますが、途中飽きたりすることは私は一切ありませんでした。
シーズン2は全10話として2022年12月公開が予定されているとのことです。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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イ・ジェウクさんインスタグラムより

湖国、そこには水の気を司る術士たちがいました。
最強の刺客そして最高の術士でもあるナクス(コ・ユンジョンさん)は術士に追われていました。ピンチになった時、ナクスは追ってから逃れるため”還魂術”を使います。
ナクスは自らの体から抜け出し、その場に偶然居合わせたムドク(チョン・ソミンさん)の体に入ります。
ここでナクスとムドクは入れ替わります。無事、姿を変えたことで逃げ切ったナクス。しかし新しい身体であるムドクは強くありませんでした。今までの術も全く使えず、体力もなく己の非力さにガッカリするナクスさん。
これでは戦うことも逃げることも難しいと悟ったナクスは、能力が回復するまでムドクとして生活していくことを決めます。そんな時、楼閣にいる態度の悪い彼女に目をつけたのが、ウク。彼はムドクを侍女として家に迎えるのでした。
こうして、ムドクの体に入ったナクスとウクの運命的な物語がスタートします。

還魂術とは
極めた最高レベルの術士だけが使える特別な技「還魂術」、それは魂を別人の体に”入れ替る”という禁じられた邪術。追魂香を使って行われる。
還魂された/した人は「還魂人」と呼ばれ、特徴的な青いアザが鎖骨のあたりに残るため、判別法として使われています。
ただし、ナクス(ムドク)の場合は、何故かこの青いアザが目に入ったようです。
しかし自分とは違う人の体に魂を入れるため、魂と体が合わないと隙が生じて、体の水分が抜けてしまいます。これが”暴走”とよばれるもの。
還魂人は暴走するとゾンビのように人間の”気”を求め吸い取ります。(吸われた人間は亡くなります)暴走の後、気を吸えないもしくは殺されてしまうと、還魂人は”石化”してしまいます。

術士のレベル
集水(チプス)→流水(リュス)→治水(チス)→換水(ファンス)
換水レベルにならないと還魂術は使えない(但し、氷の石があれば換水にならずとも還魂術を使える)

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ウクとムドクの師弟関係
周囲を騒がすナクスの死ですが、ナクスは誰かと還魂したのではないかとザワつきます。しかし、ナクスの体には青いアザはありません。
そんな時にウクはムドクとチソク楼で出会うのですが、ウクは(ほぼ瞬時に)ムドクはナクスではないかと気付いていたのでした。それは彼女の目。
ウクはムドクを侍女として受け入れ、彼女に自分の師匠になるよう頼みます。交換条件として「俺を隠れ蓑にしろ」と…。
ウクは持ち前の勘の良さでぐんぐんと力を付けていきます。それには彼の生まれ持った特殊な力と背景も関係していますが、ウクは知りません。
また喧嘩しながらも2人の距離は次第に近くなります。ウクは恐らくチソク楼で彼女に出会った瞬間からムドクに恋に落ちたように思いました。
一方還魂人として、暴走の恐れと本来の”ナクス”としても複雑な気持ちを抱きながらも、ウクへの気持ちが抑えられないムドク。

ユルとナクス
幼かった頃、2人はタニャン谷で出会っていて淡い恋心をお互い抱いていました。
ユルは死んだナクスの持ち物から、2人の思い出の鳥笛を見つけます。ナクスが還魂したと知り、ムドクがあのナクスではないかとユルは考え始めます。
彼は人一番、正しくない行動を取るのを気にする性格。
ユルは好きだったナクス(ムドク)が今や還魂人で、本来の術士の職として”消さなければならない相手”だけれど、彼女を危険に晒したくないという矛盾に悩みます。

消えたブヨン
強い神力を持っていたチン家長女ブヨン。彼女はチン・ムらによって湖に沈められた氷の石を探し当てますが、船から突き落とされて”行方不明”とされてしまいます。
ブヨンは岸に打ち上げられ命を助けられますが、記憶と視力を失います。彼女は「ムドク」と呼ばれ生活し始めます。
つまり、ナクスが偶然か必然かで還魂した相手は、元々強い神力を持ち合わせたブヨンだったのです。(ナクス=ムドク=ブヨン)
またブヨンが誕生した背景として、氷の石が強く関係しています。ブヨンは母の胎内で本来は死亡していたのですが、チャン・ガンによって氷の石で復活して産まれた子供。
ムドクにはブヨンの記憶はありませんが、ムドクが鎮妖院へ行くと決まって不思議な症状が出現するのでした。

ウクの父チャン・ガン
黒幕たち(王妃やチン・ム)の行ってきたことが遂に皆の前で明らかに。王妃は持っていた追魂香を使って還魂しようとします。
しかし、何らかの力で阻止され魂のみ身体から離れてしまうことに。(おそらくチャン・ガンへ還魂した)
久しぶりにみんなの前に姿を現したチャン・ガンは、王たちの前で全ての罪を被り、”石化”して亡くなってしまう。

最終回問題とシーズン2予想
第19話が妙なハッピームードだったので「これは…」と嫌な予感がしましたが、なかなかの最終話。個人的には20話は19話までとは違い、ちょっと全体的に違和感も覚えました。(他にも色々あるのですが、最も解せない点を書きます)

パート1最終回のネタバレポイントとしては下記3点となります。
・満を持してムドク暴走→悲劇発生
・ダーク・ウク爆誕
・チン・ム何故まだいるの

鈴問題:まずナクスがムドクに還魂した際に使っていた追魂香は、チン・ム/チェ巫女(王妃)側から渡されていたもので、特別な呪いが欠けられていました。呪いの鈴で還魂人を暴走化できるというもの。
このシーズン1(パート1)ラストは、布石としてムドクが還魂人だと知る者の心にあった恐怖を表面化させるのは切り札だろうと予測していましたが、想像以上に悲しいシーンとなりました。
私の一番の疑問としては「ブヨンさん、仕事して?」という点でしょうか。
ナクスがブヨン/ムドクという神女の体に還魂し、爆発的な力を持ったと思われるムドク。
しかしその最強のムドクがあのような鈴1つで無慈悲に、そして非常に簡単にコントロールされてしまうとは、ちょっと安易すぎないか…とは感じました。
しかも、この同じ20話ではイ先生の「術士の力を制御できる神女」という前フリがあってコレか?というか…。巫女の”呪い”如きなど、ブヨンははね退ける力があっても全くおかしくないと思います。
ナクスが幼少期からずっとチン・ムの”操り人形”になり、最期までそうだったという哀れさを表現していたのかもしれませんが、その方法があまりにも、と大きく疑問を感じました。
そして畳みかけるような悲しみの伏線としてのウクとの悲劇。私はイ先生状態で泣きました。(ただ、ブヨン父ウタクが、己の愚かさでブヨンを殺し、そして結局”ブヨン”に殺されるという部分は良いと思いました)

パート2予告ではチョン・ソミンさんのカットが無く、本来のムドクを演じていたコ・ユンジョンさんの姿がありましたので、石化して湖に落ちたムドクはここで一旦ナクスの魂が体から抜けると思われます。神女のような2人に引き上げられたムドクの身体は2では、恐らくブヨンとしてチン家に戻ると思います(個人的な予想です)。
ただ、いずれにしても”ムドク”としてあれだけの惨事を皆の前で行ってしまっているので、人々の目にはブヨンのことを”平和な神女”としては見れないのではないかと思うと心が痛いです。
また、ナクスの魂が一体どのようにして本来の身体に戻ったのかは現時点では全く予想できませんが、還魂人ではなく術士として復活した”ナクス”と”元来の秘めた力を持ったウク”としてシーズン2では重点的に描かれると思います。

チン・ム問題:チン・ムを平然と世子が黙認している状況は、個人的にはエンディングとして最も解せませんでした。
また、本物の王妃(巫女の姿)ですが、どう考えても彼女はチン・ムが元凶と気付いていて当然そうなのに、ガンとウクに怒りを置いているのもどうかと思いました。(あんな酷い目にあったのに?)
19話で王妃/巫女の悪事が明らかになったものの、チン・ムへの疑惑をほとんど世子が感じていない点は、いくら彼を師匠を仰いでいたとしても、若干の不自然さが残ります。
なぜこれほど”抜けが多い”チン・ムを人々が許しているのか、よくわからないです。

個人的にはシーズン2の”悪役”としてこのチン・ムが引き続き居座るのは、正直つまらないとは思うのですが、チン・ム全面バックアップの世子vsウクの対決にする流れになるのでしょうか。ウクの出生の秘密(”王の子”)とも絡ませて、この2人もドラマチックな対立になりそうです。
しかしこの構図も素人の私が思いつくぐらいなので安直ですし、絶対にそうなって欲しくないです。
もしそうなった場合、今まで築いてきた世子とウクの関係性をぶっ潰すようになり、ちょっと何だったの感もあります。是非世子の面白みのあるキャラを守って頂きたいです。(ムドクと世子のシーンはいつも面白かった!)
チン・ムに代わって世子が”悪者”になってしまいそうな気配がしたのは、非常に辛いところです…。(イ先生状態で泣きそうです)

ということで、作品としては軽さもあり壮大さもありラブストーリーとしても、全面的に見応えがあるドラマで大変楽しめました。
上述した20話の考察や、術士のレベルについて説明がしっかりある割に後付けで「~の場合はできる」のような点は個人的には都合が良いなとは思いましたが…。
とはいえ、総合的にとても面白いドラマでした!
シーズン2予告からでは、全体的にダークなイメージになっていて、その点も楽しみだなと思いました。人物カットポスターはこのドラマは2種類あるのですが、光と闇を表現しているようで、今見ると面白いなと思います。
シーズン2(パート2)は2022年12月に全10話で放送とのこと。早く続きが観たいなあ…と今からイ先生状態で待つ次第です。

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