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観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ カンテク~運命の愛~ 感想

おすすめ度:55%
カンテク一択度:100%
特別審査員度:100%
原題:간택 - 여인들의 전쟁 / Queen: Love and War (全16話)

カンテク 韓国ドラマ感想レビュー

妃候補を選ぶカンテクには様々な思惑が…2019年放送開始のロマンス系宮廷ドラマ。

あらすじ・キャスト

朝鮮王朝の王ギョン(キム・ミンギュさん)は心から愛していた王妃と婚姻直後、彼女と共に何者かに撃たれてしまう。
その頃都ではウンボ(チン・セヨンさん)は、父の友人だという人物の言葉から両親の記憶を取り戻していたのだった。
王妃を失った王は、再びカンテク(揀択)を行うことになり、ウンボも身分を偽って参加することになるのだが…。

感想

カンテクとは何だったのか
もったいないドラマだと思いました。もっと可能性があったというか…。
個人的にはタイトル通りもっと「カンテク」中心のラブコメ強めで描写した方が、絶対面白そうに思えましたが…。
とりあえずクラシックな時代劇の体を成しているので復讐!爺の陰謀!女の闘い!裏切り!王命!など、お馴染みエピソードが満載。
しかしこの(やや)重厚感あるエピソードに、正直なところ王の役を演じておられるミンギュさんですが、ちょっとアプローチが軽すぎる雰囲気かなあと思えました。良い意味でも悪い意味でもラブコメ風味というか。
根本的にはラブストーリーが主軸の割に、結構な重さと古臭さのある構造のドラマになっているため爺の陰謀パートが多く、それに対抗する王としてはやや迫力不足のような。(個人的にはミンギュさん、好きな俳優さんですが)

ミスキャストという意味では全くなく、個人的にはストーリーの配分、ラブストーリーとシリアスパートのバランスと展開がそもそも悪いかなと感じました。
もっと割り切って(?)軽さのある宮廷ラブコメに振ったお話だったら、ミンギュさんが王としての立場が活きて普通にとても面白そうというか…。
せっかくカンテクというお妃選びとして、盛り上がりそうな題材があるのに…と単にラブコメ好きな私が少々ガッカリしました。
タイトル通りカンテク制度をやたら多用しようという意気込みは感じられたものの、実際ストーリー上でカンテクが意味をなしていないのも気になりました。
ドラマ内容としても、割と真っ直ぐなラブストーリーになっているのもあり、妙な重厚感を出す必要があまりなかったような…。(すみません、個人的な感想です)

タイトルにもなっているカンテク(揀択)
ストーリー冒頭で「カンテクやるよ!」的にいきなり始まり、そんな「皆さんご存じカンテク」のように言われましても…と視聴していて困惑していたのですが、次第に明らかになってきます。
要は王および世子の妃を複数名の女性の中から選ぶための行事だそうですが、ドラマを観る限り面接をしたり技能試験をさせられたりと色々。
何故かこのミンギュさん演じる王の妃はとにかくカンテク一択で選ばれるようなので、ここが面白味もあり、ツッコミどころでもありという感じで物語が始まっていきます。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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キム・ミンギュさんインスタグラムより

王ギョンは即位して3年。もうそろそろ結婚を、と周囲から急かされ始めます。
そんな彼には密かに心に決めた人がいました、もちろん子供の頃の初恋相手。
しかしさすが世子さん(当時)、子供の頃でもしっかりと相手の女性の父の名だけを確認していました。用意周到なのか何なのか。
カンテクを勧められ複雑そうな王…。しかし、初恋の意中の女性も参加する可能性が高く、カンテクすることを受け入れます。
そしてカンテクの日。通常は宮廷の女性たちだけで新しい妃を選ぶようですが、”あの女性”がいるのか気になった王が、我慢しきれず無理矢理カンテク会場に乱入。
「選ぶ権利は自分にもある」と正論をぶちかまし、カンテクの最高審査員として参加します。
この時点で「選ぶ権利がある」のならば、さっさとカンテクせずにその意中の女性を都から探し出して妃にすれば話が早いのでは…と、既によくわかんねえなと矛盾を感じながら視聴。
そして、王は無事子供の頃の初恋相手を発見します。乱入して良かったですね。
無事好きだった女子は美しい女性ウンギへと成長していて、王はウキウキ。カンテクはそもそも必要だったのか…という根本的な疑問は捨てさり、速攻で王妃との婚礼がまとまります。
ですが、悪夢の始まりはここからでした。
そう、ウキウキしていた王とカンテク特別枠優勝者ウンギは、何者かに狙われ襲撃されてしまったのでした。
王は頭部に銃弾を受けていながら、奇跡の復活。すごい。ただ残念ながら愛する妻ウンギは帰らぬ人に…王は失意に暮れます。
ちょうどその頃王の臣下たちは密かに「打倒・王」を掲げ動き出していたのでした。

一方の都のウンボさん。
彼女は王妃とそっくりの容姿をしているのですが、実は双子の妹。ウンギは姉です。
ウンボは両親の記憶などを失くしていたのですが、かなり雑な感じで過去を思い出します。直後に姉の死や父の死などで怒りが湧き上がり、復讐を誓います。
姉の事件の犯人捜しのためウンボは王宮に入り、王が父の件に関係しているのではと疑い、打倒・王!!!を決心。
このウンボの気持ちと彼女の元王妃ソックリな風貌を利用しようとしたのが、密かに王を追いやろうとする爺一派です。

王の重すぎる愛
そんなウンボに王への復讐への大チャンスが。もちろんカンテクです。
最初のカンテク1回戦の候補者にも王の功臣の娘も再び出場となるようです。
みなさん王妃の座を狙って権力争いの元になっていたのですが、再び2回戦目のカンテクとなるワケで、嫌な予感がします。(王が乱入的な意味で)
ウンボは爺の助けもあり、身分を偽ってカンテク出場するのですが、顔が元王妃と実質同じ。他のカンテク常連の娘に怯えられてしまいます。(死んでなかった的な意味で

そしてカンテク開始。案の定ですが、またもや王が会場に登場。
王は出場者にあのウンギそっくりな娘を発見し、想像していましたがやはり大混乱。ウンギは死んでいなかった!!!と結論付けてしまう王。ウンギへの愛がすごい。
そんな王様ですが、カンテク試験中もお構いなし。
王「ウンギだろ?」
ウンボ「ウンギじゃねえ」
王「王妃の座を用意する」
ウンボ「そうじゃなくて、カンテクで勝ちたい!」
ウンボ「ゴメン私、ウンギだった!」
王「信じる(涙)」
という2人の茶番が割と長めに繰り広げられます。
亡くなったウンギ復活を信じたい王も王ですが、ウンボもウンボで王妃になりたいのならば、さっさとウンギのフリをする方が早いのでは…という状況。
よくわかんねえな…(n回目)と視聴していて絶望。
とはいえピュアな王は2人の思い出の夜をウンギ(ウンボが中身)がしっかりと覚えていないという点で、違和感を覚え始めます。
加えて王を始末しろと言われていたウンボさん、毒薬を仕込むのですが痛恨のミス(知ってた)。
ここで王はさすがに「お前はウンギではない!!!」と涙目で怒ります。やっと気づいた王、おせえ。
ウンボさんもニセモノのフリしたり本物のフリしたりと何がしたいかよくわからない状態だったので、ここは王に少し同情してしまいました。まあ色々な理由が渦巻いているのですが。
しかし王に毒を盛った行動をしておいて、未遂とはいえ許されるのはさすが王の愛は深いと思った次第です。やはり特別優勝者枠の強みでしょうか。

色々あった末ウンボさんは「私はウンボ」とウンギの双子の妹だとやっと明かし、王も納得。「やっと名前を聞けた…」といきなり周囲の目も気にせず2人の世界に。
良かったですね(棒読み)となっていたのですが、この2人に激怒しているのがカンテク優勝者の王妃でした。
そういえば、王はカンテク2回戦目で優勝者をウンボではなく別の方を選んでいたのです。さすがに特別枠カードを2回使うのは気が引けたのでしょうか…。
優勝者「アイツはウンボのことしか頭にねえ」と怒り心頭。これには視聴していて完全同意。波乱の予感…。
ウンボへの気持ちが伝わったと思ったものの、王とウンボvs王への反乱軍という流れや、そもそもウンボは嘘つきという根本的な問題などが取り上げられ、2人の仲も引き裂かれそうになり…。

ということで、なかなか濃いお話かと思いきや、茶番感があったり、謎の予知夢パワーがあったり、シリアスなシーンでつい笑いそうになってしまったりと(個人的な問題ですが)、イマイチその世界観に入れないというドラマだったかなあと思いました。
王がウンギ/ウンボの顔が好きすぎて、もうどんな理由でもウンボ/ウンギ一択なのは確実でしたし、例のカンテクしなくても、どうせ王はウンボ一択というのが全シーンにおいて明らか。
だからでしょうか、ラブストーリーとしてもカンテクとしてもハラハラしたり切なさが皆無。ちょっとロマンティックさにも欠けるというか…。
ただ、色々な部分で面白さがあったので、個人的には結構楽しめたドラマではありました。
エンディング直前、何と3回目のカンテク計画もありましたが王は完全無視。さすがタイトルが「カンテク」だけあるなあと複雑な気分を抱きつつ…。
とはいえ、しっかりしたハッピーエンドで良かったなあと思いながら真顔で視聴を終えました。カンテク(揀択)という言葉を覚えたので勉強になりました。

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