おすすめ度:87%
ゴミ度:100%
ガラスのテーブル度:100%
原題:내 남편과 결혼해줘 / Marry My Husband (全16話)
辛い出来事が重なり続けついに命を落としてしまう女性、しかし…?2024年のリベンジ系ラブコメ。
あらすじ・キャスト
ジウォン(パク・ミニョンさん)は病気のため余命宣告されていた。
そんな彼女を気遣うのは、長年の親友のスミン(ソン・ハユンさん)だけ。
夫のミンファン(イ・イギョンさん)は病気のジウォンを見舞いもせず、入院費すら払おうとしない。
ある日一時外出で家に戻ったジウォンは、そのスミンと夫が浮気していることを知る。
ショックを受けたジウォンだったが、何と2人に殺されてしまうのだった。
亡くなったはずのジウォン…しかし目を覚ますと、ジヒョク(ナ・イヌさん)が心配そうに見つめる職場にいて…?
感想
めちゃくちゃ面白い(*但し前半)
1話目からかなり面白かったです。
ギャグのようなバカらしさ&大袈裟な前フリを次々と用意してくれる"敵”、一方でシリアスな時はしっかり魅せてくれる、パク・ミニョン先生。
まさに文句なし、カンペキなスタートを切ったドラマでした。
イライラとくだらなさ加減、若干昭和感も漂うLOVEありで構成されたオモシロすぎる今作。
一見凹凸すぎるエピソードを素晴らしいテンポで繋いであって、とにかく一切飽きさせない展開でした。(ただし前半)
実際、ここ最近では群をぬいて面白いラブコメだったと思います。
ただ残念ながら後半に別の”敵”が出現してからは、勢いが大幅にトーンダウン。
根本的なオモシロも消え失せてしまい、平凡な流れになってしまったかなと感じました。もったいない。
テンポも悪くなりましたし、16話にするためだけのような冗長なエピソードのようにも思えた次第です。(個人的な感想です、すみません)
とはいえ、良い部分もたくさんあった楽しいドラマだったと思います。
実質ゴミと結婚してしまった女性ジウォンが、不幸の中で更に病気になってしまいます。
身体的にも苦しい中で発覚する、あのゴミ夫と親友の裏切り。まさに地獄絵図。
酷い状況は重なり、何と彼女は殺されてしまいます。
しかし、ここである「機会」が彼女に与えられて…?
何と彼女は意識が戻ると過去に"戻って”いたのです。
再び得た「人生」、彼女が取る行動とは…?というストーリー。
タイムスリップ→復讐という、お馴染みの使い古されたネタの数々…。
ですが、視聴していてこちらが中だるみする時間は1秒もありませんでした。(但し〜略)
わんこそばのように画面に繰り出されるネタ。普通に楽しすぎました。
出演者の方々ですが、個人的には「悪者」がこのドラマでは輝いていると思いました!
主人公ジウォンの敵になっていた、夫ミンファン役のイ・イギョンさんの完璧すぎるイラつく中にも妙な愛嬌のあるゴミっぷり。
そして!!親友スミンを演じる、ハユンさんのわざと鼻に皺をよせるような笑顔と、丸文字までしっかり用意されている意地悪キャラの完璧さ…!
ハユンさん、正直なところ最も目立っていたのではないでしょうか。大変素晴らしかったです。
皆さんイラつかせる演技がうめえな~!と唸ってしまいました。
とにかくこのゴミ2人の役がとにかくストーリーに素晴らしく効いていて、時に笑いを、時に怒りをしっかりと引き受けた面白いキャラになっていました。
(念のためですが、ゴミというのは役柄についてのみです)
原作はWEB小説とそれをコミカライズしたWEBトゥーンとなります。私はどちらも未読です。
百聞は一見に如かず、まずは是非一度視聴してみて頂きたいです。
特に前半ははちゃめちゃに楽しいですので、観て損はしないと思います。
ゆるいネタバレありの感想
ジウォンは入院中。余命宣告され、身体も日々弱っています。
そんな彼女を悩ませるのは、入院費と夫のこと。
夫ミンファンは見舞いにも来ず、入院費すら支払っていないのでした。
そんな孤独なジウォンには長年の親友、スミンが側にいます。
スミンはジウォンをとても気遣っているのでした、やはり信じれるのは女友達だけ!
治療の継続や支払いについて、夫と確認を取る必要があったジウォン。
辛い身体を引きずって自宅に帰ってみたジウォンでしたが、そこで見たのは衝撃の光景。
夫ミンファンと信じていた親友スミンがまさに不倫の最中。加えて2人は保険金目当か、ジウォンの死を願っていたのです。
怒りに震えたジウォンは、力を振り絞って彼らに立ち向かいます。
しかし、彼女の行動も虚しく彼らに"負け”てしまい、亡くなってしまうのでした…。
可哀想なジウォン。
夫ミンファンや義理の母に収入は奪われ、病気になり、彼らに殺される…。こんな辛い人生ってあるのでしょうか。
しかし、ジウォンは再び目を覚ますことになるのです。
10年前に戻る
死んだはずの自分…ですが、なぜか会社で目覚めるジウォン。心配そうに見つめる上司のジヒョク。
大混乱する彼女でしたが、違和感に気が付きます。
そう、"今”は2013年…。何とジウォンは10年前の自分に戻っていたのです。
考え込むジウォン。
もしかして病院から自宅に戻る際に乗った、あの不思議なタクシーがきっかけだったのかもしれない。
亡き父がいつもお小遣いの紙幣に小さく描いてくれていた、ハートのマークのお金を見つめます。
ジウォンはこの最大の「チャンス」を使って、未来の自分を悲惨な状況に追い込んだゴミ夫&ゴミ親友に復讐をすることを誓うのでした。
想像以上のゴミ
10年前のジウォン、それはまだ未婚の頃。
つまりあのミンファンと結婚しなければ、数々の問題はとにかく避けれそう。
とはいえ、ミンファンは金銭的にも堅実で従順なジウォンを「妻には最適」だと思っていますので、そう簡単に別れてはもらえません。
一方のスミンの性格を考慮すると、ジウォンに”捨てられた”ミンファンに興味を持つとも思えません。
スミンはずっとジウォンに執着して生きてきたのですから。
ジウォンは彼ら2人の性格を分析し、反撃の道筋を綿密に計画する必要があります。
タイムスリップしたとしても、2023年にはジウォンは未来と同様に病気で亡くなる可能性が高い。
限られた期間内にジウォンは復讐を遂行しなければなりません。
眉間に皺のジヒョク
過去に戻って混乱したジウォンを当初から謎にサポートしてくれる紳士、ジヒョク。
視線はジウォンにロックオンしながら、終始意味深な表情を浮かべるジヒョクさん…。
彼にもどうやら大きな秘密がありそう。
実はジヒョクは、ジウォンのことを学生時代から密かに知っていたのでした。
ジウォンは彼のことを覚えていませんが、彼にとってはずっと大切な相手。
そして何と、ジヒョク本人もタイムスリップして2013年を生きていたことも明らかに。
ジヒョクもまた過去に戻った今、再び同じ過ちを繰り返さないと決意していたのです。
気になった点
・元婚約者の登場
元婚約者ユラの出現以降、作品として相当ダルい展開になってしまったのは否めないと思います。
それまでの敵は憎たらしさの中に愛嬌やバカらしさのある、キャラ立ちした悪者だった訳ですが、このユラさんはそのようなものが残念ながら皆無。
そのせいか、キャラ自体に対して何ら感情が持てないというか…。
全16話にするための、単なる時間埋めキャラのようになってしまっていました。
というのも、ユラ自体がどのキャラとも大して繋がりがありませんので、「そうなる理由」みたいな背景も圧倒的に不足しているんですよね…。
こうなると単なる金持ちワガママ"元婚約者”が、理不尽に暴れているというだけの時間が延々と繰り出されるだけで、視聴側としては嵐が過ぎるのを待つだけ。
12話からこのユラがメインの敵として登場したため、正直なところドラマが失速したなと思えました。
・ジヒョクの単調さ
このドラマでは女性に強く焦点を当てられていましたので、しょうがないかもしれません。
ただそれにしても、ジヒョクさんがキャラとしてあまりイキイキしていなかったように見えたのは残念でした。(個人的な意見です)
ドラマのスタート時には、このナ・イヌさん演じるジヒョクにテンション爆上がりしたものの、13話ぐらいになると「そういえばいたな…」ぐらいの存在感に気付けばなっていました。
(あくまでも個人的な役柄に対する感想です、ナ・イヌさん個人についてではありません)
なんでしょうか、キャラとしてジウォンを支えているのは感じられたものの、それ以上でもそれ以下でもないというか…。
ヒール役の2人のミンファンとスミンというとんでもねえキャラの影となり、どうしてもインパクトが薄くなってしまったのかもしれませんが。
若干、出オチ感があるキャラだったなという印象です。
・「私が」復讐する
ジウォンが最終的に自分の力でスミンに引導を渡したのは、ドラマとして大変良かったと思いました。
ジウォンは常に自分の歩んでしまった道を自分自身で変える、そのことに拘っていました。
それについて、キャラとしても最後までしっかりと筋が通っていたのは良かったです。
・ミンファンさん
ミンファンの最期、ジウォンの2023年の悲劇と重なっていて良かったとは思いました。
ですが、視聴していてかなり物足りなさを感じた、どこか呆気なさを感じてしまったのが正直な気持ちです。
ゴミとして大いに楽しませてくれたミンファン…お前ともっと戦いたかった…(完)
--
ということで、12話あたりから脚本家が変わったのかと疑うレベルで失速しましたが、
総合的には十分楽しませて頂いたなと思ったドラマです。
ミニョン先生のスタイルを活かした衣装も連発で、やはり今作も衣装チェンジが激しいなと思った次第です。
それとこのドラマではガラスのテーブルがよく割れましたね…。
気になった方は是非少しだけでも観て頂ければと思います、面白かったです。