ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ ヴィジランテ (感想)

おすすめ度:70%
週末の制裁度:100%
ダークヒーロー度:100%
原題:비질란테 / Vigilante (全8話)

韓国ドラマ ヴィジランテ感想レビュー考察あらすじネタバレ

優秀な警察学校の学生の裏の顔はダークヒーローのヴィジランテだった…。2023年のアクション・スリラードラマ。

あらすじ・キャスト

警察学校の優秀な学生ジヨン(ナム・ジュヒョクさん)には別の顔があった。
週末に街に出て、法の穴から抜け出した”悪”を自らの手で「制裁」すること…。
そんな謎のダークヒーローの存在をテレビ局に勤めるミリョ(キム・ソジンさん)は報道するのだった。
一方、その者の存在を追う刑事ホン(ユ・ジテさん)、そしてジヨンの謎のファンであるガンオク(イ・ジュニョクさん)が出現するが…。

感想

非常に期待して視聴しました。
序盤は面白かったですが、かなり凡庸で中途半端な展開になってしまったなと思いました。
とはいえ主演のナム・ジュヒョクさんの演技がとにかく良くて、なにより今までと違った表情を見れたことは特に素晴らしかったです。
とても良いスタートダッシュを切った今作でしたが、個人的に特に目についたのは全キャラへの深みのない描写でした。
全8話というコンパクトなドラマのせいなのか、登場人物があまり多くない割に人物描写は表面的な一部分だけな点に私は不満を覚えました。
そのせいか視聴していてキャラに対して特別な感情が沸き起こったり、気持ちが揺さぶられるということが一切無かったです。
ただ8話という枠で決して描き切れず尺が足りなかった!というほど、エピソードが詰まっていたようにも私は思えませんでしたので(偉そうにすみません)、途中やや繰り返しのようになっていた”制裁”シーンを端折ってでも、ジヨンの内面と彼がどのように”この道”に進んだのか、そして対になるホンの歩んだ背景も描いて欲しかったです。
ダークヒーローという存在ですが、彼が行ったことよりも「どうして?」という部分があまりにも欠落していると思います。
そのあたりがちょっとワンパターンさと内容が浅い感じを受けました。
またガンオクというキャラが面白かったものの、あまり彼もストーリーに強く効いておらず勿体ない感じもしました。
総合的には開始早々にヴィジランテがジヨン(ナム・ジュヒョクさん)ということが描かれます。
その後ヒネリもありませんので、ある意味視聴しやすい作品にはなっていますが、ちょっとドラマとしては想像以上に”普通”だったなあという印象です。
ですが、述べましたようにナム・ジュヒョクさんのダークさの演技はとても観ていて楽しかった!
そしてユ・ジテさんの怖さ…。体重をかなりアップされたようで、知っている姿(?)からひと回り以上ビルドアップされた感じで、その立ち姿だけで圧倒されるようなものがありました。
ぜひ興味のある方はチェックして頂きたいと思います。

こちらの作品も原作はWEBトゥーンということですが、私は未読です。
またネタバレになるかもしれませんが、シーズン2の可能性を残したようなエンディングにはなってはいます。
ただ、個人的には今作はこの1で完結したのではないかという印象を受けましたし、そう思います。
ドラマの内容的にも「答えはでない」ようになっていて、ある意味で現実的で良いラストだと個人的に思いました。ただ明確なスッキリ!というエンディングではありません。

ゆるいネタバレありの感想

ヴィジランテ 韓国ドラマ レビュー
ヴィジランテ考察あらすじ感想 ディズニープラス
ヴィジランテ感想 韓国

警察学校に所属するジヨン。頭脳も運動能力もトップクラスで優秀な生徒です。
そんな彼には苦しい過去がありました…母の死です。
食堂を営んでいた母は、ある男に幼かったジヨンの目の前で理不尽に殺害されてしまいます。
その後逮捕された男でしたが、犯人は法の下で裁かれます。ですが、その裁きはあまりにも”軽い”ものでした。
まだ子供だったジヨンにとって、その時の受けた衝撃と悔しさ、世の中の不条理さを痛感するには十分なものだったのです。
そして現在のジヨン。
彼は警察学校で教官の信頼を得て、警察の犯罪ファイルにアクセスできるポジジョンを手に入れたようです。
週末、警察学校から解放されてそれぞれが実家や友人の元を訪れる際、ジヨンは1人街を彷徨いターゲットとした「悪人」をジヨンの手によって成敗を静かに行っていたのでした。

ヴィジランテとして
そんなジヨンの”裁き”を、マスコミに勤めるミリョが真っ先に目を付けます。
彼女はこのダークヒーローの出現に、静かに興奮しているようでもありました。早速上司を説得して特集番組を報道。
加害者の味方になりつつあった法に対して「誰かが”正当に”処罰している」…ヴィジランテ(自警団)と呼び、その行動を半ば称えるように煽るように世間に伝えるのでした。
こうしてヴィジランテという存在が一躍社会的に有名に。
大々的に報道され、ヴィジランテ本人であるジヨンは当初困惑しつつも、まんざらでもない表情を浮かべます。
ジヨンは自らのヴィジランテとしての行動は正しいことで、彼なりの使命感を強く持っているようです。

ヴィジランテ感想 韓国ドラマ ネタバレあらすじ

ホンとガンオク
自由に制裁を加え続けるヴィジランテ…、警察は黙って見ている訳にはいきません。
マーベルのキャラのようにとにかく腕っぷしが強い刑事ホンが、対ヴィジランテ班に投入されます。
決してセキュリティカメラ(CCTV)に映らないヴィジランテさんですが、やたら勘が良すぎるホンはいつの間にか警察学校の学生であるジヨンがヴィジランテ本人である!と突き止めてしまいます。
ホン刑事はジワジワとジヨンを包囲していくものの、ホンの中にもまたヴィジランテにどこか”共感”する感情があったのでした。
というのもホンの中の警察としての正義に反する”悪者”が、警察組織の中にもいたからです。
一方のガンオク。
彼も企業の役員で金銭的に何一つ不自由をしていませんが、密かにジヨンをヴィジランテと突き止め、積極的に彼を助けます。
ジヨンの純粋なファンとして最後まで行動するガンオクですが、彼もまた自身のポリシーに反する”悪”を罰したいと考えているようです。
このように、ジヨン、ホン、ガンオクの3人は立場や”敵”は全く異なるものの、所属する組織や社会に理不尽に蔓延る「悪」に対して、それぞれが嫌悪していることが明らかになるのでした。

気になった点
社会の不条理に一石を投じるというテーマで、このダークヒーローのヴィジランテがその象徴として描かれていきます。
最終的には無秩序の中で悲劇が起き、結局ジヨンその本人も「理不尽さ」でやんわりと守られてしまう矛盾さを皮肉さを持って「社会の現実」として結局突き付けられてしまいます。
しかし少なからずエンディングのジヨンの強い眼差しと態度から、彼の”使命”は続いていくのは明らかです。
展開はストレートで良かったですが、小さいことですとジヨンが警察の道を選んだ理由(犯罪ファイルにアクセスしたいから?)含め、もう少し彼の性格形成なんかも描いて欲しかった。
ジヨンの友人や指導教官も知っていた訳ですが、もう少しジヨンとの関係性を見たかったかなと思います。
テーマは興味深かったですし、俳優陣の演技も最高でした。
しかしドラマとして役柄や背景の描写が本当にとにかく物足りず、ストーリーの肉付けがあまり上手くないように思え、視聴後はあまり満足感は得られませんでした。
ちょっと色々と中途半端で勿体無いドラマだったなと思って視聴を終えました。

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