ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 夫婦の世界 (感想)

おすすめ度:50%
浮気度:100%
復讐度:100%
原題:부부의 세계 / The World of the Married (全16話)

夫婦の世界 韓国ドラマ 感想レビュー考察

完璧な夫婦のはずが…夫の浮気から始まる復讐劇。2020年の愛憎ドラマ。

あらすじ・キャスト

完璧な家庭を持つ女医のソヌ(キム・ヒエさん)と映画監督のテオ(パク・へジュンさん)の夫婦。
しかし、ソヌはある日テオの物からソヌではない誰かの長い髪の毛を見つける。
疑いは確信にかわり、ついにソヌは夫が有力者の娘であるダギョン(ハン・ソヒさん)と浮気していることを突き止めるのだった…。

感想

愛憎大運動会
いわゆるドロドロした不倫モノのドラマです。
大袈裟な演出もあって、それなりに楽しく視聴しました。
このドラマですがきれいに2つの前半・後半に分割できる構成で、特に前半は怒涛の展開で掴まれるものがあり良かったです。
残りの後半ですが、基本的にタイトル通り夫婦2人の範囲から話が一切広がりませんので、ちょっとワンパターン化というか、ネタが出尽くした状態でダラダラしたものにはなっているなと思いました。視聴していて後半少々ダレてしまいました。
とはいえ、この手のタイプの話は下世話な気持ちをかき立てられることもあり、大体どう転んでも面白いなと思います。
個人的には最終回に考察させられるシーンがあり、そこが一番面白かったです。(後述します)

私がこのドラマで物足りなさを感じたのが、人物描写の不足さでしょうか。特に顕著だったのが夫のテオです。
不倫モノなので夫婦どちらかが誰かと関係を始めてしまうのですが、今作では夫のテオが別の女性と関係を結びます。
そこから全てのトラブルがスタートするワケですが、このテオという男性に関しての魅力の描写が驚くほど少なすぎる点です。
彼はもちろんド級のクズですが、少なくとも妻ともう1人の女性を夢中にさせている訳で、それなりの男性としての魅力があふれているはず。そのあたりの描写が圧倒的に足りない気がしました。
クズな夫!というキャラ立ちと女の”共通敵”としてその存在を特化したかったのかもしれませんが、彼を取り巻く2人の女性の戦いもあるわけですから、もう少し彼のアピールポイントとしての説得性が欲しかった。
作品内で「テオはクズ」というアイデンティティだけしか付与されていないのは、ドラマとしてちょっと深みと面白味に欠けるなとは思いました。(テオの行動を擁護している意味ではありません)

とはいえ、正直このドラマのオモシロさは、妻のソヌ含めたキャラ全員がおかしいという部分かなと思います。夫婦2人が絶え間なくずっと争っていますので、まるで種別を変えて楽しませてくれる2人だけの運動会を見ているようでした。
そういう意味で、大袈裟で点取合戦のエンターテインメント的な面白さがあるドラマだと思いましたが、登場人物の心情を考えさせられるという深みはなく、その点で少々満足度がない作品かなと感じました。(個人的な感想です)
原作はイギリスの『女医フォスター』というドラマということですが、私は未視聴です。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ハン・ソヒさんインスタグラムより

完璧な家族…女医のソヌは映画監督をしている夫と愛する1人の息子と幸せに暮らしていました。
医者としても信頼が高く、病院では副院長を務めていて彼女を慕う患者も多いソヌ。
しかしパーフェクトだと信じていたソヌの夫婦生活にも、ほころびが生じはじめます。夫テオの浮気の影です。
出張から帰ってきたテオのマフラーに付いていた長く茶色い1本の髪の毛。ソヌの目が光ります。
テオに浮気をしているのかと直球で問い詰めますが、あっさりと否定されてしまいます。しかしそんな簡単に納得できるソヌではありません。

ソヌはなんと彼氏から暴力をふるわれている女性で、患者でもあるヒョンソに夫の尾行を頼みます。ここから既に何かがおかしいソヌさん。
スパイのヒョンソから夫テオが謎の女性と親密という情報を得て、疑惑が確信に。問題は浮気相手は誰かという点。
ソヌは、テオの誕生日会の日に夫の車に隠された”お泊りセット”に入っていたスマホから、浮気相手が若くて美しいダギョンであることを知ります。加えてソヌが信じていた”友人たち”もテオの浮気を黙認し協力していたと…。
ソヌの信じていた視界は歪み、大ショックを受けてしまいます。
しかしこれだけで終わりません。後日なぜか夫の浮気相手のダギョンがソヌの病院へ診察にやって来ます。
そして明かされる、浮気相手ダギョンの妊娠!!これにもまたもや衝撃を受けるソヌ。これは完全に泥沼確定の事態。
怒りと失望に震えるソヌは「徹底復讐」を誓うのでした。

このようにソヌが夫の不倫と浮気相手の妊娠、友人たちの裏切りと、序盤でかなりの泥沼高得点を一気に叩き出してしまいます。
ポイントとしては、ソヌさんの育った家庭もまた両親の不仲があったということ。そしてソヌは異常なぐらいプライドが高く自信もあり、完璧な女性というところでしょうか。
一方の夫テオですが、映画監督とはほぼ名ばかりで大して実績もない男性です。地元の有力者たちに出資を募るよう奔走していますが、有名女医のソヌが密かに口利きをしたりして、彼を助けています

狂気のソヌさん
浮気相手ダギョンの妊娠が判明し、これは”夫の本物”の浮気になってしまったと痛感したソヌ。離婚に備えて動き始めます。まずはお金の整理からです。
銀行に確認し、実質何も金銭的に生み出していないテオが無断でお金を借りたりしていることを知り激怒。デパートで鞄を買っていることも知り激怒。
とにかく血圧が上がりっぱなしの様子で、我を失っている母の姿に息子ジュニョン君も困惑。
手下にしたヒョンソにダギョンの住む部屋の隣にわざわざ住まわせたりと、「それをやる必要が…?」というところまでやるのが、ソヌ・スタイル。
結果ヒョンソのDV彼氏まで釣ってしまうことになり、ソヌさんの血圧が再上昇。自ら問題を引き寄せて大きくしていくタイプのようです。
また、夫の会社の財政事情も把握しようと、近所に住む顧問会計士ジェヒョク(ソヌの事が好き)に情報提供のためなのか夫への腹いせなのか何なのか、自らの身体カードをここで使ってしまうソヌさん。
正直観ていて「ソヌさん…?」と無言に思ってしまいましたが、とりあえず官能的シーンも不倫ドラマでは必須なんだろうなと真顔で思った次第です。
ただこの文字通り体当たりで手に入れた夫の帳簿事情ですが、結果的に別にそこまで必要もなさそうだった点が笑わせに来ているのかな…と思いました。
目的のためには手段を択ばない女、それがソヌ。
この彼女の信念を感じさせる狂気のソヌ・スタイルが延々と続きます。

ゴミのテオさん
浮気はダメと咎められたテオが真顔で「どっちも好きなんだもん」と回答するのは、なかなか味がありました。
終盤にソヌが「テオは自由な男だから」的に夫の魅力を語るシーンがありましたが、そういうキャラ設定だったの?と私はかなり驚いてしまいました。
彼の自由さを考えるに、個人的にはこの序盤の「どっちも好き」のセリフ以外は特に思いつきませんでしたが…。
とりあえず自由人らしいテオですが、ダギョンの妊娠を知りもちろん動揺。もう遊びでは済ませられません。
加えてダギョンの父は地元の有力者であり、自分の映画への大口の出資者でもあります。娘ダギョンが既婚者である自分の子を身ごもっていると知られては、数々のドラマで恐怖の黒幕を演じられる”父イ・ギョンヨンさん”から何をされるかわかりません。私もテオと一緒に条件反射で思わず怯えてしまいました。

しかしゴミことクズことテオさん、言い訳と謝罪、逆ギレを華麗に使いこなし毎回なぜか難を逃れてしまいます。自由人はさすがです。
なぜこの男性にソヌもダギョンも執着してしまうのか?上述しましたが、その部分が最も今作のミステリーです。
またダギョンは裕福な家庭の子でもあり、ソヌは稼いでいるであろうと考えられる人気女医、2人とも金銭的に”太い”のでテオさんは2人から恩恵を受けまくっています。
クリエイティブな天才、またはエキセントリックな魅力を描くでもなく、殆ど良い面がなかったテオですので、正直非常に納得がいきませんでした。
自由さが魅力という設定であるならば、もっとその魅力を十分に演出して欲しかったと思います。

韓国ドラマ 夫婦の世界 レビュー感想考察

好きの反対は無関心
騎馬戦や玉入れのような競技で争っていた2人。たまにそんな2人の様子にダギョンが嫉妬したり勝ち誇ったりした末、美しいソヒさんが怒り笑いか落ち込んで終わるかというワンパターンな構図が散見されつつ…。
前半の大きな山場としてソヌが握ったカギでもあったダギョンの妊娠とその相手は自分の夫であるという衝撃な話題を、ダギョンファミリーの前で目がギンギンの状態で発表、周囲を震撼させたソヌさん。
続け様に捨て身の計画で見事テオをノックアウトし、ソヌは勝利を勝ち取ったと思われました。

第2部としてはテオのターンから始まります。
ボロボロになったと思われたテオさんですが、2年で随分事情は変わったようです。映画もついに当たり(?)一度は去ったコサンに堂々とダギョン妻とその子を連れて戻ってきたのでした。(もちろん妻の家族の援助あり)
そしてもちろん嫌がらせ第2章がスタート。
後半戦ではより犯罪の線を使って攻めるスタイルのテオさん。仕事はしているのでしょうか?戦いも激化します。
常に相手を意識しながら行動してる様子は見ていて好き丸出しでなかなか微笑ましいなと思ってしまうぐらいでした。彼らに好きの反対は無関心だよ、と教えてあげたかったです。
直接対決をしていた2人でしたが、後半は主に一人息子であるジュニョン君の取り合いで戦うように。
何かにつけて「ジュニョンのため」とエゴ丸出しで争う元夫婦にジュニョンもストレスUP。単純に可哀想でした。
挙句偶然なのか必然なのか、離婚した両親の「俺に抱かれたいんだろ」的場面を見てしまったことには心底同情しました。嫌すぎます。

最終回の考察
夫婦(家族)の問題というところから、あまりにも多くの人々を巻き込んでしまった2人。(一応疑惑的で間接的ですが)死人まで発生しているのでなかなかです。
賢いはずのソヌが自身の行動の無駄さと価値の無さに気づかず、理性を失ってまで異様にテオに固執してしまう様子。
テオも自身の過ちとバカさ加減を認められず、執拗にソヌとの勝ち負けに拘ってしまうさま。まさに可愛さ余って憎さ100倍の2人。似たもの同士。愛。
そんな2人の愚かな様子を見て悟ってしまったのか、ついに息子ジェニョン君の我慢の限界が。
彼は静かに走り出し、2人の元から消えてしまうのでした。一体彼はどこへ…。
結局”お互い以外”誰も2人の元には大切な人は残っていません。

問題(?)のエンディングの考察ですが、「もしかしたら許される日が来るかもしれない」という言葉で、息子が1年ぶりに帰宅するようなシーンがありました。
あれはソヌの願望(夢)だと個人的に考察します。
そう考える理由としては、その前のシーンで夜ベッドでソヌが心情をPCで綴るシーンとその帰宅シーンのトランジションの間に彼女の”文章”がそのまま繋がっている点です。(例えば間に起床シーンなどが1カット入ると、夢ではなく現実の可能性があるように思えます…)
加えて、引き続きソヌとテオはいまだに連絡を取り合っているところ(息子の失踪問題があるので理由は理解できますが、あくまでもまだ関係が切れていないという点です)つまり、再び「あの悪夢が繰り返される可能性がゼロでない」とやや感じられる点。
この2点があるので、ジニョンは残念ながらもうソヌとテオの元には決して戻らないと思います。(完全に今作だけを観た個人的な意見です)
大騒ぎをした2人が得たものは結果何もなく、それどころか最も大切なものを失うという大変皮肉なエンディングだったのは私は面白いなと思いました。喧嘩両成敗。
ということで、ザ・不倫ドラマを観た!!という感想に尽きる作品でした。

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