ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ ザ・グローリー パート2 (感想)

おすすめ度:80%
リベンジ開始度:100%
罪悪感のなさ度:100%
原題:더 글로리 2 / The Glory Part 2 (パート2、全8話)

ザ・グローリー ~輝かしき復讐~ パート2 感想考察レビュー 韓国ドラマ

彼女の復讐が今始まる…。サスペンスドラマのシーズン2。

あらすじ・キャスト

壮絶ないじめを受けた過去を持つドンウン(ソン・ヘギョさん)は、医師ヨジョン(イ・ドヒョンさん)とヒョンナム(ヨム・ヘランさん)らの協力を得て、ヨンジン(イム・ジヨンさん)らに対して遂に復讐の計画を実行に移すのだった…。

感想

面白かったです。
後半のパート2、いよいよドンウンの復讐が始まります。
パート1より更に狂気というかややオーバーで都合の良い展開も感じましたが、現実・非現実的のギリギリのラインという感じで良かったです。
内容としては重めなものの、前半よりもテンポも早くて若干の昼ドラ感さえあり、観やすいパート2になっているなと思いました。
また個人的には「復讐だけが正解ではないけれど」という含みを作中で持たせてあったのは、一方的な考えにならずとても良いと思えました。
主人公ドンウンにイジメでなく犯罪を犯した加害者たち。このクズたち(演じる俳優さん個人の事ではありません、役柄についてです)が、なぜ駄目なのか…?そのような部分も描かれていた点も良かったです。

いじめグループのリーダー的存在のヨンジンを演じるイム・ジヨンさんですが、まるで般若のように表情に迫力があり惹きつけるものがあり恐ろしかったです。(ご本人の見た目ではなく、ジヨンさんの演技での表情についてです)
視聴していて、この役を演じるのはなかなかストレスがあるだろうな…とつい思ってしまうぐらいの役柄と熱の入った演技でした。インパクトがすごかった。
ドンウン側が”静”とすると、イジメ側は”狂”と対極に設定されていて、その描写がある意味コメディ的にも感じられ演出として興味深かったです。

ゆるいネタバレありの感想

イム・ジヨンさんインスタグラムより

5人のイジメ加害者仲間の1人、ミョンオが行方不明に…。
ミョンオはドンウンにも協力していたような場面もありましたので、一体彼はどうなったのか?
それがヨンジンを崩すポイントになっていきます。またパート1からかなり気になっていた、ヨンジンの足の傷の謎もここでやっと明かされます。
ドンウンが、ヨンジンが気づかない内にじりじりと包囲していく様は、なかなか良かったです。
ただ、特にヨンジンやジェジュンは、ヨンジンが「復讐を仕掛けている」のはわかっているにも関わらず、自らがドンウンと同じレベルの”攻撃(防御)”しか行わないのは都合の良さを感じはしました。
彼らは裕福ですので、いくらでもプライベートで怖そうな人を雇うなどでヨンジンを”攻撃”する術はあるとは思います。
ある意味リベンジされるのを何もせず待っているようにも見えましたが、これに関してはストーリー筋から外れてしまうので、難癖であると思いつつも私は少々気になりました…。
また、結果的にドンウンは復讐の決定的な箇所は自ら手を下していないのですが、その点も捉え方によりけりかなと思います。私はモヤモヤした部分も感じはしました。

ヨンジン
リーダー格だったヨンジン、しかし彼女の異常な自信は本人から来たものではありません。裕福な親、夫など周囲の人の力で地位を得ただけ。
その部分が最終的に露わになったのは、面白いなと思いました。
最終回でヨンジンは自分を常に守ってくれていた母親に裏切られますが、このシーンが最もこのドラマでよく考えられた復讐だと私は思えました。
ここは、まさにドンウンが母親から”売られた”場面と対比してあり、いかに絶望を受けるのかをヨンジンに理解させた最大のリベンジでしょう。
またドンウンの「私を忘れていた」というセリフもありますが、加害者は忘れ被害者は忘れない、その罪悪感のなさをあらためて浮き彫りにしたのは、作品として強かったと思います。

韓ドラ Netflix グローリー2 感想考察批評レビュー

復讐の意味
一連の「仕事」を終えて、ドンウンはスッキリした!幸せ!というように描かれていなかったは、とても良かったです。
復讐を終えても、あの時間は戻らないという悲しみ、そして生きる目的を失ったような喪失感。
やり返しても”幸せ”を得る訳ではない、決して勝ちではない、という事実。だけれど復讐でやっと一歩進める人生もあるという、2つの面が存在するという点のはその通りだと思います。
この作品は主に後者の話ではありますが、彼女の心の空白は復讐をやり遂げても埋まっていないという点も描かれていて良かったです。

ドヨンとイェソルの親子関係
妻の過去を知り、また現在の醜態に失望する夫ドヨン。また愛する娘イェソルが妻ヨンジンとジェジュンの子だったと理解し、怒りを覚えます。
恐らく子供のためかと察しますが、当初ドンウンから事実を突きつけられた時、ドヨンは離婚を選択しません。
ドヨンは夫として、ヨンジンに何度か「更生のチャンス」を与えているのですが、いずれも彼女はその選択肢を全て却下します。ここでやっと彼女そのものに見切りをつけたドヨンさんです。
血は繋がっていないけれどイェソルを真に愛し変わらず娘として、そして彼女の環境を考えて行動したドヨンは、父として良かったと思いました。
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ヨジョンらに助けられ、復讐を果たしたドンウン。彼女は愛にも気付き、今後のドンウンの人生において、心の隙間を埋めていくものになるかもしれません。
加えて、同じく復讐でしか進めないヨジョンを次はヨンジンが助ける番になりそうです。
ヨジョンの復讐に焦点を当てたシーズン3(正式にはシーズン2)の可能性も考えられる終わりになっていました。

この全16話で、ドンウンが地獄のように過ごしていた高校時代の教師含め、全員を(一応)復讐したのは、良かったと思いました。ただ、へジョンやサラはある意味、単なる自滅状態だったのであまりスッキリはしませんでしたが…。
個人的にはジェジュンに対する復讐の”最後”は、ドヨンでない人が良かったとは思えました。(イェソルがいますので)
とはいえ上手くまとめてあり、とても惹きつけられる展開でのドラマでした。

パート1(第1−8話)の感想:

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