ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ ザ・グローリー ~輝かしき復讐~ 感想

おすすめ度:78%
人生を賭けた復讐度:100%
眺めの良い場所度:100%
原題:더 글로리 / The Glory (全8話)

韓国ドラマ ザ・グローリー 感想考察レビュー

10代の時のイジメへの復讐が今始まる…2022年のリベンジドラマ。

あらすじ・キャスト

10代の頃に壮絶ないじめを経験したドンウン(ソン・ヘギョさん)は、あの頃誓った「夢」をついに叶えようとしていた。彼女の夢とは、自分をいじめたリーダー格のヨンジン(イム・ジヨンさん)そのものだったのだ。
そんなドンウンはヨンジンと数十年後の再開を計画する中、研修医のヨジョン(イ・ドヒョンさん)に出会うが…。

感想

パート2(9−16話)の感想はこちら:

(パート1、1−8話までの感想)

真新しさは感じませんでしたが、テーマにストレートで面白かったです。
高校時代のひどすぎる壮絶なイジメに対する復讐劇のドラマで、全8話構成です。主役のソン・ヘギョさんの衣装で何となく『マイネーム』的な”ハード”な展開かと勝手に冒頭数分で勘違いしたのですが、今作は静かに進む復讐となります。

ただNetflixあるあるなのか、この全8話のパート1では何ら完結しません。
ちょうど「本編はこれから」という部分で一旦切れますので、全編揃ってから視聴されたい方は後半を待つのが良いかもしれません。
今のところ2023年3月に、後半の残り8話が配信予定とのことです。
個人的な考えですが、視聴している中で積み上がる興奮のような作品への熱意のような興味をパート2が出る数ヶ月後まで維持するのは正直難しく、加えて気になっている伏線の箇所を細かく覚えておきたい気持ちを持っている方もいると思いますので、このタイプの作品を半分に切って配信するのはあまり良いとは思えませんが…。(色々な事情があるのは承知ですが、偉そうにすみません)

序盤テンポ良くしたい意図なのか、主人公ドンウン(大人)がイジメ主犯者へ辿り着く過程の描写がやたらと早く・短くて、視聴していて背景への理解に少々混乱しました。
ここは詳細を描く必要はないのかもしれませんが、視聴していて逆に都合の良さの印象が残り、個人的にはちょっと気になってしまいましたが…。
このパート1(シーズン1)では思ったより”手の内”のネタは見れた方だなとやや驚きはしました。良くも悪くも後半がそれなりに予想できるというか…。
とはいえそれなりに山場もありますし、序盤の目を覆いたくなるイジメ描写以外は観やすく、ところどころでよくわからないシーンの繋ぎも感じつつ、どんどん進む展開だと思います。
イジメについては(フィクションとはいえ)許せないものばかりで、個人的には観ていて大変嫌な気持ちにさせられました。

視聴していてヨンジン役の2人は印象に残りました。
ヨンジン(大人)を演じたイム・ジヨンさんの演技がなかなか狂気を感じて良かったです。目を剥いて相手をなじるのですが、単純に怖かった…。
また、ヨンジン(10代)役のシン・イェウンさんも良かったです!

ゆるいネタバレありの感想

イ・ドヒョンさんインスタグラムより

ソンハン高校の体育館。ドンウンはヨンジンに呼び出されます。周囲には彼女をリーダーのように慕ういつもの仲間たちがドンウンは誰も寄り付かない体育館で、想像を絶するような壮絶なイジメを受けていたのでした。
助けを求めようとしても教師も警察も、そして自身の親さえも彼女に救いの手を差し伸べてはくれませんでした。裕福なヨンジンの家族の”息がかかった”環境で、彼らはまさにやりたい放題だったのです。あの先生のロレックスもおそらくヨンジン家族からのプレゼントでしょう…。
ドンウンは自分の置かれた状況に、ただ絶望するしかない青春を過ごしていたのでした。
ついに退学に追い込まれたドンウンは、死にたいという思いを「夢」に方向転換させます。ドンウンの夢を「ヨンジン」だと決意。
そう、人生をかけたヨンジンへの復讐を誓うのでした。

ヨンジンへの接近
高校を中退させられたドンウンは、自分の生きる糧を”復讐”とします。
彼女はヨンジンへ近づくため働きながら時間を見つけ必死で勉強をし、遂に大学に合格します。そして、念願の教師の資格を得るのでした。
教師…ドンウンは、ある1人の女児のために先生になる道を志望していたのです。
ヨンジンの1人娘であるイェソルの”担任”になるために…。
彼女の壮大な復讐計画はこれを「基盤」としてスタートするのでした。
ちょっと彼女がイェソルの担任の座を得るためのトリック(理事長の相続の件)がわかりにくかったです。理事長の性的指向が関係していて、それをドンウンはネタにしていたのでした。

ヨジョンとの出会い
ドンウンは大学に入学してからは、主に家庭教師をしてお金を稼いでいました。しかし、ある日彼女は栄養失調で病院に運ばれてしまいます。
その病院で知り合ったのが、研修医のヨジョン。彼は病院を経営する母親がいます。
ヨジョンはドンウンに一目惚れしていたと思います。2人は囲碁を打つという目的で会い始めるのでした。

復讐の始まり
ドンウンは、ヨンジンたちが久しぶりの母校の高校に集まった時、彼らに宣戦布告をします。
大人になったあのイジメグループですが、叩けば埃が出る者ばかり。ドンウンは彼らの一番の”穴”であるパシリ状態のミョンオに接近するのでした。彼を使おうとしたのです。

ヨジョンへの告白
ヨジョンの好意に気づいていたドンウン。しかし彼女は恋愛に時間を割くことなど自分の中で絶対に許されないはず。
彼女は「目的を達成するために生きている」のだから…。
ドンウンは彼に、自分に今必要なのは「剣舞を舞ってくれる処刑人」だと告げるのでした。
しかし過去のフラッシュバックで心身が弱ったドンウンは、ヨジョンを訪ねます。
彼に自分の痛ましい傷跡を見せ、彼女の真の目的を話すのでした。ヨジョンは「処刑人になる」とドンウンに協力を申し出ます。

気になる点
・描写が雑
ドンウンが用意周到に憎悪の対象であるヨンジンに接近する過程が、どうしても簡単描写すぎて、執念のような恐ろしさにも近い心情をもっと感じたかったです。
壮絶なイジメは観ていて辛くなるぐらい伝わったのですが、その後の描写があまりにも説得力がないように感じました。
学生になってからも金銭的にも大変だったと思うのですが、栄養失調というワードのみでやや不満でした。また彼女はドラマ内で「家庭教師で貯めた」とありましたが、授業料免除されていたとしても都合の良さは感じました。

・ドンウンの人間関係
ドンウンはこの”計画”を自分の命をかけて進めているものだと思います。個人的に違和感を感じたのが、氷の女王のようなドンウンが比較的簡単に他人に自分の計画を話していることでした。
途中でドンウンの大きな力となるヨム・ヘランさん演じる女性ですが、彼女も”他人には頼めないお願い”をドンウンにしているため協力関係として理解できるのできます。
しかし績工場の同僚女性やヨジョンに対してはそうとは考えられません。
絶対に失敗できない復讐で「笑うと目的を失ってしまいそう」という理由で他人との交流や感情を出さないストイックでもあるキャラのドンウンでしたが、このあたりはしっくり来ませんでした。
ヨジョンを「利用する」とも考えられますが、ドンウンの態度からあまりそのようには感じませんでした。
そのため今後ヨジョンと恋愛関係が発展する可能性も秘めていますが、個人的には安易にその流れは避けて欲しいと思いつつ…。

ということで、3月に配信される後半は特にイ・ドヒョンさん演じるヨジョンの秘めたる”復讐”と彼の持つ狂気が更に明らかになり、ドンウンとの関係が深まるかと思います。もっとヨジョンの闇を見たいので期待が高まります…!
他にも数々の不可解な人物、そしてラストシーンでの亡くなったソヒとヨジョンの関係性などパート2で語られるはずですので、早く続きを視聴したいなと思う次第です。

こちらもおすすめ: