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韓国ドラマ スイートホーム2 Sweet Home シーズン2 (感想)

おすすめ度:72%
怖い人間度:100%
安全キャンプ度:100%
原題:스위트홈2 / Sweet Home Season 2 (シーズン2, 全8話)

韓国ドラマ スイートホーム2感想レビュー考察あらすじネタバレ Sweet Home2

怪物からやっと逃げた人々が見た地獄、そして…。2023年配信のモンスターアクション/スリラードラマのシーズン2。

あらすじ・キャスト

大規模アパートで突如発生した人々の”怪物化”、自身も半分怪物化してしまったヒョンス(ソン・ガンさん)やウニュ(コ・ミンシさん)らはアパートから脱出する。
上士(ユ・オソンさん)が指揮を取り中士(キム・ムヨルさん)、チャンヨン(ジニョンさん)の警護の元で暮らし始める人々だったが…。

感想

シーズン3への前菜

2020年12月に公開されたシーズン1がとても大好きだったので、待ちに待ったこのシーズン2の配信!速攻で8話一気に視聴しました。
CG(CGI)も大幅にパワーアップし、加えて怒涛の豪華俳優陣による新キャラ大量投入。かなり予算がかけてあるんだな…と、とりあえずその派手さに驚きました。

シーズン1では巨大アパートのグリーンホーム内での限定的な人間ドラマと対怪物戦が秀逸に描かれていましたが、このシーズン2ではあのアパートから脱出。
新たな保護エリアでの生活をベースに描いてあるものの、各キャラの居場所はかなり分散することになります。
内容的にも怪物化していない人間、人々を警護する兵士、怪物化した人々…というグループ化されているもあり、全8話のシーズン2では視点がやや分散することになります。
また2では怪物に対する恐怖そのものよりも、人間同士の醜態により焦点が当てられています。
多くの人物模様の描写のお陰で、ディストピア感というか絶望的な世界観はとても上手く伝わって来ました。
とはいえ限られたスペースで発生する特有の妙な人間関係や、対怪物との緊張感は良くも悪くも薄れていたように思います。
ネガティブ気味に言うと、『Sweet Home』の前作の良さであるヒューマンドラマ味が出ていなかったような気がします。
また1では主にソン・ガンさん演じるヒョンスが主人公として存在し、視点が固定されていたのとヒョンスを中心に構築される人間模様で、どの住人キャラにも強く感情移入しやすかったのですが、この2では全く異なります。
2は(新しい)登場人物がとにかく大変多いのもあり、1人の主人公を定めてはいません。
そのため、より俯瞰的になり人物描写が浅くなっています。
(敢えて1からのメンバーから主軸を選ぶと、このS2ではミンシさん演じるウニュがメインだったかもしれません…。)
私はそのせいかS1のオリジナルメンバー以外に対して、愛着が全く持てませんでした。
S1ではどの住人に対してもモンスターにならないことを願うような気持ちもありましたが…。

ネットフリックス スイートホーム2 感想考察あらすじ

全体的に2024年夏に配信予定のシーズン3への”種まき”のような人物紹介や、序章を感じるエピソード展開がとても多かった。
このシーズン2も十分面白かったですが、全貌が大して明らかにされていない”繋ぎ”のような、よくある流れが多いように感じました。
不満も感じたところもありました。(後述します)
ストーリーとして、正直1から大きく何も起こっておらず、「怪物より怖いのは人間」という前回の位置から何ら変化がないというか…。(すみません)
そのため個人的には前作よりも熱中させられたり、新鮮な驚きを得ることは全くありませんでした。
むしろかなりの終盤にかけてこそ「あっ!?」という熱い展開になっていて、続編のシーズン3こそが真のメインコースであるのは明白。
ということで、新キャラ紹介とファイナルへ続く前振り、前菜としての立ち位置に完全になっているシーズン2だったなという印象です。
とにかく来年夏のシーズン3が待ちきれません。

シーズン1を視聴していなくても楽しめるように作ってあると思いましたが、キャラの背景などを知った方が面白いと思いますので、可能な限り前作を視聴して頂きたいです。

ゆるいネタバレありの感想

スイートホーム シーズン2あらすじ感想ネタバレ
スイートホーム2レビュー考察感想

安全キャンプに到着した人々。
ここでも怪物化の恐れがある人物を容赦無く切り捨てる一方、いつ自分が怪物になってしまうのかという恐怖。そしてお互いに疑心暗鬼になる人間の醜さを描いています。
怪物と人間との線引きは一体何か?…この前回から続くテーマの中で、ヒョンスという怪物になりきっていない”特殊感染者”がとても考えさせられる存在になっていきます。
ただ残念ながら(?)、このシーズン2では大きなストーリー変化というよりは、より個々の人物のエピソードに焦点を当て、人間と怪物との狭間で彼らの持つ葛藤を多く描いていたと感じます。
そのせいか2は、こじんまりしていてドラマチックさに欠け(失礼ですが)だるい展開になっているとも思えました。
シーズン2では大きな流れはあまり起こっていないと感じましたので、以下個人的に気になった点と感想を書きます。

ヒョンスについて
この2で今までのカギとなっていたキャラ、ヒョンス君の存在ですが、かなり存在感が薄くなってしまい非常に残念でした。
そもそもヒョンスという人間は、絶望の末にグリーンホームに1人越してきた訳です。
しかし運悪く怪物化するのですが、彼の怪物化へのパターンは他と異なりました。
ヒョンスは己の弱さに打ち勝つように、自分の怪物の力を”人間”として他者を守り使うニュータイプになります。
この彼を中心とした流れの描写がとても魅力的で、シーズン1の素晴らしさが際立っている箇所でした。
そして続く今作2ですが、彼は再び孤独(のような)状況に置かれていて、個人的には何だかなとは思えました。
彼は(というかサンウクなどもそうですが)どうやって暮らしていたのでしょうか?
現実的な撮影スケジュール等も関係しているのでしょうが、ヒョンスらのさらなる「成長」が2で見れると当然期待していた私にとっては、ほとんどのキャラに対して大した背景も語られず進む流れにかなりガッカリしたものになりました。
ウニュと再会し、彼女が思わずヒョンスを抱きしめ短い会話を交わすシーンに、このスイートホームシリーズの”醍醐味”が凝縮されているように思えた次第です。
別にヒョンスを主人公として確立する必要はありませんが、この2ではどのキャラを考えても彼らが生きてきた人間関係の深さを垣間見れるシーンがかなり不足していたのではないでしょうか。

Sweet Home2 感想 Netflix
スイートホーム2あらすじ考察レビュー
スイートホーム2ポスター

親子愛
イギョンと産んだ娘のシーンを中心として、怪物含めて色々なパターンの親子愛についてかなりエピソードを割いていたと思います。もしかしたら今作のテーマだったのかもしれませんが…。
とはいえ、結構続くこの親子愛についての問いかけについて、個人的には少々しつこさを感じてしまいました。(すみません…。)
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というわけで、期待値が異常に高かったのもあってか少々ネガティブ気味の感想になってしまっているかもしれませんが(すみません、個人の感想です)、ドラマ自体はもちろん楽しんで視聴しました。
この2はあくまでも続編シーズン3へ続く序章である、という部分が強く伝わりますのでとにかく夏を待つしかねえ…という気持ちです。
ヒョンス、サンウク、イギョン娘、イギョンらの人間/怪物のニュータイプがカギとなる3になるのでしょう…そしてもちろん、ウニョクも…。シーズン3が楽しみです。

シーズン1の感想:

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