ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 ソウル・バイブス (感想)

おすすめ度:64%
1988年度:100%
改造車度:100%
原題:서울대작전 / Seoul Vibe (140分)

ネットフリックス 韓国映画 ソウルバイブス 感想レビュー

1988年を舞台に車と仲間で向かう先は…2022年公開のアクション作品。

あらすじ・キャスト

1988年のソウル、韓国。腕に自信があり、色々な”仕事”で稼いでいたドンウク(ユ・アインさん)、ウサム(コ・ギョンピョさん)、ジュンギ(オン・ソンウさん)、ユニ(パク・ジュヒョンさん)。
そんな彼らはある日、アン検事(オ・ジョンセさん)にとある取引を持ちかけられる。

感想

適度に面白かったですが、期待値を上回るタイプの作品ではありませんでした。
ノリが良くお約束通りに直球・明快に進み、ストレスなく視聴できるストーリー。話に厚みや深さはありませんが、楽しい映画でした。
とにかく出演俳優が豪華で観ているだけで楽しく、そういう意味でもエンターテイメントとして楽しめました。

基本的にはカーアクションがメインで、車に夢中だった青年たちが組織の悪事を暴く計画に一役買うというストーリー。
舞台はソウルオリンピック開催の年の1988年。この年は今作出演のコ・ギョンピョさんやキム・ソンギュンさんも出演されている、名作『応答せよ1988』でも舞台となっている年です。
この88年がソウルという都市にとって、そして人々にとって、非常に大きく変化が生まれた象徴の年でもあるということが、知らない私にも伝わる感じが良いなと思いました。

この作品ではそのような”発展”に対する純粋なワクワクした熱意(ドンウクたちの若者)と、懐が潤った一部の者たち(権力者)、そして発展の犠牲になった一般市民たちの声(アン検事)の構図もしっかりあったのは良かった。
根本的には陽気な雰囲気を保っているので湿っぽくならず、一貫性を感じました。
若干過剰な演出と演技を随所に感じはしましたが、恐らくレトロさと88年の熱い”バイブス”の表現を意図したものでしょうか。
ファッションは本物?の88年風(『応答せよ』)ではなく、近年のレトロっぽさに寄せてきたスタイリングに思えました。ちょっと可愛い感じ。
しっかりマクドナルドともタイアップしていましたが、上手く合わせていました。

ただ気になったのは個人的に全体的に冗長さを感ました。
このシーンが長い!と決定的に浮かぶシーンはなかったのですが、なんとなく長いなあと感じてしまうというか…。
テンポが悪いとは思えなかったのですが、1つ1つのシーンが1分ずつ長いため(例え話です)、結果2時間20分になったというタイプの作品かもしれません。(変な説明ですみません)

主演がユ・アインさんですが、個人的にアインさんが(も)かなり好きな俳優さんなので、私はかなりウキウキで終始視聴しました。表情の作り方がやっぱり素晴らしいなあと思いました。
加えて好きなキム・ソンギュンさんも出演されていて、その顔芸を存分に楽しめました。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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オン・ソンウさんインスタグラムより

何故か中東でひと仕事終えたドンウクたち。久しぶりに韓国へ戻ってきます。
しかしオリンピックのため、自分たちがかつて住んでいたエリアは開発地区となり昔の面影はありません。
一抹の寂しさを感じつつも、ドンウクは妹や仲間の待つ”ピット”へ帰ってきたのでした。
ウサムらと再会を楽しんでいた時、彼らに招かれざる訪問者が。検事のアン・ピョンウクです。
アン検事はドンウクら全員に過去の違法な問題を突きつけます。それらの過去を帳消し+アメリカへのビザを引き換えに、検事が追っている事件を手伝えと提案しに来たのでした。
その事件とは、前政権のトップとそして彼の裏金に大きく関わる2人、インスクとヒョンギョン…。想像よりも大きなヤマにドンウクたちはザワつく一同。

公道カーレース
ちょうど彼らが”運び屋”を探しているらしく、運び屋になるための非公開テストに参加してその座を勝ち取れと検事から指示が。
その非公開テストこそ、なんとソウル市内の公道を使ったカーレースだったのでした。
ここが序盤の大きな見せ場な訳ですが、個人的には一般市民にとって危険すぎる…と、全く別の心配をしてしまった次第です。
圧倒的なドライビングテクニックを持つドンウクは、無事彼ら組織の運び屋となります。高額な報酬も約束され、ここでもザワつく一同。ただ、ドンウクの仲間ウサムが妙に簡単に彼らのDJとして認められたのは何だったのかとは思いました。

ヤバい室長
調子良く仕事をこなすドンウクたち。
しかし、次第に危険を覚え始めます。理由はイ・ヒョンギョン室長。
元軍人で銃を事あるごとにチラつかせる男性です。
個人的にはこのイ室長が最もギャグっぽい存在で、車を炎上させて「これが2つ目のテストだ!」と言い放ったのは、意味がわからなくて笑いそうになりました。
大切な車を燃やされ怒り心頭の様子だったドンウクですが、速攻でアン検事から別の車をオファーされていたので、ここで「この映画は…アレなんだな…」とある意味、個人的に覚悟を決めたポイントでした。

どこを見て
ドンウクはこの”仕事”から抜けたいと考え始めます。しかし仲間たちは「俺たちしかできない仕事だ」と辞める気はありません。
そんなドンウクの態度にウサムは「いつも逃げてばかり」だと彼を責めますが、ちょっとこのあたりは背景の説明不足を感じました。
もともとサウジアラビアなどで謎の仕事をしたお金は、アメリカにいる母にドンウクが送金〜と検事が発言していましたが、そのような親子関係ももしかしたら含まれているのかもしれません。
ただ主人公ドンウクがどんな人物なのか、どのような過去を背負っていたのかは不明なため、このウサムの言葉が単なる雰囲気に合ったセリフ状態で、何ら視聴していて響いて来なかったのはもったいないなと思った次第です。
最も鍵となるであろうセリフ「どこを見て走っている?」はラストシーン近くにも関係する言葉ですが、これについても同様です。ただのありきたりな感じだと残念に思いました。
2時間20分の作品なのでドンウクの過去をもう少し語っても良かったような。
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辛いことやトラブルを乗り越えながらも、大切な仲間と車を信じ、そして正義を信じて進んだドンウクさん。
最後の大きな”レース対決”では、ドンウクさんむちうち症待った無しというか、レース以上に彼は尋常じゃない身体能力を持っているんだなと感心しつつ…。
ただ、物語の展開が予想通りという点では面白くはないですが、何か惹きつけるバイブスは確かにある作品だなあと思いました。
恐らく役者さんの力が強く作用したかなとは思います。エンタメ映画として視聴されると楽しいと思いました。

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