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観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 田舎街ダイアリーズ (感想)

おすすめ度:28%
自転車度:100%
動物病院度:100%
原題:어쩌다 전원일기 / Once Upon a Small Town (全12話)

田舎街ダイアリーズ 感想レビュー Netflix

突然ソウルから田舎町の獣医になった男性が出会った女性とは…。2022年のラブストーリーWEBドラマ。

あらすじ・キャスト

獣医をしている祖父の代役として、突然ソウルから田舎町で働くことになったジユル(チョ・ヨンウさん)。しかしトラブルに巻き込まれ、警察官のアン・ジャヨン(ジョイさん/ Red Velvet)と顔を合わせることに。
一方都会からやって来たジユルを、青年会長サンヒョン(ペク・ソンチョルさん)は気に入らない様子…。

感想

1話約30分x全12話の短いドラマで、雰囲気的にもとても観やすい展開でした。
ただ残念ながら、テンポが良いお話かというと全くそうではありません。
前・後半と分けて考えると、前半は話に動きがほとんど無く、相当もっさりした構成になっています。
後半にかけてやっと進展というか動きがありますので、しばらくは我慢が必要なドラマです。この序盤で面白くない、つまらないと感じる方は多いかもしれません。
短いドラマでゴールが最初から見えているベタな展開ながら、話の立ち上がりがとにかく遅すぎるという印象。
お節介な村の人たちとのんびりした田舎町+動物たちを舞台に、3人の男女の恋愛が描かれます。原作はWEB小説とのことです。

全体的にわざとらしく、妙に安っぽい演出も気になったのですが、個人的に最も気になったところは、人物描写がかなり表面的なところです。
主要キャラクターに深みを全く感じず、前半は特にジョイさん演じるジャヨン、後半は桃農園のサンヒョンに関して誤解が生じやすく、特にこの2人に関しては結構損なキャラ設定と演出だなとは思いました。(役柄に関しての感想で、ジョイさんやペク・ソンチョルさんが悪いという意味では決してありません)

予定調和的に物語が進むので、ある意味安定感あるドラマになってはいますが、全体的に何を見せたいのかわからない焦点がぼんやりした話だなと思います。
短い30分枠ドラマなので、あまり何も考えずゆるくドラマを楽しみたいな~というような時にはピッタリの作品になっています。
ジョイさん、チョ・ヨンウさん、ペク・ソンチョルさんの他にも、色々な作品でお見かけする俳優さんたちが沢山出演されているので、観ていて楽しかったです。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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チョ・ヨンウさんインスタグラムより

ソウルで獣医として働いているジユル。
祖父と連絡が取れないという電話を受け、慌てて田舎町ヒドン里へ駆けつけます。しかし心配は無用でした。
祖父が長期間のクルーズ旅行に出かける間、孫のジユルに村の獣医として自分が不在中に働いて欲しいという希望だったと判明。
そんな事情で、ジユルは突然ソウルから田舎暮らしが半ば強制的にスタート。都会のソウルと異なり、ヒドン里の獣医は診察する動物も家畜が多く、慣れない動物に四苦八苦するジユル。
慣れない田舎暮らしながらも、時に対立しながらもジユルは次第に村の人からも信頼を得ていきます。

アン巡査の距離感
そんなジユルに誰よりも強い眼差しを向ける人物が…。警察のアン巡査です。
ヒドン里に祖父を心配して到着したばかりのジユルに、尋常ではない距離感で接近する女性、ジャヨン。正直、コワイと観ていて速攻で感じてしまいましたが…。
田舎設定あるある、他人との境界線ゼロ仕様の今作、アン巡査ことジャヨンさん的には問題ない距離感なのかもしれません。
この序盤のジョイさん演じるジャヨンさんですが、「誤解を生みやすい」キャラとしての大きな要因が、まずこの強引すぎる接近アピールが異様に強すぎるキャラかと思います。
観ていてすぐに「この2人は過去に知り合いだった」のだと彼女の行動からすぐにわかるものの、肝心のジユルがジャヨンを覚えていないという点が、この作品では前半の大きな解決テーマになります。
途中でやっと「アイツは一切覚えてねえ…」ということを受け止め、諦めつつあったジャヨンさん。
しかし、それに行き着くまでに警察官という立場を利用してなのか、ジユルの仕事現場に頻繁に登場。これには視聴していて「・・・。」と終始なってしまいました。不自然すぎる。

また最初に、野良犬(野犬?)のエピソードがありましたが、考え方は色々あるかと思いますが、犬の処分について黙認しているような行動を取ったアン巡査が、結局ジユルが犬を救助した後「私が飼う!」と言い出したところでも、謎さが残りました。
ドラマ内でも語られますが、賞賛獲得欲求が強すぎるような不安定さを抱くジャヨンさんです。ジユルとの関係が進むうち、この問題は一応解決されたようですが…。

青年会長の立場
このヒドン里でジャヨンの側にずっといる男性、それが青年会長ことサンヒョン。
まるで姉と弟のような雰囲気ですが、サンヒョンさんはジェヨンのことをずっと想っていたのでした。
しかし突然ソウルからやってきたジユルの登場で、押さえていた気持ちとジャヨンとの関係性が崩れてしまいます。
まるで先制攻撃のようにジユルの前でジャヨンに告白するサンヒョン。しかし彼女の顔は曇ります。どうやら、彼女はサンヒョンへは恋愛感情は一切ないようでした。
進展が大してない前半の大きな山場のシーンがこのサンヒョンの告白だったかと思いますが、ジャヨンはやんわりと断ります。この前半から、ジャヨンはサンヒョンに”当初から特別な気持ちは無い”という点が明らか。
しかし常にサンヒョン君が彼氏のように登場してくるシーンが多く、そのあたりは個人的にどうかなと思いました。
というのも、単なるジユルとジャヨンを”邪魔する”キャラだけのような立場になっていて、ちょっと安易というか可哀想というか…。
このあたりも非常に浅く、もう少しジャヨンの感情面を常にサポートしていたのはサンヒョンだったという説得性がある描き方があれば、この三角関係のような立ち位置とサンヒョンという人物そのものに深みが出た気がしました。

2人の恋の行方
のんびり進展していたジユルとジャヨンの恋。
しかし突然ソウルからやって来た元カノの登場は、2人の微妙な距離感を揺れ動かします。
この元彼女も、完全に「邪魔しに来た人」という起爆剤の役割で、観ていて無言にさせられました。キャラの役割は大切ですが、その設定を物語に溶け込ませて欲しいところ…。
また、元カノ同様にソウルから取って付けたような理由でやって来た同僚獣医に、思いっきりジユルの気持ちを説明セリフで代弁させ、ジユル君のモヤモヤしていた気持ちを強引にまとめ上げて去っていきます。正直、スゴイ役柄だなあ~と驚いてしまいました。
まるでネタのように不自然に桃が落ちてくるというシーンには正直笑ってしまいましたが、その桃のおかげで2人の気持ちはやっと結ばれます。長かったですね!
しかし問題になるのが、ジユルのタイムリミットです。彼はソウルに戻らなければならないのです。
と、この2人の別離がポイントになるかと思ったのですが、前半の尺を無駄に(すみません)使いすぎたのか、終盤のドラマ内での時間経過が凄まじかったです。遠距離のすれ違いエピソードなどが秒速で描かれ、本当に呆気に取られてしまいました。
エンディングでは予想した通りのベタな最終回になっています。

ということで、スローライフ的なラブストーリーを期待し、実際その通りのお話ではありましたが、テンポの悪さとストーリー構成の悪さ、キャラ描写の浅さに正直なところガッカリしたドラマでした。
軽めのWEBドラマと考えても、全体的に”弱すぎる”と思います。(偉そうにすみません…)
とはいえ色々考えずに気楽に視聴できるタイプのドラマなので、その意味では良かったなと思った次第です。

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