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韓国ドラマ 美男堂の事件手帳 (感想)

おすすめ度:55%
怪しさ度:100%
カフェの地下度:100%
原題:미남당 / Cafe Minamdang (全18話)

美男堂の事件手帳 韓ドラ感想

怪しい”道士”ハジュンが追う因縁の事件とは?2022年のコメディ・ミステリードラマ。

あらすじ・キャスト

元警察のナム・ハジュン(ソ・イングクさん)はカフェ美男堂で道士として、その不思議な”力”によって名をはせていた。
しかしハジュンの力は、彼の仲間であるスチョル(クァク・シヤンさん)、妹のへジュン(カン・ミナさん)によって助けられていたものでもあった。
ハジュンは3年前のとある事件を密かに追うハジュンだが、警察のジェヒ(オ・ヨンソさん)や検事のドウォン(クォン・スヒョンさん)と度々ぶつかり合うことに…。

感想

全体的にちょっとドタバタ感とコントのような茶番があまりにも強すぎて、私はかなり残念に思いました。
個人的にはイングクさん演じるハジュンのキャラは面白いと思いましたし、好きでした。
ハジュンのつかみどころのない雰囲気や、本心をあまり出さないところもイングクさんに、特に表情の出し方などとても合っている役だったと思います。シリアスになったかと思うと、急にふざけてこちらの気持ちを惑わせるという”胡散臭い道士”という役柄も良かったです。
ただ、私が最もどうかなあと思ったのが、そんな主人公ハジュンを支える他の美男堂メンバーそして対立するオ・ヨンソさん演じるジェヒのキャラクターの描き方でしょうか。
なにも全員を一律で”うるせえ”キャラタイプにしなくたって…と閉口してしまうというか。アニメ/マンガ的な演出も狙ったかもしれませんが、悪目立ちしすぎのような。
少しそのおふざけとシリアスのバランスが終始悪かったように思いました。
この脇のキャラがやたら小うるさいのもあり、最も目立たせるべきハジュンのキャラが周囲と同化していたり、見どころ(?)でもあるハジュンvsジェヒの構図もワンパターンさが強く、作品自体の面白さを自ら消しているように思えてしまいました。(偉そうにすみません、個人的な感想です)

全18話という通常の16話よりも長いドラマですが、終始ずーっと同じ調子が続きます。
緩急の変化はあるようで無いというか、その”面白い”と意図したであろうシーンが、序盤以降は特にガチャガチャ感が目立ってしまい、結果シーンとして全く効いていないような。
そのせいか、単なる古いタイプの騒がしいコメディドラマになってしまっているように思えました。

お話の流れとしても、3年前の事件をきっかけにある犯人を追っていくのですが、割と長めの鬼ごっこ的な構図が続きます。
キャラのドタバタ感も加わり「どうせまた同じだろうな」と思わせられてしまうのも、なんだかなと感じました。

原作はウェブ小説とのことです。
また特別出演(カメオ出演)で、チャ・テヒョンさん、ウム・ムンソクさんが出演されています。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ソ・イングクさんインスタグラムより

女性が殺到する人気カフェ美男堂。
その地下では、「テウン区の新星、巫堂界の異端児」ことハジュンがナム道士として、彼を慕う人々のお悩みを華麗に”解決”していたのでした。
そんなナム道士ですが、実は元警官。
彼はプロファイラーとして働いていたのですが、ある3年前に追っていた事件の後に証拠偽造として逮捕され、実刑となってしまいます。もちろんハジュンは無実を訴えますが、組織としてもハジュンを守られることはありませんでした。
ハジュンはその3年前の事件を決して忘れてはいません。犯人を”コプリ”と呼び、追うと決めたハジュン…。
自分と同じように警察を去ることとなったスチョルと共に、半ば成り行きとハジュンの機転の良さもああって、道士として生計を立てることに。
元々プロファイラーとして働いていたハジュンの判断力の良さに加わり、妹であるへジュンの強すぎるハッキング能力の助けもあり、彼の”力”は界隈で「当たる」と噂になっていたのでした。

依頼人の悩みを聞き、解決しようと動き出したハジュン。
しかしそのトラブルから、あの3年前の事件に繋がるような事例も出てきます。追うハジュンですが、ここで警察や検事とも交わることに。事件を追っているのは、もちろんハジュンだけではなかったのでした。
ハン鬼というあだ名がつくほどの女性警官、ジェヒさんです。
この彼女も追っている3年前の事件…それは、ある検事の死も強く関係していたのでした。
ジェヒにとっては兄、そしてハジュンにとっては同じ事件を追う同僚のような関係であり友人だったジェジョンを殺した憎き犯人。そしてハジュンにとっては失意に暮れた中で、さらに濡れ衣を着せられ職を追われた事件。その犯人は今なお犯行を続けているのでした。そんな因縁のある事件。

美男堂の事件手帳 レビュー感想

ジェヒさん問題
兄ジェジョンが殺されてしまった事件について、ずっと怒りを貯めていたジェヒ。
彼女はこの兄が殺された原因の1人として、ハジュンに半ば恨みのような気持ちを強く持っていました。ハジュンが犯人を”逃がした”という理由からです。
また、実は幼少期に2人はお互いを知っていてジェヒはハジュンに憧れていた過去を持ちますが、大人になった現在ジェヒは名前を事件を追うために変えていて、ハジュンはジェヒ=ジェジョンの妹ということに全く気付いていません。(ジェヒは知っています)
このあたりの2人の間の「誤解」が、過度な喧嘩状態の根底にある問題です。

後に指摘されることにはなりますが、ジェヒの頭ごなしに物事を決めつけてしまう性格設定もあり、ハジュン達が行動している事全てにおいて敵対し、ジェヒがヒステリックにキレ散らかすというパターンがお決まり化。
この茶番劇がなかなかしつこく、視聴していて割とイライラさせられるところでしょうか。
途中ハジュンやジェヒのボスが彼女のその態度を指摘しますが、気が強いジェヒは決して誤りを認めようとはしません。
重要人物をジェヒのせいで危険な目に遭わせて、やっと(促されて)反省するというのは、なかなかだなと思いました。

ジェヒに対してネガティブな感想ばかりで申し訳ないのですが、直感で動くことも多いハジュンに文句を言うジェヒですが、警察官でもあるジェヒが過去の事件についてもっと内部資料などを確認すれば何かしらの矛盾に気付くようにも思えました。何故そのような論理的な行動をまず彼女が取らないのかも不思議に思えました。
彼女の部屋には新聞の報道記事などがスクラップされていますが、ハジュン=悪者と決めつけてしまうジェヒの理由が報道など”表面化”された部分だけのようにも取れ、そもそも私はその部分があまり理解できませんでした。(まあそういうキャラ設定なので、しょうがないのですが)
ただこのジェヒとハジュンの衝突は中盤までずっと続きますので、なかなか面倒くさい関係だなと観ていて正直思いました。

犯人の描き方
このタイプの作品で犯人”コプリの正体”をネタバレするのはよろしくないと思いますので濁して書きますが、「ですよね」という方が犯人(黒幕)になってはいます。
ただデジャブ感が若干あるというか、配役を考慮せずともキャラ描写で”知ってた感”がプンプン匂う作品でもあるので、なんでしょうか...もう少しヒネリが欲しくはありました。
わかりやすいヒントとしては、この方だけが1人落ち着いていて(ある意味)周囲から”浮いている”のは明らかな点。
問題として、美男堂他メンバー全員のうるさいキャラ設定がここでも「犯人の意外性」の驚きを自らダメにしているようにも考えられます。
そのあたりもスリラー的な軸がある物語として、どうかなあと個人的にはかなり残念に思いました。キャスティングを考慮せずとも、ちょっと答えが序盤から丸出しすぎるのは勿体ないなと思った次第です。

ということで、前半から容赦なく始まるガチャガチャ茶番とドタバタコントで、かなり損をしている部分が多くあると強く感じたドラマでした。好き嫌いが別れてしまうタイプのドラマだと思います。
もちろん面白い部分もあったのですが、お話の進展具合や人間関係そしてその演出のバランスがイマイチのような。
結論、全18話の構成でなくても良かったような気がしつつ、微妙な気持ちで視聴を終えました。

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