ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ クイーンメーカー (感想)

おすすめ度:68%
目力度:100%
選挙戦度:100%
原題:퀸메이커 / Queenmaker (全11話)

韓国ドラマ クイーンメーカー レビュー感想考察批評

大企業のフィクサーと庶民派弁護士。2人が選挙戦のためにタッグを組む!2023年の政治系ドラマ。

あらすじ・キャスト

巨大企業のフィクサーとして働くドヒ(キム・ヒエさん)は、長年忠誠を誓って仕えていたグループ会長(ソ・イソクさん)の元で、次女の婿ジェミン(リュ・スヨンさん)を次期市長としてサポートするよう指令される。
しかしドヒは、あるトラブルから対立していた人権派弁護士オ・ギョンスク(ムン・ソリさん)を訪ねるのだった。ドヒの意図とは…?

感想

目がバキバキ
テンポも良く面白かったですが、ちょっと展開がワンパターンで話の筋が弱い感じもしました。
序盤は特に怒涛のキツめの”掴み”で、俳優さんの演技の目力が皆さんバキバキにキマっていて本当に怖かったです。
正直、最近この手のドラマを観ていなかったのもあってか、画面の圧が強すぎて半泣きになりそうでした。
ビンタ!財閥!ヒステリー!目バキ!ルブタン!と次から次にフルコースで画面に刺激的に出現するので、1話目から既に胃もたれしそうでしたが、徐々に(一応)マイルドになりましたので、しばらくは我慢して頂ければと思います。
単に濃い味付けに慣れただけかもしれませんが…。
とはいえ、正直「フルコース」こそがこのドラマの最大の持ち味であり長所かなと思います。

財閥企業に命を賭けて働いてきた女性ドヒが、ある事件をきっかけに離れます。
その後、対立していた女性弁護士とタッグを組み市長選に出馬させる…という、代理戦争的なストーリー。
ドヒは敏腕のやり手の女性。彼女は様々な妨害を財閥側から受けますが、その度に新たな手を?!という感じでお話が進みます。
やってやり返しての連続攻撃、時にドロドロとし、時にピリッと、そして思わず半笑いになる戦いは過剰な演出もあってか、普通に面白かったです。
もちろん良かったですが、展開は特に驚きもないので「面白いけど惰性」な視聴になるかなとは思いました。そこが個人的にはちょっと作品としては既定路線で魅力に欠ける気はしました。
ですが、そんなこちらの態度を見透かしたように、バッキバキの目で出演者の方々がこちらを毎回(シーンとして)睨んでくるので、思わずビクッとしてしまうこと多数。
気づけは11話一気に観てしまいました。普通に怖い。
ストーリーと俳優陣に色々な意味で圧が強く、テンポも悪くなかったので観やすいドラマだと思います。
ただ正直、選挙戦をネタにしたドラマですが政治系というよりはなんだか愛憎ドラマを観た後のような印象を視聴後は持ちました。

毎回言っていますが、皆さん演技が上手かったです。
11話という尺でしたが、最近よくある半分にぶった切って前・後編として配信されなくて良かったな、と思いました。

ゆるいネタバレありの感想

Netflix Koreaインスタグラムより

ウンソングループで働くファン・ドヒ室長。彼女は、グループのトップである会長に仕え、会長含め娘たちの”尻拭い”の仕事も完璧にこなす「フィクサー」として界隈では名を馳せていた。もちろん会長からも絶大な信頼を得ているドヒ。
そんなある日、ドヒは会長から大きなプロジェクトを指令されます。会長の次女チェリョンの夫ジェミンをソウル市長にするというのです。
身内を市長にすれば、ウンソングループにとって大きな利益になることは明白。
ドヒらは現市長を色々な方面から”攻撃”を仕掛け、容易にその座から引きずり下ろすのでした。ウンソングループ恐るべし。

イスル事件勃発
ジェミンを市長に…そんなミッションを受けたドヒは、彼から相談を受けます。秘書の1人、イスルという女性からジェミンが脅迫されているというのです。
ジェミンの説明では、イスルが彼に好意を持ち、嘘の告発をしようとしていると。一線は超えていないと主張するジェミン。
ドヒは大事な時期にこの不安要素を排除せねば、とイスルを呼び出します。イスルの過去を持ち出し、彼女の話は一切聞かず一方的にクビを言い渡すドヒ、おそらくずっとこのスタイルだったのでしょう。
しかし、その直後なんとイスルは亡くなってしまうのでした、ジェミンの意味深なカフスピンを握って…。
ドヒは言いようのない恐ろしさを感じるのでした。

ただ、私はこのイスルの事件に対するドヒのやたらと動揺したリアクションが腑に落ちませんでした。
10年もグループで働いているドヒ。彼女の口ぶりからこのような”片付け方”は経験した/知っていると推測されました。
実際、排除したかったギョンスク弁護士について、ドヒは部下に”指示”しています。つまりグループにとっての邪魔者を消すことは、よくあることだったと思われますが…。

野良犬ドヒ
イスルの死に不自然さを感じたドヒは、ジェミンを問い詰めます。罪悪感もなく平然とする男にドヒの怒りと悲しみが湧き上がります。
一方でジェミンは、ドヒをも責めます。ドヒこそがイスルを追い詰めたのではないか、と。
キツイ口調でクビを言い渡したのは確かなドヒ、しかし絶対にこのジェミンのそして背後にあるウンソングループの横暴な振る舞いを許すわけにはいかない。
”野良犬”として心の底ではドヒを見下していた会長。そんな彼女にドヒは遂に「潰してやる」と反旗を翻すのでした。

韓ドラ クイーンメイカー 考察評価レビュー

オ・ギョンスク弁護士
ギョンスクはウンソングループの労働問題でドヒとは顔見知りになっていました。それ以来2人は犬猿の仲になっていましたが、今回ドヒがギョンスクの事務所を訪ねたのには訳があります。
そう、ギョンスクを対ジェミンとして、市長として立候補させること。
ドヒからの突然の申し出に怒り躊躇するギョンスクでしたが、2人が置かれた状況やウンソンのやり方に思うところがあり、出馬に同意。ドヒは全力で彼女をサポートすることを誓います。
ドヒとギョンスク、クセが強い2人の最強コンビが誕生するのでした。

選挙戦といつもの黒幕
主にギョンスク、ミンジョンそしてジェミンに絞られた選挙戦。
ギョンスク陣営はドヒを中心に戦略を練ります。相手の弱みを掴み、ここぞというタイミングで世論を味方につけるのでした。
そして…ジェミン側のブレーンには、なんとあの伝説の黒幕、イ・ギョンヨンさん!!
もう役名なんて一切必要ない…なぜなら、イ・ギョンヨンさんなのだから…。
ギョンヨンさんが「Oh my goodness !」と4話を30分過ぎていつものギョンヨン節全開で登場した時は、私はその予期せぬ登場に驚きと「でた〜!」という嬉しさ(?)で思わず拍手しそうになりました。
今回の黒幕先生はスポーツカーをブィィィィンと乗り回し、ロングアイランドからやって来たようです。今作ではギョンヨンさんがオレンジ色のポルシェをぶっ飛ばすシーンは何度か出てきますが、いずれも特に意味はなかったと思われました。
ちなみにキム・ヒエさん主演の『夫婦の世界』でもこのイ・ギョンヨンさんは出演されていますので、2人の組み合わせには個人的に面白みを感じました。
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ここから最終回まで、まさに山あり谷あり、涙あり事件ありで選挙戦が続きます。
ラストはどうなるのか?極悪人のミンジョンは?そしてウンソングループは?
是非ドラマをご覧頂ければと思います。
ちなみに個人的にストーリーとは関係ないですがこのドラマ全編通して気になった点は、やたらと(無駄に)喫煙シーンが多いところでしょうか。
ほとんどのキャラにおいて妙に煙草を吸うシーンが散見され、正直なところかなり不自然に感じましたが…。

ということで、結構大げさな雰囲気もあったので、エンターテイメントとしても十分楽しめるドラマになっていました。
ストーリーとしては先も読めますし、ちょっとマンネリ感もありました。
個人的にはメリハリとしてもう少し知能戦のような手法も使っても良かったのではと思いましたが、あくまでも物理技一本で勝負するというスタイルを取っていたので、ドラマとしては派手になっていて面白かったです。

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