ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ アダマス 失われたダイヤ (感想)

おすすめ度:35%
双子度:100%
巨大な悪度:100%
原題:아다마스 / Adamas (全16話)

韓国ドラマ アダマス 感想レビュー

22年前の父を事件で亡くした双子の兄弟が見つけた闇とは…2022年のクライムサスペンスドラマ。

あらすじ・キャスト

ベストセラー作家のウシン(チソンさん)は、ヘソングループの会長(イ・ギョンヨンさん)の回顧録の執筆依頼を受けるが、その条件は一風変わったものだった。
会長宅で過ごすことになったウシンは、会長の長男の妻ヘス(ソ・ジヘさん)から会長に関する話を聞く。
一方のウシンの双子の兄スヒョン(チソンさん)は検事。スヒョンは記者のソヒ(イ・スギョンさん)から父の事件について不審点を聞かされるのであった…。

感想

率直な感想としては、役者さんの演技以外良いところが見つからないドラマでした。
申し訳ないですが、かなりネガティブ寄りの感想になってしまいます。すみません。
双子の作家と検事が、ヘソングループが持っているアダマスと呼ばれるダイヤモンドを巡って、彼らの父親が殺された事件を追う中でより巨大な組織犯罪に行き着くという、なかなかスリリングなプロットです。

第一にこのドラマが広げた数々の設定があまりというか、ほとんど活かされていないように思え、その部分で視聴していて「うーん」という気持ちが積み重なり続けました。その点が最も個人的に悪い部分だったと思います。
加えて全体的に演出がオーバー気味で、悪い意味でわざとらしさを強く感じました。その過度な演出がテンポの悪さと混ざり、”もったいぶった”展開になって観ていて気になったところです。

カメオ出演(特別出演)として、アン・ボヒョンさんがヘソンの次男役を演じられています。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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tvN Drama インスタグラムより

人気作家のハ・ウシンは、天下のヘソングループのクォン会長の回顧録の執筆依頼が入ります。ギャラは高いのですが、1ヶ月の間に会長宅に住み込みで、携帯電話の持ち込みも禁止など、色々と条件があるようです。
ウシンは仕事を受けることとし、ヘソングループという”城”に入るのでした。私物は一切持ち込むことはできず、最先端の生体認証でウシンのデータは取られ管理・モニタリングされます。これでセキュリティを全て管理しているのでした。
ウシンだけかと思いきや、なんと助手ドンリムも一緒。部屋数も余裕でありそうなお屋敷に”ゲスト”でウシンらを呼んでおいて、大人の男性2人を最低1ヶ月も同室で過ごさせるなんて、と思いつつ…。
会長に忠誠心を強く持った、メイドたちをまとめ上げるクォン執事のキツイ洗礼を受けながらも、ウシンは仕事に取り掛かります。しかし実はウシンには執筆とは全く異なる”目的”があったのでした。
ウシンはエリア内のセキュリティを任されている部署で働く、チェ総括に接近します。
ウシンを警戒するチェ総括。しかし彼は平然とチェ総括が、ヘソン側の人間でないことを知っていることを明かします。チェは国家捜査本部の秘密潜入員だったのです。
ウシンの目的を問うチェ総括に「アダマスを盗む」と平然と告げるウシン。
アダマスは、このヘソングループの象徴、ダイヤモンドで作られた”矢”。ヘソンはこの矢こそが、22年前に父が殺された事件の証拠品なのだと確信していたのでした。
お互いの利益のために、と総括へ協力を申し出るウシン。

一方のウシンの双子の兄であるスヒョン検事。
ある日彼は女性記者ソヒから、22年も前のスヒョンとウシンの父の殺害事件の冤罪疑惑について訪問を受けます。
犯人として逮捕されたチャンウは無罪で、裏に真犯人がいること。そして目撃者も…。
ちょうど選挙戦のネタとして死刑制度の世論が盛り上がっていたところ。
このままいけば、真犯人が見つかることなく葬り去られてしまう事件。スヒョンは混乱するのでした。
このように双子のウシンとスヒョンがお互いの目的や状況を知らずに、22年前の父の事件を同時に再び追い始めます。
ウシンは内部から、そしてスヒョンは外部から…。やがてそれはヘソングループと会長に繋がるのでした。

(以下個人的に理解できない点ばかりの感想になります、すみません)

セキュリティへの疑問
個人的に序盤から強く引っかかっていたのが、このヘソンに敷かれている鉄壁のようなセキュリティです。チェ総括からも説明があった「天空の目」と呼ばれるヘソングループのARESと呼ばれる最新監視システム。
ちなみにウシンが全身スキャンされるシーンがあった時、私は「なるほど!このために髪型まで同じ双子のスヒョンの存在が必要なのだな」と予想していたのですが、全く関係ありませんでした。
この恐ろしそうな説明を聞いた後でも、あまりにも自由に動き回るウシン。(もちろん総括に「システムから俺を除外してくれ」という交渉はあります。が、それにしても目立つ)
このお屋敷内ではほぼ全員が敵状態の中、妙に堂々と大胆に動きすぎ、機密事項を話しまくる、痕跡を残しまくるというフリーダム・ウシンさんにヒヤヒヤを通り越して「例のセキュリティどうなってるの」としか思えませんでした。
かなりの時間を特に総括やヘスと”密会”していますし、総括に関しては外部との隠してある衛星電話を使う場所も同じ。いくらその部署をまとめているとはいえ、誰かが彼らの行動のログを見ればすぐにバレてしまいそうですが…。
密告しまくりの不穏な執事や秘書、メイドたち。加えて仰々しいセキュリティを全面に押し出し強くアピールした割に、そのルールを自らストーリーで速攻で守っていないのは、視聴している側からすると少々ルール違反(?)じゃないかとは思いました。
そもそも「絶対に入ってはいけない」会長部屋含め、全部屋が無施錠ですし。(終盤に一応理由を察することはできますが)
そもそもこの強固なシステムの設定が、果たして物語上必要だったのでしょうか。

双子の意味
根本的にウシンとスヒョンを(見た目が一緒の)双子のキャラ設定にする必要性を最後まで全く感じませんでした。(すみません、個人的な感想です)
少し上述しましたが、ヘアスタイルまで同じキャラの2人が入れ替わって、物語上、そして視聴者を惑わして…という面白そうな意図があると踏んでいたのですが、本当にありません。(もちろん多少そのようなシーンはありますが、主要なものではありません)
正直、見た目が異なる普通の兄弟設定でも、ストーリーは何ら変わらず作れたと思います。
結局、「ヘソンの内・外から”攻撃”する」という構図が欲しかったため、2人の同等な主人公が必要だったのでしょうね…としか考察できませんでした。
(念の為ですが、2役を演じられたチソンさんに非はなく、また2役の演技は文句なく素晴らしかったです。これらはチソンさんご本人ではなく脚本上のウシン&スヒョンについての意見です)

突然のサン登場
藪から棒に登場した、サイコパス・サン嬢(ユンソンさん)。
このサンの存在がヘソンのセキュリティ設定や双子設定と同様、単なる「ヤバイ」アイコンのキャラにだけの存在になっていて、非常に厳しく感じました。
可愛い顔と華奢な身体という見た目に反し、クレイジー女…というアピールが露骨。
彼女はユン秘書の妹。幼少期にユン秘書から殺されかけたという経験から、姉を憎んでいるようです。現在は異常な殺人マシーンになったようですが、それ以外の彼女背景や人物関係が語られません。
度々画面に登場しては楽しそうに殺人を請け負うキャラに徹していて、なんだったのか感が強すぎて困惑。

アダマスと罪悪感の解放
途中からアダマスを盗む!父を殺した真犯人を探す!という2人の目的は、消失。
会長が持っていたアダマス自体が偽物だった問題や、当初のアダマスを盗んだのが双子の実の父という事実などもあり、視点があやふやになります。(ただ、これは理解できました)
そして終盤のチソンさんの熱演シーン…。この”アダマス”が2人の父への罪悪感からの解放に繋がるストーリー展開になったのは、なるほど、これに結びつけたかったのかと納得しました。
ですが同時に、この帰結に持って行くのであれば、彼ら双子が長年抱いていた父に対する感情の積み重ねの描写がちょっと不足していたような…。
2人が数々の地獄を経験する中、やっと事の顛末が明らかになって気持ちが軽くなる重要シーンです。ある意味ここが物語のピークになっているのならば、そこへの感情の流れが弱すぎると残念に思いました。

殺して解決
このドラマですが、あまりにも無駄死が多すぎて驚きました。
1話の意味のないメイドの死などもそうですが、ヘソン/チームAの恐ろしさのアピールなのか、捜査の厳しさの強調なのか、死者数がとにかくすごい。
加えて重要な鍵となるキャラ(会長、長男、チャンウ)ですら、「今?」というタイミングでアッサリ亡くなってしまうのは閉口させられました。
彼らはヘソンの闇を暴くためには証言などで必要となる人々ですが…。シーズン2を計画しているのであれば、アリかもしれませんが…。どうなんでしょうかこの解決法は…。

スヒョンは生きている
会長が簡単に撃たれてしまい、全面抗争も局面を迎えます。
スヒョンは、残念ながら命を落としたのであろうという悲しみムード。やはり代償は大きかったのでしょうか。
しかし残されたウシンの元に謎の手紙が。「スヒョンは生きている」と。
ウシンは本物(であろうと思われる)アダマスを確信にも似た表情で握りしめます。
一方で”本物”のアダマスが自分の手に戻ってきて、不敵な笑みを浮かべるのはヘス。これはかつての会長と同じ姿を彷彿させられます。
ヘソンはまだ倒れていません。ウシンたちの戦いはまだまだ続くのでしょうか?そしてスヒョンはどこへ…?

ということで、シーズン2の可能性を匂わせての最終回となりました。
個人的にはこのドラマの傾向を考えると、シーズン2はもう無いような気がします。
上述したように重要キャラが何ら問題解決に関与せず、死で謎を全て途切れさせてしまうパターンなので、このスヒョンさんも同様だと思います。
たださすがに主人公なので、死ではなくどこかで生きている…という終わり方を取ったと思います。
スタイルを貫いたのか、エンディングまで何だったの感がすごい。終始なかなかのドラマだったなと思いながら視聴を終えました。
チソンさん含め、どの俳優さんも熱演されていたのが伝わりましたし、迫力があって素晴らしかっただけに、とても残念に思ったドラマでした。

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