ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ イ・ドゥナ! (感想)

おすすめ度:70%
スモーカー度:100%
薄着度:100%
原題:이두나! / Doona! (全9話)

イドゥナ感想レビュー考察 韓国ドラマ ネットフリックス

シェアハウスの同居人は問題を抱えたアイドルで…。2023年のラブストーリー。

あらすじ・キャスト

大学2年のウォンジュン(ヤン・セジョンさん)が入居したシェアハウス、何とそこには訳アリのアイドルのイ・ドゥナ(ペ・スジさん)が暮らしていたのだった。
彼女のことなど知らなかったウォンジュンだったが、2人の距離は次第に縮まっていくことに…。

感想

ティーザーが出た時からとても楽しみにしていたドラマで、最後が気になって深夜まで一気に視聴しました。
正直、期待していた流れと異なりはしましたが、面白かったです。
ラストシーンの考察は後述しますが、興味深い展開にもなっていました。
この作品も最近のドラマの流行(?)なのか、衣装含めキャラ設定とシーンの雰囲気作りが強く感じられ、いわゆる”エモさ”が全面的に伝わるMV風のものとなっています。
その雰囲気に流されるように、内容的にはボリュームが殆どなかったように思えました。
個人的にはテンポが大変遅くて、詳細が明らかにされないまま気怠さばかり続く展開がちょっと長いかなあとは思えました。
全9話のドラマですが作風は映画っぽい構成でしたので、もう少し話数をカットして内容を詰めて深みを出しても良かったのでは…と、素人ながらに思えました。(偉そうにすみません)

内容ですが、自らの魅力にまだ気づいていない朴訥な大学生ウォンジュンが、シェアハウスにやってきます。
そこで自分とは世界が違う、”休職中”のアイドルと同居することに…という、なかなかのスタート地点。
あらすじの時点でラブコメを想像してしまいますが、メイン2人に関してはコメディ色はほとんど無いと言っても良いかと思います。
どちらかというと全体的にビタースイートで、割と現実的な流れを取ったドラマとなります。

このドラマの圧倒的な長所としては、ドゥナ役を演じられたスジさん!であると、とにかく思います。
ヘアメイク、衣装含めてドゥナにスジさんが完全になっていました。
もちろん架空の人物ですが、彼女はドゥナなのだ…というビジュアルの時点で説得力が強すぎる。
一般的な大学生であるウォンジュンらとは「住む世界が違う」という部分を、彼女の(意図して)季節感の無いスタイリングから既に感じられたのは面白かったです。
どこかアンドロイドのような雰囲気を、ドゥナから感じられたのも興味深かった。
このようなドゥナというキャラに、スジさんが完璧にハマっていたのは素晴らしかったです!
ただ一方で、この小悪魔的でカリスマさもある主人公であるドゥナの不安定さが非常に魅力的な今作にしては、彼女についての描写が思った以上に少なく感じました。
内容的には「もう少し知りたい…」という箇所が私は多くて、少々不満を感じる点も。
加えてこのキャラは何のため存在したの…というような人物もいて、何となく話にまとまりが無いような気もしました。
総合的には面白かったのですが、視聴後は何となく「ですよね・・・」としか感じられなかったというか。
個人的には物足りない気持ちを抱いたのが正直なところです。(個人的な感想です)

原作はWEBトゥーンとのことですが、私は未読です。

ゆるいネタバレありの感想

イ・ドゥナ感想考察あらすじネタバレ 韓国ドラマ Netflix
イドゥナ考察最終回ネタバレ 韓ドラ

大学の土木工学科2年生ウォンジュン。
家族の問題に目処がつき、大学の近くのシェアハウスに引っ越すことに。
到着するやいなや、玄関先で気だるく煙草を吸う女性に会います。挨拶するウォンジュンでしたが、相手の反応はイマイチ。
実は彼女こそ、K-POP 人気アイドルグループのドリームスイーツのメンバーであるイ・ドゥナ。
しかし彼女は今は訳あって活動をお休みしているようです。
ウォンジュンはドゥナがアイドルだと全く気付いていないようですが、ドゥナは彼がファンクラブのグッズを着用していたのを見て、ストーカーが来たと思い込むのでした。

ドゥナ→ウォンジュン
当初ウォンジョンのことを警戒していたドナ。
彼女がアイドルのドゥナだと認識してからも、態度が悪すぎる彼女を不審に思っていた自称Twiceファンのウォンジュン君。
お互い印象が最悪だった2人でしたが、突然倒れたドゥナをウォンジュン助けたことが特大のきっかけとなることに。
ドゥナは、彼の誠実さと素朴さに”何か”を見出したよう…。
以降、ドゥナの方から毎日積極的にウォンジュンを待つようになり、ウォンジュンは困惑。ドゥナさんストーカー化。
ウォンジュンはそんな自由奔放な彼女に遂に陥落、ドゥナと”友達”になることに…。

元ソウルメイト登場
ウォンジュンに更に別の出会いが。元ソウルメイトであり彼女だったのジンジュです。
元カノと言っても、かなり清く儚かった関係の2人…。
加えてウォンジュンにとっては、はっきりしなかった別れを経験した過去でもありました。
再会したジンジュとウォンジュン、2人の気持ちが盛り上がります。
ジンジュは特に彼との別れに理由があったことから、ウォンジュンのことが忘れられていない様子。
突然2人の女性に挟まれる形になったウォンジュン君、精神的に忙しい日々が続きます…。

イ・ドゥナ 感想レビュー考察あらすじネタバレ

2人の気持ち
「好きになることはない」そう鼻で笑ったドゥナでしたが、ウォンジュンと”友人”として過ごすうちに、別の感情が湧き上がります。
嫉妬もあったのでしょう、ドゥナはウォンジュンが合コンから帰って来た際、彼女の方からキスをしてしまいます。
彼女のその行動に大きく動揺するウォンジュン。無理もありません。
心が揺れるものの、果たしてドゥナは自分のことが好きなのだろうか?
疑問しかない彼女の気持ち、ウォンジュンはドゥナについに確かめるのでした。

事務所と芸能活動
アイドル業を休んでいるドゥナ。
そもそもこのシェアハウスに入居させれたのも、彼女の所属事務所MSAエンターテイメントのイヌク(イ・ジヌクさん)の考えのようです。
そもそもなぜ危険度UPのシェアハウスをアイドルの住居として選択されたのか、イヌクさんの考えが全く不明でしたが…。
このドゥナとイヌクですが、彼女はずっとイヌクに対しビジネス以上の感情を抱いていたよう。
まだ子供の時だったドゥナ。父を亡くし母との関係も悪かった彼女にとって、唯一頼れる大人だったのがイヌクだったと察することができます。
ドゥナはイヌクのことが好きでしたが、父性のようなものを求めていたのかもしれません。
彼女の歪んだ好意と、芸能ビジネスのバランスを取っていたのがイヌク。
ドゥナはシェアハウスでの1人の時間、そしてウォンジュンとの出会いを経験します。
イヌクに会った際に「現実」を突きつけられ、「自分の後戻りできない道」に気付きます。

最終回ラストシーンの考察
ウォンジュンと芸能界の両立を計画していた、ドゥナ
舞台での彼女を見て”住む世界の違い”を痛感した、ウォンジュン
ドゥナは芸能界に復帰し、久しぶりに再会した2人。
ウォンジュンはドゥナに別れを告げますが、彼女は食い下がり謝罪を求めます。このシーンは前にあったシーンと対比になっていて良かった!
そして、問題のエンディングの解釈。
ラストシーンは思いっきりオープンエンドになってはいますが、私は8:2でハッピーエンド寄りの結末かなと考察します。
ハッピーエンドに近いと考える理由としては:

  • ラストシーンで、2人は違う方向に歩いていきます。
    これは将来お互い正反対の道を進むことを暗喩しているのは明確。
    ですが、ドゥナが振り返っていることから、再びその道が交わるポジティブな将来を感じさせられます。
  • 9話冒頭、川に近い場所で2人が会っているシーン。
    これは個人的にはラストシーンの会場(場所は日本)より、少し後の時間軸でないかなと推測します。
    加えてウォンジュンが、微かに口元が緩むようなような表情をしますので、良いムードの中での再会だと感じます。
    この9話冒頭は、オープニングの映像に入る電車のドゥナの服装と一致します。
    彼女はプライベートに彼に会ったと解釈できますので、何かしらの進展さえ感じます。
    ちなみにオープニングの踏切などのシーンは日本の風景のような気がしますが、もしかして実際の撮影も日本だったのですかね!?(歓喜
  • 9話は7話と明らかに対になった構成です。
    7話ではドゥナが謝罪して和解し、ウォンジュンは「君じゃなきゃダメだ」のセリフがあります。
    9話ではウォンジュンが謝罪しています。
    この後に「会いたかった」というセリフしかないので、2人のこの先の関係性がハッキリしないと思ってしまいます。
    ですが、その後のウォンジュンの表情と公務員試験合格のポジティブな未来から、恐らく9話でも対になりお互いが「君じゃないと…」と認識したと推測します。

気になった点
・ドゥナとイヌク
イヌク演じるイ・ジヌクさんが特別出演枠だったのでしょうがないのですが、この2人が”どの程度”親密だったのか、ドゥナの依存度合いなどは正直もっと知りたかったです。

ドゥナの過去よりもジンジュとウォンジュンの高校時代の方がボリュームが多く、メインの人物の背景を知りたい気持ちが多かったですので、個人的には不満でした。

・ドゥナとジンジュ
1人の男性を巡って、やんわりと牽制し合っていた2人。しかし後半彼女たちは心を許し合って友情が生まれていました。
この女性同士が友情に繋がる感情の積み重ねがわかるシーンがもっと欲しかったです。
友達がいない、ドゥナが変化し成長していく過程も含まれていると思いますので、無視するにはちょっと勿体無いと思いました。
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ということで、ドゥナ演じるスジさんがキャラとしてとにかく印象に残ったドラマでした。
残念ながらストーリー的には、語られないことが多すぎてあまり満足できませんでした。
感情移入したり、考えさせられたりすることもなく、そのまま終わった感…。
雰囲気も映像美しいですし、面白いドラマだとは思いますが、あまりフックがある作品ではないかなあとは思いました。(個人的な感想です)

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