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観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 遠見には緑の春 (感想)

おすすめ度:60%
二重の意味度:100%
緑と青とは度:100%
原題:멀리서 보면 푸른 봄(遠くから見ると青い春) / At a Distance, Spring Is Green (全12話)

遠見には緑の春感想ポスター

青春は楽しいばかりじゃない…2021年放送の青春ドラマ。

あらすじ・キャスト

ジュン(パク・ジフンさん)は大学の新入生でありながら、既に人気者で誰にでも愛想がよい男性。
しかし、その反面常に満たされない心を持って孤独だった。
ジュンは先輩のスヒョン(ペ・イニョクさん)と知り合うが、他の人とは違い冷たい態度を示すスヒョンだった。。
ジュンはまたソビン(カン・ミナさん)とあるきっかけで知り合い、彼女の事が気になり始めるが…。

感想

2重の意味で良かったです。
タイトルの「遠くから見ると青い春」(直訳)の通り、青春と言うと聞こえはいいけれど、その真っただ中にいる彼らはそれぞれ苦しみや葛藤を抱えているが…という点をテーマにした割とベーシックな青春ドラマでした。
ただ、意図されていると絶対思いますが、BL的にも取れるストーリーラインを平行線で存在させているのが比較的わかりやすく、そういう意味で面白いなあと個人的に思いました。
いわゆるブロマンスのシーンが多くある、というのではなく1話から最終話まで、通常の青春ドラマ(ラブストーリー)とBL風のラインが二重線で同時展開。
しかしBL作品ではありませんので苦手な方は全く無視できる程度かなと感じ、問題ないと思います。
これを踏まえると、タイトルがダブルミーニング的にも取れて良いなあと思いました。

主要なキャラがトラウマのような悩みがありつつ、プライドや維持をはって視野が狭くなったりしながらも、信頼できる人に出会い、心を開いていくというストーリー。
主演のパク・ジフンさんですが、捻じれた愛情表現をし、どこか放っておけないという設定のキャラがご本人にピッタリで良かったです。
また正反対のキャラであるスヒョンを演じるペ・イニョクさんも、役柄に良く合っているなと思いました。

原作は同名のWEBトゥーンとのことですが、私は未読です。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ペ・イニョクさんインスタグラムより

ミョンイル大学は新入生を迎え、キャンパスは華やかな雰囲気に。
その中心にいるのは、ひときわ目立つ存在のジュン。さすがK-POPアイドル風のヘアスタイルがお似合いのジュンさん、既にファンクラブまで発足。
しかし彼の人気はその外見だけではなく、お金も。ジュンは裕福な家の子で、お金には全く困っていません。みんなに率先して笑顔で何かを奢り、人々の関心を買っているということをしていました。
しかし彼の心は全く満たされていません。彼には心を許す親友はいなかったのです。
そんなジュンを冷たい目で見つめていたのが、先輩のスヒョン。
スヒョンはかなり貧しく、朝から夜までアルバイトの日々。湯水のようにお金を使うジュンとは環境が違いました。
ジュンはスヒョンに同じようにすり寄りますがスヒョンにはその手は通じず、ジュンを拒絶。そんな彼の態度が気になり、何度もスヒョンに近づくジュン。
スヒョンは「自分を好きにならない人がいて、不安なのか?」と核心をついた言葉をジュンに冷たく言い放ちますが、ジュンも「プライドが高いだけでなく、劣等感がすごい。もっと楽に生きたら?」とスヒョンに言い返します。
このように真逆の2人ですが、両者とも人間関係を築く上で問題を抱えているのは明確。ある意味似たところがあるジュンとスヒョンでした。

一方の女子大生ソビン。
彼女は真面目なものの、なかなか自分の意志をハッキリ示せないタイプ。そんな彼女にも興味を示すのがジュン君。
教授の資料集めのアルバイトを代わってもらおうと、ソビンがジュンに頼みますが、ジュンはここで見返りを求めてきます。さすが、ギブアンドテイクに厳しいジュンさん

新入生オリエンテーションを経て、ジュン、スヒョン、ソビン、その他のムカつく先輩たちが同じクラスを履修し、グループワークで一緒になったところからストーリーが大きく進展します。

ジュンとソビン
地味な存在だったソビンですが、ジュンの積極的な態度で2人は打ち解けていきます。ソビンの方が先輩ですが、ジュンにとってあまりそう感じさせない彼女。
ハッキリせずいつも優しいソビンの態度に、ジュンは「自分に気がある」と思います。しかし酔って気弱になったジュンの元に駆けつけたソビンは「好きな人がいるから無理」と明かします。
ジュンはその後ソビンの恋愛に協力するフリをして、彼女の片思いを諦めさせようと腹黒ジュン君になってしまいますが、その歪んだ心情を理解するソビン。
一方自分のせいで傷ついたソビンを見て、後悔したジュンはスヒョンに相談。本心を見せろと言われます。
ジュンはスヒョンとソビンとの友情・愛情で、次第に仮面をつけて本心を誰にも見せない自分をやめて人と接していくことを覚えていきます。
そして2人は付き合うことになります。

この2人のカップルですが、予想以上にぼんやりした関係だったなと思います。失礼ですがメインとしてはあまり面白味のないカップルというか…。
スヒョン君が「展開早すぎない?」というセリフで困惑したように、大したトラブルも無く早めにまとまるのですが、このあたりで後述するジュン&スヒョンの関係線がこのドラマの本筋かなと個人的には確信した次第です。

遠見には緑の春口コミ

ジュンとスヒョン
お金で人の関心や優しさを手に入れていたジュン。そして、頑なに人の助けを拒み続けたスヒョン。2人の置かれた立場は180度違いますが、他人を受け入れず壁を作っていたという共通点がありました。
当然反発し合っていたものの、ジュンの抜群のコミュニケーション力で、スヒョンも無視しきれなくなります。
「君の望みは?」と苛ついたスヒョンに対し、ジュンは「愛情が欲しいんです…」と答え、ある意味ソビンよりも先にスヒョンに本心を見せるジュン。個人的には告白シーンかな?と思った次第ですが…。
ジュンは父による暴力や兄との問題を度々スヒョンには語り、スヒョンは静かに彼に寄り添います。2人の信頼関係が大きくなり、ついに意固地になっていたスヒョンはジュンに頼ることを決意。住む場所がなかったスヒョンはジュンと暮らし始めます。
甲斐甲斐しくスヒョンのお世話をするジュンさん。ジュンさん料理できたのですね…?
完全にソビンといる時より、2人のハッピー・エピソードが多い気がしたのは言うまでもありません。
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このドラマは全体的に男女関係の描写が妙にボンヤリしていたのが気になりました。
深読みかもしれませんが、上述したジュン&スヒョンの関係性を目立たせるように意図的だったようにも感じましたが…。

ということで、特に”悪者”キャラに古臭い設定が多いのが気になりつつも、主題もハッキリしていて視聴しやすいドラマでした。
個人的にはストーリーには真新しさは全く感じませんでしたが、BL作品でなくともその線が常に存在していたという面白い構成のドラマだなと思った次第です。

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