おすすめ度：65％
魚度：100％
復讐度：100％
原題：발레리나 / Ballerina (93分)
友人のために復讐を誓った女性…2023年のアクション復讐劇。
あらすじ・キャスト
トレーニングされて警護の仕事をしていたオクジュ（チョン・ジョンソさん）は、友人ミニ（パク・ユリムさん）が手紙を残して亡くなっていることにショックを受ける。
復讐を決めたオクジュは、ターゲットになるチェ（キム・ジフンさん）に接近するが…。
感想
とにかく映像がとても美しく計算されていて、カメラのカットも独特で面白かったです。
主人公オクジュと親友ミニの”親密さ”も想像させられましたし、セットデザインやシーンの色味も凝っていて、いわゆる「エモさ」を全面的に強く感じられました。
多国籍さや非現実感の不思議さもあって、既視感はあったものの雰囲気一貫して持っていたと思います。
この映画ですが、長いMV（ミュージックビデオ）のようでもあり、また雑誌などの撮影のようにも思えました。
とにかく全てのシーンがスチールにすると映えるだろうな…という印象が強かった。
ただ個人的には、今作の魅力としてはそれだけというか…。（失礼ですみません、個人的な感想です）
物語としては、とにかく人物の背景や状況はかなり最低限の情報しか与えられていません。
ただストーリーの筋はフェミニズムさを感じるかなり単純な復讐劇なので、理解に困るほどではありません。
ですが勝手なもので映像の独創性や美しさというのは、視聴しているとすぐに慣れてくるものです。（贅沢なことですが）
そんな約90分という今作の枠の中で、映像以外に特に興味をそそらせるもの、ストーリーの背景や人物像の内面、脇役の存在意義など特に何ら深く描かれていないので、必然的にそのオシャレな映像を見ているだけ…という表面的な部分を楽しむ時間が長かったように思えました。
少々ネガティブ気味かもしれませんが、総合的には面白かったのは面白かったです。
韓国映画らしいスピード感ある残虐なシーン、その中にあるおかしさも描いてありました。作品としては見やすい展開でもあります。
ただ、あまり内容について考えさせられたり、視聴後思いを馳せたりという気持ちをこの映画を観て抱くことは私はなかったです。
とはいえ、サラッと視聴できるスタイリッシュさのあるアクション系を探している時はこの作品はピッタリかもしれません。
露骨な描写はありませんが、性犯罪が関係する内容ですのでご注意下さい。
ジョンソさんは表情の表現が独特で大変魅力的な女優さんで、私はとても好きな方ですが、今作でもふとした表情がシーンで活きていて良かったです。
この作品の監督イ・チュンヒョンさんは主演のジョンソさんと交際中とのことですが、ジョンソさんのそんな素晴らしい表情を捉えていたのは、ジョンソさんご本人の事をよくご存知だからこそかもしれません。
ゆるいネタバレありの感想
オクジュは特別なトレーニングを受けたと思われ、さまざまな”警護”を仕事としていた女性。
そんなオクジュに、ある夜に同級生でもあり友人のミニから久しぶりの連絡が。険しい表情のオクジュの顔が途端にふわっと軽くなります。
今から会いたいと言うミニ、オクジュ応じて彼女の家に向かうのでした。
しかしオクジュとミニとの”再会”は、想像していたものとは180度異なるものに。
何とミニは亡くなっていたのです、オクジュにある願いを残して…。
ある男性
ミニがオクジュに残した最後の手紙。そこにはミニからの復讐の依頼があったのです。
オクジュはミニが託したChef .ChoiというIDから、ある「鮨屋」を割り出しますが、取引はうまくいきません。
しかし、残されたミニの携帯電話にかかってきた電話をきっかけに、ある男を割り出すのでした。
オクジュはその男性の素性を確認し、”バレリーナ”と分類されていたミニやその他の女性たちが受けた数々の男の卑劣な行為に怒り震えます。
オクジュはこの男チェに対して、徹底的な復讐を誓うのでした。
気になった点
・そもそものオクジュの”仕事”の謎
・社長（キム・ムヨルさん）の存在の意味
・警察はいますか？
・組織内はなぜか拳銃ゼロポリシー
・その”秘密兵器”使うならば最初から使っていれば時短
突っ込めば結構ある今作の設定と謎ですが、個人的にはこの作品についてそれらを指摘するのは無粋というか、違う気もしました。
というのも今作はそもそもストーリーが強くある、というよりは映像作品として強く意識されている部分が多くあったと思います。
設定や背景を考えるよりも、観たままのシーンを楽しむ…。その気持ちで視聴するのが良いかなと思いました。
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オクジュの復讐の結末については、是非映画本編をチェックして頂ければと思います。
映像としてはクオリティが高く素敵で満足度が高いものでしたが、ただ映画を見終わった後は、特にあまり何ら心に残らない作品だったかなと思いました。（すみません、個人の感想です）
