ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 カーター (感想)

おすすめ度:45%
カメラワーク度:100%
ゲーム動画度:100%
原題:카터 / Carter (134分) Netflix

韓国映画 Netflix カーター感想レビュー

記憶を無くした男性に課せられたミッションとは?2022年公開のアクション作品。

あらすじ・キャスト

あるホテルで目を覚ました男性(チュウォンさん)は銃を向けられていることに驚く、しかし自分の名前さえ思い出せないでいるのだった。
しかしこの状況から逃げ出さなけば、自分の命がなくなるは明白。カーターと呼ばれるこの男性は、”指令”のままに敵を倒していく。やがてカーターはあるミッションを課せられていることを知り…。

感想

まるでゲーム動画
未視聴の方への注意点としては、映像酔いが起こりやすいタイプの作品ですので、お気をつけ下さればと思います。(私は酔いました)
序盤から有無を言わさず始まるそのスピード…かなり魅力的です。
クセになるような流れるようなドローンのカメラワークに「おおっ!?」と思いはしましたが、速攻でこれは最早ゲームの完全実写版だなとは思いました。
セットもそれぞれテーマがある”ゲームステージ”のように作られているのもあってか、余計そう感じました。
途中子供を連れて主人公男性(カーター)が戦うシーンも多くあるのですが、この子供が完全にNPC(ノンプレイヤーキャラクター)のような妙に都合の良い行動をするところも、視聴していて思わず笑ってしまいました。
おそらくこの”ゲーム感覚”は、カーターの敵となる人々の動き方や人数、キャラ配置などを考えても、影響を受けるというよりは、かなり意識されているとは思います。

この作品の最大の長所としてはそのカメラワーク。全編がまるでワンテイクのような特徴ある繋ぎ方になっているため、その点が最も独特ですし大変面白いです。
…ですが、(本当に申し訳ないですが)それが「持ちネタの全て」だったといいますか、一点集中型の特徴的なカメラワーク特化作品となっています。
つまり、長所と短所が完全に同じのため、このカメラワークとピタゴラスイッチ的なシーン展開が約130分ノンストップで続きます。エンターテイメント性は強くあるものの、正直飽きが相当早く来るのと、ワンパターンさを感じてはしまいました。
映像特化作品のためか、特にストーリーの部分はあまり作品的にも重視されていないのがわかりやすいのもあって、視聴していてもどこかゲームのストーリー映像パートのような表面的な浅い繋ぎのような感じにはなっています。
ただ、これに関しては映画やドラマの構成要素(パラメーター)のカメラワークに全振りしているのが今作なので、ある程度しょうがないなとは思います。
が、やはり映画作品なので、もう少しお話やキャラそのものの興味を掻き立てる何かが欲しかったかなとは感じました。

主演のチュウォンさんは、アクションも派手でしたし相当体を作られたであろうと察します。冒頭にはかなり身体のラインがあらわなシーンも。
ただ、チュウォンさんや他の俳優さんの演技そのものを楽しむ”猶予”が、その止まらないカメラのせいで画面から一切与えられないと思ったのは、残念には思えました。
既に子供キャラがNPCと書きましたが、主演でチュウォンさんも同様で彼の演技自体が視聴側に伝わるような、(チュウォンさん含め全ての俳優さんの)個性などの部分も殆ど消え失せていたのも、少し映画としては物足りない気がしました。

とんでもねえ尖った、ある種ハードコアな作品だなあ…と、作品そのものの印象は大変良かったです。すごいです。
この振り切った映像処理にハマる方も多いと思います。
チャレンジングで素晴らしい!のは本当にその通りですが、ただ私は作品としては特に面白いとは思いませんでした。(すみません、個人的な感想です)
加えて観ていていて単純に疲れる(映像酔い含め)のは、ちょっと辛いなと思った次第です。
とはいえ、色々なタイプの映画やドラマが世の中に存在する方が面白いのは間違い無いので、この『カータ』監督チョン・ビョンギルさんの強い意志を感じささせる今作のような映画は面白い存在だと思います。(偉そうにすみませんが…)

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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チュウォンさんインスタグラムより

舞台はDMZウィルスと呼ばれる謎の病気が蔓延した世界。
感染すると人々は24時間以内(条件によってはそれより早く)に発症し、暴力的になるなど動物的な行動を取るようになるというもの。感染後およそ13日で死を迎えます。
この状況下で、韓国のチョン博士が感染した娘ハナを回復させたというニュースが世界的な注目を集めます。
韓国は北側と協力し、博士の娘ハナの抗体で治療薬を作るという名目で博士とハナを北にある研究所へ移動させる予定でしたが、その途中で2人は行方不明に。
この事件に関して様々な憶測が流れ始めます。加えて、アメリカもこの回復者ハナと博士を狙っているよう…。
そんな時、とあるホテルに滞在している男を狙ってアメリカ側が集結。彼こそが、カーターと呼ばれる、「記憶を失った」男性だったのです。
このカーターですが、目を覚ました瞬間に銃で包囲されているのですが、耳に埋め込まれた通信装置で何者からかの”指令”が。彼はとりあえずその指令通りに動き始めます。
ワケがわからない状況ながらも、彼の動きから只者では無いのは明らか。
後に、このカーターは自らの意志で記憶を失い、そして誘拐された博士の娘ハナを無事北側に連れていくという”任務”を負っていることを知らされるのでした。
カーターは少女ハナを無事奪還して、送り届けることができるのか?!彼のストーリークリアは達成できるのか?
ここから数々の怒涛のシーンがスタートします。

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カーターさんの隠された過去や、ミッションの結末はぜひ作品をご覧いただければと思います。
ただこの映画はストーリーや考察を楽しむというよりは、カメラワークやアクションシーンを存分に堪能すべき構成になっています。
とにかく15分だけでも一度視聴されると、この作品の意図が伝わるかなと思います。
エンディングは平和と見せかけてニヤリとさせられる結末となっていて、このあたりも約束というか期待を裏切られず(?)良かったなと思いました。
カーターさんには引き続き体を張って頑張って頂きたいと思った次第です。
ということで、あまり色々考えず観たままを楽しむと、この作品に没頭できると思います。
あっ?!とさせられる世界観を強く持っている個性的な映画だと思います。

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