ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 九尾狐伝 (感想)

おすすめ度:65%
チョコミント度:100%
傘度:100%
原題:구미호뎐 / Tale of the Nine Tailed (全16話)

九尾狐伝感想ネタバレ 韓国ドラマ レビューあらすじ考察

見覚えのある謎の男性は九尾狐?2020年のファンタジーロマンスドラマ。

あらすじ・キャスト

事故がきっかけで両親が行方不明になった過去を持つジア(チョ・ボアさん)は、テレビ局のプロデューサーとなって都市伝説を追っていた。
ある日、事件を取材中にジアは見覚えのある男性ヨン(イ・ドンウクさん)を見かける。
ヨンの正体は実は九尾狐、かつての山神。そんな彼はある人を待ち続けていたのだった。

感想

妖艶ドンウク氏
序盤は面白かったですが、正直なところ中だるみと気になる点をそれなりに感じました。(後述します)
主人公ヨンが九尾狐なので思いっきりファンタジーですが、雰囲気はダークさもあります。
オカルトと呼べるほど強くはありませんが、明るく楽しいというムードではありませんので、好みが分かれるかもしれません。
ですが、それを十分(?)カバーするように、ヨンとジアのラブストーリー/シーンがしっかり多めに用意されているので、バランスは上手く取られているなあと感じました。
ストーリーはこのファンタジー色を活かして、とてもドラマチックになっています。
とはいえ、少々”vs敵”がワンパターン展開のように感じ、ビジュアル的には文句がないものの、ストーリーとしてはそのあたりが冗長さを個人的に感じてしまいましたが…。

ただ今ドラマで何と言っても一番良かったのは、キャスティングです。
ヨンを演じるイ・ドンウクさんはとにかく妖艶!!ミステリアスでとても良かったです。
またヨンの弟ランを演じるキム・ボムさん、大変キャラにピッタリで本当に良かった。
お2人とも役柄の性格設定が表情などに完璧に表現されていて、印象的でした。
今作ではヨンとジアの恋愛関係だけでなく、このヨンとランのこじれた兄弟関係もポイントになっていきます。
個人的にこの2人のキャスティングとキャラ設定がとにかく良くて、非常に魅力的でした。

ゆるいネタバレありの感想

九尾狐伝~不滅の愛~  感想レビュー考察ネタバレあらすじ
九尾狐伝あらすじ感想 韓ドラ

9歳のジア。彼女は両親と共に狐峠と呼ばれる場所で交通事故に遭い、両親はそのまま行方不明に。
そして21年後の今、彼女はTV局で都市伝説を追う番組プロデューサーとして働いています。
この日は結婚式場での不可解な出来事を取材する彼女。そこで謎の赤い傘を持った男を目撃するのでした。
一方、そんな彼女の元に謎の情報提供者が。この男性は「赤い傘の男は化け物だ」と意味深に告げます。
その後もこの赤い傘を持つ謎の男を見かけるジア。そして決まってその後に起こる不可解な事故…。ジアの中で何かが結びついたようです。

21年前
怖い物知らずのジアさん、かなり大胆な方法でヨンの正体を明かそうとします。
そう、なぜなら彼こそジアが9歳の頃に出会っていた、あの謎の男性だったのです。ジアは覚えていたのですね。
一方のヨンは、ジアにかつての恋人アウムの姿を知らず知らずに重ねていたのでした。彼女を助けてしまったのもそのせいでしょうか…?
ヨンは自分が九尾狐だということをジアに話しますが、やっぱりという表情の彼女。
ジアはとにかく行方不明になっている両親を探すことが目的だったのです。この男性が何か知っているはず、そう考えるのでした。

生まれ変わり
両親の手がかりを探すジア。数々のトラブルが彼女を襲いますが、ヨンがその度に助けてくれるのでした。
そんなヨンでしたが、ジアがアウムの生まれ変わりの可能性を願いつつ、今ひとつ確信を持てないヨン。なぜなら、過去にヨンがアウムに”渡した”狐玉が見えないからです。
しかしヨンが傷を負った際、驚き悲しむジアの中についに狐玉が…!
ヨンは遂にジアこそが恋人アウムの生まれ変わりであることを知ります。
喜びと愛情が爆発しそうになるヨンさん。数百年待ち焦がれた、あのアウムをやっと”見つけた”のですから。

ジアとヨン
思った以上に早くジアがアウムの生まれ変わりだと判明し、その後は何らトラブル無し(?)で2人は順調に親密になります。
ジアは過去のアウムに嫉妬するような素振りを見せはするものの、自分に嫉妬している状態。大した障壁にはなりません。
ですが気になるのは奪衣婆の言葉。「人間と狐」は結ばれないものなのでしょうか…?
やっと600年も待ってお互いを見つけたジアを見つけたヨンでしたが、2人の関係の行く先は何やら不穏です。

オロチとアウン
アウン-ヨン-オロチ…彼らの関係は複雑でした。
その昔、アウン父である王がオロチに憑りつかれていたことを知っていた娘。彼女は自らの手で父を殺そうとします。
しかし、父はそもそも生贄になるはずだった娘を守ろうとして、自分の体をオロチに差し出していたと知り動揺。
アウンはヨンにオロチを合わせることを取引して、自分の体をオロチを差し出したのでした。つまり彼女の体の中にオロチが存在していたのです。
現在でもジアに恐ろしい鱗が出る経緯は、この過去がスタート地点だったのです。
アウンが自身の体内にオロチをワザと受け入れ、ヨンを守るため自分をヨンに殺させていたのでした。
ヨンがその状況を悔い悲しみ、何百年も忘れられないのも理解できるかもしれません。
オロチこそが最大の敵だったのでした。

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ヨンとラン
誤解が原因でこじれまくった兄弟(異母兄弟)のヨンとラン。
ランは兄であるヨンが大好きなんですよね…。
このひねくれて捻じれてしまった関係ですが、ヨンは常に彼を寛大な(?)態度で受け入れるわけです。
しかしそんな気持ちも伝わらず、いつまでも子供っぽく、構ってほしかったランさん。ヨンの恋人ジアにまで嫉妬心を出していたのも可愛らしいと思いました。
そんなラン、最後は彼なりのそして彼にしかできない方法で、兄ヨンへの愛情を示すのでした…。

気になった点
このドラマですが、ポイントとなる箇所をあまり語ってくれない所が気になりました。特に個人的にどうかと感じたのは下記2つです。
・ヨンとランの誤解について
この2人がめんどくせえ関係に陥った理由ですが、とにかく本当に簡単にしか「設定説明」しかされないんですよね。
正直なところ、これについては個人的には結構な不満でした。
ランが一体どのような状況だったから、ヨンを誤解したのか?
背景や原因の詳細じゃ一切語られませんので、ただただランが”誤解”して子供のように兄にしつこく怒っている、という”設定”をこちらは(納得してもしなくても)その体で進むしかありません。
普通にランとヨンはドラマで大きな人間関係の1つですので、この描写を飛ばす理由がよくわかりませんでした。

・ジアの両親について
ジアはそもそも両親の行方不明をずっと気にして生きてきたわけです。ヨンにもすぐに親のことを確認していました。
一方、物語が進んでも結局「誰が」ジアの両親をあの状況に置いたのかについては一切語られません。何だったの?というか…。
またあれだけ両親を想っていたジアですが、親が戻ってきてからもそれほどドラマ上で彼女と最早関係ない存在というか、どうでもよさそうで…。
最初のフックとしてこの両親の謎を出したのは理解できますが、結構適当にキャラを使うなと思いました。

・ラン
彼の最後は観た方によって色々な気持ちがあるかなと思います。
個人的には、今作で最も精神的に”成長”したキャラは主人公2人ではなく、圧倒的にランさんだったと思います。
そんな彼を犠牲にしたのはちょっと可哀想だったというか、キャラとして勿体なかったなと思いました。
結局犠牲の上に成り立つ幸せか〜というか…。そしてあのエンディングか…と思いました。他に手法はなかったのですかね…。

・エンディングの是非
このドラマを視聴した現時点ではすでに続編のシーズン2である『九尾狐伝1938』が出ているのを知っているので、この最後は匂わせだったのか…とわかる訳ですが、ただこの最後も続編の有無がわからない状態としたら、果たしてどうかなとは思いました。
(100%の)人間になってないのか…というか。
そうなると、今までの全16話は…ランの命は何だったの的な…。
個人的にはモヤモヤはしました。
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ということで、序盤は興味を強く惹かれて視聴していたのですが、何となくジアもキャラ変を途中でしていたように感じたり、上にあげた点など細々と気になる部分があり、途中で中だるみしてしまいました。
世界観はしっかりあったと思うのですが、少々展開が回りくどくいつも同じというか…そのようなことを感じて視聴を終えました。

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