ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ いつかの君に (感想)

おすすめ度:74%
カセットテープ度:100%
運命度:100%
原題:너의 시간 속으로 / A Time Called You (全12話)

韓国ドラマ いつかの君に 考察あらすじ感想レビューネタバレ

恋人を探して、1998年と2023年が交錯する。2023年のタイムトラベル・ミステリー系ラブストーリー。

あらすじ・キャスト

恋人のヨンジュン(アン・ソヒョプさん)を事故で亡くしたジュニ(チョン・ヨビンさん)は、彼を未だ忘れられずにいる。
そんなある日、ジュニはヨンジュンと自分にそっくりの人物らが写った写真を謎のアカウントから受け取るのだった。
ジュニはこの写真の謎を解こうと必死になるが、そこにはミンジュ(チョン・ヨビンさん)、シホン(アン・ソヒョプさん)そしてインギュ(カン・フンさん)の高校生が大きく関係していて…。

感想

お話の構成はとっても面白くて、終盤に進むにつれてなるほど!!となる、ひと捻りもふた捻りもあるもの。
ご存知の方も多いと思いますが、このドラマは2020年の台湾ドラマ「時をかける愛」のリメイク作品です。
残念ながら私はオリジナルを視聴していませんので、韓国版のみを視聴した感想となります。

今作はいわゆるタイムスリップ/タイムリープ物のラブストーリーで、(主に)2023年と1998年を舞台に頻繁に時代が入れ替わるのでややクセがある展開です。
敢えて”時代”をわかりにくく描写されているのかなと推測されるカットも多く、私の理解が悪いのも重なってロジックが理解しにくく、混乱させられるシーンも多々ありました。(入れ替わりのタイムライン考察は後述します)
ただ個人的にはあまり細かい点を気にせず視聴しても良いのではないかな…と、最終回まで見終わった今はそう感じます。
大枠では「運命」を題材とした恋愛が主軸ですが、このドラマについては実際観ていただかないと凝ったポイントが伝わらないと思いますので、是非気になった方は視聴して頂ければと思います。

時をかけたラブストーリーと思いきや、途中から不穏な要素がいくつか出て来て、そこがまた上手いヒネリになっていて大変良かったです。
ラブストーリーには頻繁にサスペンス要素が相性が良いためか組み合わせられがちですが、今作ではそのエピソードが単なる「2人の愛を深めるため」だけのような使い方が一切されておらず、その点が特に私は素晴らしいなと思いました。

ストーリー構成は本当に面白いなと思ったのですが、個人的にぼんやりと妙に気になったというか、ずるずると頭に最後まで残った部分がありました。
それは、ヨンジュン&ジュニそしてシホン&ミンジュ、もしくは(時代を超越した)彼ら2人/3人の関係性の「強さ」をそれほど”背景”から個人的には感じ取れなかったことでしょうか。
そのためか、それほど強く彼らの”愛”について、彼らと同じように(?)世界観に入り込めずやや引いた目線で観てしまうというか…(当たり前なのですが)。
いわゆるこの作品に関してそれほど没入感が高まらないというか、時間を忘れて視聴するというような気持ちにはなりませんでした。
ドラマとしては十分すぎる程に楽しめましたし、とても良かったなと思ったのですが、何か強く引き込まれるものがなかったのが正直な気持ちです。
一部説明不足と思える点があったり、人物の心情の”深さ”がイマイチ伝わらない感じがしました。(すみません、個人的な感想です)

カメオ出演(特別出演)としてロウンさんが出演されています。

ゆるいネタバレありの感想

ネットフリックス いつかの君に 感想レビュー考察説明ネタバレ

2023年のジュニ、36歳。
快活な性格で皆に好かれチーム長として仕事をこなす一方、彼女の心には常に恋人ヨンジュンがいました。しかし彼は1年前の飛行機事故で行方不明のまま。
彼の家族はヨンジュンを亡くなったとして受け入れつつありますが、ジュニは諦めきれません。ジュニはヨンジュンを今なお心の底から愛しているのです。
そんなある日、SNSのDMで謎の人物からヨンジュンにそっくりの男女3人が写った写真が送られてきます。写真には自分にそっくりの女性も…。
ジュニはこの写真が行方不明のヨンジュンを探る鍵ではないかと調べ始め、今はカフェに変わった27レコードショップのオーナーを訪ねるのでした。
ここから1998年を生きる高校生のミンジュ、シホンとしてインギュ3名と2023年にいるジュニの”時間”が絡み合って、そして並行して描かれていきます。

カセットテープ
カフェオーナーに話を聞き、写真のジュニそっくりの女性ミンジュは1998年10月に亡くなったことを聞かされます。
またこの写真が98年に撮影されたことから、ヨンジュンそっくりの人物(シホン)は年齢が合致せず別人だと判明しますが、ジュニはスッキリしません。
そんな頃、ジュニの元に謎のカセットテープ+プレイヤーが送られてきます。曲を聴きながらウトウトと眠ってしまうジュニ。
その瞬間に、彼女がいないヨンジュンに送り続けたメッセージは既読となり、何かが「変わった」ことがわかります。
目を冷ましたジュニは、なんと98年の6月のミンジュの体に”入っていた”のでした。高校生のミンジュとなったジュニは、ヨンジュンとインギュに出会います。

ジュニが入ったミンジュ
目を覚まして再び2023年のジュニに。
カフェオーナー(ミンジュ叔父)に再び会い、ヨンジュンスマホ情報が”ナム・シホン”になっていたことを問い詰めます。新たにミンジュが殺されたことなどを聞くジュニ。
ミンジュとジュニ、そしてヨンジュンとシホンはそれぞれ別人だと理解しながらも、98年のミンジュに”戻る”と、様々な共通点が見え心が揺れ動かされます。
一方のシホン、ジュニが入ったためか内気だったミンジュの性格が180度変わったことに驚きつつも、そんな彼女にどんどん惹かれます。
気づけば、シホンとミンジュはお互いが恋に落ちていたのでした。

ミンジュの殺人
問題となってくるのが98年10月のミンジュの殺人事件。
ミンジュ(ジュニ)はシホンとインギュに未来のこの事実を語ります。実際学校では他に謎の殺人事件が起こり、一気に信憑性が増すのでした。
一体誰が犯人なのか?インギュが疑われますが、果たして真相は?

謎の男性
2023年悲観に暮れていたジュニ。密かに花やあのカセットテープを送った人物は誰か?
ついにカフェでその男性の姿を見たジュニは驚愕、シホン/ヨンジュンだったのですから…。
シホンは交通事故に遭ったヨンジュンの体でを覚ましていたのでした。つまり、ジュニと同様にシホンもまた時空を超えていたことが判明。
一方で「運命は変えられない」のではないか、という悲観的な仮説を聞くジュニ。
しかしジュニは再び98年のミンジュとなり、彼女の死を止めようとするのですが…。

気になった点と考察
今作のタイムトラベル設定ですが、本人自身が時間を移動するわけではありません。
彼らの魂(中身)が、風貌が同じ違う時代の特定の別人に入るという設定です。
ジュニの場合はカセットテープで曲を聴き入眠すると移動できますが、シホンの場合は故意に動くことはできず生死が関係するタイミングでスイッチされるようです。
それらを踏まえて個人的に理解できなかった点ですが:
ヨンジュンの魂はどこ?
ヨンジュンという男性ですが、彼の背景はテハ(ロウンさん)と恋愛関係になりつつあった頃に事故…という情報しか語られません。
(彼が同性を好きだったとわかりますので)ドラマ上は、スタートからヨンジュンの身体でも中身は殆どがシホンであることが後からわかります。
では疑問として、本来のヨンジュンの精神はどうなってしまったのでしょうか?
ジュニとミンジュの描写から、魂は乗っ取られるというより混在した風に両者が1人の身体に入っているようでしたので、一体本来のヨンジュンはどこに行ったのか?これに関しては説明がなく、全く理解できませんでした。
この点がとにかくクリアでなかったので、人格が1名分消えているにも関わらず身体が2つある状況で、余計に複雑に思えた気がします。
・シホンの考察
メインとなるシホンの身体と精神ですが、
シホン高校卒業後にアメリカ→インギュと刑務所で面会のため韓国戻る→シホンの体バス事故(意識不明)→ヨンジュンとして目覚めジュニと出会う→飛行機事故→シホン(とヨンジュン)がシホンとしてバス事故後の身体で目覚める(その後長髪)→2023年に再び謎の男性としてジュニと再開
かな…?と思います。(個人の勝手な考察です)
・空港のシホンとヨンジュン
シホンが航空機事故の後に再び自分のシホン身体で目覚めますが、ヨンジュンとしてジュニと過ごしていた記憶があります。
ここでヨンジュンの身体だった自分と空港で会い、飛行機事故のことを伝えます。
このシーンは大変混乱しましたが、しばらく考えていて↑のタイムラインを考察すると身体自体は別人2人ですので、あり得るのだなと納得できました。
・3人のクリスマスのシーン
10月に亡くなるミンジュ。そのミンジュとシホン、そしてインギュ3人がクリスマスツリーを飾るシーンがありますが謎でした。
早くて11月からとしても、ちょっと時期が合わないような…。
ただ、もしかしたら98年に関係なく「一番幸せだった瞬間」のようなシーンをわざと入れて来ているのかもしれません。必ずしもタイムトラベルした3名の姿だけが真実でもないので…。
・ラストシーン
最悪の事態を避けるために、互いを思って行動していた2人。しかし、本来の”運命”に委ねる選択を取ります。
最後はラブストーリーのエンディングとして、相応しい流れになっていくわけです。
少しの運命の不思議さを匂わせながらも、しかし真っ新な関係のスタートというポジティブな最終回で私は良かったなと思いました。

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ラブストーリーではありましたが、ミンジュとジュニという正反対の性格の女性2人がお互い向き合うという構成もとても面白いなと思いました。
ただカットが頻繁に変わるのも飽きずに良かったのですが、意外とメリハリがあるようで実は同じような雰囲気も感じつつ…。
個人的にはとにかく設定が凝っていて面白いドラマだと思いましたが、作品として引き込まれる点がどこか足りないような感じがしました。(個人的な感想です)
原作がどんな感じなのか気になりますので、また機会があればチェックしたいと思った次第です。

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