ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 無駄なウソ-誰にも言えない秘密- 感想

おすすめ度:79%
BBQ度:100%
マスク度:100%
原題:소용없어 거짓말 / My Lovely Liar (全16話)

無駄なウソ-誰にも言えない秘密- 韓国ドラマ 感想レビューあらすじ考察

嘘がわかってしまう能力がある女性、そして何かを隠して生きている男性。2人が出会うが…?2023年のラブストーリー。

あらすじ・キャスト

人の嘘が嫌でもわかってしまう能力があるソルヒ(キム・ソヒョンさん)は、その力を使って”ライアーハンター”として働いている。
一方過去の事件のために、人の目を避けて決して表には出ない作曲家として暮らしているキム・ドハ(ファン・ミンヒョンさん)。
ドハはあるスキャンダルがきっかけでソルヒと同じマンションに引っ越してくる。
2人は次第に顔見知りになるが、ソルヒはドハの過去が気にかかるのだった…。

感想

大変可愛らしくて好感度が高かった、ソルヒ&ドハのラブストーリーです。
総合的には正直なところ、決してパーフェクトなドラマではないとは思いますが(すみません)、作品自体が持つチャーミングさがあるというか、何か惹きつける点を感じて個人的には毎週楽しみに視聴しました。
2人のキャラクターだけでなく周囲の人物、特にドハの所属する芸能事務所代表のドゥクチャン(ユン・ジオンさん)の性格設定も良かったと思いました。
個人的にはドハの描き方が魅力的で、面白く感じました。
彼のキャラの人柄を強く感じさせるシーンが細かく入れてあって、その点もとても気に行ってしまいました。
甘いシーンとサッパリしたシーンが上手く絡ませてあって、とても楽しい展開が続きます。
ただ終盤に差しかかるにつれて、強くなるのがドハにつきまとっていた不穏な影の部分。
このサスペンスが今作のもう一つの軸になるので重要ではあるのですが、ちょっとループのようでしつこさ、中だるみを感じはしました。
もっと突っ込むと、なぜソルヒの能力を活用してさっさと解決しないのか?、と少々イライラしてしまいました。
ですが、それだけで決して終わらせなかったのが今作の良い点。
(失礼ですが)「サスペンスで台無し…?」と不安になっていたところで、一応しっかり挽回していたかなと個人的には思えました。
結果的には(一応)なるほどという着地点で良かった。
全体的にキャラ設定に一貫性があったので、ラブコメの”サスペンス”としては納得できるストーリーになっていました。
とはいえ、結構色々なキャラについて考えるてみると、散らかっていたようにも感じはしますが…。

主演の2人ですが、とても良かったです。
安定の(?)キム・ソヒョンさんは嘘が見抜けてしまう特殊能力の持ち主。便利そうではありますが、世の中には良い嘘も悪い嘘もあるもの。
彼女はそれが全てわかってしまうためのせいなのか、人に期待をせずどこか冷えた部分が心にあるような女性です。
そしてミンヒョンさん演じるドハは”覆面”の人気作曲家。誰も彼の顔は知りません。
心を閉ざし誰も信用しようとしない、孤独で影のある男性です。
ドハの役柄にミンヒョンさんが大変合っていると思いましたし、少し抜けているキャラの様子も可愛らしいなと思いました。
またミンヒョンさんの演技のクセ(?)とそのキャラがよく合っていたとも思いました。(念のためですが、抜けているというのはあくまでもキャラについてで、ミンヒョンさんご本人に対するものではありません)
具体的なネタバレですみませんが、BBQシーンで切ったお肉を全て落下させていたり、箱を”持てない”というような微笑ましくて、可愛らしいな…と自然に思わせるシーンを入れてあって小憎い演出だと思いました。(ただお肉シーンは単なる偶然の可能性もあるかもしれませんが…)
そんな2人が出会う訳ですが、2人のパワーバランスが何とも言えず良いなと思いました。
ちょっと説明しにくいですが、どちらかが強かったり守ってあげる…というような関係ではなく、お互いが対等というか、フラットな感じで非常に好感を持ちました。

サスペンスが入ってはいますが、大変視聴しやすいドラマで、ラブコメとして考えるとそれ程ひっかかる部分がなかったように思います。
(ただ、私が主役2人のキャラ設定が気に入った、というのが結局大きく響いているとは思います)
気になった方は是非チェックして頂ければと思います。

ゆるいネタバレありの感想

無駄なウソ 韓国ドラマ 感想レビューあらすじネタバレ
無駄なウソ-誰にも言えない秘密- 韓ドラ 感想レビューあらすじ考察

ライアーハンターとして働くソルヒ。彼女の仕事はクライアントの”話し相手”の嘘を見抜くこと。
ソルヒは人が話しているのを直接聞く時、彼らの言っていることが嘘かどうか自然に”わかる”のでした。
一見便利そうな能力…しかし、世の中には良い嘘も悪い嘘も溢れているもの。
身近な人までも何気ないウソをついていることを知っているソルヒは、どこかいつも孤独でした。
一方のドハ。彼は人気作曲家として有名人ですが、その姿はほとんどの人には知られていません。覆面作曲家です。
それもそのはず、彼はできるだけ人目を避けてひっそりと生きてきました。しかしそんな彼の静かな暮らしが脅かされるように…。
才能への妬みからか盗作疑惑や、曲を提供している女性アイドルのシャオンとのスキャンダルに巻き込まれるのでした。どうやらシャオンはドハの事が好きなよう。
ドハはマスコミを避けるように、所属事務所の代表が借りていた1室に移り住むのでした。

ソルヒとドハ
偶然隣同士の部屋に住むことになった2人。
あるトラブルでソルヒはドハを助けは顔見知りになりますが、しかしソルヒはドハのマスク姿で人目を常に避けている様子が気になります。
とはいえ、言葉を交わしても彼の会話に嘘はない様子。ソルヒはそんなドハに他人とは違うと印象に残るのでした。
そんなソルヒを警戒するドハ。彼女には何か下心のようなものがあるに違いない…。しかしソルヒは特に何もドハに何も感じていはいよう。
他人を信用できないドハは、ソルヒの妙にドライな態度に拍子抜けするのでした。

ソルヒの秘密
ウソを見抜けるソルヒは実の母親とも関係は良くありません。
ドハにそんな母と口論しているところを目撃され、ついに彼女が隠していた”真実”が彼にバレてしまうのでした。
この始まったばかりの2人の関係ももうおしまい…。ソルヒは過去の苦い恋愛がフラッシュバックします。
しかしドハは特に意に介さない様子。ソルヒはそんな彼の変わらない態度に驚いてしまいます。

無駄なウソ 韓国ドラマ ネタバレ感想レビュー

ドハの過去
彼は一体何から逃げているのか?
実はドハは元恋人の殺人の容疑者に過去なっていたのでした。
普段から嘘をつかないドハが、そんなことをする人間なワケありません…。
困惑しつつも確かめるようにソルヒはドハに敢えて直球の質問をするのでした。そんなドハはソルヒに「僕は殺していない」と答えます。
ですが、ソルヒは大きく動揺します。なんと彼のその言葉こそがウソだったのでした…。

ドゥクチャンの描き方
大きくネタバレしますと、真犯人は事務所代表でありドハが信頼していたドゥクチャンでした。
この彼のキャラですが、演じるユン・ジオンさんが非常に良かったと印象に残りました。体重を落とされていたせいか、やや神経質そうにも、そして感情が読めないようなキャラを完璧に演じられていました。
この殺人の裏側にあった彼の気持ちについては、是非ドラマ本編を見ていただきたいのですが、個人的には「もう少しだけ」そのような”匂わせ”シーンを数秒だけでも欲しかったなとは思えました。
ドゥクチャンですが、特にキャラ描写として常に「目を背けている」ものが多かったのが、とても興味深かったです。
・プロデューサー(理事)のゴーストライターの件
・弟がドハに金銭を要求していたこと
・シャオンのドハへの執着
・妻の浮気
・自分の本当の気持ち
このように彼は一貫して、自身含めて大切な事柄を敢えて無視して生きてきたという悲しい何かを抱いていました。
彼はメインキャラではないかもしれませんが、主人公2人よりも闇があるように感じ面白いキャラだと私は思いました。
そのため、もう少し中盤のドハがやたらと無駄に狙われまくるループを省略してこのドゥクチャンの心情を描いて欲しかったかな…。
大切にしていたポラロイドの写真の2人が大変良い表情だったのが、とても切なかったた…。
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ドハではない犯人が捕まり、その後のソルヒについての”オチ”もしっかりと用意されていて、ラブストーリーとしてはバッチリだったのではないかと思いました。
今後どうやってお金を稼ぐのか心配するところではありますが…。
ちょっとソルヒの元彼氏である警察官のガンミンさんが、あからさまな当て馬キャラといいますか、少々キャラとして可哀想にも思えたのですが、「嘘」について、
ドハ=嘘をつかずに彼女を守る
ガンミン=嘘をついても彼女を傷つけたくない、守りたい
この考え方の対比として存在していて、良かったです。どちらもある意味正しい訳で、なかなか難しいなと思いました。
ということで、割と起承転結がしっかりしていて観やすい正統派ラブストーリーだと思います。個人的には想像以上に楽しめました。

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