ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 愛の温度 (感想)

おすすめ度:78%
白黒の世界度:100%
もしも全16話だったら度:100%
原題:사랑의 온도 全26話(Netflix版)

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脚本家の卵として働く女性。そして会話して30分後に告白してきた6歳年下のシェフの彼。2人の距離はどうなってしまうのか…。2017年放送のラブストーリー。

 あらすじ・キャスト

脚本家のアシスタントとして働くヒョンス(ソ・ヒョンジンさん)は、マラソン同好会に友達であり後輩のホンア(チョ・ボアさん)と参加することに。
そこでホンアの友達として、シェフのジョンソン(ヤン・セジョンさん)と知り合いになるヒョンス。

ラソンを楽しむヒョンスだったが、途中道に迷ってしまい、ジョンソンに助けられる。
そしてなんとその場でジョンソンから「付き合おう」と提案される。
自分より年下のジョンソンと距離を保ちつつも、気になり2人で会ってしまうヒョンス。
しかしそんな時にジョンソンはフランス留学することになってしまい・・・。

感想

このドラマも年上女性と年下男性との切ない恋愛ドラマです。
ですが、いわゆるイメージする”年下男性”とはちょっと違って、割と落ち着いた、意思が強いタイプの年下男性像として描かれており、個人的には良いなと思いました。

そしてその役柄に、とにかくヤン・セジョンさんがはちゃめちゃにハマっているなという強い印象を受けました。
この主人公男性役の配役は最高では!?とこれだけで高得点でした。

そしてこのドラマ、特に序盤から中盤にかけての話のスピード感が半端なく、かなり熱中してどんどん観れるストーリー展開になっています。

ただそんなテンポ良いお話も、中盤以降大失速してしまい、かなり残念に思いましたが…。(後述します)

最初は現在の2人が”再会”する場面から始まり、5年前の2人の出会いに遡ってストーリが進む運びになっています。

ヒョンスは大企業の職を辞し、夢だった脚本家の道の第一歩として、有名脚本家アシスタントとして働く日々。
しかし、日々脚本家の先生のご機嫌取りやアシスタント仲間の中で消耗します。

そして相手のジョンソンさん。家庭の事情でフランスで10代を過ごし、韓国に戻った彼。レストランで見習いシェフとして忙しく働いています。

そしてある夜、共にマラソン同好会メンバーの2人は出会います。
ラソン中に道に迷ったヒョンスを助けて、30分程話した後、すぐにヒョンスに告白をするジョンソン。
ヒョンスはそんな彼に戸惑いつつも嬉しそう。

とはいえ、速攻で断るヒョンスですが、そのまま仲が良い友達としてずるずる付き合ってしまいます。(ちょっとズルいですね)
が、そんな楽しい時間にも別れが訪れます…。
ジョンソンは憧れのフランスのレストランで働くことに決まったのでした。

ちゃんとした別れの挨拶をしていなかった2人、ジョンソンはフランス行きの飛行機に搭乗する前にヒョンス電話しますが、ヒョンスはドラマ制作会社代表のジョンウ(キム・ジェウクさん)とちょうど食事中。
着信に気付きながらも、その場では応答しませんでした。

そして、その電話が運命の別れ…。
これがきっかけとなってすれ違いが起こり、2人は”5年の別離”となります。

ヤン・セジョンさん事務所Good Peopleインスタグラムアカウントより

ヒョンス役のソ・ヒョンジンさん。
あっさりした性格で前向きな女性のタイプ。前半は特にその性格が効いていて、好感度が高かったです。が、なぜか後半性格が変貌してしまいました。

ヒョジンさん、ジョンソンと出会った時は29歳、5年後の再会時は34歳の設定でしたが、設定の年齢にあった雰囲気で良かったです。
また良い意味で普通っぽくて(もちろん美しい方ですが)、親しみやすい印象なのもよかったです。

ジョンソン役のヤン・セジョンさん。
セジョンさん、このドラマの雰囲気と若手シェフ役、そして設定の性格と全てがバッチリ合っていて、キャスティングした人すごいなあと素直に感動しました。

ちょっと頑固というか、我が強いというか。
若干、”ああ言えばこう言う”タイプでもありましたが、演技力というより(すみません)、とにかくこの作品に似合っていた、と断言できるぐらい役にピッタリだと感じました。
あとセジョンさん、手がキレイでした!

ヤン・セジョンさんご本人も落ち着いた印象を受けますが、役柄的にも年上のヒョンス(ソ・ヒョンジンさん)と似合っていました。
そんなに年下男性!という設定部分で強く推したストーリーでないのもありましたが、とにかくセジョンさんが良かった。

ゆるいネタバレありの感想

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上述しましたが、このドラマとにかく序盤~中盤のお話の展開がすごい上手いのです。
始まりからかなり夢中で観ていたのですが、「このドラマ超盛り上がってきた!」と思ったのが12,13話の頃でした。
しかし、ここで気付いたのです。

26話まであると・・・(嫌な予感)

あと半分(13話)もあると気付いてしまった恐怖…。これ以上、ネタもうないのでは!?
どうするつもり…?!もう奴らが出せるカードはないぞ?!
どう転んでもここからは嫌な予感しかしない…。
そう、"アイツ"しかいねえ…。

ハイ、正解は「家族問題カード」でした~!

ジョンソン母カードやヒョンス母カードを駆使して戦った後半戦。
嫌な予感が的中してしまい、あれだけテンポが良かった話が間延びし、どんどんグズグズとしはじめ、ストーリーの雰囲気も雲行きが怪しく陰気になっていきます。

ヒョンスも性格が当初設定より変わってしまったというか、彼女のハキハキした明るい部分が消えてしまっていたし…。
ヒョンスさん、ジョンソンとジョンウを都合よく利用しすぎでしょ…?とちょっと意地悪な目で観てしまいました。
そして非常に残念ながら、このあたりから凡庸なラブストーリーあるあるスパイラルに陥ったかのように、ストーリーテンポもガクッと大失速し、ちょっとつまらなくなっていました。(すみません)

そしてこのドラマ、素敵だったんですが大なり小なり、ちょっとツッコミたい部分があったのですよね。
まずは、大サイズというか、特大サイズのツッコミたい部分。
それは…

謎の白黒効果シーン!!!(大困惑)

なんなの?笑わせに来てるの?と最初観た時は目を疑いました。突然モノクロのエフェクトをぶっこんでくるとは…。
見せ場だよ☆ってことでしょうか…(困惑)正直、この謎処理の効果が入る度に笑いそうになってしまい、シリアスな場面に入れてくるだけにダメージが大きく、かなり残念に思いました。

恐らくタイトル通り2人の気持ちの温度差や温度の上昇、下降点をこの画面効果で表現しているのかなあと察することができます。が、このエフェクト必要かな…?
この白黒画面によって、気のせいかドラマへの熱中度がぐんぐん急下降するのですが…。(個人調べ)

18話にヒョンスとジョンソンが車のなかで抱き合うシーンがあります。
しかしこの白黒のせいで、

ヒョンスが黒子と抱き合っている?(錯覚)

 このシーンですが、ジョンソンが黒いタートルネックを衣装で着用していて、車内が暗い。かつ背景の車の座席シートが黒。
抱き合った時、女優さんの顔を手前に見せるために、ジョンソンの顔はヒョンスの頭部に隠れています。そして絶望の白黒へ。

そのため、ヒョンスさんはまるでCG撮影用の黒タイツ人間と抱き合っているように見えてしまいました。せめてグレーのタートルをジョンソンが着ていれば、マシだったと思います。

また25話では、ジョンソンが自分の携帯電話の(ヒョンスの)登録名を知っているか?と思わせぶりにヒョンスに問います。
そして「(登録名は)イ・ヒョンスだよ」と続けます。
「私の名前そのままじゃない」、と笑うヒョンス。
そしてジョンソンは答えます。

ジョンソン「君をいつもそのまま守れるように…」
私「・・・・・・。(無言)」
ヒョンス「そんな深い意味があったのね」
私「いや、ないでしょ・・・(無言)」

加えて謎の白黒シーン!!(大困惑)

こんなところでぶっこんで来た白黒シーン、来ると思ってました!やっぱり…思わずそう言いたくなるモノトーン効果でした。
むしろ制作側も笑ってほしいシーンって言いたいのかな?!と深読みしてしまいました。
(注:正確にはヒョンスの「そんな深い意味が…」のセリフ前に白黒シーンになります)

意地悪な見方をしてしまいましたが、ジョンソンがイ・ヒョンスという、彼女自身を尊重し、大切に今後もずっと彼女と付き合っていたいという意思表現のシーンです。

もちろんわかりますが、携帯の登録名を出されて言われてもね…。
その後に続くこの問題の白黒シーンが、更にわざとらしさに輪をかけてしまい、かなり白々しいセリフになってしまいました。

この謎のモノトーンに反転させる描写が割と出現するのですが、個人的にはチープな演出だと思いますし、ドラマの雰囲気にあまり合っていると思えず、なぜ入れた…と非常に残念に思いました。ほんと残念!

他にも、再び別れたジョンソンを追って、空港まで大泣きしながら車で追うヒョンス。
晴れてるのに車のワイパーまで稼働させてしまっている状態で、運転して大丈夫なのかと観ながら別の意味で心配しました。

そして、自分の家の前に戻って来た時、ジョンソンと出会います。
やっとここで、2人は再び強く結ばれます。
ただ、ヒョンスの家の前で出会った2人なのですが、なぜか2人で朝を迎えた時はジョンソン宅になっていたので、若干不思議でしたが…。

 ヤン・セジョンさん所属事務所Good Peopleインスタグラムアカウントより

ジョンソンの恋のライバル役として、そして良い上司や企業家として、ジョンウ役のキム・ジェウクさんも、大変素敵でしたし、大人の雰囲気でムードがあってとっても良かったです。
ドラマの中でもキザだというセリフがありましたが、キム・ジェウクさんだとそんなキザな言葉もあまり陳腐な感じで嫌味にならず、浮かないのはさすがでした。
ジェウクさん、ご本人のジェントルマン的な部分でそう魅せるのでしょうね…。

途中、嫉妬で若干取り乱すジョンウでしたが、十分その心は理解できました。そんなジョンウさんですが、最終的には最後まで2人を優しく見守ってしまう、そんな”良い人”でもありました。

そんな中盤までは本当に面白くて謎モノトーン処理にも負けず、夢中で観ていたこのラブストーリー。
そして悲しみのぐだぐだ感が強かった後半部分でしたが、最終回はそれなりにキレイにまとまっていました。(が、時既に遅し…)
本当に後半が残念でなりません。

ということで、
・謎の白黒効果
・謎の白黒効果(アゲイン)
・ヤン・セジョンさんがはちゃめちゃに良い
・全16話だったら最高だった
・手作りのレストランフリーパスの是非

以上の5本立てでお送りされたドラマでした。

このドラマ、本当に全16話だったらどれほど良作になっていたのか…(無念)
全26話という枠が全て悪かったのだ・・・と、悔やんでしまう、そんな作品でした。
しかし最後までちゃんと観れたのも、ヤン・セジョンさんの魅力とキム・ジェウクさんの大人なムードがあったからかなこそかな、と強く感じました。お2人とも本気で素敵でした。

前半の加点が多かったので、ドラマ全体の感想としては決してつまらない訳ではありませんが…後半部分が本当に残念というか、その部分でマイナス部分を大きく叩き出した印象です。まあ、端的に簡潔に言うと、後半は正直つまらないんですけどね…。

14話にカメオ出演(ゲスト出演)として、ある女優さんが出演されているので、こちらも見どころかもしれません。
大変失礼ですが、ヒョンス(ソ・ヒョンジンさん)さんと並んでいると、やはり見た目のオーラっぽいものが一味違うな…と画面からもヒシヒシと感じてしまいました。
気になる方はぜひ、チェックしてみて下さい。

最初の出だし部分からとにかく非常に面白かっただけに、後半の失速感が本当に本当にもったいなかった作品だと思いました。

このドラマが気になる方は、ぜひ13話ぐらいまで観てみるのも良いかもしれません。
全16話だったら……最高だったかもしれない…そんなドラマでした!

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