ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ この恋は初めてだから ~Because This is My First Life (感想)

おすすめ度:65% ♡ 偽装結婚度:100% ♡ チャレンジした脚本度:80%
原題:이번 생은 처음이라 1話約65分、全16話 

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 ルームメイトは偽装結婚相手?!2017年放送のラブコメドラマ。

 あらすじ・キャスト 

IT企業に勤める30代のセヒ(イ・ミンギさん)は、ある意味アンドロイドのような味気ない性格。
マンションも購入し、完全な独身主義者。しかしトラブルからルームメイトが出ていき、家賃収入も必要なことから、新たな同居人を探していた。
ひょんなことから脚本家を目指すジホ(チョン・ソミンさん)がその同居人として紹介されるが、その後、契約ありきで偽装結婚することになる。
2人にとってのその時の最適の条件が”結婚”というだけで、結婚に愛はないはずだったが…。

感想


あらすじだけでなんとなく先が読めるタイプのストーリーですが、このドラマのヒネリとして、社会的問題を含んでいる部分でした。
現代社会での女性の在り方という部分も、かなりお話に入れてあるところが興味深かったです。

また一応ラブコメ分類ですが、そこまでコメディ部分がなく、全体的に結構地味な仕上がりになっていますが、割と深い部分もあって面白かったです。

まず、主人公のジホ(チョン・ソミンさん)ですが彼女は名門のソウル大卒業。しかし、夢の脚本家を諦められず、日々苦労しています。
そんな彼女を温かく受け入れてくれるはずの家族ですが、こちらも古いタイプの家族像で描かれています。いわゆる、古いタイプの韓国の家父長制度を表現されています。
そしてジホには弟がいますが、家では全てにおいて弟が優先で尊重されているようでした。

仕事は仕事で、脚本家の仕事もどれだけ熱心に仕事をしても、先輩作家に結果をかすめ取られたり、セクハラを受けたり…。
消耗させられている現代女性の問題など、共感しやすいと思われるエピソードが入っているのが印象的でした。

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まず、セヒ役のイ・ミンギさん。
役柄として、物事の効率を気にするタイプというか…。ちょっと偏屈というか、よくわからない…そんな雰囲気がイ・ミンギさんによく似合っていました。

後半、だんだんとジホに心を開く様子が良かったです。
ですが、セヒの理屈っぽくて”変わった人”を強調して演じようとしすぎていて(特に前半)、少しわざとらしいかなと感じました。

ジホ役のチョン・ソミンさん。
等身大の女性という感じで、親しみやすい雰囲気のソミンさん。可愛らしくて良かったです。
が、このドラマではなぜか、等身大で共感しやすい=普通すぎる感が強かった印象が少々しました。(ソミンさんが悪い訳ではないですが…)

ゆるいネタバレありの感想

イ・ミンギさんインスタグラムアカウントより

サブタイトルは”Because this is my first life"(初めての人生だから)という通り、2人の成長と本当の恋愛、そして人生において必要な事を学ぶ様子を描く展開になっています。

ジホ(チョン・ソミンさん)の仲のよい女友達、スジとホランがいるのですが、彼女ら友人グループの存在もまたこのドラマでは面白かったです。

個人的に気になったのが、スジ(イ・ソムさん)でした。
彼女もジホと同じく難関ソウル大出身で、一番のキャリア志向。普段ブラを着けるのを嫌がったり、社内での酷いセクハラに女性一人で耐える強さなど、男社会での女の生き方を考えさせられました。
彼女の筋を通した気の強さは、観ていて面白かったです。ある意味、ジホよりもキャラ立ちしていたかもしれません。

女性の立場に関するエピソードで印象に残ったのが、ジホの実家にセヒが訪れたシーンです。ちょうど季節柄キムチの大量の漬け込みのタイミングだったのですが、父親や弟は一切手伝わず、それは”女の仕事”と言うように一切手伝わずにぐうたらしています。

セヒはがジホのかわりと、率先して女性たちを手伝うのですが、男性陣(父や弟)は、どうして男が手伝う必要があるのか!?的な態度など、ここでも韓国の家父長制度をうかがい知るシーンもありました。

面白いのが、そもそもセヒはジホに結婚を提案した時、お互いに最適な条件だから、と言います。
セヒ(男性)にとって、自分は「家の世話係と家賃収入」として結婚相手が必要で、キミ(女性)には「保証金無しで住む家を提供できる」が必要で、お互いベストだと。

このようなちょっと社会問題や女性の置かれた立場について、割と明確にエピソードとして取り上げられていて、個人的には興味深かっです。
このドラマは2017年に放送された作品ですが、この女性問題等についての取り上げられ方は、2016年に出版された『82年生まれ、キム・ジヨン』ブームの影響もかなり受けているのかなと察しました。

 
 
 
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チョン・ソミンさんインスタグラムアカウントより

そんな、社会問題や風刺部分も取り入れた、ベタな偽装結婚ネタのラブストーリー。
ただ…
地味なんですよね…。

これを言うと身も蓋もないのですが、全体的にストーリーが地味で平凡すぎる!
ラブストーリーとしても盛り上がりがこれと言って特にないのが、寂しいなと思った限りです。もちろん、ジホとセヒがくっついたり、離れたりというような部分もあるのですが、
先が見えすぎているというか、切なさが皆無…。(寂しい)
結局・・・
地味なんですよね…。

最終回ではセヒは、あれだけ当初固執していたマンションの部屋も売りに出します。
その部分は、女性/男性というジェンダー規範からの脱却というメタファーかもしれません…。(超深読み)

ただ最終回の最後の部分は、何もかもちょっと都合良くまとめすぎでは?と思いました。
地味なのに・・・最後は強引ですね・・・。

筋書き通りのストーリーでしたが、終始地味だと感じつつも、観終わった後は爽やかで良かったかなと思いました。

また上述したように、社会的な風潮を上手く取り入れた色々なチャレンジを含めた脚本だなという印象は感じました。
つまらないとは思いませんでしたが、そこまで熱中するタイプの作品にはならず…という感想で、まあまあ面白かったです。
ということで、

結論、猫は可愛い!(真実)

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