ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ みんなの嘘 (感想)

おすすめ度:80%
真面目なサスペンス度:99%
イ・ミンギさんのハマり役度:100%
原題:모두의 거짓말(すべての嘘)全16話

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出典:모두의거짓말

亡くなった父、失踪した夫。残された妻は刑事と共に謎に迫るが…。2019年放送のサスペンスドラマ。

 あらすじ・キャスト

議員の父親が交通事故で亡くなってまもないソヒ(イ・ユヨンさん)は、失意に暮れる最中、別居中の夫サンフン(イ・ジュニョクさん)までも、突然前触れなく失踪してしまう。
一方で刑事のチョ・テシク(イ・ミンギさん)は、ソヒの父親は事故ではなく、何者かによって殺されたのではないかと疑いを持つ。
義理の父親殺害の容疑者として、失踪中のソヒの夫サンフンを追うことにするが…。

感想

原作が小説のドラマです。
派手な部分は一切ありませんでしたが、なかなか硬派で真面目なサスペンス作品となっており、楽しめました。
オチは少々「どうかなあ…」とは感じましたが、ドラマ全体としては満足感がありました。
最後まで観ると、邦題『みんなの嘘』というドラマタイトルが、非常に上手く効いていると思いました。

個人的には最終回の16話の演出が本当に本当に!!!良くて、かなり胸にグッときてしまいました。素晴らしかったです。
最終話だけでプラス5000点でした。

チョ・テシク役イ・ミンギさん
今作では無骨な刑事役でしたが、ものすごくイ・ミンギさんに本当に似合っていると思いました!
年齢相当の役柄だと思いますし、自然体でテシクを自分のものにされているという演技がかなり伝わり、大変良かったです。(上から目線で、大変すみません)
捜査に情熱的でありながらも、どこか冷静で飄々としている、そんなそっけなさの中に優しい部分もあり…というテシクを、最後まで"いい感じ”のバランスで演じられていたミンギさん…最高。(語彙力)
ラブストーリーのいわゆるプリンス役ももちろん素敵ですが、個人的にはテシクのような雰囲気の役柄の方がご本人に合っていて、素直にかっこよいなと感じました。

ソヒ役イ・ユヨンさん
最初は頼りない感じの苦労知らずの女性…という部分を出す演技に、何度も閉口しかけました。が、次第に彼女自身が強くなっていく部分がちゃんと描かれてあって、良かったです。
中盤になってから、実はユヨンさんが役にかなりピッタリ合っている…と気付くまでが少し忍耐という感じでした。

ゆるいネタバレありの感想

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『みんなの嘘』というタイトル通り、出演者が全員、テシク含め、何かしら心に抱えている部分があるというところがポイントでした。
犯人が何となくわかっていても、そこに辿りつくまでに色々な謎、そして出演キャラクターの背景に迫って紐解いていくというストーリーです。

硬派なサスペンスで、恋愛部分は一切排除してあったのも良かったです。
が、ところどころで、イ・ミンギさん演じるテシクの優しさや、いわゆる女性がドキッとする想定のシーンが多少含まれてありました。
イ・ミンギさん目当てで観たのもあって、単純に制作側のその配慮(?)には、ありがてえ…と、サービスシーン的なわざとらしさをまあまあ感じつつも、砂漠出現したオアシス状態で普通に喜んでしまいました。

個人的お気に入りのシーン:
(3話)捜査に疲れて、署のデスクで居眠りをしてしまったシンギョン(キム・シウンさん)。そんな彼女を起こそうとしたホギュを「寝かせてやれ」と止めるテシク。
寝ているシンギョンに干渉しないよう、寝ている彼女の反対方向にホギュの腕を掴んで移動させながらも、捜査状況をホギュと話し続けるテシク…。
その配慮…最高か?!

(9話)ソヒと車でチェの足取りを追って松州へ。途中、一方通行の道へ進む車。
対向車が来たため、車をバックさせるテシク…。
もちろん、お決まりの助手席に腕をまわす、例の描写…(ベタです)「女性はキャーキャー喜ぶ男性の仕草でしょ!?」という、制作側の透けた意図がまるわかりのシーンですが…。
私「イ・ミンギ先輩~♡」
もちろんホイホイと普通にそのシーンに喜んでしまいました。
ただ、テシクの車は普通にバックモニターを搭載しているようでしたが、テシクさんは使用しないタイプのようです。

このように、硬派なドラマの中に、ごくたまに出現するセーブポイント状態、そんなのテシクの”サービスコーナー”も大変楽しめました。

そして、このドラマの最高of最高だった最終回、第16話

演出が完璧に良いな~と思ったのが、テシクとシンギュンが最後お墓参りするシーンです。
いきなりファンタジーとユーモアが混ざった、このドラマの作風からは外れた珍しいシーンでした。
ですが、今までがシリアスなシーンが多かっただけに、かなり効果的に緊張感から解き放たれた彼らの姿。長い捜査が終わったんだ…という表現もあったかと思います。
本当に素晴らしい演出だと思いました。
ホギュ(ユン・ジョンソクさん)の表情、佇まいもなんとも言えずに良かった!

そして自分の母親と、姉について初めてちゃんと話すテシク。
この彼のトラウマに触れるシーンも、完璧に良かったです。
テシク母のセリフも淡々としつつも、心情を上手く吐露していたし、またそれを聞いているテシクの表情が…かなり胸にジーンときて、観ていて目頭が熱くなりました。

涙がこぼれるより少し前の、目が赤くなったイ・ミンギさんのこの演技。
このドラマの中で、このシーンがある意味一番印象が強かった。
泣いてしまわない、というところが最高ポイントで、ここは本当に朴訥で優しい人柄のテシクという人物が、ミンギさんの演技によって完全に凝縮されていて、控えめに言っても最高でした。
このシーンだけでご飯のおかわり3杯は余裕の、明太子級のエンディングでした。
第16話だけで、2億点…(断言)

ということで、
・秘書は命がけ
・爺、いい加減にして
・伝統の技、出生の秘密
・イ・ミンギさんはかっこいい36歳

以上の4点でお送りされた、地味ではありますが真面目で硬派、正統派のドラマでした。
最後結末として犯罪の理由ですが、少々「どうしてそこまで??」と、納得しきれない部分も正直ありはしましたが…。
ただこのドラマは、犯人を追うという部分よりは、解答を辿るプロセスを楽しむ、そして各キャラの心情をくみ取るサスペンス作品かなと思いました。
個人的には16話で、合計2億5000点だったので、かなり満足度が高かった!
そしてイ・ミンギさん…この路線もっと頼む!と心の中で願った次第です。

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