おすすめ度:120% ♡ ジピョンに幸あれ度:5億% ♡ 泣き虫度:100%
原題:스타트업 , 1話約80分、全16話
会ったことのない文通相手は起業パートナーだった?若者のスタートアップ起業の苦悩や恋を描いた、2020年放送のラブコメドラマ。
あらすじ・キャスト
ダルミ(ペ・スジさん)は幼少期から会ったこともない文通相手の少年ドサンに恋をしていて、大人になっても彼をずっと”心の拠り所”として信じて暮らしていた。
しかしそんな文通相手は、実はダルミの祖母とジピョン(キム・ソンホ/キム・ソノさん)が作り上げた、全く”架空”の少年であった。
そんなある日、ダルミは文通相手ドサンを遂に見つけ出すことに成功するが、一方同時期にジピョンも”本物”のソフトウェアエンジニアのドサン(ナム・ジュヒョクさん)を探し出していたのだった。
本物のドサンに文通相手のふりをして、ダルミに会ってほしいと頼むジピョン。
たった1日だけ会う約束のはずのドサンとダルミだったが・・・。
感想
まず観終わって一番の感想ですが、
めちゃくちゃ面白かったです!!!!(結論)
最初のオープニングのパワポやピクトグラム使用のプレゼンのようなアニメーションの始まりから「良い予感しかない」状態で、音楽(OST)もとっても良かったし、観終わるのが本当に惜しいぐらい大好きなドラマになりました。
基本のお話は大して真新しいネタではなかったです。話の筋もベタと言えば、結構ベタです。
しかし!起業というテーマとお話のテンポ、俳優陣の素晴らしいキャスティングと彼らの演技、そしてコメディ要素の息抜き部分が奇跡のようにマッチしていて、最後まで本当に飽きずに楽しく観れた作品になっていると思いました。
ラブストーリーのコアな部分は”会ったこともない好きな相手を別人と勘違いする”ネタです。
この使い古されたエピソードを作品の背景を、現代的なスタートアップ起業(ベンチャー/新規企業)を背景に、仕事の苦悩、友情、恋愛、挫折...という青春や人生の壁を、コメディとジピョンで優しくコーティングしてあり、とっても上手く仕上げたお話です。
ラブストーリー部分も制作側/俳優さんの細かい演技や編集もあって、ものすごく満足度が高かったです!(ベタ褒め)
ナム・ジュヒョクさんインスタグラムアカウントより
ダルミ役のぺ・スジさん:
個人的に好きな女優さんで、少し前歯が大きいのがチャームポイントで超可愛らしいです。
負けず嫌いでポジティブなこの役柄にもすごい合っていましたし、とにかくカップルとしてナム・ジュヒョクさんと、はちゃめちゃにお似合いだと思いました。
衣装も彼女の雰囲気に似合っていたし、真似したいスタイリングもあって良かったです。
ドサン役のナム・ジュヒョクさん:
ダルミにも褒められてましたが、本当に手がステキ…!うっとりしちゃいました。
『ハベクの新婦』の時もそうでしたが、ナム・ジュヒョクさん、謎の色気と男気がやたらと画面からにじみ出ていて、本当にハベク神かもしれません。
ちょっと少年ぽい感じも残しつつ、妙に男性的というか…かなり魅力的な俳優さんです。
あと個人的に、ジュヒョクさん声が良いなあと今作では特に感じました。
この作品では恋愛未経験者として、突然生活に登場してきたダルミに戸惑う様子や、慣れない女性をどう扱っていいのかオドオドする演技がとにかく可愛らしかった!
しかし、そんな恋愛未経験のはずのドサンも、どういう訳か最初からキスは上手そうでしたが…。
今回はぺ・スジさんとバスに乗るシーンが割と多いのですが、バスの座席にスジさんとジュヒョクさん2人が座ると、ジュヒョクさんの肩幅がすごく大きくて(背も高い方なんですが)、男性的なカッコよさをかなり感じました。
そして、今作は他の出演者もとにかく最高でした!
ジピョン(キム・ソンホ/キム・ソノさん)!!:
このドラマの真の主人公…とにかく幸あれ!!!!
ジピョンはダルミとドサン率いる会社のメンター(指導者)役をしているのですが、同時に文通相手の”中の人”でした。
後述しますが、彼ジピョン(キム・ソンホ/キム・ソノさん)がいないと、このドラマは非常に平凡でつまらないものになっていたでしょう。
とにかくジピョンの笑顔を守りたい…。(使命感)
チョルサン(ユ・スビンさん):
『愛の不時着』では古い韓国ドラマをこよなく愛し、盛り上げてくれた最高の役でしたが、今作『スタートアップ』でもサムサンテックに欠かせない最高の人でした!
謎に人気で5万人フォロワーがいるらしいV-Logのチャンネル名は、”avara.lover TV"。ロゴに自身の顔が添えられていて笑いを誘う。父親はアオノリの養殖業を営む。
よく喋り、ネタ役に徹しているかと思いきや、たまに正論をかまして視聴者やメンバーをハッとさせるチョルサン…あなたから目が離せない…。
ヨンサン(キム・ドワンさん):
スビンさんと同じく、サムサンテック創始メンバー。顔の印象より声が意外と低くて口数がチョルサンよりは少ないけれど、要所要所で良いことを言う。
とある過去を抱えている。何も考えてなさそうで意外としっかりしていました。
サハ(ステファニー・リーさん):
英語がペラペラの帰国子女で元弁護士、そしてモデルでデザイナー。この経歴…何歳なのか?という設定ですが、そんなの関係ねえ。
お金もあって美人でプライドも高い。けれど、気づけばだんだんとダサいメンバーに馴染んでくるところがカワイイ。
サムサンテックに欠かせない”塩対応”メンバー。
ゆるいネタバレありの感想
とにかく大好きになったこのドラマ。気になった点、好きな点を上げてみたいです。
が、その前にまずは、このドラマの真の功労者のジピョンさんに焦点を当てたいです。
キム・ソンホ/キム・ソノさんインスタグラムアカウントより
根っからの”メンター気質”ジピョンさん
NOジピョン、NO"START-UP"
ジピョンさんがいなかったら、まず”スタートアップ”していない!
1)ドサンとダルミをなぜか必死に引き合わせてしまう、キューピットジピョン
2)思い出のスニーカーを加水分解させず保管している、物持ち良すぎジピョン
3)落ち込んだ日にヨンシルから自殺防止センターの提案をされ、演技を忘れて笑ってしまうアドリブジピョン
4)体脂肪率9%、年収は17億(自称)、婚活市場では超優良物件ジピョン
5)何故か麺を食べながら重要な告白をしてしまう、麺好きジピョン
6)ダサいピンク色のTシャツも律義に洗って返す、ピンクTジピョン
7)恋のライバルになぜかついつい助け船を出してしまう、お節介ジピョン
8)ダルミを守るためなら同性愛をも演じてしまう、肉チヂミが得意料理ジピョン
9)何故かエレベーター内でよくトラブルに遭ってしまう、エレベータージピョン
10)ドサン不在の3年間…何故何もしなかった?足長おじさんジピョン
11)買ったアクセサリーはちゃんと返品したのか?レシート確認ジピョン
12)確執があった相手にも助言を求められたらちゃんと回答する、誠意の塊ジピョン
13)長期休暇にダルミ家族と束の間の団欒を得て幸せそうな、花札ジピョン
14)ライバル宅でドサンのパジャマで就寝する、サムサンチェックジピョン
15)ダルミにはチャンスがあっても手は出さない、紳士ジピョン
16)投資家として可能性がある会社にはきちんと仕事する、ビジネスマンジピョン
17)ヨンシルの中の人(ヨ・ジングさん)に会い旧友にあったような顔をする、同窓会ジピョン
18)メンターとしての役割を終えて少しさみしくなる、親離れ子離れジピョン
19)クールでもたった1人の前でだけは素の自分に戻れる、おばあちゃんっ子ジピョン
20)メンターが終わったと思ったら社外取締役に就任、結局はFOREVERメンタージピョン
(途中略)
537)最終的に世界中を虜にしてしまう男、ジピョン
このように涙なしでは語れないジピョンさん。
上げればキリがないぐらい、愛すべきそして幸せになるべきキャラのジピョンさんは、このドラマの完全なる大黒柱であり、完璧なジェントルマン。ある意味というか、本物の真の主人公でした。
このドラマのタイトルも、『スタートアップ:夢の扉』ではなく、何なら『スタートアップ feat.ジピョン』もしくは、『スタートアップ:メンターの鏡』で良いのでは?と思います。
ドサンもダルミも、サムサンテックメンバーもジピョンの有難み分かってるの!?と途中何度もキレそうになりました。
(ドサン君、泣いてる場合じゃないぞ?!)
ジピョン様、全16話ありがとうございました…そして…
ジピョンさん・・・あなたの笑顔を守りたい(58回目)
ただ、ラブストーリー好きの個人的な意見としては、根本的にはやっぱり王道に2人がくっついて欲しかったので、ジピョンに心の中で土下座しつつ、ダルミとドサンのカップルを応援しました。
ドサンがとにかくダルミへの戸惑いながらも、好きな気持ちがただただあふれている様子は、最初から見ていて単純に微笑ましく、大変可愛らしく、面白かったです。
お気に入りの点ですが(ジピョン含め)
泣き虫ドサン:ドサン、この作品ではとにかく泣き虫です。
10話などは、半分以上のシーンで泣いていたのではないでしょうか?
ジュヒョクさん、メイクかもしれませんがやたら目の周りが赤い時もあったので、延々と泣いていたのかもしれません、大変…。
愛されダルミ:ドサンとジピョン両者共に羨ましいほどダルミLOVEなのですが、この2人がダルミに対しての愛情を割と細かく演技されていまして(ダルミは気付いていない)、個人的にその描写/演技が大変好きでした。例えば…
・ダルミを車に乗せる時に頭を打たないようによく手を添える(ジピョン)
・ダルミが買った瓶のジュースをドサンに渡すも、まず蓋を開けてあげてダルミに即座に渡す(ドサン)
・ダルミが椅子から立ち上がった時に彼女の落ちた服をスッと気が付いて椅子に掛ける(ドサン)
などなど、これらの何気ない演技/演出をカットせずに多く入れているのが好きです。
ドサンとダルミを応援していましたが、このドラマで一番胸が締め付けられそうになったのは、15話(ある意味、実質最終話)のジピョンがドサンの背中を自ら押した場面でした。
ジピョン自分からここで身を引いちゃうのか~~(泣)となりました。
ここは相当胸がグッとなりました。
”サムサンチェック”ネタ前フリからの落差…。つらい。
しかし、自ら戦いの舞台を降りるというのが彼らしい選択だし、またFOREVERメンタージピョンとして、ドサンに誠意をもってアドバイスし彼を勇気付ける。
やっぱりジピョンは、ずっと最初から彼らの「メンター」だったんだな。と…。
というか、文通相手になっている事自体が、既に昔からダルミのメンターなんですよね。
あとやはり”過去の文通ドサン”があってもなくても、結局ダルミとドサンはお互いひとめぼれ同士で恋に落ちていて、理由がなくてもお互い好きになったんだという結論はしっくりきました。身も蓋もないですが、もうしょうがない。
現実(ドサン)が理想(文通ドサン)を一発で上回ってしまったのですね。
あと、今まで夢がなかったドサンに対して、初めてできた夢=ダルミだったわけで、この厳しい”スタートアップ”で、ドサンとダルミはお互い地図無しの航海に出発する同志だったんですよね。
ナム・ジュヒョクさん、ペ・スジさんマネジメント事務所SOOPインスタグラムアカウントより
アメリカから帰国後のドサンは、猫背矯正でもしたのか?というぐらい姿勢もまっすぐになり、ファッションセンスも妙な高級志向になったのか、カルティエらしき腕時計を着用していたり…。(アメリカのIT系だったら、カジュアル路線のままで行きそうですが)
やたら偉そうで高圧的になってしまったドサン君に、若干困惑しつつ…。
しかし本人も言うように自信がついたのでしょう、彼らの成長=起業の成功と、このドラマのテーマと最終的にリンクされてあって良かったです。
また、最終回でドサン達は旧サムサンテック社の焼き肉屋上の古いビルに戻り、つらくも楽しかった昔を懐かしみます。
このシーンはかなりベタな描写でしたが、このドラマが恋愛だけでなく、彼らが走ってきた日々(青春)を回顧しながらも、決してもうあの頃には戻ることはできず、大人になってしまった3人…。
と、ドラマ当初の3人との比較のようになっていて、なかなか感慨深かったシーンでした。
起業は技術だけでは決して成り立たず、優秀な助言者ジピョンはもちろん、ダルミやインジェ(カン・ハンナさん)というような先頭に立つ人材がいて、チームワークがあってこそというような部分も綺麗に描き出していて良かったです。
かなりの終盤、最終回がみえている頃の自動走行車ターザンのエピソードは、ちょっと間延びした感がありました。
時間稼ぎかな~という演出が露骨で、ここは正直ちょっとつまらないと感じました。
(だったら、ジピョンのエピソード入れて!)
とはいえ、つながる最終回のエンディングでは、超・大団円で何もかも上手すぎるぐらい、まとめてあってビックリしました。
大きな見どころというか、泣きどころは、やはりダントツでジピョンさんがおばあちゃんに涙を見せたところでしたね。
ここは本当に涙なしでは見れない部分でした。
ジピョンさん、おばあちゃんの前では感情を表に出してしまうのですよね…。
最後はジピョンとドサンの和解もあり、また今後は恋のライバルではなくビジネスパートナーとして大人の付き合いが続く部分もあって本当に「良かったな」と思える終わり方でした。
ただ・・・
最終回、数年後と思われる大きなオフィスのチョンミョンカンパニー。
CTOとCEOとして机を近すぎるだろ?というぐらい真横に並べて、普段仕事をしているであろうシーン…。
そして手を繋ぎながら、社内を闊歩するダルミとドサン…。
ドサン君、そこはガッカリしたぞ!??!(半ギレ)
公私混同はやめてくださいね!!(全社員の意見)
話が少し逸れますが、13話でダルミへのプレゼントとして、アクセサリーを購入したジピョン。
14話の最後に流れる次回予告で、印象的なピアスとネックレスを着用していた(15話の)ダルミをチラッと観て「これはもしや…ジピョンからの!?」とかなり勘繰っていたのですが…。結局ジピョン一切関係なくて、泣きそうになりました。
ちなみにこの15話のダルミのキラキラ輝くセットのピアスとネックレスはショーメ/CHAUMETのものです。
そして、最終話に映るダルミとドサンの結婚指輪もショーメのリングなのでした。ダルミのお好きなブランドかもしれません…(提供)
ということでこのドラマ、とにかくこのジピョンさんが良い人すぎて、彼に憎む部分が皆無なのが逆に視聴者として辛い部分もありましたが、彼がいたからこそ、泣き虫ドサンとおバカなサムサンテックメンバーが、そしてこの作品そのものが活きるという本当に良い役柄でした。
このドラマを総括しますと、
・ジピョンの笑顔を守りたかった(視聴者の無力感)
・泣き虫ドサン、だがそれがいい(ナム・ジュヒョクさん素敵でした)
・『スタートアップ:夢の扉』、大変楽しませて頂きました!(語彙力)
ということで、とても面白くてこのドラマのキャラ達と別れるのが名残惜しいというか、そんなドラマになりました。
ナム・ジュヒョクさんの少し独特の「ダルミや~」という、あの優しい呼びかけ声がもう聞けないと思うと非常に寂しい限りです。
ラブストーリーとしてもわかりやすく、青春ものとしても大変良かったです。
最後も少しできすぎたほどの綺麗なハッピーエンドでしたが、嫌味がなくて本当に楽しめました。テンポもよくて楽しくて、大変おすすめのドラマでした!
*追記:『Run On それでも僕らは走り続ける』に、カメオ(特別出演)として、我らのジピョンことキム・ソンホ/キム・ソノさんが最終回16話に出演されています!是非Run Onもご覧になって下さい、良いドラマでした。
(大変長くなった拙い感想、読んで頂き恐縮です)