おすすめ度:89% ♡ 王道ドラマの心地よさ度:100% ♡ 純粋にラブコメ度:99%
原題:도도솔솔라라솔 1話約60分、全16話
心に傷を負った男性と、ポジティブさとピアノの音色で周囲を明るくする女性とのラブコメドラマ。2020年放送作品。
あらすじ・キャスト
人生最高の結婚式を行うはずだったピアニストのララ(コ・アラさん)はそんな幸せな式当日に悲劇が重なり、失意のどん底を味わうことに。
そんなララは、とあるきっかけでソウルから離れた郊外の町、ウンポに向かう途中に、自転車に乗った男性ジュン(イ・ジェウクさん)と人身事故を起こしてしまい入院することになる。
ジュンはララに損害賠償を求めるため、病院でララをなりゆきで”看病”することになるが…。
感想
2020年のドラマですがあまり意地悪なヒネリを入れず、かなり素直で伝統的なラブコメ展開(少女漫画的なお話)の作りの作品です。
テンポも良くて話が分かりやすく、大変観やすく、どんどん観進めてしまうタイプのドラマで楽しめました!
最近のドラマの傾向として、ぶっ飛んだタイプのドラマも多くありますが、一方であまり視聴者にジリジリとしたストレスを与えてこないタイプの作品も割と多いと感じるのですが、この作品も”優しい世界のドラマ”となっています。
そのため観ていてあまりイライラせず、純粋にお話を堪能できるラブコメに仕上がっています。
ドラマで現実逃避している時などは、こういう作品がありがたい!
コ・アラさんインスタグラムアカウントより
コ・アラさんが、主人公のピアニストのク・ララ役を演じています。
このララ役なのですが、お金に全く不自由なく生きてきて、育ちがまず良い。そのため、人をほとんど疑わず、天真爛漫でポジティブ。
その性格をコ・アラさんがかなり合って演技されていたので、驚きました。
この役柄、ともすれば嫌味っぽくなるし、わざとらしくなりがちで結構難しいラインだと思うのですよ…。
カラーコンタクトを着用されていたり(恐らく)、髪型も衣装もふわふわでお人形さんのような雰囲気。この浮世離れしたララを雰囲気含め自分のものにされていたというか、最後まで視聴者に嫌味に感じさせず、明るく上手く演じられているなあと思いました。
花郎<ファラン>に出演されていた時は、アラさんの元気さというか、アネゴっぽい部分が、役に少々合っていないのでは…と感じて観ていました。
が、今作の『ドドソソララソ』ではアラさんの持ち前の雰囲気の良さ、というかその元気さの部分がかなり強く役にハマっていて、本当にピッタリだと思いました。
キャスティングされた人すごい!
謎の青年役ジュンのイ・ジェウクさんですが、不愛想で不器用、だけど優しいという役柄に大変合っていて良かったです。
あとスタイルが良すぎ…背がすらっと高くて良い!
ちょっと演技が固い感じが時折しましたが、役柄もあってそこまでは気になりませんでした。
ジュンもある意味ベタな役ですが、ジェウクさん、子供っぽくもあり、大人っぽくもありで表情というか目元が特に魅力的な方で、笑顔になるとふわっと雰囲気が優しくなり素敵でした。
ララに良い意味で振り回されて、困惑する様子も可愛らしかったです。
ゆるめのネタバレ感想
このドラマですが、ストーリー展開が気持ちよいぐらいの王道タイプです。
そしてその部分こそが、この『ドドソソララソ』の圧倒的な長所!
やっぱりラブコメの基本要素=ツンデレ、別れ、泣き、笑い、そしてラブストーリー部分がしっかりとお話に組み込まれていて、そのポイントの山場をいかにうまくクリアして最終回まで辿っていくか。
それが視聴者を夢中にさせる肝だと思うのですが、このドラマもそのストーリーの道筋を描くのがが上手いなと思いました。
主人公のララ(コ・アラさん)が、周囲の人をどんどん好きにさせちゃうんですよね。
でもわかる!と思います。
持ち前の”育ちの良さ”もあって、邪気がとにかく皆無。人を恨まないから、駆け引きしない。だから周りの人も許しちゃうし、性別関わらず彼女の事を好きになっちゃうし、手助けしたくなる。そういう事って実生活でもあると思います。
最初はなぜジュンがララをそこまで助けるのか、と謎だったのですが、結局ジュンも同じ育ちというか、根は2人が似ていたのもあり、似たもの同士かなと思いました。(もちろんそれ以前にララを知っていたというエピソードもありますが)
イ・ジェウクさんインスタグラムアカウントより
ウンポという郊外の町の古い建物にララはピアノ教室”ラ・ラ・ランド”を作って、人々と交流が深まります。ウンポの町の風景や雰囲気、とても素敵でした!
そのララと人々との様子もピアノの旋律と日常生活の小さな喜びを上手くあわせて描写されていて、ちょっとわざとらしくベタだなと感じる部分もありましたが、作品に似合った良いシーンが多かったです。
またララとジュンの周囲の人たち(離夢会のおばさま達、速攻フラれるキム・ジュホンさん、そして特殊部隊出身で探偵業のマ・ドンソクさん的なおじさん!!!)も魅力あふれる人たちでした!!
終盤、ちょっと色々盛り込んでくる状況が多いというか、ジュンが(理由はあるにしろ)情緒不安定か?!とララと視聴者を困惑させるエピソードが続きます。
この終盤から最終回にかけては、少々ストーリー展開の繋ぎ部分の粗さを感じましたが、まさかの”悲劇”部分が入ってきたので観ていて「えっ?嘘でしょ?」と動揺し、泣いてしまいました。
(しかし後から考えると、というか考えるまでもなく、これもベタな設定でしたが…。)
そして、問題の最後のエンディング・・・・。
さらに「?!?!?!」となりました。
ここは安堵の気持ちを持ちつつも、正直言うと少し腹が立ちました。
なぜもっと早くララに知らせてあげないのか・・・(怒)
5年!?!?(湧き上がる怒り)
この部分は解せぬ…とララに同情しました。
5年も…?0歳の赤ちゃんが5歳になっているんだよ!?(謎の0歳児論法)
5年あれば、ララも余裕で結婚していることもありうる訳で…。
ジュン、それはないでしょ…。
もちろん良かった!!という気持ちも大いにあります。
ありますが、ララ(と私)の流した涙は一体…となってしまい、何故かドラマのまさにエンディング5分前に気持ちがビールのようにキンキンに冷えてしまったというか、酔いが一気に醒めたというか…。
やっぱりラブコメに涙はいらないよねっ☆彡
みたいな『りぼん』的な終わり方やめて~と若干無言になりました。
しかしこのいきなりの「5年後・・・」という描写もかなり古典的なエピソード展開ですよね。
まとめると
・コ・アラさん、イ・ジェウクさん2人とも役柄にピッタリ
・犬のミミのとぼけた顔がカワイイ
・王道ラブストーリーがやっぱり好き
・ストレスフリーなドラマ展開
・落とし穴と知りながらしっかりとハマってしまう自分
ということで、最後の最後で謎の気持ちの瞬間冷凍も経験しました。
しかし、後からよく考えると(5回目)結局ベタな内容に見事にがっちりとハマってしまっていた自分に気付くというか、ラブコメの教科書的展開のお話にしっかりと泣かされていたというか、見えていた穴に落ちていたというか…。
考えるまでもなく、この”5年後・・・”という展開も見事に少女漫画的王道だった訳で…。
観終わってから、「一本取られましたなあ~」という感がありました。
個人的にはそんな王道ストーリーをしっかりと楽しめてしまい、気付いたらどんどん観てしまった作品となりました。
やっぱりベタなラブコメは、観ていて安心感が強い!!!
王道っていいな~と再確認してしまう、ラブコメ王道沼に体が埋まりながら、そう思ったドラマでした。
純粋に楽しくラブコメ観たいという時は、是非こちらの作品が良いかなと思います!
(追記)Netflix『ムーブ・トゥ・ヘブン』にイ・ジェウクさんがとても良い役で特別出演されていますので、ぜひご覧になって下さい!