ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 偶然見つけたハル (感想)

おすすめ度:700%
ブコメの宝石箱度:100%
脇役の生き方度:100%
原題:어쩌다 발견한 하루 全32話

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楽しい高校生活、実は漫画の中の決められた話だった?2019年放送のファンタジーブコメ

 あらすじ・キャスト

明るく感情がゆたかな女子高生のダノ(キム・へユンさん)は、幼馴染のギョン(イ・ジェウクさん)に片思い中。
そんなギヨンは校内のイケメングループA3のメンバーとして、ナムジュ(キム・ヨンデさん)、ドファ(チョン・ゴンジュさん)と共に目立った存在だった。
そんなダノだったが、記憶を失うなど自身の異変に気付き始める。
次第に自分が置かれている環境を疑い始めるダノだったが、ハル(ロウンさん/SF9)という謎の生徒に目を奪われてゆくが…。

感想

はちゃめちゃに面白かった!(真実)
ブコメが好きな人は、とにかく絶対に観て頂きたいです!
飽きさせない演出とテンポのよさ、ラブコメのくせに先が見えにくい展開で、トップクラスのラブコメと言っても過言ではないと思います!
とんでもなくハマってしまい、目が血走った状態で一気に観てしまいました。
ラブ&コメディの大炸裂!!!
ブコメの素晴らしい要素が惜しみなく詰め込まれていて、まるでラブコメの宝石箱でした。(ベタ褒め)

作品内ではラブコメ特有の王道でダサい部分などを、皮肉ったセリフも多くあります。
が、このドラマの非常に上手いところは、その部分を逆手にとり、そんなダサい古典的な手法を設定をしっかりと利用し100%活かした、現代的な完璧なラブコメ王道ストーリーに仕上がってます。
やっぱりラブコメはマジで最高だな♡と個人的に大歓喜してしまったドラマでした。
とにかく、本当に面白かった!(結論)
(感想冒頭で既にラブコメという言葉を使いすぎるぐらいラブコメ

原作はDaum Webtoonに2018年に連載された『偶然見つけた7月』というWEBマンガです。
まず、ドラマ内のキャラ自体が少作品内での鍵となる女漫画キャラという、入れ子状態のストーリー設定を使った演出方法がとにかく面白いです。
この漫画の中に入るという設定ですが、『W-君と僕の世界-』を思い出しますが、よりポップで明るく楽しく仕上げてあり、ラブコメと漫画の親和性がスゴイ!

漫画のキャラなので勝手に”自分の物語”が進んでいく一方、キャラが自我を持ち始めて、漫画(作者)の通りにはさせない!という異常にポジティブな主人公のダノ含め全員がとにかくが可愛くて大好きでした。
それぞれが過剰気味でワザとらしい演技を上手くしておられ、その点もこの作品の意図に沿っていて、面白くもあり大変良かったです。

また、漫画のコマ割りを彷彿とさせるカメラワーク、やたらアップで背景はぼかしていたりと、そのあたりも抜かりなく凝っていました。

キム・ヘユンさんインスタグラムより

ウン・ダノ役キム・へユンさん
スリ高校2年7組の女子高生。
裕福な家庭の一人娘で、とにかくポジティブで明るい女子高生。
ギョンと幼馴染であり、結婚を約束した仲。
しかしギョンはダノの事を嫌っているため、10年ギヨンに片思い状態。
心臓病を幼い頃から患っている。

ペク・ギョン役イ・ジェウクさん
A3のメンバー(クールタイプ)。
とてもクールだが、やや暴力的な面も。とてもモテる。
父親の強い指示でダノと婚約しているが、病弱なダノの事を疎ましく思っている。
母を幼少期に亡くし、義母や義理の弟と仲が良くない。
清純なタイプの女性が好み。
幼稚園の頃から不満そうな顔をしていた。

13番/ハル役ロウンさん(SF9)
ダノのクラスメイトだが、不思議な雰囲気を持つ男子高校生。
ダノに「発見」され、ハルと名付けられる。
漫画と現実を繋ぐ、重要な存在のようだ。無口。

オ・ナムジュ役キム・ヨンデさん
A3のメンバーであり、リーダー。
とんでもなく女子に人気。
御曹司で、母は大女優。お金遣いが荒い。
ジュダが気になる。
幼稚園の頃は字が読めなかった。

イ・ドファ役チョン・ゴンジュさん
A3のメンバー(優しいタイプ)。
気取らず優しく、気さくな性格。バイオリンが得意。
幼稚園の頃から愛嬌がある。ジュダの事が好き。

チン・ミチェ/イカの妖精役イ・テリさん
高校の学食にいる謎の料理人。年齢不詳。
”この世界”の事を知っているようだ…。

ヨ・ジュダ役イ・ナウンさん
家が貧しいためか、セレブが集まるスリ高校でいじめられる。
ナムジュに気に入られる。

ゆるいネタバレありの感想

イ・ジェウクさんインスタグラムより

ギョンの事が大好きでポジティブに学園生活を送るダノですが、ある時から自身に違和感を覚えます。
加えて図書館で意味深な漫画『秘密』を発見。読んでみると漫画に自分たちが先程経験したことが全て描かれている、という衝撃の事実を知ります。
そう、このドラマの舞台は漫画の中…ダノ含め全てのキャラ達は、漫画の中のキャラでもあった訳です。

その中でダノは"自我を持ったキャラ”になります。
他の友達や家族は全て、まるでBOTのようなNPC(ノンプレイヤーキャラ)で、同じようなセリフを言ったり、漫画内以外での記憶がありません。つまり、彼らは操り人形のような存在で、何を言っても無駄…。
ダノは「シャドウ(漫画のコマ外)」「ステージ(漫画のコマ内)」での法則を、食堂にいるイカの妖精ミチェから教えてもらいます。

陽気なダノは、当初自分がマンガの中でも”主人公”だと疑いません。
ですが、漫画の登場人物紹介欄で、ダノはただの脇役、エキストラであり、決してメインキャラでないという部分に更に衝撃を受けます。
このあたりの畳みかけるテンポの良さの演出が天才か?と思いました。

ポジティブなダノはエキストラだとしても、「作者の通りにはさせない」と、設定を変えようと試みます。
ダノの設定の1つであった、ギョンが大好きという部分も、ただの設定であり、自我を持ったダノにとっては違った訳です。

そんなある日、謎の人物が自分を助けてくれるという、漫画では描かれてていなかった
事象が発生。その人物こそが自分の運命を変えてくれるのではないか、と考えるダノ。
色々な手を使って、謎の人物が”13番”のクラス番号を持っていることを探し当てます。
が、13番は終始無言。

13番はダノよりも更にエキストラの存在。漫画では口しか描かれていないような、名もなき超モブキャラでした。(このあたり、漫画あるあるでちょっと笑えます)
しかし、ダノはこの13番こそがこの世界(漫画)を変えれる存在だと信じ、何度も彼と接触を試み、クラスのイベントでキャンプに行った際、ダノは13番という呼び名をやめ、「ハル」と彼を呼び始めます。
このあたりの描写は、本当に可愛らしかったです。

韓国ドラマのニックネームのつけ方って視聴していて、いつも独特だなあと思うのですが、このハルも、ダノにとって「私の1日(ハル)があなたのおかげで変わりそう」という理由から、ハル(1日)と呼び始めます。
このハルという名前の付け方も、ストーリーの肝となる点でもあり、ユーモアもあり、そしてもちろんロマンティックでもあり…。タイトルにもリンクしていますが、センスが良く、素敵だなあと感じました。

次第にA3メンバーのドファもまた、じんわりと"自我”が芽生えます。
ダノは、ハルやドファと共に設定を変えることに夢中になり、ハルと過ごす時間がどんどんと長くなります。
それを面白く思わない男性が、ギョン…。
彼も次第に"自我”を取り戻していくのですが、その自我と共にダノへの本当の気持ちを
確信します。彼も冷たい態度をとりながらも、本当はずっとダノの事が好きだったんですね。

 
 
 
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ロウンさんインスタグラムより

一方ハルが、ノウゼンカズラの花がきっかけで、別のもっと古い記憶を取り戻していきます。
それは別の漫画『凌霄花(ヌンソファ)』のストーリーだったのです。
そしてその『凌霄花(ヌンソファ』とは、作者の前作。結局前作と同じようなストーリー展開に『秘密』もなりつつありました。
凌霄花では、王様:ミチェ、大君:ギョン、大君の臣下:ハルという設定。
ダノも大君とハルの間にいる女性でした。しかし、前作ではダノは殺されていたのです。

不吉な感覚を覚えるハル、それとリンクするようにダノの心臓はどんどんと悪くなります。『秘密』の残りページも少なくなり…。
そして、ハルは「今回は運命を変えれてよかった」「幸せな1日だった」とダノに告げ、静かに消えてしまいました。

そして1年後…大学生になったダノ。しかし周囲にはハルはいません。
ですが…!?!

ということで、とてもコミカルに振ったと思いきや、思いっきり切なくさせるエピソードがあったり、素晴らしい振れ幅でとても楽しかった!
ラブストーリーの定石として、1度は別離を挟むという展開がありますが、今回はハルやダノが自我を失くしてBOT化してしまう、という部分で別の悲しみと切なさがありました。

エンディングの大学生活ですが、個人的にはダノはまた「別の作品」に入ったと思います。
このドラマはおそらくずっと漫画の中の話であり、ダノとハル、そしてギョンは再び
大学が舞台の別の漫画の中でいるのではないでしょうか…。
ダノとハルならきっと、再び運命に逆らって楽しく過ごすと思います!

とにかくこのドラマの素晴らしかったところは、絶対的にコミカルさを失わないまま、しっかりと胸に残る切なさ、いじらしさのあるラブストーリーを描き切っていた点。加えてシーン展開の速さと話のテンポの良さ。
加えて途中で”時代物”の漫画設定を挟むという、にくい技を入れてくるため、全く観ていて飽きないという構造が、本当に賢い設定だなと感服しました。
とにかく、はちゃめちゃに演出センスが良いラブコメでした。

当たり前だ、と思っている部分を違う目線で観るという必要性も訴えていた意図もあったと思います。
ダノはとにかく前向きでバイタリティ溢れる女性でした。作者という見えない力の存在を超えて、自分の人生を生きるんだ、というパワーがありました。だからこそハルという運命の存在を発見できたのかもしれません。
ダノが「いちいち傷ついていたら、この世界では生きていけない」というセリフがありましたが、このセリフにはしびれました。
ダノにとっての世界=私たちの現代社会でもある訳で、このあたりは視聴者に向けての強いエールでもあったかなと感じました。

ということで、
・ダノのステージとシャドウの温度差
・ギョン、物を踏みつけがち
・ロウンさん191cm、イ・ジェウクさん187cmとダノとの身長差
・ダノの「おも、おも、おも!」(あら!)が最高
・救急箱がとんでもねえ高さの場所に置いてある保健室
・ギョンはヤキモチを焼くと、右を向いて皮肉な笑いを浮かべる癖
・ナムジュのBOTに徹したダサさ(良い意味で)が最高
・ダノがハルと屋上で話す時に台に乗って話すのが可愛い
・スリ高校制服の自由度が回を増す毎にどんどんヤバくなる
・パク・モゴムとキム・スヒャンという名前の既視感
・A3メンバーはスリ幼稚園レンギョウ組からの同期

 以上の11点では語れないほど、他にも良い点でお送りされたドラマでした。
ダノ役のキム・へユンさんが嫌みがなくて大変可愛く、ロウンさんもイ・ジェウクさんもチョン・ゴンジュさんも他も(省略すみません)全員、本当にみなさん役柄に似合っていて良かったです。

元気タイプ主人公のイケメン学園ドラマか~と思って軽く観ていたのですが、1話で即効で気に入ってしまい、とんでもなく夢中で視聴したドラマでした。
ダノの「ハルや~」と呼び変える声がとてもかわいく、それに応じてハルがはにかんで応じる姿が大変良かった!
ちなみにイ・ジェウクさんが気になった方は、出演の『恋愛ワードを検索してください』で、最高の姿が見れますので、大変おすすめです!

良く練られたとても素敵な作品でしたし、ネタが枯れそうだったラブコメの可能性をまだまだ感じさせてくれた、新感覚のドラマでした!本当の楽しませていただきました、大好きな作品です。

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