ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ ユミの細胞たち シーズン2 (感想)

おすすめ度:800%
見たことない細胞度:100%
私の望みは度:100%
原題:유미의 세포들 2 / Yumi's Cells Season2 (全14話)

ユミの細胞たち2 シーズン2 感想考察
彼との辛い別れを経て、ユミは新しい恋を始めるのだったが…?2022年放送のヒューマン系ラブコメ・シーズン2。

あらすじ・キャスト

ウン(アン・ボヒョンさん)との別れはユミ(キム・ゴウンさん)にとって、とても辛いものに。ユミはウンの知り合いのSNSを確認しては、彼の近況をチェックする日々。失恋の傷はなかなか癒えません。
そんな時、同僚のボビー(パク・ジニョンさん)から誘われるユミだったが…。

感想

「ユミ」の物語
シーズン2がAmazonに来るのを首を長くして本当に待ちわびていたので、配信が決まって心底嬉しかったドラマでした。待った甲斐があり、この2も1と遜色なく非常に面白く楽しく視聴しました。素晴らしかったです!!
今作シーズン2では、より「ユミ」という女性に強く焦点が当てられていて、1との切り口やテーマの違いを感じられ、深みが出ていて更に興味深く作られてありました。
お馴染みの”ユミらしさ”も隠されながらも感じられ(後述します)、その点も満足!
単なる続きとしてのシーズン2ではないという凝った意気込みを感じました。

私がこのドラマ、そしてユミという主人公が好きな理由として、感情表現と描写にとてもリアリティがあるところです。
妙にズルかったり意地悪だったり…そうそう、人って本当は腹黒だよね感を上手くキャラに落とし込んでいるので、観ていて生き生きしているなといつも感じていました。「こうあるべき」とわかっているけど、実際の行動は違うことが多いのが現実。そのあたりの微妙な線引きとリアルな部分をある意味赤裸々に恐れず描いていて、新タイプの女性主人公だと思います。

ストーリー展開としては、1と同様ユミが経験する恋愛経験を中心に描かれていますが、主人公ユミ含めて各キャラの成長や価値観の変化など内面の部分についても、多く時間を割いて描かれています。
お馴染みの”細胞たち”も健在ですが、彼らも「多種多様」です。
ユミの細胞から、(ユミが関係する)他人への細胞(その人”そのもの”という象徴)への眼差しを1のウンの時よりより明確に描いていて、他者との「考え方の違い」「価値観の違い」を表現していたと思えました。
これについては本当にわかりやすく、笑える部分もあり面白かったです。

ラブストーリーとして観てもとても面白い構成になっています。
シーズン2では、ウンとの破局後のユミが新たな出会いとしてボビー(バビという呼び名の方がしっくりくるような)との関係を主軸に語られます。ウンとボビーは男性としてのタイプが異なるので、また違った雰囲気でユミの”恋愛”が描かれます。
ただ個人的には、シーズン1別れてしまったものの圧倒的にウン派だったので、(アン・ボヒョンさんがいねえ…という意味で)半分涙目で視聴していたのですが、メインではありませんがそれなりに出演されますので嬉しかったです。

もし未視聴の方は、ネタバレを見ずに是非視聴して頂ければと思います。この作品の場合は、可能な限りシーズン1からの視聴を強くおすすめします。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

@ggonekimがシェアした投稿

キム・ゴウンさんインスタグラムより

ウンと別れてしまったユミ。
クールに振る舞った彼との別れの日でしたが、彼女の心は悲しみで溢れていました。ユミはウンを深く愛していたのでした。しかしその恋愛も終了。
彼女の”プライム細胞”(その人を代表する細胞)である愛細胞は緊急入院して昏睡状態です。ユミという人間をつかさどっていた愛細胞の不在…ウンに出会う前の彼女に逆戻り。
ユミは眠れない夜が続き、ウンの友達のSNSを覗いては彼の近況(楽しそう)を確認し邪推しては落ち込む日々。
しかし別れは新たな出会いを導くもの。傷心のユミに同僚のボビーが急接近します。

ボビーさんはシーズン1から存在するキャラですが、その初登場シーンはペラペラの”紙人間”だった、という点が大きなポイントかなと思います。
ユミにとって当初眼中に入らず単なるモブAの存在だったボビーが、どんどん存在感を示し始めてユミの中である程度の”地位”を勝ち取ります。
このシーズン2では、そんなボビーが満を持してユミをデートに誘うのでした。
失恋の傷がまだ癒えないユミでしたが、ド直球で小細工なしで真正面からぐいぐい来るボビーからのデートの誘いを断る理由も特にありません。
「つきあおう」初めてのデートで男性から初告白されたユミ。別れを経験して地の底に落ちていた自尊心レベルもぐんぐん急上昇。まんざらでもなさそうなユミさんです。
しかし、ユミはその告白を断るのでした。
なぜなら彼女の愛細胞はまだ目覚めていません。新しい恋愛の許可をまだ細胞は出していなかったのです…。

ユミとボビーの恋愛考察
ボビーは今までの彼氏とは全く異なり、ストレートに彼の気持ちと希望を伝えてくるのでした。
ボビーからの告白を拒否したユミでしたが、反比例のようにどんどん彼が気になってしまいます。ついにユミとユミの愛細胞は「降伏」し、ボビーとの交際がスタート。
ここで個人的に注目したいのは、ボビーとの恋愛について始まりは感性細胞の”ハートフィーバータイム”という謎ウルトラパワーの勢いに乗せられユミがボビーへ好きだと伝えた点。その後に愛細胞が降伏し関係を認めたという流れです。
つまり愛細胞が積極的に推奨したわけではなかったというところ。
愛細胞が「(ボビーが)なぜユミを好きなのかわからない」と疑問を呈すシーンがあります。
これは一見ボビーの信用性を問うようなセリフですが、個人的には「ユミがなぜボビーのことを好きなのかわからない」と自分自身へ確認しているように思えてなりませんでした。
同様の対比として、いつ自分に好意を抱いたのか問うユミに、はっきり答えられないボビー。
この彼の解答自体は微笑ましいとも思えますし、誰しもが1つのタイミングで恋に落ちるわけではないので問題はないと思います。(ユミはモヤモヤしていましたが)
ですが、私はユミがこのボビーとの関係に深い”確信”を彼女の中で持てていないのだろうなと思えてなりませんでした。彼女こそが、ボビーからその”場面”を教えてもらって、自分の愛情をそこへ確信として繋げたかったのではないでしょうか。
はっきり答えられないボビーにモヤモヤしているのは、ユミこそが彼をいつ好きになったか答えが出ないのでしょう。
ここでボビーがユミの中で紙人間だった頃とリンクするように思えました。
ユミとボビーの恋愛はパーフェクトでしたが、どこか”漫画”のようで非常に表面的である意味ペラペラでした。
ユミは常に機嫌が良くて(実際彼女のイヤイヤ・リストは減ります)ウンといた頃のような、めんどくせえ女では最早ありません。
ユミが”ユミらしさ”を失ってしまっている…と、個人的は割と悲しく思えました。

ユミの細胞たち2 シーズン2 レビュー批評

久しぶりに戻った実家。彼氏について母から質問受けたユミはボビーのことをはっきり明かしません。
しかし、彼女は別の”答え”を見つけます。忘れていた”夢”です。
この一連のシーンはとっても繋がりが上手いな〜と結構感動してしまいました。ユミは20代の頃の自分に「相談」し、自分自身でその答えを見つけます。
あっさり退職し、作家の道を(ほぼ)未経験で目指すユミ。彼女らしさが戻りつつある!!と嬉しくなってしまいました。
ちなみに速攻で仕事を辞めたユミに対しても、ボビーは非常にあっさりしています。
お気づきでしょうか…ボビーのユミへの反応はいつも「差し障りがない」「耳触りが良い」ものばかりだったことを…。
私がウン派という目線を抜いても、ボビーとの関係にしっくりこなかったのはこの辺りが強い理由です。(念の為ですがボビー役を演じるジニョクさんはものすごく魅力的な方で、ジニョクさんが悪いという意味はもちろん一切ありません)

残念ながら済州島とソウルの遠距離恋愛になってしまった2人。遠距離恋愛あるある、忍び寄る別の女性の影。
ただユミは自分の”芯”を取り戻しつつありました。だからこその「別れ」だと思います。
ボビーの「心の揺らぎ問題」は、みなさんそれぞれ考えるところがあると思います。正直、ユミさんの判定ちょっとキツすぎない?とは個人的に思いました。
ただ、おそらくユミも(細胞も)ボビーには大して非がないのは理解していたと思います。しかし、そんなことは関係ねえ。
なぜなら彼女は復活したのでした…めんどくせえ女に。
ボビーさんが「自分はウンに会うことを笑顔で許したのに」と、ユミが自分を信じてくれなかった不満を持ちます。これは本当にその通りで、ボビーに同情しました。
ですがその理屈が通らないのが、ユミという女性です。それを自分でわかっていても意地が強く絶対相手を許さないのがユミ。
そんな彼女が戻ってきた!という最もわかりやすいカムバック・シーンこそが、あのクリスマスの別れだったと思います。ユミ節全開。

以下は勝手な考察ですがユミはバビと付き合っていて、ドラマのヒロインのようにお姫様的に安定した気持ちを得ていたのだと思います。口論をすることはなく、嫌味も言わない、いつもかっこいいボビー。
だけど、もしかしたら、ユミはどこかつまらなかったのかもしれません。(ボビー派の方、すみません。あくまでも個人的な感想です)
理由の一つとして、ボビーの細胞もなかなか個性的で、彼の感性・理性・愛細胞は見る限り三位一体状態で、殆ど一緒に行動しているように察しました。ここも面白い描写だと思います。
とてもバランスが良い性格だろうと思われるボビーの細胞たちですが、この三つ子のような細胞並びを見ると尖った部分がなく、ある意味で没個性だとも「考えられも」します。
ボビーがソウルに戻って復縁するユミでしたが、一瞬またあの紙人間が復活します。このカットは彼女の「夢が醒めてしまった」とも考察できて、非常に興味深かったです。
ユミは自分の気持ちが彼に既に無いということに、復縁を得て気づくのでした。

プライム細胞の交替
ボビーと別れ彼女は、自分の求めていたことをあらためて思い出します。
「私はただ幸せに生きたいだけ」
ユミは恋愛が上手くいけば幸せになると思っていましたが、必ずしもそうでは無いという重要な事実にやっと気が付きます。ウンとボビーのお陰ですね。
幸い新たに進むべき目標があるユミは、自分のプライム細胞を愛細胞から作家細胞へ帰ることを決意。このシーンもユーモラスでしたが、結構感動してしまいました。
この中盤後半でタイトル通りの「ユミの細胞たち」に上手く帰結していて、非常に素晴らしい展開だなあと感じました。
プライム細胞の変更があり「ユミは変わった」というセリフが入ります。
一方のウン。彼のプライム細胞はプライド細胞です。ウンも気づきを得て、プライドを捨て去ることに。
ここはストーリー上の展開もありますが、2人共に年齢を重ね自身の価値観の変化や大切なものへの気づきのシーンになっていて、良いなあと単純に思えました。

ユミの恋愛の行方
問題のシーズン2最終回の結末…。
正直、中盤早々に私の小さな希望であるウンとの復縁は諦めていたものの、この方は一体…?と新たな人間の出現の匂わせが。このエンディング近くの匂わせには思わず眉間にシワを寄せてしまいました。
シーズン3の可能性も匂わせているかもしれませんが、私はシーズン3は無いと思います。ユミは恐らくウンとも(しばらくは)復縁しないでしょう。
この俳優シン・ソンロクさんと間違えてしまう紛らわしい名前の方と、おそらくユミは今後関係を築いていくのだと察します。ですが恋愛は彼女にとって最重要でなくなった今、そんなことは「取るに足らない」ことになると思います。
とはいえ、シーズン1ではユミが将来結婚していると推測されるシーンが細胞図書館内にあったので、最終的にはウンであって欲しい!!いや、むしろウンしかいない!!!と勝手に切望している次第です。

ということで、突然ぶっ込んできたアン・デヨン編集長のとんでもねえ見た目の細胞たちも含め、シーズン2はより個性的なキャラたちが倍増し様々な要素があって本当に面白かったなあ〜と毎回細かく感動させられました。
とてもポップなドラマですが非常に毒っ気もあり、そして驚くほど繊細で大変面白い切り口のドラマでした。このシーズン2も本当に素晴らしかったです。睡眠時間を大幅に削りながらかなり楽しんで視聴しました。

こちらもおすすめ: