おすすめ度:700%
私たちの細胞度:100%
掲示板の不思議度:100%
原題:유미의 세포들 / Yumi's Cells (全14話 Amazon Prime版)
久しぶりの恋愛、その時彼女の頭の中は…?2021放送のラブコメ。
あらすじ・キャスト
会社員ユミ(キム・ゴウンさん)は手痛い失恋後、ウン(アン・ボヒョンさん)と出会い恋に落ちる。
後輩のウギ(ミンホさん/SHINee)やボビー(ジニョンさん/GOT7)と共に仕事にも恋愛にも邁進するものの、彼女の頭の中では細胞たちがアレコレ忙しく”働いて”いるのだったが…。
感想
(シーズン2の感想は一番下にリンクがあります)
わたし=視聴者細胞
楽しくて切なくてもどかしくて、愛すべきドラマ!
ラブコメ作品の無限の表現の広がりを感じさせつつ、細かいこと抜きで単純に面白くて大好きなドラマになりました。
開始12分ぐらいで既に異常に独特なスタイルに惹きつけられてしまい、廃人のように全14話を夢中で一気に視聴。気づけば自分も完全に細胞の一部と化しました。
細胞たちも可愛いしユミとウンも可愛いし、全てが丁寧で凝っていました。
どこか”作り物”感があって俯瞰的、だけど妙にリアリティがあり掴みどころがない不思議な作品。
ユミとウンの2人のヘアスタイルが顕著ですが、ユミの会社のセット含め画面の色使いからも、どこかファンタジックで非現実的雰囲気を感じさせる設定が多くなっていたように思いました。
そのため細胞たちのアニメ部分の導入”段差”を下げていて、ワンクッション置いてあるというか境界線のバランスが大変上手いなあと感嘆してしまいました。
主軸はキム・ゴウンさん演じるユミとアン・ボヒョンさん演じるウンのラブストーリーと、3Dアニメで主にユミの頭の中の細胞たちがコミカルに描かれるという大胆な構図。
現実とアニメが良い具合に融合していて、上手くメリハリになっていて大変面白かったです!
キム・ゴウンさんもアン・ボヒョンさんも作品の世界観にハマっていて、素晴らしかった。
未視聴の方に事前情報としてお伝えしますと、このドラマは既にシーズン2(2022年放送予定)が確定している作品です。
ちなみに私はあまり積極的に視聴前の作品情報を得ようとしないので、続編の件は視聴後まで知らなかったため、終盤近くで「もしや…終わらない?」と半泣きになりました。
なので続編情報をご存じですと、精神的に(?)余裕を持って視聴できるかもしれません。
ただシーズン2決定のタイミングのせいか、中盤にやや水増しのようなエピソードがありはしましたが…。
原作はマンガ(Naver WEBトゥーン/日本ではLINEマンガ)とのことですが、私は未読です。
自分の頭の中を描いた作品としては水城せとなさんの「脳内ポイズンベリー」や清水茜さんの「はたらく細胞」を彷彿させられますが、描写がよりポップになっていて面白いなと思いました。
ゆるいネタバレありの感想
キム・ゴウンさんインスタグラムより
キム・ユミ、32歳。
3年前に当時の彼と手痛い別れの後、ずっと恋愛はしていません。
大韓クグス社で勤務するユミは、真面目にそして平凡に普通に暮らしていました。
そんなユミは、5歳年下の営業課にいる後輩ウギのことが最近気になっています。心なしか、彼もユミには特に優しいような…?思わせぶりなウギの態度に、ユミは心を乱されドギマギ。
同じくウギを狙っている後輩女性ルビ(イ・ユビさん)に数々の恋愛テクニックを駆使され、苦戦を強いられるユミさん。体力的にも必死の思いで、やっとユミはウギと2人でゆっくり過ごすという決定的なチャンスを得ます。
しかし彼女の期待とは裏腹に、ウギは「紹介したい先輩がいる」と大ショックな言葉。
続け様にウギは女性に興味がない、ということも明かします。
呆然とするユミ。またもや勘違いして失恋のようです。
しかしこの「恋愛の勘が鈍った」ユミには理由が。
人は誰しも様々な”細胞”(ドラマ内の定義で)が存在します。
感性細胞、理性細胞、腹ぺこ細胞、釣り細胞、名探偵細胞、ひいてはエンドルフィン…など、こじつけがすごい細胞群。もはや細胞とは関係ない、なんでもありの存在ですがそこはご愛嬌。
その人の持つ細胞を代表する、最も優秀な”スター細胞”のことをプライム細胞と定義するのですが、ユミのプライム細胞は「愛細胞」。
しかし、3年前の辛い失恋により、彼女の愛細胞はなんと昏睡状態に。
そのため、ユミはどこか彼女らしさを失い冴えず、ずっと恋愛に不器用になっていたのでした。細胞が働いていないのでしょうがないですね。
ウギの手前、もはやヤケクソ状態で紹介を快諾するユミ。
そのウギが紹介した先輩がウンでした。
ウンは少人数でゲーム開発のベンチャー企業を経営し、ある意味素直で空気を読まないタイプ。人の目を気にしないフリーダムな男性です。
ユミに会う時もTシャツにハーフパンツとサンダル、ヒゲというラフな、だけどウンを象徴したファッション。若干の嫌悪感を抱いたユミでしたが、一方のウンはユミのことが第一印象ですぐ気に入ってしまったよう。
ここから主題となる2人の物語が始まります。
個人的に面白いなと思った部分が、ユミとウンの性格設定でした。
これは、彼らの細胞たちの物語や彼らが繰り広げてくれる解説にも繋がるものです。そのため2人のキャラはしっかりと繊細に設定されているのではと想像しましたが、かなりリアリティさとデフォルメされた部分があって大変興味深かったです。
両者ともかなり我が強いタイプ。ユミは特にわかりやすく、口から出まかせでも見栄を張るようなプライドを持っています。
ウンは自分を曲げない、根が深いプライドを保っていて、それはドラマ内で発表される「ランキング」でも常に1位は”自分自身”を死守しているのでも明らか。
特に私は2人が喧嘩するシーンの言葉のやり取りや表情、空気感は作品内で最も現実的な描写だと感じました。
上述した喧嘩のシーンに比べると、ユミとウンのラブストーリーですが、展開はかなりストレートにそしてややドリーミーな雰囲気で進みます。わかりやすいヒール役としてウンの同僚セイが存在したりと、全体的に各キャラの性格設定含めマンガっぽく良かった。
またユミの勤務する大韓クグスの同僚たちはどこか現実味がなくアイコンのようなキャラが多く、妙にレトロで空間を多く使った会社のセット含めて、どこかしら異世界な雰囲気に敢えて残していると感じました。
序盤でユミの上司(ナム課長)が残業で1人残されて怖がるセリフがありましたが、それも小さな布石と思います。もっと分かりやすいのは、ユミが他の男性の顔を認識していないという描写もそうですが…。
このように、この作品が最も際立っていたのが、この非現実さとリアリテイの位置付けがアニメをドラマ内に導入しているのもあってか、全てが細かくて本当に面白い演出だったなと大変印象に残りました。素晴らしい。
気になるシーズン1エンディングですが(以下ネタバレ)、
ユミの中にあったモノが”割れてしまい”、彼女はウンに別れを切り出そうと決意します。このあたりの描写も(ありがちなネタですが)非常に繊細な描写でした。
しかし別れではなく「時間が必要」だと切り出します。同意するウン。
このウンも単に同意ではなく、それ以外の選択肢がないという心理が伝わってきて切なかったです。
キム・ゴウンさんは大好きな女優さんなのですが、繊細な演技が素晴らしく2人の別れのシーンは泣いてしまいました。
悩み苦しむユミとウンですが、最終的にはウンの方が先にユミに「別れ」を告げます。ユミより先に決断を下したウンの態度に、ここも性格設定がブレておらず良かった。
こうしてユミとウン、2人の長かったようで短かった交際は終わりを告げました。
(シーズン2へ続く)
辛い…しかし理解できる第14話の終了となりました。
なんとなくユミが持っていたもう1枚のカードがシーズン2の鍵になりそうなのと、中盤の72歳のユミの中の細胞たちが描かれているのもあって、個人的にはウンとユミは大丈夫だと思っているのですが…。ボビーのターン到来でしょうか…?
いずれにしても今からシーズン2が非常に楽しみです。
物語としては完結していないですが、個人的には既にトップクラスに位置する大好きなドラマとなりました。
とても夢中にされられたドラマでした。本当に面白かった!!
シーズン2感想: