ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 還魂2 かんこん パート2 (感想)

おすすめ度:70%
亀度:100%
アイメイク度:100%
原題:환혼: 빛과 그림자 / Alchemy of Souls Part 2 : Light and Shadow  (パート2, 全10話)

韓国ドラマ 還魂2 かんこん 感想考察レビュー

あの悲劇から3年後、ウクは謎の女性と出会うが…。2022年放送のファンタジーロマンス続編。

あらすじ・キャスト

ナクスの悲劇に襲われたテホ国。あの事件から3年後。
ウク(イ・ジェウクさん)は氷の石を体に持ったまま、世子(シン・スンホさん)の父の王の命令で暴走した還魂人を捕まえるという任務についている。
仲が良かったダング(ユ・インスさん)やユル(ファン・ミンヒョンさん)もウクとは気まずい様子。
そんな時、存在してはいけない者(コ・ユンジョンさん)としてウクは彼女に出会うのだった…。

感想

素晴らしかった1の後の待ち望んだシーズン2、総合的には良かったです。
ですが展開は亀のように遅く、ストーリーのダイナミックさや躍動感に大幅に欠けると残念に思えました。
パート2は、メイン2人のロマンスにかなり比重を置いて描かれています。
そのため1にあった他の素晴らしい要素を期待して視聴していた方には、物足りなさが残るかもしれません。
後述しますが、私はこの続編をとにかく待っていただけに反動が大きく、結構な不満を感じつつも、楽しみました。
このパート2では、気になる謎がほぼ机を挟んだキャラ同士の会話だけで明らかにされ、映像で見せるよりもセリフで説明という少々手抜きのようなシーンが多すぎて、1よりも少しチープな作りの印象を受けました。(個人的な感想です、すみません)

ご存じの通り、主演女性でドラマの鍵となる女性を演じるコ・ユンジョンさんに、パート1でメインだったチョン・ソミンさんから変わっています。(個人的にはユンジョンさんへの変更は特に気になりませんでした。)
そのためか、再びウクとこの謎の女性との深い関係を築き上げる過程をストーリーコンセプト的にも追随させるシーンが多かった。
この2人だけのダラダラしたエピソードがとにかく長く、これがテンポが悪く感じた一因かなとは思えました。
もう一度最初から”パート1の恋愛ダイジェスト版”が始まる感じです。

とはいえパート1と大きく雰囲気に違いがみられ、作品として差別化されており興味深かったです。
1よりもウク、ユル、ダングそして世子のキャラも成長して、見た目もシックというか憂いを持った雰囲気で演じられていました。
特にイ・ジェウクさんですが、体重も落としていたように見え、衣装含めてとても素敵でした。そして演技も本当に良かった!!

ゆるいネタバレありの感想

イ・ジェウクさんインスタグラムより

ムドクに還魂した術士ナクス。彼女はチン・ムに操られ遂に「暴走」し、愛し合ったウクまでも刺し、人々を恐怖に陥れます。
そんな忌まわしい事件から3年後…。
あのナクスは「石化して湖に沈んだ」とされましたが、民衆はまだナクスがいると怖がっているようです。
テホ国には未だ還魂人と恐れられるゾンビ化したバケモノが人々の暮らしを脅かしており、ウクがその者たちへの退治を王宮から任命されているのでした。
ナクスに刺されたウクでしたが、氷の石を体に秘めたウクは死なずにいたのでした。
ウクはあの事件以降仲が良かった友人たちとも距離を置き、ひっそりと孤独に苦悩の中で生きています。
ある日、還魂人を追って鎮妖院に入ったウク。そこで見覚えがない神女と出会います。幽閉されているこの謎の神女を脱出させる手助けをしたウクでしたが、後に彼女が死んだはずのチン家の長女ブヨンだと知ります。

ウクとブヨンの婚姻
鎮妖院から出て行きたかったブヨン。自身への結婚話を利用して、知り合ってまもないウクに自ら婚姻の申し出をします。
驚いたウクでしたが、ブヨンは本来はチン家の長女で強力な力を持つ神女のはず。氷の石を身体から取りだしてくれる人物かもしれないと期待もあってか、婚姻に同意。
こうしてブヨンとウクの関係が始まりますが、ウクの心には”剣が刺さったまま”。
彼女を愛し自分を殺そうとしたムドクが、ずっと心に存在したのでした。
そんなウクの過去など知らないブヨンは、ウクに好意を持っていますが、彼の冷たい態度に幾度も傷つきます。
とはいえ、不思議な感覚の中で次第にウクもブヨンへ惹かれていくのでした。

パート2の気になった点
以下の考察や感想ですが、すみませんがネガティブ気味な内容になります。
個人的に感じたことで、当然ですが演じる役者さんご本人ではなく作品やキャラに対するものです。
・女性の描き方
このパート2全てにおいて女性の描き方には正直ガッカリしました。
とにかく皆一様にキレがなく非力(身体的にという意味でなく)に描かれていて、1で感じた”強さ”はどこへ消えたのかと悲しくなりました。
ブヨン
メインのブヨン/ナクスですが「何もできない」記憶喪失パートが長すぎて、かなり不満でした。
剣を振り回して欲しかった訳ではありませんが、ウクの態度に一喜一憂し、フラッシュバックのように戻る記憶を「ウクに確かめて」彼を癒して待つばかり。
物語の意図はもちろん理解できますし、意識を取り戻してから無菌状態でチン家に匿われていたとしても、主体性というものは彼女にないのかと失望しました。
ナクスの記憶が戻ってからも、設定が甘い鬼島で邪鬼に追われて(力がないとしても)ただ逃げる態度もしっくり来ませんでした。
勿論ですがチン・ムへの”制裁”の甘さも(脚本的に)どうしようもなかったとはいえ、「それだけ?」というものでしたし…。
彼女は賢く、そして良い意味でズルかった。(唯一、世子とのシーンでは彼女の持つ快活さが少々出ていましたが…。)
いくら彼女が記憶も神力も無くても、こんなナクスは見たくない…と心底ガッカリしました。彼女の芯にある強さを、もっと早くから感じさせて欲しかった。
チン院長
鎮妖院のトップで別格の力を持つはず。
しかしチン・ムに毎回口先だけで適当にやりこめられ、「ぐぬぬ…」と去って行く構図ばかりで観ていてキレそうになりました。
やっと術を使ったと思えば「白髪が増えてる(笑)」などど、白髪しかねえチン・ムに指摘されるなど、うっせーよという感想しか残りませんでした。
また、この2では”母と娘ブヨン”の関係も主軸になっていたはずです。
しかし、我が子ブヨンは「(ある意味)娘ではなかった」と最後になって認めなければならない2人の間の”別離”があって当然ですが、適当にイ先生と話て終わりで流していてどうかと思いました。
次女チェヨンだって、十分強いはず。しかし単にお飾りのように存在するだけ。
亀の方が映っている時間が長く、ダング含め天下四季の設定は一体どこへ?
ユノクのキャラ変もそうですが、そもそも既存女性キャラに対し格下げのような”使い方”が目について残念でした。
彼女たちは1では、もっと”強く”輝いていたと思います。

還魂2 かんこん パート2 考察批評レビュー

・ヨンとブヨン
ウクとやっと正式に(?)婚姻することになったブヨン。
ここで彼女はヨン、ナクス、ムドク、ブヨンの4つの名前の中で、元々の名前であるチョ・ヨンを選びます。
ただ1年後のシーンでも、彼女は「ブヨン」として周囲から認識されているようでしたので、結局ブヨンの影に隠れて生きているようで皮肉すぎると感じました。
ナクスについても、少なくとも周囲の人々にナクスの悲劇、そして存在そのものが全てチン・ムが諸悪の根源だったという誤解を解いたのか?、そのあたりも描いて欲しかったです。
・会話シーンの多さ
2でのシーン的につまらないと感じたのが、キャラの会話のみで「重要な」説明を終わらせる点です。
特にイ先生の今作での魅力が激減していたと感じた理由として、彼はミスリード含め”驚き”を我々に投げかけるだけのような役割になっていました。
「ブヨンの魂は消すことに!」「ブヨンはチン・ソルラン!」など、見計らったようにチン院長らとお茶を飲み中がら会話で明かすだけ。説明でなく”魅せて”欲しかったです。
・チン・ムとは
全30話ぶち抜きの悪役チン・ム。長く登場している割に、悪者アイコン以外の設定がなく驚くほど深みがなかったです。
万長会の爺&王全面バックアップとしても、2まで続投させる悪役としては面白い相手とは全く思えませんでした。
決死の還魂で姿が変わったチン・ムが、最初にやったことがアイメイクと髪の毛に整髪料を塗りたくったのかと想像すると、完璧なネタキャラだったのだと(通して)29話目でやっと気付いた次第です。
また彼の最後ですが、本当に心底満足度が低かったです。
そもそも記憶を取り戻したナクスの攻撃から華麗に復活し、結局(ほぼ)自分の行動のミスのような形がある意味原因となって、一応彼の最後に。
できれば、彼が最後に血走った目で高笑いできる余裕などない形で、全30話分の溜飲を下げて欲しかった。
・ナクスの顔
ブヨンの体にナクスの魂が入っているので、ナクスの顔を持っていると当初説明されたパート2。
しかし結局ブヨン”そのものは”存在せず、彼女はあのチン・ソルランだったと語られます。
これはイ先生の(その時の)意見と考えることもできますが、ユンジョンさんへと変わったことへの”こじつけ”のような説明に私は聞こえました。
パート2全体を通して女優さんが変わったことに対して、制作側こそが気にしすぎと感じたというか…。(このセオリーで考えると、ムドクの顔はなんだったのかとなりますし)
言い訳じみた設定や説明が多く、こじつけを感じすぎる2に思えました。
・ウクがやっと気づく
正直、相当な山場間違いなしのシーンと思っていました。
頭の良いウクが彼女がナクスだと気が付かないにも程があると、その引っ張りすぎたこの件。
このシーンですが想像以上にアッサリしていて、観ていてなんだか居心地が悪かったです。
感動シーンに仕立て上げて欲しかった訳ではなく、私は彼ら2人から、特にウクからもっと様々な感情を読み取りたかったです。
この場面の描写には相当な物足りなさを感じましたし、落胆しました。

--
他にも、火の鳥を切り札にするならばシーズン1から伏線を入れておいて欲しかったと思いました。壮大な設定なのに登場してから5分以下ぐらいでやられてしまうなど、あまりインパクトを感じませんでしたし…。
またシーズン2終盤から物語が急激に動き出しましたが、この凝縮したエピソードを中盤からスタートさせて欲しかった。
しかしながら、最後のウクと1冒頭ナクスのシーンを対比させたり、彼ら2人が”光と影”そして”陰陽”と対の存在であるという設定。
そしてソルランという存在をうまく使って、話を最後に上手くまとめてあって良かったなと思いました。
他にも色々と思うところはありましたが、最後まで大変楽しんで視聴しました。(文句ばかりと思われると申し訳気持ちですが、好きだからこそという感想です)

ラストシーンは、残るトラと思わせる生き物を入れてしっかりと締めたなと感じました。しばらくはポケットモンスター陰・陽的に2人の旅路は仲良く続くのでしょう。
ということで、ドラマとしては十分楽しめましたし実際私は血眼で毎週シーズン2を視聴しました。
面白かったですが、パート1と比べると構成や描き方が気になり、個人的には1ほど満足度を得ることはできませんでした。

パート1の感想:

こちらもおすすめ: