ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

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韓国ドラマ その男の記憶法 (感想)

おすすめ度:68%
記憶度:100%
ストーカー度:100%
原題:그 남자의 기억법 全16話

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忘れられない男性と忘れてしまった女性…2人の間を阻む者とは。2020年のロマンス/ミステリードラマ。

 あらすじ・キャスト

鋭さあるコメントや意見で有名なニュースキャスターのジョンフン(キム・ドンウクさん)はある問題を密に抱えていた。彼は幼少期から全てを「記憶」して決して忘れることができない過剰記憶症候群という悩みを持って生きてきた。
ある日、ジョンフンは女優のハジン(ムン・ガヨンさん)をゲストに迎えいつものように厳しいインタビューをした際、彼女のある言葉にジョンフンは衝撃を受けてしまう…。

感想

2020年放送のドラマですが、作風やエピソード展開がザ・韓国ドラマ!という"クラシックスタイル"さを強く感じました。
落ち着いた素敵な雰囲気のあるドラマでしたが、ドラマ内で扱う事件などが、2020年の作品にしては真新しさがなく平凡すぎるネタだな…とは個人的にやや残念に思ってしまいました。

メイン2人の設定「忘れられない男性」「過去を忘れた女性」という対比ありきでストーリーが練られたのが透けすぎて、そのあたりが個人的には微妙に感じました。
ジョンフンの過剰記憶という部分が、途中からポイントにもなっていませんでしたし…。ご都合主義的な部分も感じてしまい、ちょっと中盤以降個人的な感想としては失速したかな…と思えました。

ですが!ジョンフン役のキム・ドンウクさんが、とにかくニュースアンカーという役柄にピッタリとハマっていて個人的にはそこが大変気に入ってしまいました。
声のトーンとか表情とか…ドンウクさんこのキャスターの役柄で、もう少しハードな作品を観てみたいなと思った次第です。

またムン・ガヨンさんとキム・ドンウクさんのお2人ですが、見た目的にも明らかに年齢差がありましたが、ドンウクさんの大人っぽい包容力とガヨンさんの嫌味のない天真爛漫さが効いていて、あまり気にならなかったのはさすがというか、俳優さんはスゴイなあと思いました。(語彙力)

ちなみに第1話で、カメオ出演(ゲスト出演)として、キム・ソンホ(キム・ソノ)さんとSF9ロウンさんが出演されておられたので、テンションがかなり上がりました(出演は一瞬でしたが…。)

ゆるいネタバレありの感想

ムン・ガヨンさんインスタグラムより

どんな相手や事件でも臆することなく厳しいインタビューをすることで有名なHBN局ニュース番組「ニュースライブ」のアンカー、ジョンフン。
そんな彼はある日のゲストに女優のハジンを迎えます。いつものように、鋭いコメントでハジンを"斬ろう"としたとき、ジョンフンは固まってしまい、放送事故寸前に。
ジョンフンをそうさせた理由は、ハジンが発したセリフ。
それはジョンフンが過去に亡くした愛する恋人の好きな言葉と一致するものでした。
ジョンフンは決して「忘れることができない」問題を子供の頃から抱えています。ハジンのセリフがトリガーとなり、失った恋人との思い出が一気に頭の中にあふれ出し、言葉を失ってしまっていたんですね。

ここから女優ハジンとニュースキャスターのジョンフンの出会いが始まります。
どこか子供のような天真爛漫さを持つハジンは、ジョンフンにあれこれ構い始め、クールなジョンフンもペースを乱されることを嫌いながらも、ハジンと亡くなった恋人ソヨンの関係が気になり始めます。
ハジン本人はソヨンなど知らない、と否定するのですが、実はハジンとソヨンは幼少期からの親友だったと知るジョンフン。なぜ彼女は親友だったソヨンの事を完全に忘れてしまったのか…。
ソヨンにも辛い過去が、ジョンフンと同様に存在したのでした。友人を亡くしてしまったハジン、ショックのあまり心神喪失状態になります。
ジョンフンの親友でハジンの主治医のテウン(ユン・ジョンフンさん)に処方してもらった睡眠薬を過剰摂取し、倒れてしまったハジン。しかし意識が戻った時には、全てを"忘れて"いたハジン…。そう、彼女は生きるために「忘れて」いたのでした。
「記憶」「ソヨン」という部分に関しては、ある意味正反対の2人の関係が綴られていきます。

ラブストーリーとしては、当初はたまたま2人の熱愛写真が撮られてしまい、対外的にも2人の(特にジョンフンの)意思とは関係なくカップルとして始まってしまいます。ですが、ハジンは乗り気のようです。
そんな中、ハジンにストーカーの影が忍び寄ります。怪しい人物が何名かいる中、やはり例の映画監督が大胆な行動に移ります。そう、ハジンを拉致。
ジョンフンは時に1人探偵のように行動し、ハジンを助けに行きます。
当初は表面的なカップルだった2人も、気づけばジョンフンもハジンに想いを寄せていました。ハジンを守る!!と決意。2人は幸せなひと時を過ごします。

しかし、謎の横やりが入ります…そう、ジョンフンの親友テウンと主治医の教授(テウン父)。
テウンはハジンの記憶が戻ることについて心配しているので理解できますが、教授にいたっては「亡くなった恋人の事が忘れられないのに、新しい彼女は無理」と、完全に大きなお世話すぎる持論を述べます。

実は、ジョンフンの元恋人ソヨンもストーカーに殺害されていました。
そして、そのきっかけを与えたのが、(ある意味)ハジン。彼女はその自責の念に押しつぶされそうになっていたんですね。そして記憶をなくした状態になっていました。

ただ、このあたりから都合が良さの展開がなかなかでした。大親友のハジンとソヨン、そんな2人が、彼の写真ぐらい見せ合っているのが普通のような気もしましたが…。
あとやはり、教授です。
犯人を簡単に逃亡させてしまうあたり、『ここに来て抱きしめて』を彷彿させられる展開に。

加えてこの教授がプライバシーまで突っ込むような本を発表。世間の目はジョンフンやハジンに向けられます。
本の中で「一生他の女性を胸に秘めている男に耐えられるのか?」的なことを書いていたようですが、最早それはジョンフンの記憶の問題と関係なくない?と、やや陳腐に思いました。過去の女性を忘れられない男性は、普通に存在する事例だと思います。
と、この2人の障壁になる問題が、ストーカーや教授の出版問題含め、内容的にちょっとこじつけ感ある古臭さを感じました。

世間のバッシングを受け、渡米したハジン。そしてニュースアンカーの仕事を辞めることになったジョンフン。2人は別々の道を歩むことに。
そして2年後…。
記者として再出発しているジョンフン。ハジンの事は忘れられるわけもなく、「運命ならば再会する」と考えています。そして2人は再会し…?

ハジンの妹役で大好きなキム・スルギさんが出演されていて、今作でも可愛さが爆発していました。スルギさんがいると画面が明るく元気になって、良い!彼女のラブストーリーも可愛らしかった。

ということで、最終的には無事ハジンとジョンフンはハッピーエンドを迎えるラブストーリーでした。
2人の恋愛の物語としては捻った部分があまりなく、ある意味ストレートな作りのラブストーリーになっていて観やすかったです。
ただ個人的な感想としては、障壁になるストーカー部分などが単調の割にミスリードを挟んで描写がしつこかったり、記憶に関してもご都合主義的な展開を感じてしまい、そこまでハマって視聴するということは私はありませんでした。
面白くはありましたが、ちょっと物足りなさを感じた作品かな…と思いました。

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