ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー (感想)

おすすめ度:85%
朝が来る度:100%
看護師度:100%
原題:정신병동에도 아침이 와요 / Daily Dose of Sunshine (全12話)

今日もあなたに太陽を感想あらすじネタバレ 韓国ドラマ Netflix

精神科の看護師ダウンの仕事と自身への向き合い方を描く、2023年のヒューマンドラマ。

あらすじ・キャスト

大学病院の精神科に移動した看護師ダウン(パク・ボヨンさん)は、同僚のドゥルレ(イ・イダムさん)らと働きながら医師ゴユン(ヨン・ウジンさん)らと知り合う。
忙しく働く中でダウンは自身の変化に向き合いながら、幼馴染のユチャン(チャン・ドンユンさん)らに支えられ、看護師という仕事に邁進する。

感想

大学病院の精神科病棟を舞台にしたヒューマンドラマです。
全12話で様々な症状を持つ患者に向き合う看護師と医師、そして周囲の人々のお話。
視聴していて苦しいような場面もありましたが、コメディ色やラブストーリーも上手くミックスされていて観やすい展開だったと思いました。
また病状についての世間の偏見や向き合い方などについて、しっかりとしたメッセージ性があり良かったと思いました。
苦しさを抱えている人々の訴えは、決して他人事でも何でもありません。
登場する人々のエピソードからは普段の社会生活で私たちが覚える感覚をどれもわかりやすく描かれています。
決して普通と「異なる」病ではないという点、また「普通」の人など”いない”という、その普通と異常という線引きの危うさなど、上手く伝えていたと思いました。

ドラマとして個人的に前半は特に良かったと感じました。ですが、後半はストーリーにより重さが出るのですが描写に少々くどさを感じはしました。
つまらないという意味ではなく、やや繰り返しのような流れを感じつつ…。
とはいえ、ここがドラマとして最も描きたかった部分でもあると伝わりました。

内容的に精神的な辛さや苦しみを可視化したシーンがとても多く、場合によっては観る人にとって感情的なトリガーになってしまう方もおられるかもしれませんので、ご注意いただければと思います。
私は時間もあったので全12話を2日で一気に視聴しましたが、疲れていたり気分が暗い時に連続で視聴するのは少々きつい作品かもしれないという印象を私は受けました。(明るいシーンもありますが)
原作は元看護師さんだった作者が描いたWEBトゥーンということで、語られるエピソードに(フィクションとして考えても)それなりのリアリティがあるかと察します。
私は漫画は未読です。

ゆるいネタバレありの感想

韓国ドラマ 今日もあなたに太陽を 感想考察あらすじネタバレ 
ミョンシン大学病院で働く看護師3年目のダウン。
以前は内科を担当していましたが、内科看護師長の助言で精神科へ移動をして来たのでした。
精神科には元家庭教師だったファン先生も在籍しており、ダウンにとってはフレッシュなスタートになりそうです。
しかし、仕事は当たり前ですがそう簡単ではありません。
内科とは違う点も多く、ダウンはミスをしたり戸惑ったりと悩むことも多くなります。
加えて、内科から精神科に移動を勧められた理由が、実は彼女の仕事の取り組み方について同僚たちとは異なる考え方だったと知り、ダウンは傷つきます。
彼女は患者に優しすぎるため、仕事が遅いというのです。同僚が彼女の仕事もカバーしなければならない…。
しかし患者にとっては、優しく良い看護師であるダウン。
何が、どれぐらいの”線引き”が一体正しいというのでしょうか?
このように、今作では”ある事柄”に対して、答えは出ない考え方や見方の異なり方、偏見や風潮について描かれています。

ダウンと2人の男性
新しい科で働き始めるダウン。落ち込んだりしながらも、持ち前の彼女らしさで職場での信頼を得るのでした。
そんな真面目で優しい彼女に想いを寄せるのが、肛門科で自身も精神科を受診していたゴユン。
そしてもう1人…、韓ドラあるある幼馴染のユチャン君です。
この2人の男性から密かに、そして愛情表現されるダウンさんですが、今の彼女は恋愛に余裕がある状況ではなくなって行くのでした。
このダウンを巡るゴユンとユチャン。そして看護師ドゥルレとファン先生の2組の恋愛模様がこのドラマでは描かれます。
ラブストーリーが決してメインではないですが、個人的にはダウンの恋の結末については引っ張った割に…という気がして、あまりスッキリした気分にはなりませんでした。
もう少し平等な”チャンス”を与えて欲しかった欲しかった(?)です。

今日もあなたに太陽を感想あらすじネタバレ 韓国ドラマ ネットフリックス

ダウンの変化
序盤から彼女のナイーブさの描写がありましたが、この彼女の性格が後半の物語に響いて来ます。
担当していた患者の死によって、深く落ち込んでしまったダウン。
ついに彼女自身が心に傷を強く負ってしまうことに…。
近しい間柄であってもそれに気づかない、気づいても本人や家族が認めようとしない…。
そんな今まで彼女が精神科に移ってから直面したエピソードが、そのまま全てダウンの身に起こります。
「自分は病気ではない」「隠したい」という視点が彼女の中にしばらくあったのも、とても現実的な反応だとも感じました。
このダウン自身が病んでしまった一連の流れは、視聴していてとても色々な事を考えさせられました。
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ドラマなのでケーススタディとまではいきませんが、内容的にはエピソードそのものに視聴者がそれぞれ何かを感じ取るのことができる、良質なドラマだったなと思います。
そしてその”何か”というのは、それぞれがその時の環境や感情で異なると思いますし、他人には伝えにくい、伝えられないとてもパーソナルな事だと思います。
ドラマなのでケーススタディとはいきませんが、どこかそのような繊細さを今作から感じました。
ともすれば重い内容ですが、見やすく演出されていましたし、心にふと響く印象的なセリフも多くて良かったと思いました。
今作も例に漏れず、出演されている全ての俳優さんの演技が素晴らしかったです。
気になる方はぜひチェックしてみて頂きたいです。

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