ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 野獣の美女コンシム (感想)

おすすめ度:71%
トラブル度:100%
植木鉢度:100%
原題:미녀 공심이 全20話(Netflix版)

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トラブル続きのコン・シムの元に現れた謎の弁護士アン・ダンテと御曹司とは?2016年のラブコメ

あらすじ・キャスト

部屋を貸し出そうとするコン・シム(ミナさん/Girl's Day)は、胡散臭いアン・ダンテ(ナムグン・ミンさん)に出会う。最悪の出会いをした2人だったが、実はダンテは弁護士。シムが巻き込まれたトラブルでダンテが相談にのることに。
一方の財閥の御曹司ジュンス(オン・ジュワンさん)もダンテに助けられたのがきっかけで顔見知りとなり、ダンテは財閥の仕事も依頼されることになるが…。

感想

ホームラン級のエピソードがオンパレードのなかなかのドラマでした。
おせち料理のようなガッチリ詰まったネタの構成…。
これは間違いなく2016,17年あたりの作品では…?と速攻で判別できてしまったので、一瞬ソムリエの気分になれて嬉しかったドラマです。

最悪の出会い!誘拐事件!出生の秘密!財閥!姉妹格差!ルッキズム!家族間の確執!カツラ!理不尽な暴力!動体視力!園芸!樹木園!就職!常務!コンビニ弁当!よくわかんねえセンスの服装!豪邸とすごい電話機!わかりやすい悪者!トラブル!トラブル!と、純度100%のトラブル続出作品。
妙なトンチキ感を強めに画面から浴びながら、99%かなりの序盤でお話の全筋がほぼ予想できていたものの「どうなるのかな?」と謎の中毒性で観てしまうという、ある意味不思議な作品でした。
ただ全20話…さすが2016年、ドラマが(無駄に)長いです。

トラブルまみれで出てくるキャラのクセがかなり強いものの、比較的アッサリしたテンポでどんどん進むので意外にもイライラせずストレスなく視聴できるのは、このドラマ最大の長所ではないでしょうか。
また主人公のコン・シムのキャラですが、設定だけ考えると好き・嫌いが大きく別れそうなタイプではあるのですが、邪気がなく「可愛いな~」と思わせる部分が多いのも素晴らしかったと思います。
かなり諸刃の剣的なキャラクターだと思いますので、その点は本当に演じたミナさんが上手かったと感じました。
そして、何と言ってもナムグン・ミンさんです。
こちらもかなりクセが強いキャラで、演出もやや過剰かつ基本コメディ強めな演技だったのですが押さえる部分は渋くて素敵でした、さすがです。

ベタな事件や突拍子もないエピソードも絡んできますが、かなり軽く視聴できますしそれなりに面白いドラマでした。気楽に「あるある」ドラマを楽しみたい時にはうってつけの作品かもしれません。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ナムグン・ミンさんインスタグラムより

コン・シムは元気いっぱいの園芸が好きな女性。
どう見ても危険すぎる屋上の某場所に数々の植木鉢を置いて、日々水やりをして草花の世話をしています。そんな明るい彼女でしたが、実は悩みが多くありました。
コン・シムには姉がいるのですが、姉は美人な弁護士。
家族もアルバイトでさえクビになったりするコン・シムよりも、常に優秀でキレイな姉を優先しているようです。家の部屋も姉が優先的に2部屋も使用し、コン・シムは姉の衣裳部屋を”間借り”している状態。
姉もコン・シムを妹だと周囲に知られないようにしたりと、完全にシンデレラのような扱いのコン・シムさんです。
そんな居場所がないコン・シムはコンビニの上の屋根部屋を自分の部屋として借りているのですが、金欠のため男性に貸すことに。
その男性こそ、アン・ダンテ。彼は実は人権派弁護士なのですが、その軽いノリで勘違いされやすいようです。

コン・シムも当初はアン・ダンテを胡散臭い人物だと嫌っていましたが、コン・シムがとある事件に遭遇してから、彼女の気持ちに変化が起こります。
ガソリンスタンドでアルバイトをしていたコン・シムは接客中、金持ち設定丸出しの婆にいきなり暴力を振るわれるという、コントかと見間違いそうになる事件に遭遇。
彼女は姉が弁護士ということもあって、その婆を訴えることに決めます。が、トラブルが…暴力婆はなんと弁護士姉が勤める事務所のトップの妻。
姉は事務所での自分の立場のこともあり、妹の訴訟は絶対に阻止すると誓い、コン・シムは結局泣き寝入りすることに。
しかし、この事件についてシムから相談を受けていたのが、アン・ダンテ。彼はその事件をきっかけに、自分の家主であるコン・シムと姉の関係、コン・シムの置かれた世間的にも不遇な立場を知ることになります。

一方の財閥スターグループ・ファミリー。
同族経営の財閥ですが、会長婆はある過去の事件をずっと気にしていました。その事件とは愛する孫の誘拐…。
孫は26年も前に誘拐されたっきり今も戻ってきていません。しかし最近、その消えた孫の行方を示唆するような電話が入り、婆は何かを感じ取ります。
しかし消えた孫の存在を疎ましく感じている者も家族にいるようです。婆にはもう1人の孫のジュンスがいますが、婆にとって”直系”ではないジュンスのことを常に冷遇して認めてはいないようです。
そんな祖母との関係にジュンスは心を痛め、また家族のいざこざにもやや辟易しているような部分もあるジュンス
そんな時、ジュンスはダンテに出会い、共通した部分を感じた2人はすぐに意気投合。ダンテを通じてジュンスはコン・シムとも知り合うことになります。

このように、コン・シム、アン・ダンテそしてジュンスという3人の関係、そして発展する交差したラブストーリーを(一応)基本に置きながら、数々のトラブルがドミノ倒しのように繋がっていくというお話です。
以下直球な(ご存じだとは思いますが)ネタバレをしますと、

かなりの序盤の段階で、アン・ダンテが財閥の消えた孫だとピンとくる方も多いと思いますが、正解です。
というか、誘拐された孫というキーワード出現と同時に予想できる方がほとんどかと思うのですが、その消えた孫探しと犯人捜索を当の本人であるダンテやジュンスが行うという部分がポイントになっています。
ただ誘拐犯探しというストーリー軸が特に後半メインになってくるものの、かなり冗長だなとは思いました。というのも全てが明白すぎるので…。
これが全20話という尺の恐ろしさか…と違う部分で真の恐怖を痛感させられました。

終盤、ダンテとジュンスが孫の行方と犯人を確信しつつある状況で、彼ら2人の間に血の繋がりがあるかもしれないという、とまどい。
またジュンスにとっては自分の親たちが事件の背後にいるかもしれないという怖さ、葛藤が描かれます。

最終的には悪そうな首謀者は逮捕となり、アン・ダンテは正式な孫だったとされます。また、確執があった祖母とジュンスの仲も、手のひらを返したように無事修復(今更感)し、良かったなと思った次第です。
最後の見せ場的な切り札なんだろうな…と思っていたコン・シムのカツラ問題もエンディング近くでようやく解消され、全ての意味でベタな構成で様式美のような趣が良いなと思いました。

ということで、タイトルにわざわざ野獣と入れたりと外見イジリなど今ではネタにできないかなと思いますが、怒涛のトラブルと謎の思わせぶりなシーンなども含め、時代を感じつつも気楽なドラマ展開で良かったなという感想でした。

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