ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 ヘンゼルとグレーテル (感想)

おすすめ度:60%
謎の洋館度:100%
よそよそしさ度:100%
原題:헨젤과 그레텔 117分

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事故に遭った男性がたどり着いたのは不思議な洋館だった…2007年公開のダークファンタジー作品。

あらすじ・キャスト

山道を車で走行していたウンス(チョン・ジョンミョンさん)は事故を起こしてしまう。
人気のない道、やっとの思いで事故車から脱出したウンスは気を失う。
目を覚ましたウンスは謎の少女ヨンヒ(シム・ウンギョンさん)が導くままに、
森の中の洋館で休ませてもらうことにする。
洋館では、夫婦と子供3人が住んでいた。違和感を覚えたウンスだったが…。

感想

2007年の映画でしたが携帯電話以外はあまり古さを感じさせず、それなりに面白かったです。ただ、ちょっとテンポが悪いかなとは感じました。
グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』がタイトル通り元ネタですが、モチーフ程度に使用されているぐらいで、同じお話では全くありません。
一応ジャンルはホラーですが映像的な怖さは皆無で、どちらかというと不気味なダーク系ファンタジーのお話となっています。
セットも童話風でメルヘンチックに仕上げてあり、そのファンタジーさと不気味さが同居する雰囲気はとても興味深くて良かった!色々と凝っていたように思いました。

交通事故後、突然現れた少女が導くまま森の中の不思議な雰囲気の洋館に連れてこられた男性。普通の家族が住んでいると思いきや、そうではありません。
電話などが繋がらず、妙にぎこちないように振舞う家族。この家の"人々"とは一体?
そしてこの洋館から出れない男性が知った事実とは…というストーリー展開です。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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천정명 🥋(@jm_chun)がシェアした投稿

チョン・ジョンミョンさんインスタグラムより

車を運転中にガールフレンドから「妊娠した」という電話を受けるウンス。そんな彼女からの連絡に動揺したウンスは、山中で交通事故を起こします。
気付いた時には、目の前に赤ずきんのような謎の少女が。ウンスは彼女に連れられて、森の中に嘘のように存在する謎の洋館に入ります。
ウンスは家の住人である夫婦と3人の子供たちに、明るく迎え入れられます。しかしどこか胡散臭さを残す5人。そして電話は通じません。
ウンスは違和感を覚えますが、事故の直後ということもあり、勧められるがままとりあえず一晩泊まることに。しかし翌朝もあの違和感は消えません。
朝食はお菓子ばかり、不自然な親子間の会話…ウンスは不穏な雰囲気を感じ取り、家を出ようとします。ですがが、結局は道に迷って再びあの家に戻る羽目に。
家族の態度に不信感を抱いたウンスでしたが、この家での"父と母”は置手紙を残してなんと消えてしまっていました。

残されたウンスと子供たち。しかし次々とウンスを襲う、子供3人へ疑惑。そしてやって来ては"消えていく"お客たち…。得体の知れない不思議な力を感じます。
何としても現実世界へ戻りたかったウンスですが、次第に子供3人の内の12歳の長女ヨンヒと打ち解け始めます。

そんなある日、ウンスは子供たちの後を付けると、とある不思議なドアを見つけます。その中は書庫のようになっていて、謎の絵日記が…。
描かれていることは、実際に起こっているお話。ある記録を発見して驚くウンスさん。
そうです…あの"ネタ"が我々とウンスを待っていたのでした。
驚愕の事実…そう、子供たちは”子供”ではなかったのでした…!

謎の洋館に入りこんでしまったウンス、彼の不思議な体験や彼を迎える家族の違和感を描くテンポが妙にもったりしていて気になりました。その部分がもう少し畳みかけるような描き方だともっと面白かったかもしれません。
またネタバレ的な終盤は雰囲気が全く違ったストーリーとなっていて、若干微妙な気もちになりました。面白くなかった訳ではないですが…。
子供3人の不思議な力の理由として悲惨な事件が語られますが、作品としてちょっと情に訴えすぎかなとは感じました。
事件自体は憎むべきことで許されませんが、映画の雰囲気としてもう少し違った背景のエピソードを期待していたので、個人的には残念に思いました。ただ、大人を信じれなかった子供たちだったからこそ、ウンスとヨンヒとの絆が生まれたという理由にはなるのですが。

エンディングですが、子供が生まれたウンスの元をあの3人が訪ねてくるような描写があります。
あれは一体、何を意味するのか…。
不穏な気もしますが、彼ら3人が未練を捨てて消えていったという、ポジティブにも捉えられる、ファンタジーを残した結末になっていました。そのあたりが、グリム童話にも通じるようで面白く感じました。

ということで、子供3人が持っていた不思議な力の正体とそのきっかけを、不気味な雰囲気を保ちながら描いたストーリーでした。
不気味さが多くあった全編から謎の感動ストーリーへの転換という部分が、当初の期待した着地点でなかったかなあというのが個人的か感想です。もう少し、ミステリー要素があっても良かった気がしました。

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