ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

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韓国ドラマ 黒騎士~永遠の約束~ 感想

おすすめ度:60%
スロベニア度:90%
ライバルの執念度:100%
原題:흑기사(黒騎士)全20話

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偶然出会った男性、それは初恋相手であり、前世からの因縁の恋人だった…2017年放送のファンタジーラブストーリー。

 あらすじ・キャスト

プライベートも仕事も上手くいかないヘラ(シン・セギョンさん)は、人生のどん底のような気分を感じながら、昔の淡い記憶を思い出していた。
ある日、ヘラはスロベニアへ出張に訪れた際、スホ(キム・レウォンさん)と出会うことに。
黒騎士と名乗るその男性こそが、ヘラと子供時代の初恋相手だったが…。

感想

黒騎士というタイトルから何となく察してはいましたが、当初の想像以上にファンタジー系ストーリーで少々驚きました。
数百年も時代を超越した縁で結ばれた2人と執念のライバル。
そして、正直よくわからない呪いによって不老不死という体を手に入れた者たち…。
ちょっと説明不足を感じる部分もありましたが、ライバル役がキャラ立ちしていてその部分によって惹きつけられたドラマでした。

出演キャラ達の前世のお話が大きく関係するストーリー。
そのため、朝鮮時代の前世も描かれるので、画面的にメリハリがあって飽きずに観れて楽しかったです。
加えてメインのカップルであるヘラとスホを邪魔する、強烈なライバルであるシャロンがなかなかクセが強い!
シャロンがいなければ、このドラマの面白さは半減以上になっていたと思います。

とはいえ、最後はシャロン含めて、妙に地味に終わったドラマだなあ…という印象を観終わった後には持ちました。

シャロン役ソ・ジヘさん
洋装店のデザイナーであり、オーナー。
200年以上もこの世を生きている、不老不死の女性。
愛するただひとりの男性からの愛を求めて生き続けている。
執念深く、とにかくスホ一筋でしつこいシャロンを完璧に演じられていた、ジヘさん。良かったです。

チョン・ヘラ役シン・セギョンさん
旅行会社社員。
プライベートの恋愛や叔母との生活でもトラブルが続き、失意の中出張先のスロベニアでスホと出会う。
スホとは実は幼馴染状態、で思い出の男性です。
シン・セギョンさん、安定の可愛らしさでした。

ムン・スホ役キム・レウォンさん
ヘラとは幼少期からすごし、初恋相手だった。
父親を早くに亡くし苦労しながらも、今の地位を手に入れたスホ。
現在は成功し、裕福な立場となりスロベニアの城のオーナーでもある。
ちょっと役柄に対して地味さを感じてしまいましたが、紳士感がすごいので、その部分は本当に似合っていました。

ゆるいネタバレありの感想

シン・セギョンさんインスタグラムアカウントより

スロベニアのロケがあったり、前世を描くために朝鮮時代のシーンもあったりと、割とお金がかかってそうな作品でした。

基本的には前世から繋がっているシャロン、スホ、ヘラの3名の愛憎劇が展開されます。
前世とは200年以上前の朝鮮時代。ヘラはシャロンの下女として仕えている身分。
シャロンとスホの結婚が決まりますが、実はスホはヘラの事が好きでした。
そのことに感づいたシャロンは嫉妬の鬼になり、ヘラを殺してしまおうとしますが、スホまで亡くなってしまいます。
絶望したシャロンは命を絶とうとしますが…既に彼女は"鬼”。
不老不死になっていました…。

この関係が現世まで続いていて、シャロンはずーーーっとスホの気持ちをヘラから取り戻すべく、スホに固執
とりあえず200年以上生きていながら、一途にスホ命というのがまずスゴイ執念だと思いました。
そんなに生きているなら、キム・レウォンさんでなくても、他にも良い男性がたくさんいると思うのですが…。

しかし数百年待ってスホに再び出会ったにもかかわらず、現世でもスホとヘラは既に接点があり、親密な関係に。
これに嫉妬し怒ったシャロンは、あの手この手で2人の仲を裂こうとします。
このシャロンがなかなか、観ていて飽きないというか、行動がとにかくマンガ的で良かったです。
このシャロンのマンガ的なキャラはこの作品のファンタジー部分にある意味よく合っていて魅力的だと思いました。

ソ・ジヘさんインスタグラムアカウントより

ですが一方で、個人的にいまひとつのキャラだなあと思ったのが、スホです。
キム・レウォンさんが悪い訳ではないですが、キャラクターの魅力が無いというか、少々ドラマの主人公としては能動的というか…。
かなりのジェントルマンで優しく、配慮もある…男性として最高だと思います。ですが、それだけというか、どこか表面的で深みがあまりなく、端的に言うと平坦でつまらないのですよね…。
感情的にならず、あくまでも大人の雰囲気だという設定が強くあると思います。しかし2人の女性に挟まれてしまうスホですが、本人がとにかくすごい地味…。どこか主張が足りないというか。
ヘラの事を一途に愛しているスホなので、シャロンのアピールを意に介さないスホですが、
そんな彼の態度が今一つ魅力に欠ける…と個人的に感じてしまいました。(キム・レウォンさんの問題では全くなく、脚本的に魅力不足な気がします)

結局このスホのキャラの地味さが尾を引いて、最終回のエンディングでも「はっきりしない」という点でうーんと思ってしまったかなと思います。
最後のストーリー部分が妙に駆け足になったせいもありますが、スホが「君を離さない」だけというか、その部分を引っ張ってただ終わったという感。

最後はスホ自身が不老不死になってしまいます。
(そもそもスホが不老不死になる部分は、正直理屈が理解できませんでしたが。)
対するヘラはどんどん老いてしまいますが、恐らくスホが、今後何年もヘラの生まれ変わりを待つのだろうな…と想像しましたが…。
しかし、老いたヘラとのやりとりを描写するのは少々酷というか、最後に冷めてしまうというか…他に上手い描き方があったような気がします。
ヘラの呪いが一番ある意味恐ろしいのかも…と、制作側の意図とは恐らくと違う怖さを少々感じてしまいました。

ということで、シャロンのお店のミステリアスな雰囲気などは、ダンサーの配役の方までキャスティングして凝っていた部分も多く、またレトロに寄せた衣装も素敵でした。
ですがシャロンに比べてメイン2人が妙に地味というか、特にスホのキャラに少々疑問を感じてしまい、その点を最後まで引きずってしまいました。
飽きずに割と面白く観れたのですが、全体的に感情移入する点がなく、特に後半が少々ご都合主義になっているかなあと思いました。
決して面白くないわけではなく、普通に一気に観てしまいました。ただ、キャラや雰囲気が良かっただけに、味付けが少し勿体ないなと感じたドラマでした。

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