ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ アイランド (感想)

おすすめ度:63%
鬼と神度:100%
済州島の伝説度:100%
原題:아일랜드 / Island (パート1、全6話)

韓国ドラマ アイランド シーズン1 感想レビュー考察

再び出現した混沌を救える者とは…?2022年公開のファンタジーアクションドラマ、パート1。

あらすじ・キャスト

昔、鬼と神が混在する混沌の世界になった時、鎮めようとした伝説が残る済州島
そして現在、その混沌が再び起ころうとしていたのだった。
予兆を感じた司祭のヨハン(チャ・ウヌさん)は、預言書に書かれた女性と男性を探すため島へ向かう。
一方、財閥の一人娘ミホ(イ・ダヒさん)は不祥事で済州島で過ごすことに。そこで謎の男性バン(キム・ナムギルさん)と出会うのだったが…。

感想

パート2(7−12話)の感想はこちら:

(以下はパート1、1−6話の感想)

面白くはありましたが、作品としては何かが欠けているようで、正直なところ微妙に思えました。
CGI(CG)が多く使われているファンタジーアクション系の作品です。
流血やグロテスクな映像はゼロではないですが、ほぼ無いように思えました。
リアリティさよりも、よりファンタジックでアニメやゲームっぽいCGIが採用されているのもあり、かなりマイルドな描写ばかりなので、苦手な方も視聴しやすいように感じます。ちょっとチープさも目につきましたが…。
ドラマのストーリーもコメディにも意外にも寄せたシーンもあり(ただ伝わりにくさと日本語字幕が非常に苦労している感じでシュールな感じもしつつ…)、一応明るい雰囲気をそれなりに持った作品となっています。

出演されている俳優陣はみなさんとても魅力的で、申し分なかったです。
ただ肝心のストーリー展開とキャラ描写が個人的には全くしっくり来ませんでした。
テンポも悪かったように感じました。
シーズン1は全6話と短いものの、開始直後から非常にもっさりしていてインパクトが無く、話の入りとしては正直つまらないと思ってしまいました。(すみません、個人の感想です)
主人公ミホがただ逃げてバンに助けられる、という同じネタの繰り返しばかりで微妙な気持ちになっていましたが、3話あたりからやっとループを脱してようやく話が進み始めます。

韓国ドラマ アイランド 考察批評レビュー感想

このシーズン1だけの印象としては、残念ながら今のところストーリー自体にあまり深みを感じさせられないかなと思います。何だかまとまりがないというか…。
世界が再びカオスに向かいつつある中で、その崩壊を止める力のある者を呼び起こそうとするお話。
しかし本題の「ゴール」に向かう過程、キャラ同士の結びつき、その辺りの描写が妙に薄いというか。一方で外堀の設定描写が多すぎる印象でした。
ストーリーの主軸は理解できます。が、視聴していてバランスが悪く思えて色々バラバラしたドラマだなという印象を受けました。
話自体はとても面白そうですし、実際観ていて興味が湧くのですがエピソード同士の繋がりが宙に浮いているようで(説明しにくいですが)、妙に取ってつけたような感じというか…。違和感を頻繁に覚えました。
シーズン2では、ぜひ盛り返してほしいところです。

当初は主演のキム・ナムギルさん演じる役柄に個人的に大期待していたのですが、想像以上に面白味のないキャラで、残念ながらこのシーズン1では特に私は何も感じることはできませんでした。(ご本人の演技が悪いという意味では勿論ありません、キャラ描写についてです)
ただ!私がかなりの新鮮さを感じたのは、司祭ヨハンを演じたチャ・ウヌさんでしょうか。今までのウヌさんが演じられてきた役とは違い、大変良かったです!!
このヨハンという役は、少しチャラさを持った部分もあるキャラです。これが正統派王子すぎるイメージが強いウヌさんにやや反する役で、それがとても効いていました。
イ・ダヒさん演じるミホとの関係性も年上/年下のわかりやすさがあって、大変良かったと思いました。

この作品もWEBトゥーンを原作としたものですが、私は未読です。
シーズン2となる後半は、2023年2月末頃から公開とのことです。

ゆるいネタバレありの感想

チャ・ウヌさんインスタグラムより

財閥の一人娘のミホ。
彼女が問題を起こし、ほとぼりが冷めるまでチェジュ島の高校でボランティアをする、というところからお話がスタートします。
この済州島には古くから鬼と神の伝説がありました。そして現在、あの昔の出来事が再び「起こりつつある」のでした。
そんな予兆を察して、司祭のヨハンは済州島にやってきます。
世界を混沌から救わなければならない…。
予言書にあった「白い服の女性と黒い服の男性」、その”救世主”がこの危機を救えるよう、助けなければならないという使命でした。

ミホとバン
済州島に来てから、この世のモノとは思えない化け物に何度か襲われるミホ。
恐怖で逃げるばかりですが、謎の黒い服を着たミステリアスな男性にその都度助けられるのでした。
ミホはこの異常に”強い”男性、バンをボディーガードとして雇うことに決めます。
バンはミホと過去に繋がりがあったようで「何も覚えていないのか?」と、ミホに失望します。が、所々でヒントを毎回小出しで教えてくれるバンさん。
さっさと最初からミホに成り行きと過去を全部伝えていれば、もっと話が早いと思うのですが。無駄に寡黙すぎるバンのキャラに若干イラつきつつ…。

ヨハン
イタリアで神父として生きてきた、ヨハンことチャンヒョク
世界が再び混沌に向かいつつあることを知り、予言書の「白い服の女性」=ミホの前世=救世主を守るため、そしてミホの眠っている救世主としての力を覚醒させるためにやってきます。
しかし、彼女の側にはあの危険な黒い服の男、バンがいることに驚きます。
ヨハンはバンがミホを過去のように、”彼女を殺さない”信頼できる人物なのかどうか決めかねているようです。
パート1では、このヨハンこそが最もよく描かれたキャラになっていて、魅力的に思えました。演じたウヌさんにも合っていて楽しめました。

バンとグンタン
彼らは半分人間で半分は鬼という特殊な存在。
大昔、情炎鬼に悩まされていた人々は、2人の子供に鬼の血を入れ彼らを”作り上げた”のでした。そのためかバンとグンタンは死ぬことはなく、現在も生き続けています。
またウォンジョン(ミホの前世)の「約束」を待ち続けていた2人でしたが、「騙された」という強い思いがあるようです。
バンとグンタンは兄弟でしたが、ウォンジョンに対する考え方は現在は全く違っているのでした。

ミホとバンの関係性(不満点)
個人的に最も違和感を覚えたのが、ミホとバンの関係性がいきなり強固になったように感じたところ。
6話ではミホは「私が死んでも構わない、あなたを信じる」とまで発言していて、驚いてしまいました。いつこの2人はここまで強く結びついたのでしょうか?
バンは殆ど無口で彼女とはあまり話しません。ミホは自分がウォンジョンだった、信女(神女?)だったとヨハンやグムから聞いて知るのですが、バンに対しても前世に関しても彼女自身の心情の変化の描写が足りなすぎるように思えました。
過去の2人の間に何かしらの強い関係性を感じますが、記憶が戻っていない彼女の行動としては、急激すぎると思います。
ヨハンとは仲良くなる過程がありますので、2人の関係は不自然ではありません。が、なぜメインとなるバンがこれほど”無”な描写になるのか、物足りなかったです。

ということで、
・なぜ鬼がミホを狙っているのか
・司祭チャ・ウヌさん爆誕
・バン飛びすぎ
・ミホ早く目覚めて
・グンタンの悪の地下組織
以上の5点がパート1、前半のメインプロットだったかなと思いました。
ミホが済州島に行く前のどうでもいい部分に時間を割くよりも、前半として他の重要エピソードにもっと突っ込んで描いてほしかったと思った次第です。
シーズン2ではやっと本題に入るはずですので、今後どうなるのか楽しみです。
今作もそうですが最近のドラマでよく見られる、作品を途中で単純に半分にぶった切って配信する無理矢理の”シーズン制”は、観ていて心底萎えてしまうのでやめて頂きたいと切に願います。

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