ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ となりのMr.パーフェクト (感想)

おすすめ度:50%
お隣さん度:100%
母親うるせえ度:100%
原題:엄마친구아들 / Love Next Door (全16話)

となりのMrパーフェクト感想レビュー考察あらすじネタバレ ネットフリックス

家族のように育った幼馴染。お互いの道を進んでいた2人だったが、34歳になって再会し…?2024年のラブコメ

あらすじ・キャスト

アメリカの誰しもが知る有名企業で働き、親の自慢の娘だったソンニュ(チョン・ソミンさん)は、ある日誰にも告げずに1人韓国の地元に戻ってくる。
ソンニュの両親、そして隣の家に住む幼馴染のスンヒョ(チョン・へインさん)もまた彼女の突然の帰国に驚く。
子供のころから姉弟のように育った2人だったが、顔を合わさない数年の間、お互い色々なことがあった2人。
スンヒョらはソンニュが帰国した理由を不思議に思うが…。

感想

出演者は全員最高
最初から最後まで小骨が喉に引っかかるような話だなあ…という感想でした。
今作主演のチョン・へインさんもチョン・ソミンさんも、そして両親役や会社の同僚役など、とにかく役者さん全員!個人的にも好きな"間違いない”俳優さんばかりが大集結!
その戦闘力(演技力)は100000000....的な感じで全く文句の付け所皆無なキャスティングでした。まさに完璧な布陣!
ですが、肝心のお話がとにかく「う~ん・・・」という感想しかないと言いますか、正直ガッカリしかなくて心の中で毎週泣きました。
寧ろこんな完璧な俳優を揃えておいて何故こうなった??と問いたかったです。(すみません、個人的な感想です。)
ちゃんと毎週視聴していたのですが、観れば観るほど「どうして?」と疑問が強くなるという、とにかく勿体ないドラマでした。

となりのMrパーフェクト 感想レビュー考察あらすじネタバレ ネットフリックス

韓国語のタイトルの直訳は「母の友達の息子」となりますが、そちらの方がドラマの内容に意味合いは近いような気がします。
日本語と英語のタイトルですと、あくまでも恋愛が主軸のように想像してしまいますが、蓋を開けてみると序盤の時点で既にそうではない雰囲気だ、ということがわかります。
ただ、私はそもそも完全なラブストーリーを期待していた訳ではなかったので(家族周辺のキャスティングの顔ぶれを見ると自然と想像がつくというか…)その点に失望した訳では決してありません。
寧ろ別にラブストーリーメインでなくても良かったです、この完璧な顔ぶれならば…。
そんなことより私が個人的に最もガッカリしたのは、ドラマ内で発生する「イベント事」の数々、これらが各話の山場となって物語が語られる訳ですが、それらのネタが全くお話の中で”機能”していないことです。
単なる事件だけのようにやり過ごされ、過去はさっさと忘れられ(?)、その後のキャラの成長や考え方のフックに全くなっている様子が無かったことです。全16話で各話もそれなりに尺を取っていたのに…。
これには本当にガッカリしましたし、ゆえに心に響くものが正直皆無でした。
どんなドラマのキャラにも嫌なところも好きなところも出てくるものです。
通常全話を通すと彼らの考え方や性格そのものを理解したり、彼らの心情の変化を見て、その上でまたドラマそのものを理解するということが観ていて多々あると思います。
今作ではそのような部分を十分期待できるキャスティングと16話構成だったにも関わらず、本当になかった。ゼロ。
そこが私が最もどうなのかな、と思った部分でした。(後述します)

ただ役者さんはその時与えられたミッションを完璧にこなしていて、演技については本当に本当に!申し分なかった。
だからこそ、観ていて首をかしげる感じに常になってしまいました。どうしてこんな物語の紡ぎ方にしたのだろうというか。
素人のクセに偉そうで申し訳ないですが、そんな残念な気持ちになりました。
ということで申し訳ないですが、ネガティブ気味な感想になっています。

ゆるいネタバレありの感想

となりのMrパーフェクト 感想レビュー考察あらすじネタバレ ネットフリックス
となりのミスターパーフェクト感想考察レビューあらすじ

スンヒョとソンニュ。彼らは4歳のころから一緒に育血、お互いを家族のようによく知る同級生です。
そして34歳になった彼ら。
スンヒョは若手建築家として注目を浴びています。新しい事務所も立ち上げ、まさに順風満帆。
一方のソンニュもアメリカで誰もが知る世界的企業で働き、弁護士と結婚間近とのこと。
2人とも別々の道ながら、互いに順調なキャリアを築いているようです。親たちも彼らの自慢話ばかりでお互い忙しそう。
しかしそんな頃、ソンニュは家族にも告げずアメリカから1人帰国。
突然の彼女の帰国…。
そして続けて明かされる、婚約破棄と退職話。
ソンニュの母ミスクはこれに怒り狂い、ソンニュを激しく攻撃・問い詰めます。
娘はアメリカのエリート&エリート弁護士と結婚という自慢のネタが、母ミスクの中から消え去ってしまった瞬間なのでした。
スンヒョはソンニュの態度から何かを察したのか、彼女に理由を聞こうとはしません。
ソンニュは怒った母親とは冷戦状態のまま、のらりくらりと過ごしているよう。
そんな”ダラダラ”した彼女に、また母親がキレ散らかすという悪夢の日々が続きます。

元カノ&元婚約者登場
34歳になった今も、思春期の頃から一切変化のない様子のスンヒョとソンニュ。
ですが、ここに来てスンヒョ君の元カノが登場。
演じられているのがソ・ジヘさんでしたので、嵐があるかと若干のワクワク感があったのですが、普通にさっさと消えて行ってしまいました。
そして、この後満を持してアメリカからソンニュの元婚約者が登場です。この婚約者の描き方が本当に謎で、モヤモヤしてしまいました。
とはいえ、この婚約者の出現でスンヒョもソンニュへの気持ちを強く意識させる起爆剤にはなっていたとは思います。
スンヒョはソンニュに長年の気持ちを遂にハッキリと言葉で伝えますが、ソンニュは彼を拒否。一体どうして…。

明かされるソンニュの過去
彼女がアメリカでどのように過ごし、どんな思いで故郷に戻ってきたのか次第に明らかに。
実はソンニュはアメリカで胃がんになり、胃の7割を切除するという手術と治療を受けていたのでした。韓国にいる家族には知らせないと決めていたソンニュ。
婚約者だったヒョンジュンも献身的に彼女を支えましたが、病気から復帰した職場でも複雑で孤独な状況下に置かれたソンニュ。
ついにはヒョンジュンとの仲も上手くいかなくなってしまうのでした。
こうして全てに疲弊したソンニュ、誰にも本当のことが言えずに1人韓国に帰って来たのでした。

気になった点

隣のMrパーフェクト 感想レビュー考察あらすじネタバレ ネットフリックス
となりのミスターパーフェクト感想レビュー考察あらすじネタバレ ネットフリックス

気になった点をネガティブ多めで書きますが(すみません)、全て作品のキャラについてで演じた役者さん本人に対するものではありません。
2人の幼稚さ
最初の頃は、ソンニュが久し振りにスンヒョと顔を合わせて、気恥ずかしさもあってこのような子供っぽい態度を取っているのかと思っていましたが、ずっと同じ調子だったのでかなり微妙な気持ちになりました。
34歳だから大人っぽくしろというよりは、あまりにも一本調子すぎないでしょうか。
しかも今回は2人とも過去に恋愛した経験がなく~というお決まり設定の訳でもなかったので、余計にだったら"それなりに”態度に変化として示してもよかったのでは、ガッカリしました。
いくらへインさんの半裸シーンを入れたとしても、最後までトムとジェリーやってる場合じゃねーよ、と思いました。

病気の描き方
ソンニュの隠していた過去が、ガンと鬱だったわけです。
理由が明らかになって、母親の彼女に対する態度が180度変わるわけですが(理解はできはしますが)、親子間の問題、ソンニュとスンヒョにあった壁が涙と共に「私たちも悪かった」と一気に解決した、という流れはちょっとストーリーとして安易すぎないか?と疑問に感じました。
また帰国後のソンニュからは殆ど過去の病を引きずるようなシーンもなく、正直違和感を覚えました。
別に病気パートを長く続けて欲しいというわけではありませんが、かなりの山場でもあったので、この設定を採用したからにはしっかり踏まえて欲しいです。
スンヒョ母のアルツハイマー疑惑についてもそうですが、ストーリー上の問題解決のきっかけ「だけ」の理由で病気ネタを何度も使うというのはどうかと思った次第です。

となりのMrパーフェクト 感想レビュー考察あらすじネタバレ ネットフリックス

母ミスクのコンプレックス
終盤にソンニュがスンヒョと結婚を考えていると告げた時に、母ミスクが「過去を知られすぎている」と反対します。
この期に及んで、まだ人間関係の上下や勝ち負けに拘っている点に半ば呆れてしまいました。
というか、どうしてこの母ミスクの異常なコンプレックスを今作では最後まで突き詰めて問題を解消してあげなかったのかと残念に思えました。
元々この彼女の他人と比較することばかりの考え方によって、家族全員が毒されて被害者になってきていた面も大きかったはず。ソンニュが病気のことを打ち明けられなかったのも、この母の存在が影響したと容易に想像がつきます。
このような根本的な地雷問題に目を向けずに、今作ではその場のただの感情的な流れでもめ事が終わり、話がとりあえず進んでいることが多く私はあまり好きではありませんでした。

元婚約者の描き方
ストーカーのようにいきなり登場し、周囲をウロつくソンニュの元婚約者。
私も「コイツは何…」と最初は思っていたのですが、色々考えると彼は結構可哀想な立ち回りで、別に大して悪い訳でもないのではないかと思えました。
闘病中もソンニュを支え、彼女が沈んでいた時も大半は側にいた彼。
彼女の気分が沈んでどうしようもない時、その近くにいる人が「本来は」どのような行動を取るべきだったか?、彼女は本当は彼にどうして欲しかったのか?
そのあたりの心情が一切描かれていないため、正解が不明すぎました。
エピソードでは、彼女が辛い時男はパーティに行っていた!許さない!という感じだけですよね。
そのため、単に「男が彼女を見捨てた」のように描かれていたのはフェアじゃないです。
また彼は己の態度を彼女に謝罪し復縁を乞いましたが、その行為自体はストーカー的でもなく普通に考えられる行動でもあります。
ただ妙に「しつこい元婚約者」的な部分が強めな描写で、視聴していると私も当初そのように感じてしまっていたのですが…。
このあたりも、妙に都合よく使われた表面的なキャラ描写と過去設定だなと思いました。

ネトフリ 韓国ドラマ 隣のMrパーフェクト 感想レビュー考察あらすじネタバレ ネットフリックス

暴力的な描写が多すぎる
特に母ミスクと娘ソンニュが目立ちましたが、すぐ手が出るキャラ設定は本当にどうにかならなかったのでしょうか?
母親がソンニュの帰国理由を知って、怒りに任せてネギでスンヒョらを叩きまくったシーンがありましたが、率直に言ってウンザリしました。
ソンニュも何かにつけて、(特に)弟を蹴ったり叩いたりしていた描写がありました。
もしこれが父や弟がこの態度を異性に対してドラマ内でしていたら、普通に暴力的だと即刻判断されるでしょうし、色々なんだかなあと萎えてしまいました。
また母親がドラムに怒りをぶつけるというオモシロ設定もありましたが、実際人を叩いているのですから、その後にドラムを叩いたとしてもまるで面白さはなかったです。
それなら、暴力を振るうのではなく、即ドラムにするべきですよね?
ソンニュについては、34歳でもまだ子供っぽさと短気さがまだ残る設定、または母親に似ているという(ある意味)ユーモラスさを狙った設定なのかもしれませんが、こんな面倒な”クセ”を2024年作品に加えるメリットが一体どこにあるのか…。

誰も話を聞かない
今作では、どいつもこいつも全く相手の話を聞かず、ほぼ全て独りよがりルートでストーリーが自動で進んでいることに驚愕しました。
ごく一例として:
(ソンニュ)辛いのに誰にも知られたくない→スンヒョが無視する!(怒)
(スンヒョ)告白の返事の期限は牛乳の賞味期限!!!(確定事項)
(スンヒョ)アメリカの学校になぜ行く必要が?(圧)
(ソンニュ父)店は改装してソンニュにサプライズで店やらせる!(決定)
(ソンニュ母)全16話常にうるせえ
(モウム)お母さんになってもいい?(圧)→南極行ってくるね(子供の気持ちとは)
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ということで、色々気になる点は他にありつつ、(何だか文句ばかりですみません)とりあえず個人的に好きな俳優さんばかりが出演していたので、色々悔しい(?)というか、とにかく勿体ないというか。俳優陣は大満足でしたが…。
ただただ、もっと深みのあるストーリーだったらよかったのにな…と相当渋い気持ちで視聴を終えました。

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