ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ The 8 Show ~極限のマネーショー~ 感想

おすすめ度:60%
8人度:100%
8階度:100%
原題:더 에이트 쇼 / The 8 Show (全8話)

The 8 Show レビュー感想考察あらすじネタバレ Netflix 韓国ドラマ

時間を過ごすだけで賞金が簡単に手に入る、がしかし…?2024年のダークコメディ/サイコスリラー。

あらすじ・キャスト

借金に苦しむジンス(リュ・ジュンヨルさん)。彼が死のうとしたまさにその時、謎のメッセージを受け取る。
時間を買う…、そのルールに合意し集まった様々な背景を持つジンス以外の7人(チョン・ウヒさん、パク・へジュンさん、パク・ジョンミンさん、イ・ヨルムさん、ペ・ソンヒさん、イ・ジュヨンさん、ムン・ジョンヒさん)は、時間と金に翻弄されることになるが…。

感想

密室に閉じ込められた8人が、はっきりしないルールに縛られ身体的にも精神的にも消耗しながら、金のために過ごすという”ショー”を描いた作品です。
同じNetflix作品ですと、『イカゲーム』のような雰囲気が少しあるかもしれません。個人的にスタンフォード監獄実験*参照:Wikipediaを考えたりもしました。
今作はシーンの面白さというよりは、8人のキャラクターの個々の考え方や行動、彼らの個性に強く焦点を当てて描かれたドラマです。
そのため当然ながら8人を演じる役者さんの表現力が大きく必要になるドラマですが、その点は十分すぎるほど満点だったと思います。
主にリュ・ジュンヨルさん演じる男がメインになってのカメラシーンが続きますが、ジュンヨルさんもそうですが、チョン・ウヒさんも素晴らしく、どの役者さんもその時々で必要とされる表情の作り方が上手くてとても良かったです。

ドラマの内容ですが、ミニマムな空間の中での”8人”のやりとりが続きますので、観ている者の想像内の枠を飛び出さないというか、驚きや真新しさは皆無でした。この点はかなり残念に私は感じたところです。
またご想像の通り途中から8人の中で人間関係がこじれて来ますが、展開がどれもこれも想像の範疇を超えず、面白くはありましたが繰り返し感が否めなくて結局強い変化が無く観ていて途中ダレては来ました。
コンセプトとして”絶対8話にするべき”構成だったのでしょうが、全5話ぐらいの内容だったかなとは感じました。
同じようなテンポでストーリー8話が続き、そして終わりますが、視聴していて”人生の皮肉さ”以外の何も感じることがなかったので、「おう・・・」という感じで地味に終わった作品です。
あまり大した感想が特に思い浮かばないというか…。
正直なところ視聴後スッキリしたりするようなドラマでもありません。

The 8 Show レビュー感想考察あらすじネタバレ

個人的に好きな俳優さんであるリュ・ジュンヨルさんとパク・ジョンミンさんの2人の演技と共演が楽しみでとても待っていた作品だったのもあり、一気に視聴しました。
ドラマとして総合的には私はそれなりに楽しめましたが、とはいえ強い特徴もなく面白い作品!とは思いはしませんでした(すみません、個人的な感想です)
好き嫌いが分かれるドラマかもしれません…。ちなみに今作も例に漏れずウェブトゥーンが原作です。

このドラマでは露骨な性的なシーンはありませんが、そんな事よりも(?)、今作では人間の排泄に関するネタと描写が異常に多く使われている点に、私はちょっとウンザリしました。
ツッコミどころがあるくせに、本当に多すぎ。
ジャンルとしてはブラックコメディ色が強いかもしれませんが、それなりにショックな表現は多々あります。
ちょっと不安になってくるようなシーンもありもしましたので、繊細な方は注意された方が良いと思います。

ゆるいネタバレありの感想

The 8 Show レビュー感想考察あらすじネタバレ
The 8 Show ~極限のマネーショー~ 韓国ドラマ ネトフリ 感想考察

30代のジンス。投資詐欺にあって多額の借金を抱えた彼は、借金返済への道のりを考えると絶望しかありません。
今の自分では到底返せない額…彼はついに川に飛び込もうとします。
ですがその時、謎のメッセージがスマホに。
「あなたが放棄した時間を買わせて下さい」
ちょうど彼の元にやってきたリムジンに誘われるように乗り込んだジンスは、そのまま謎の「劇場」に到着。
場の雰囲気に胡散臭さを覚えながらも、一度は捨てようとした自分の命と借金を考えます。
彼は「3番」のカードを選択して、この”ゲーム”に参加することを決めるのでした。

ゲームの始まり
会場は、8階建の建物に中央に広場のようなレクリエーション用と見られる広場があります。
ジンスは選んだカード3が3階を示すとして、3階の部屋に入室。そのままガイドの通りに用意された衣服に着替えるのでした。
ここで彼は、時間の経過と共に何もしなくても自分の持ち金が増加していることに気付きご満悦。
しかしトイレすら無い部屋…必要な物は外界とは全く異なった値段で買うしかなく、しっかりと損得を考えなければならないようです。

参加者8人
最初に用意されていたカードの枚数と部屋の数の通り、8人がこの場所に存在することを認識。
個性がそれぞれ異なる8人。
最初はお互い節度を保って接していた8人でしたが、各部屋のお金の増加額の条件や食べ物と水の支給制度などが8階の部屋をトップとして全て仕組まれていることに気づいて以降、彼らの中のパワーバランスが崩れていきます。
また広場に用意された彼らの”残り滞在時間”が増える条件(お金を稼ぎたいなら長く滞在する必要があります)など、新たなルールの発見により人間関係が更に変わってくるのでした。

今までと変わらない
8階の部屋の条件が最も良かったことにより、結局この小さな8人の世界でも今までの”社会”と同じ構図を辿っていることにやっと気づく3階(ジンス)ら。
富む者とそうで無い者…超えられない壁…これが資本主義。
皮肉なことに、”下階”の住民たちはいくら寝ているだけでお金が入ったとしても、上の階の者との差は埋まることはありません。彼らに使われるだけ。
今までの生活に感じた苦しみとまるでここも同じ、それを痛感したのでした。

気になった点

The 8 Show ~極限のマネーショー~ 感想 考察 レビュー
The 8 Show レビュー感想考察あらすじネタバレ ネトフリ

・トイレ問題
この手のドラマは、(しょうがないですが)「なぜ〜しないのか」と視聴者は思ってしまいがちだと思います。実際私も何度も色々思いました。
私が最も理解できなかった点は、トイレです。
今作で各々のトイレ問題が1つの大きなエピソードになっていますが、どうして広場に共用のトイレを作らないのか理解不能でした。
広場はそれなりに大きな場所でしたし、使われない無駄な遊具なども多く配置されていますので、死角もあります。
ポータブルトイレは既に部屋に買っていた住民がいました。
衝立を買ったり、大きさ的に無理としても普通にダンボールなどは発注できていましたので、それで目隠しすれば良いのでは…。
ゴミも共用場所に捨てた方が合理的だと思いましたが。
他にも食べ物の問題が発生した時、アルコールを醸造できるのであれば土と種を買って発芽が早そうな植物を育てるとか、犬を飼えていたので鶏を飼うとかツッコミたいところは多々ありました。
・エンディング
このショーは社会の縮図というのがテーマで、皮肉さを強く含んだものなのは理解できますが、観ていてやはりどこかで「一矢報いる」シーンが来ないかなとどうしても待ってしまっていました。
これは恐らく敢えて現実的な皮肉さを持って避けたシーンでしょうし、そんなドラマチックなことが起こらないというのが今作だと思います。
とはいえ、このあたりが何か観ていてスッと胸に”落ちてくるもの”がこのドラマには無い点でもあるかと個人的には思いました。
シーズン2の可能性も考えられる終わり方でしたが、あるとしても全く違うキャストになるはずです。(個人的には2は無いと思いますが)

ということで面白くもあったのですが、一方でどこか醒めたような、何だか気分を害するような(?)気持ちにさせるような不思議なドラマだったなあと感じました。
会話劇のような箇所も多く、私は主に俳優さんの演技などが上手いなと思って視聴していました。
どこかコミカルでやや大袈裟に、それでいて自然な感じで演じる微妙なラインの演出を保っていたと見れましたので、皆さん上手いな〜!と驚くばかりでした。
このような作品は合う人はしっかりハマると思いますので、他者の感想に左右されず気になった方は是非一度観て頂きたいと思います。

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