ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 時間回廊の殺人 (感想)

おすすめ度:68%
いわくつきの家度:100%
謎の扉度:100%
原題:시간위의 집 100分

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何者かの気配がする家の謎とは?2017年公開のホラー/サスペンス映画。

 あらすじ・キャスト

周囲から離れた、静かな場所に佇む住宅。この家である夜、殺人事件が発生する。
夫と息子を殺した容疑で逮捕された、妻であり母のミヒ(キム・ユンジンさん)。
仮釈放されたミヒは、25年前の当時のまま残っていた家に戻る。しかし、家の中で当時と同じように不可解な出来事を感じとる。
そんなある日、チェ神父(オク・テギョンさん)が仮釈放者のミヒを訪ねるが…。

感想

ホラー寄りのサスペンス系映画です。
完全なホラーではないですが、お化け屋敷的なシーンが特に前半ありました。
なるほど!と思わせる面白さがある作品でした。
この手の作品は全てそうですが、事前情報ナシで視聴された方が絶対に面白いです。
ベネズエラ映画の『マザーハウス』という作品のリメイクとのことですが、
私は元ネタの映画は未視聴です。

夫と息子を殺したとして逮捕された妻のミヒが、25年後に仮釈放され、再び事故現場であった彼女の家に戻ります。
息子は事件の日以来、ずっと行方不明のままですが、殺人されたと思われています。
あの日のまま、時が止まってしまったような古ぼけた家…。ミヒはあたりを見回し、過去を思い出します。
そう、この家は何も”変わっていなかった”のでした。

ネタバレありの感想

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殺人容疑で逮捕されたミヒ、事故現場でもあるいわくつきの家に戻ります。
縁起が悪いと人々は寄り付かない状態になっていました。
事件当日の記憶がフラッシュバックのように描かれていきます。

ミヒは病死した元夫との間に病弱な長男、再婚した現夫との間に次男がいます。この再婚相手の男性が、なかなかの問題ある男性。酒癖が悪く暴力的です。ことあるごとに自分とは血の繋がりのない長男に難癖をつけたりもします。
そんなある日、次男が事故で死亡。これがきっかけとなり夫がますます激しく長男と妻のミヒをなじり、冒頭の事件が起きます。

そして、どのようにして”事件”が発生したのかが、明らかになっていきます。
テギョンさんが演じるチェ神父が、福祉協会から派遣されてミヒを訪れますが、事件についてとても興味があり、ミヒの証言を元にあの家について調べ始めます。

すると、古くは1942年、1967年、1992年と25年ごとに謎の失踪事件が発生していることが判明。
加えて11月11日には過去と現在の時が混ざるという、タイムパラドックスが発生。
そう、あの事件の起こった日に消えてしまった長男は、この時空の中に取り込まれて生き続けていたのでした。
そして、暴力夫を殺した犯人は、なんと未来のミヒ。
タイトル通り、ぐるぐると現在と未来が交差し、影響し合っているのでした。このあたりはなるほど…と納得しました。

が、一瞬納得したものの、良く考えると少々謎が残ります。
現在軸とゆがんだ時空が交差するのが1年に1度の設定の割に、常にあの家には”何者か”がウロウロしていました。このあたりが良くわかりません。
時空間の者同士での交差、という意味もあると思いますが、でしたらもっと早く長男があの家に出てきてもおかしくないと思います。

ミヒはその時間の交差についての説明を時空間で生きながら年老いた長男から聞き、再びあの”事件の日”に戻ります。
そう、このタイムパラドックスを使って、あの日の幼い長男を現在軸に戻し、病気の治療をチェ神父に頼んで受けさせる…、という愛情に訴えたエンディングで幕を閉じました。

この最後もなるほど…と思って視聴していたのですが、この手が使えるならば過去の1942年、1967年の事件も何等かの手法で当事者たちが解決しているはずでは?!(時空間の人間もちゃんと自我がある訳ですし…)
つまり、あの家に固執している”幽霊たち”は事が解決して、消えていても良さそうな訳で…。

何となく雰囲気に押されて「なるほど、よかったね」という最後になっていた作品でしたが、エンドロール中に考え込んでしまい、結論、よくわかんねえな…という印象ばかりが強くなってしまったお話でした。あと、途中で気付くのですが、タイトルがネタバレすぎました。
面白くはあったのですが、終盤の「親の愛」的な雰囲気でそのまま強く押し切ったなと思ってしまい、イマイチすっきりとしないストーリーでした。

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