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韓国ドラマ ソンサン 弔いの丘 (感想)

おすすめ度:75%
土地相続度:100%
父の記憶度:100%
原題:선산 / The Bequeathed (全6話)

ソンサン-弔いの丘感想レビュー考察ネタバレ

存在を忘れていた叔父の死と相続した土地…次々と起こる事件との関係性とは。2024年のダークヒューマンスリラー。

あらすじ・キャスト

大学の講師のソハ(キム・ヒョンジュさん)はある日、覚えもない叔父の死の連絡を受ける。
叔父が持っていた広大な土地を相続することになったソハだったが、彼女の弟を名乗るヨンホ(リュ・ギョンスさん)が出現し、ソハは怯える。
そんな時事件が発生し、警察のソンジュン(パク・ヒスンさん)らが操作を進めるが…。

感想

全6話でまとまりの良いヒューマン系ダークスリラーで、面白かったです。
テーマ的にも画面的にも暗いドラマですが、芯はしっかりあるドラマだと思いました。
それほど”怖さ”レベルは高くなく、かなりマイルドな描写だったと感じました。(感じ方は個人差がありますが…)
個人的に好きな俳優のリュ・ギョンスさんが出演されていると知ってから非常に楽しみに待っていましたので、リリースされて一気に視聴しました。ちなみにギョンスさん含め、俳優陣の演技は素晴らしかったです!
ヨン・サンホさん監督作品で、最初から興味を大きく誘うスタートを切る展開はさすがだなあと素人目にも強く感じました。
また物語が始まりから持っていた独特の奇妙な空気感は、最後まで失われていません。
内容ですが、警察からある日突然、叔父の死を告げられた女性が主人公です。
急に彼女が相続することとなった、叔父の所有していた田舎の土地。そんな彼女の周囲に群がる不穏な人々。
そして続けて起こる不気味な死…その謎とは?と、そんなストーリーとなります。

今作では最終回で明かされる物語の背景が非常に強い「オチ」となりますので、未視聴の方はネタバレを見ずに視聴して頂ければと思います。
私がちょっと残念に感じた点としては、その「背景」が明らかになる流れです。緊張感があり、引っ張ったその結末が割とあっけない明かされ方になった点。
また不気味でオカルトっぽい雰囲気を強く醸し出してはいますが、そこまで強く作品の中で効いていないというか…。
結局のところ、個人的にはこのオチがかなりシンプルなものだったなとは感じました。
もちろん悪いわけではないですが、少々拍子抜けという気も。
総合的には私は面白い作品だったと思いますし、キャスティングも大変良かったですし、オチとなる”何か”が判明するまでとても集中して視聴できました。
ただ背景が判明して以降、ちょっと今作の”おもしろさ”の輝きが失せたようだったというか、簡単に流れてしまったようにも感じました。(変な説明ですみません)
もう少しあとを引くような怖さを私が期待していたせいなのかもしれませんが…。

ちなみに今作はWEBトゥーンが原作ということです。(私は未読です)
また続編のムードはなく、しっかり終了しています。
気になった方は全6話というサイズなので、是非視聴して頂ければと思います。

ゆるいネタバレありの感想

ソンサン弔いの丘レビューあらすじネタバレ感想 ネットフリックス

大学講師のソハ。師事する教授らとも馬が合わず、働いています。
そして私生活では、夫の浮気を”何でも屋”を使って調べている状況。
彼女の現在は、公私ともあまり順調とは言えないよう。
そんな頃、突然警察から連絡を受けたソハ。なんでも”心当たりのない”叔父ミョンギルが亡くなったというのです。
ソハ以外に親族がいない叔父…、急に相続することになったチンソンの土地。困惑するソハ。
普段は妻に興味のなさそうな夫も、土地の相続と聞いてなぜかノリ気な様子。
しかし土地の話が出てから、彼女の元に次々とよくわからない人たちが近づいて来るのでした。
一方、ミョンギルの亡くなり方が不自然な毒死だったこともあり、刑事ソンジュンらは捜査のため動きます。

謎の弟
貼り付いた笑顔を持つ村長のアレンジで、叔父の住んでいたチンソン村で葬儀をすることに。
しかしその葬儀が妙なお祭りムードだったのもあり、ソハや刑事ソンジュンは違和感を覚えます。
そんな時、ソハの元に異様な雰囲気の男性が近づいて来るのでした。
その男とはキム・ヨンホ、何とソハの”腹違い”の弟だというのです。
「土地を相続する権利が自分にもある」と強く主張するヨンホに、ソハは言いようのない恐ろしさを感じるのでした。

事件の発生
浮気などで怒りが頂点達したソハは、夫と口論に。
しかし、なんとその後に夫は何者かに銃殺されてしまいます。
ソハはあの”弟”のヨンホをすぐに疑いますが、警察の捜査は進展しません。
次は自分が狙われるのでは?、ソハは恐怖もあって例の便利屋にそそのかされるまま、独自にヨンホの動きを探ろうとします。
便利屋はソハに協力しその見返りとして、ソハの相続する土地の代金をビルのオーナーと結託して狙っていたのです。
しかし、その便利屋も何者かの手にかかってしまいます。

封印していた記憶
度々フラッシュバックするソハの過去の記憶。
7歳の頃に自分と母を捨て出て行った父ミョンホ。土地を受け継いだ父の弟ミョンギル。ソハの父ミョンホを奪った息子ヨンホ。
そして父は”正気を失っていた”…?
交差するソハの苦い記憶が、現在も彼女を呪いのように苦しめます。

気になった点
・根本的には「家族」について、一石を投じたようなストーリー軸になっています。
登場人物たちが持つ漏れなく崩壊した”健全”な構成の家族。
一方で社会的な概念から大きく歪みながらも”幸せ”だった家族…。
家族とは一体何か?
とはいえ、ここにオカルトっぽさを匂わせのように入れたのは、少々見掛け倒しのようで、個人的にはこの要素にもう少ししっかりした肉付けが欲しかったので残念でした。
巫女の「子供を利用してこの世界に入ろうとしている」というセリフで、怖さを興味を更に引き立てられたものの、結局ほとんど関係ない感じだったので…。
この「世界」というのもいわば”ファミリー”だったわけで、その線とまた結びつくのかと考えましたが、そういう訳でもなく…。
ちょっと設定的に色々とこの点は私は残念に感じました。

・ソハ父の家族関係が、大きなオチになっていました。
ですが、これが明らかになるシーンが私は正直かなりガッカリさせられました。
ここまで上手いテンションで引っ張って来て、ぼんやりと「もしかして…?」という物語の山場なわけです。
その重要シーンが、ソンジュンらの事件関係者への聞き込みで単なる一連のセリフで一気に明らかになる描写。
これはあまりにも呆気ないというか…。申し訳ないですが、その後の流れもちょっと雑だなと思ってしまいました。
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ということで、当初の想像以上にヒューマンドラマっぽい終わり方でした。
総合的には私は楽しんで視聴しましたが、もう少し強いパンチを心のどこかで今作に期待してはいましたので、何となく「おう…」という感じで視聴を終えました。
とはいえ、起承転結がしっかりあって(万人受けはしないかと思いますが)観やすい作品だったと思います。
機会がありましたら、チェックして頂ければと思います。

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