ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 猟奇的な彼女 (感想)

おすすめ度:67%
宮廷ラブコメ度:100%
前半後半度:100%
原題:엽기적인 그녀 全25話(Netflix版)

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最悪の出会いをした2人だったが、彼女は探している人がいたのだった…。2017年放送の映画原作のドラマ。

あらすじ・キャスト

留学から帰ったばかりの官僚の息子キョン・ウ(チュウォンさん)は、ある夜1人の女性に出会う。彼女の名はヘミョン(オ・ヨンソさん)。
そんな彼女はひどく泥酔していたため、介抱しようとするキョン・ウだったが、ヘミョンはそんな彼に襲われたと勘違いし怒ってしまう。
最悪な出会いをした2人だったが…。

感想

気楽に視聴できるドラマで良かったです!
まずダントツの長所として、今作は宮廷モノのラブストーリーですが、驚くほど視聴しやすいストーリー展開のドラマでした。
また歴史物あるあるの、見分けがつきにくい宮廷に存在する爺たちですが、”悪者”意外は特段登場しないため、めんどくせえ権力争いや陰謀の話を極力割いてあるのも大変良かったです。
そのためリラックスして、宮廷ラブコメとして気軽に楽しめるタイプのドラマになっていて有り難かった。
ただ、その反面として宮廷モノとしては重厚感が一切なく、キャラの掘り下げやラブストーリーとしてもパンチも弱いかなという印象があったので、つまらないと思われる方もいるかなと思います。
個人的にはかなり気楽に視聴できたので十分楽しめたのですが、ラブストーリーとして考えると緩急や波がちょっと物足りないという気持ちにはなりました。

タイトルから2001年の韓国映画猟奇的な彼女』がオリジナルとしたドラマだと解りますが、正直なところ原作映画からはアイデア程度をリメイクしたぐらいかな…という感じで、序盤以外はそこまで強く原作を感じさせない作りになっている印象を受けました。
私は原作は視聴済みですが、特に観ていても観ていなくても殆ど関係ないというか(すみません…)別作品として考えても良いかなという気がしました。ただこのドラマも映画にそこまで強く干渉していないのは逆に賢いなと思います。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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チュオンさんインスタグラムより

清の国へ留学していたキョン・ウは帰国。息子溺愛の母親や妹に迎えられたキョン・ウは、既に周囲からも噂で注目の的のよう。
久しぶりに友人たちに会った夜、キョン・ウはお酒に酔ったある女性に出会います。原作ではしっかりと描写されていて目を背けてしまった例の吐瀉シーンも、アイデンティティのようにしっかり踏襲しており、さすが(?)だなと思ってしまいました。(ただしずっとマイルドな描写だったので有り難かったですが)
この時代にそんな場所あるのかと疑問に思いはしましたが、しょうがなくキョン・ウは泥酔したその彼女を”そのような宿”で一旦休ませることに。しかしこれが予想通り元凶に。
しばらくして目を覚ました女性は、キョン・ウを犯罪者として扱います。後に誤解として解放されたキョン・ウさんですが、親切を踏み躙られ彼女への怒りは残ったまま。そんな最悪の出会いをした2人です。

一方のあの泥酔していた女性…彼女は実は王女へミョンでした。そんなへミョンさんですが、大切にしていた指輪をあの夜から紛失していることに気が付きます。あの男性が指輪を持っているのではと思い、再びキョン・ウを探し出すことを決意。
王女ということもあってか意志が強く即行動に移すタイプのへミョン、キョン・ウが女性とデート中でも問答無用で邪魔をして、指輪について問い詰める始末。そんなキョン・ウと彼の周囲は、へミョンのことを正体不明の執着女だと噂し始めます。
と、このように典型的なスタイルで最悪の出会い→敵として2人の犬猿の仲は進みます。

「猟奇的な」彼女を表現するべくへミョン王女もガサツ・暴力的な振る舞いをしてはいますが、時代背景もあってかそこまで猟奇的ではないかなとは思います。ただへミョンが王女だという圧倒的な立場なのもあって、ある意味どんなワガママな立ち振る舞いも許されるという設定は上手いなと思いました。気が強い雰囲気の王女をオ・ヨンソさんの雰囲気が抜群に合っていて良かった!
原作ではチャ・テヒョンさん演じるキョヌ(なぜか映画版は名前表記は違いますがドラマ版キョン・ウと同じ名前)はもう少し尻に敷かれるタイプ演出で、より彼女の”猟奇的”さが目立つようにされていたものの、今作ではキョン・ウさんはそこまで弱腰タイプではないのは異なる点と思います。(原作だからと比べる必要もないと思いますが)

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このドラマですが、前半・後半と印象が結構違うなと思ったのですが、特に前半はこのキョン・ウとへミョンのドタバタした漫画的なラブコメが続き、とても好印象でした。
キョン・ウのことが大好きなダヨンが、クラシックスタイルなライバルの立ち位置と態度で存在するのも非常に良いなあと思いました。
前半のピークかと思われるへミョンと清の皇子との縁談エピソードも、良いイベントだなと思って視聴していたのですが、へミョンとキョン・ウの気持ちが通じ合ってからが少し湿っぽくなったかなと思います。後半にしたがってその楽しさが色褪せた感じになってしまったのは残念でした。
比較する必要はないと書いたものの、原作はラブストーリーだけではない点が面白さとしてあったかなと思うのですが、今作は正直結構な直球ラブストーリーとして成立させるしかない話の展開になっていました。そのため、どうしても2人の関係に注目せざる得ないのですがへミョンとキョン・ウがお互いの想い合っていることが判明した後も、もう少し2人の関係性に波乱が欲しかったところ…。
キョン・ウ大好きダヨンと、王女に仕えるジュニョン(イ・ジョンシンさん/CNBLUE)という適材の人材が存在したにも関わらず、あまり彼らの役割がカップルに対して持てていない点が一番もったいなかった点だったなと思いました。特にジュニョンはもう少し活躍の場があってもよかったような。
へミョンとキョン・ウの仲が強固すぎて面白みがあまりなく、カップルになってしまった後のエピソードが全てへミョン母の行方のみにフォーカスされていたのも、正直話の広がりを感じず、また結末がわかりすぎていてダレるかなとは思います。へミョン母を追放したのも幼かったキョン・ウが原因!というような流れもわかるけれど、こじつけのような気もしつつ…。
最終的には2人うまくいって良かったですね、というお話でしたが、最後に詰め込みすぎてこのハッピー部分にもう少し尺を割いた方が良かったのではとは素人ながらに思ってしまいました。

総合的にはあまり色々考えずに視聴できるタイプのドラマで、テンポもそれほど悪くなく私は楽しく視聴しました。
かなりの脇役としてキョン・ウ大好きダヨンの取り巻き女性の1人にコ・ミンシさんがいたり、キョン・ウを嫌うライバルのチャンフィの部下の1人にパク・サンナムさんを発見したりと、2017年の作品ならでは(?)の発見があったりで、そういう点でも興味深かったです。どの俳優さんも駆け出しの頃があるんだなと思った次第です。

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